民事裁判の記録(国賠)・自衛隊車とバイクの交通事故の民事裁判

1・訟務検事の証拠資料のねつ造など不法な弁論。
2・玖珠署の違法な交通犯罪の捜査,虚偽の実況見分調書の作成

18:判決書 平成21年5月14日

2009-05-14 12:50:21 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
平成21年5月14日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成20年(ワ)第3371号国家賠償請求事件
口頭弁論終結日 平成21年3月12日
              判       決
   横浜市旭区白根2丁日31番2-101号
       原       告           出 羽 やるか
   大分市大手町3丁日1番1号 
       被       告           大  分  県
       同 代 表 者 知 事          広 瀬 勝 貞
       同訴訟代理人弁護士        富 川 盛 郎
       同 指 定 代 理 人          小 代 義 之
       同                    中津留 三 次
       同                    生 野   敏
       同                    江 藤 鉄 夫
             主         文
     1 原告の請求を棄却する。
     2 訴訟費用は原告の負担とする。
             事 実 及 び 理 由
第1 請求
   被告は,原告に対し,10万円及びこれに対する平成20年9月6日から支
  払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
 1 本件は,大分県玖珠郡で交通事故に遭った原告が,大分県警玖珠警察署の警
  察官には交通事件の捜査に当たり実況見分調書の作成を放置するなどの違法行
  為があったと主張して,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,交通事故
  による損害等合計3000万円の損害のうちの一部である10万円の損害賠償
                  1
  及びこれに対する訴状送達の日の翌日からの遅延損害金の支払を求めた事案で
  ある。
 2 前提事実(証拠を掲記するもの以外は,当事者間に争いがない。)
  (1) 被告が所轄する大分県公安委員会は,大分県警察を管理している。
                             (弁論の全趣旨)
  (2) 原告が,平成11年10月 7日午前10時55分ころ,大分県玖珠郡九重
   町大字湯坪の県道別府一の宮線水分起点34.9km先付近道路を普通自動二
   輪車(原告車)で走行中,原告車と小野寺秀和(小野寺)が運転する国(陸
   上自衛隊)所有の大型貨物自動車(自衛隊車)に牽引されたフルトレーラー
   が衝突ないし接触する事故(本件事故)が生じ,原告は,右肘脱臼開放骨折,
   右第3・4指中節骨骨折等の傷害を負った。
    原告は,本件事故後,熊本市にある熊本赤十字病院に搬送され,同月30
   日まで開病院に入院した。
                       (原告の傷害につき,甲23)
  (3) 玖珠警察署は,平成13年11月20日,原告に対する道路交通法違反被
   疑事件(同法70条,119条1項9号違反)を日田区検察庁に送致し,同
   検察庁副検事は,同年12月25日,原告を起訴猶予処分とした。
                   (起訴猶予処分につき,弁論の全趣旨)
  (4)原告は,従前,次の各訴訟を提起した。
   ア 原告は,国を被告として,横浜地方裁判所に対し,平成13年7月23
    日,小野寺の制限速度違反等の過失によって本件事故が生じたと主張して,
    国家賠償法1条1項及び自動車損害賠償保障法3条に基づき2557万8
    457円の損害賠償の支払を求める訴え(第1訴訟)を提起した。同裁判
    所は,平成14年8月30日,原告の請求を棄却するとの判決を言い渡し,
    原告は控訴したが,東京高等裁判所は,平成15年2月4日,控訴を棄却
    するとの判決を言い渡した。その後,同年9月12日の上告棄却決定等に
                 2
    よって,1審判決が確定した。
   イ 原告は,神奈川県公安委員会を被告として,横浜地方裁判所に対し,平
    成16年6月14日,原告には安全運転義務違反の事実がないと主張して,
    同年4月20日に運転免許更新処分を受けた際,原告を一般運転者と認定
    した処分の取消しを求める訴え(第2訴訟)を提起した。同裁判所は,平
    成17年4月20日,原告の請求を棄却するとの判決を言い渡し,原告は
    控訴したが,東京高等裁判所は,同年11月16日,控訴を棄却するとの
    判決を言い渡し,平成19年7月5日の上告棄却決定によって,1審判決
    が確定した。
   ウ 原告は,国を被告として,横浜地方裁判所に対し,平成17年10月1
    8日,第1訴訟で国の指定代理人らに証拠資料を隠ぺい破棄し提出しない
    などの違法行為があったと主張して,国家賠償法1条1項に基づき慰謝料
    等3000方円の損害賠償の支払を求める訴え(第3訴訟)を提起した。
     同裁判所は,平成18年11月10日,原告の請求を棄却するとの判決を
    言い渡し,原告は控訴したが,東京高等裁判所は,平成20年3月25日,
    控訴を棄却するとの判決を言い渡し,同年7月11日の上告棄却決定によ
    って,1審判決が確定した。          (甲58から60まで)
 3 原告の請求原因
  (1) 玖珠警察署警察官の違法行為
   ア 玖珠警察署の警察官は,平成11年10月7日に実況見分を行ったが,
    その作成を平成13年9月27日まで放置した。
   イ 玖珠警察署の警察官は,実況見分調書に真実でない記載をした。
     すなわち,堀部警部補や間ノ瀬巡査部長は実況見分を行っていないにも
    かかわらず,見分官,補助者と記載し,実況見分の時間も不実である。
   ウ 玖珠警察署の警察官は,実況見分調書に実況見分時に撮影したものでな
    い写真を添付した。
                  3
     荷台から外されたはずの原告の荷物が荷台にあること,原告車でない自
    動二輪車が写っていること,当時なかった徐行の道路標示があること,道
    路に停まっていたはずの自衛隊車が草地に移動されていること,当時なか
    った里程標かおること,実況見分調書にはタイヤ痕,擦過痕があると記載
    されているが写真には写っていないことなどから,実況見分調書に添付さ
    れた写真が実況見分時に撮影されていないことが判明する。
   エ 小野寺は,フルトレーラーを牽引した自衛隊車を運転して,雑草等があ
    り双方からの見通しが不良な半径25mのカーブを通過する場合,カーブ
    の手前でスピードを落とし他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運
    転しなければならない義務があったのに,最高速度と指定された毎時40
    kmのまま本件道路のヘヤピンカーブに進入した過失があった。この結果本
    件事故が生じたのであり,原告は約3か月の加療を要する傷害を負ったの
    であるから,小野寺は人身事故の加害者である。
     しかるに,玖珠警察署の警察官は,小野寺を業務上過失致傷等事件の披
    疑者として検察官に送致しなかった。
  (2) 原告の損害
   ア 玖珠警察署の警察官の違法行為により,本件事故に開する公判が開かれ
    ず,原告は公正な裁判を受ける権利を侵害された。
     また,本件事故による原告の損害を回復できず,長期間の訴訟を強いら
    れた。
   イ 原告に生じた損害は,次のとおりである。
    (ア)第1訴訟の敗訴による損害(本件事故により生じた損害)
     ① 治療関係費                85万1440円
     ② 休業損害                791万5578円
     ③ 後遺障害による逸失利益         903万3693円
        右手指の関節可動域制限(拘縮)及び右手の握力の低下がある。
                  4
     ④ 慰謝料 傷害慰謝料           231万円
           後遺障害慰謝料         510万円
     ⑤ 文書料                   2万2260円
     ⑥ 警察への出頭旅費              2万2360円
     ⑦ 物損等                  32万3126円
     ⑧ 合計                 2557万8457円
   (イ) 玖珠警察署の違法行為に基づく慰謝料    442万1543円
 4 請求原因に対する認否    
  (1) 請求原因(1)について
   ア 実況見分調書の作成が平成13年となったのは,次の経過による。
     玖珠警察署では,実況見分の結果,本件事故は原告が対向車線に原告車
    を進出させたことによって発生したと判断し,原告が平成11年10月2
    9日に玖珠警察署を訪れた際,その旨説明した。それに対し,原告は,自
    衛隊車が中央線を越えて来たと聞いていると言って上記説明に納得しなか
    った。そのため,玖珠警察署の警察官は原告に対し,実況見分及び調書
    の作成のため再度来署することを求めたが,原告は横浜市に帰ってしまい,
    その後,玖珠警察署からの出頭要請に応じなかった。そこで,玖珠警察署
    では,自衛隊車の被害が物損のみで軽微であること,原告の側が出頭に応
    じないこと,自衛隊は原告の処罰を望んでいないこと等から,本件交通事
    故の処理を一時保留扱いとした。
     平成13年になって,原告が第1訴訟を提起したことを自衛隊から知ら
    された玖珠警察署は,本件交通事故を検察官に送致することとし,原告に
    対し再度出頭を求めたが,原告は応じなかった。そのため,玖珠警察署は,
    従前のメモ等をもとに実況見分調書を作成し(間ノ瀬巡査部長が転勤して
    いたため,堀部警部補が作成した。),警察官が横浜市へ出向き原告の供述
    調書を作成するなどし,関係書類を日田区検察庁に送致した。
                  5
     以上のとおりであって,実況見分調書の作成が遅れたとしても違法性は
    ない。
   イ 原告の(1)イの主張は否認する。
     間ノ瀬巡査部長が見分官,堀部警部補が補助者として,平成11年10
    月7日午後0時34分から午後1時20分まで実況見分を行っている。
   ウ 原告の(1)ウの主張は否認する。
     堀部警部補が事故当日の実況見分時に撮影した写真を添付している。
   エ 本件事故は,原告が見通しの悪い下り坂の左カーブを進行するに当たり,
    ハンドル及びブレーキの的確な操作を怠って原告車を対向車線に進出させ
    たため,対向方面から進行してきた自衛隊車に牽引されたフルトレーラー
    の右側面に原告車の右前部を接触させたものであり,原告の過失による。
     小野寺には,本件事故につき過失はないから,被疑者として送致するこ
    とはあり得ない。
  (2) 同(2)は争う。
第3 判断
 1 原告の請求原因(1)について
  (1) 証拠(甲59)によれば,第3訴訟の控訴審裁判所は,実況見分調書が作
   成されるに至る経過について,次のとおり認定したことが認められる。すな
   わち,堀部警部補らは,平成11年10月7日午後0時34分から午後1時
   20分まで本件事故現場の実況見分を実施し,本件道路に残された痕跡等か
   ら,加害者は本件道路の中央線を越えた原告であり,被害者は小野寺である
   と判断した,堀部警部補らは,原告立会いの下で本件事故の実況見分を実施
   しようとしたが,原告は,退院後には玖珠警察署に出頭して実況見分に立ち
   会う旨約していたにもかかわらず,退院後神奈川県の自宅に帰ってしまい,
   堀部警部補らは原告に対し郵便で玖珠警察署に出頭するよう要請したが,原
   告はこれに応じなかった,この間,自衛隊等が,自衛隊車等に実質的な損害
                  6
   がないことなどから,原告の処罰を望まない旨申し立てたので,堀部警部補
   らは,平成12年2月10日,後日紛議が生じた場合には,捜査を再開して
   送致することを条件に本件事故捜査を一時保留処分とすることとした,堀部
   警部補らは,平成13年8月,原告が国に対して第1訴訟を提起したことが
   判明したので,上記保留処分を解除し,送致準備を進めることとしたが,原
   告は,高齢と経済的な問題を理由に玖珠警察署への出頭に応じることができ
   ない旨主張し続けた,堀部警部補らは,日田区検察庁の指示を受け,堀部警
   部補が,本件事故当時に作成していた現場メモに基づいて同年9月27日付
   けて実況見分調書を作成し,神奈川県まで赴き,原告の取調べを実施し,上
   記実況見分調書を示しながら被疑者供述調書を作成し,同年11月20日,
   原告を被疑者として日田区検察庁に送致した。
    上記の第3訴訟の控訴審裁判所の認定を覆すに足りる証拠はなく,証拠(甲
   10の1・2,59)によれば,上記のとおり認定することができる。
    これによれば,玖珠警察署の警察官が実況見分後直ちに実況見分調書の作
   成をしなかったことには,合理的理由があるというべきであり,実況見分調
   書の作成を放置していたということはできない。
  (2) 証拠(甲50,55,58,59)によれば,第1訴訟の控訴審裁判所は,
   実況見分調書の作成について,道路の車道幅員は,現場の状況において自動
   車が走行可能な最大幅を計測した結果として誤りはない,自衛隊車は,いっ
   たん,本件事故地点付近の道路外の草地に移動され,警察官の到着後に開始
   された実況見分に際して,道路上に移動されたなどと認定した上で,実況見
   分調書の内容に不自然不合理なところはなく,本件事故当日に警察官により
   実施された実況見分の内容を記載したものと認定し,現場事故写真について
   も,本件事故当時の里程標の存在を認めたこと,第2訴訟の第1審裁判所は,
   間ノ瀬巡査部長を見分官,堀部警部補及び早水巡査長を補助者として平成1
   1年10月7日午後0時34分から午後1時20分まで本件事故現場の実況
                   7
   見分が実施されたと認め,間ノ瀬巡査部長らが当日実況見分を行わなかった
   のではないかと疑うべき事情は存在しないと判断し,実況見分調書添付の写
   真についても,同一機会に撮影された一連のもので,本件事故直後の状況を
   撮影したものと理解するのが自然であるとし,「原告の荷物」,「徐行」の道
   路標示,「里程標」が実況見分当時存在したことを疑うべき事情はないと判
   断したこと,第3訴訟の第1審裁判所は,第2訴訟の第1審裁判所と同様に
   間ノ瀬巡査部長らが上記日時に実況見分を実施したと認め,添付の写真も実
   況見分の際に撮影されたと認めたこと,とりわけ,「原告の荷物」,「里程標」
   にねつ造・改ざんはないと判断したこと,第3訴訟の控訴審裁判所も,(1)の
   とおり,間ノ瀬巡査部長らが上記日時に実況見分を実施したと認め,実況見
   分調書に添付された写真についても,本件全証拠によっても,この写真がね
   つ造・改ざんされたと認めることはできないと判断したこと(第3訴訟の第
   1審裁判所は,当該訴訟において,原告が実況見分調書に添付された写真が
   本件事故当日に撮影されたものでなくねつ速・改ざんされたものであると主
   張し,それに沿う証拠を提出しだのに対し,原告が挙げる種々の事情の大半
   は写真画面上の単なるコントラストの問題や個人の主観に基づいて不自然と
   論難しているにすぎず,ねつ造・改ざんがあったことを疑わせるような客観
   的な根拠となるものはないとも判示していること。)が認められる。
    これらの度重なる裁判所の認定,判断の事実及び当裁判所に提出された乙
   2の写真のネガによれば,実況見分調書には実況見分当時の状況が偽りなく
   記載され,実況見分時に撮影された写真が添付されたものと認めることがで
   き,本件訴訟においても,これを疑わせるに足りる客観的証拠はない。
  (3) 証拠(甲49,50,55,58)によれば,第1訴訟の第1審裁判所は,
   本件事故につき,自衛隊車が毎時40kmの速度で進行車線をはみ出すことな
   く走行していたところ,原告車が急にコントロールを失って対向車徐に入り
   込み,小野寺がブレーキをかける間もなくフルトレーラーに衝突して発生し
                   8
   たものと認定し,小野寺には,本件事故の原因となる速度違反や対向車線ヘ
   のはみ出しその他何らの過失もなかったと認定したこと,第1訴訟の控訴審
   裁判所も同様の認定をし,本件事故は原告の過失に基づく結果であり,小野
   寺には何ら過失がないとの判断を示したこと,第2訴訟の第1審裁判所は,
   本件事故につき,小野寺は時速約40kmの速度で本件道路を自衛隊車進行車
   線を進行して本件事故現場手前の右カーブに入ったが,原告車がコントロー
   ルを失って左右に大きく振れ,自衛隊車の運転席の横を通り過ぎてフルトレ
   ーラーに衝突ないし接触したと認定したこと,第2訴訟の控訴審裁判所も,
   原告は原告車のハンドル・ブレーキの操作を誤り,バランスを崩して中央線
   を越え対向車線に進出させたためフルトレーラーに衝突したと認定したこ
   と,第3訴訟の第1審裁判所は,本件事故の態様につき,第2訴訟の第1審
   裁判所の上記認定と同様の認定をしたことが認められる。
    上記の各裁判所の認定及び証拠(甲16 ,17,19 ,乙3)によれば,
   本件事故の原因は,原告車のハンドル・ブレーキの的確な操作を怠った原告
   の過失にあると認められるのであって,小野寺の過失は認めることができな
   い。したがって,小野寺を業務上過失致傷等事件の被疑者として送致しない
   ことは何ら違法ではない。
  (4) 以上のとおり,原告が主張する玖珠警察署の警察官の違法行為はいずれも
   これを認めることができない。
    原告の請求は,その内容において,すでに提起された3件の訴訟の蒸返し
   にすぎないといわざるを得ない。このことは,原告が提出する甲号証は,今
   回新たに作成された陳述書(甲74)を除き,その大部分が,作成日,体裁
   からみて,従前の3件の訴訟に提出されたものと認めることができることか
   らもいうことができる。
 3 よって,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとお
  り判決する。
                     9
      横浜地方裁判所第9民事部
            
               裁判官 江口とし子

                     10








玖珠署の違法な交通犯罪の捜査,虚偽の実況見分調書の作成

2009-05-14 02:45:39 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
1 訴状 平成20年8月20日
2 答弁書 平成20年9月28日
3 第1回口頭弁論調書 平成20年10月2日
4 原告準備書面(1) 平成20年10月1日
5 原告準備書面(2) 平成20年10月27日
6 原告準備書面(3) 平成20年10月27日
7 原告準備書面(4) 平成20年11月10日
8-1 被告準備書面 平成20年11月12日 被告②
8-2 被告準備書面 平成20年11月12日 被告②
9 第2回口頭弁論調書 平成20年11月13日
10 被告準備書面 平成20年9月30日 被告①
11 原告準備書面(5) 平成21年1月7日
12 被告準備書面 平成21年1月9日 被告③
13 第3回口頭弁論調書 平成21年1月15日
14 原告準備書面(6) 平成21年1月21日
15 被告準備書面 平成21年3月7日 被告④
16 原告準備書面(7) 平成21年3月11日
17 第4回口頭弁論調書 平成21年3月12日 弁論終結


実況見分調書(甲7)添付の写真(甲8)の⑩
小型トラックの前方にバイクが写っている。このバイクは原告車ではない。
決定的な証拠
原告車のホイールはワイヤースポークであるがこのバイクはキャストホイールである。 バイクのホイール

17:第4回口頭弁論調書

2009-05-01 13:00:46 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
                               裁判官認印
-------------------------------------------------------------    
         第 4 回 口 頭 弁 論 調 書
-------------------------------------------------------------
事 件 の 表 示 | 平成20年(ワ)第3371号
-------------------------------------------------------------
期      日  | 平成21年3月12日 午後1時15分?
----------------------------------------------------------
場所及び公開の有無| 横浜地方裁判所第9民事部法廷で公開
-------------------------------------------------------------
裁  判  官  | 江口とし子
裁判所書記官 | 本田裕紀
------------ -------------------------------------------------
出頭した当事者等 | 原告  出羽やるか
         |被告代理人 富川盛郎
--------------------------------------------------------------
指 定 期 日 | 平成21年5月14日 午後1時15分(判決言渡し)
-------------------------------------------------------------
            弁論の要領等
-------------------------------------------------------------
原 告
    平成21年1月21日付け準備書面(6)陳述
被 告
    平成21年3月7日付け準備書面陳述
原 告
    平成21年1月21日付け準備書面(7)陳述
証拠関係別紙のとおり
裁判官
    弁論終結
                 裁判所書記官  本田裕紀 印
----------------------------------------------------------

16:原告準備書面(7)

2009-05-01 12:33:52 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
平成20年(ワ)第3371号 国家賠償請求事件
原 告 出 羽 やるか
被 告 大  分  県
              準 備 書 面 (7)
                            平成21年3月11日
横浜地方裁判所第9民事部い係 御中
                          原 告 出 羽 やるか
  原告は,被告の平成21年3月7日付け準備書面をうけて,下記のとおり弁論を
 準備する。なお,略称等は本準備書面で新たに用いるものの他は従前の例による。
第1 証拠申出書(平成21年2月16日付け)
 1 被告は,実況見分調書には事故現場の状況等が正確に記載されていること及び
  実況見分調書添付の写真が事故当日撮影されている事実を裏付ける証拠は以下の
  とおりであるとして,別件訴訟判決(甲49,甲50)並びに別件行政訴訟判決(甲
  55,甲56,甲58)をあげるがすべて別件訴訟の判決理由中の判断でありその
  訴訟限りのもので既判力は生じない。
 2 平成21年1月15日第3回口頭弁論調書に「当事者双方:次回期日までにす
  べての書証及び証拠申出書を提出する」との記載がある。
 3 原告は,平成21年2月16日に証拠申出書を提出した。
   証明すべき事実は玖珠署の違法行為で,(1) 本件事故の発生日は平成11年1
  0月7日であるが,実況見分調書(甲7)の作成を平成13年9月27日まで放
  置した。(2) 実況見分調書(甲7)の記載内容に真実でない部分がある。ア 実
  況見分の日時,平成11年10月7日午後0時34分から午後1時20分までと
  の記載は不実である。イ 実況見分調書添付の写真(甲8)を堀部警部補が実況
  見分時撮影したとの記載は不実である。堀部警部補は事故当日実況見分をしてい
  ない。ウ 間ノ瀬巡査部長は事故当日実況見分をしていない。エ 早水巡査長は
  平成11年10月7日午前11時50分から実況見分を行い交通切符様式の実況
                 1/3
  見分調書を作成した。(3) 玖珠署は,人身事故の加害者である小野寺を業務上過
  失傷害の被疑者として取り調べず,送致しなかった。
 4 陳述書について,平成20年11月13日付け第2回口頭弁論調書に「被告:
  次回期日までに書証(間ノ瀬及び堀部の各陳述書)を提出する。」との記載がある。
   原告は被告が堀部,間ノ瀬及び早水の各陳述書を提出するよう求める。
第2 文書提出命令申立書(平成21年2月16日付け)
 1 自動二輪車のスポークについて被告は,「原告は,甲8の⑩に写っている自動二
  輪車は,原告車両ではないと主張するが,甲8の③に写っている自動二輪車はナ
  ンバー「1横浜あ6875」の本件事故で原告が乗車していたバイクである。甲
  8の①乃至④の写真から原告車は明らかにワイヤースポークのホイールである。
  実況見分調書添付の写真は事故当日に撮影された一連のものであり,甲8の⑩の
  写真もそのうちの1枚であることから写真に写った原告車は当然にしてワイヤー
  スポークのホイールである。」と主張する。
 2 原告は平成21年2月16日文書提出命令申立書を提出し,同日事件番号平成
  21年(モ)第60号,担当部第9民事部い係として受け付けられた。
   証明すべき事実は,『写真(甲25)に「原告車両」と記載されているバイクは
  原告車ではない。』であり,文書の趣旨は,『写真(甲25)は,別件行政訴訟で
  被告神奈川県公安委員会により原本が提出された。同被告の立証趣旨は「同写真
  に原告車両が写っている事実」である。原告は,同写真の「原告車両」と記載さ
  れているバイクの部分をさらに拡大すると,同バイクの前輪のホイールがワイヤ
  ースポークでないことが確認できると主張している。(原告車の前輪のホイールは
  ワイヤースポークである(甲8①)。』である。
第3 調査嘱託申立書
 1 原告は平成20年10月7日付け調査嘱託申立書を提出した。
   証すべき事実は,本件事故に係る実況見分調書(甲7)の作成経緯で,調査嘱
  託先は玖珠警察署長,調査嘱託事項は,「(1)同調書に添付されている写真(甲8)
                 2/3
  の⑦,⑪に実況見分中の間ノ瀬巡査部長と一緒に写っている2名の自衛官の氏名,
  階級,所属,(2) (1) の2名の自衛官が実況見分中の間ノ瀬巡査部長に同行して
  いる理由。」である。
 2 原告は平成20年10月27日付け調査嘱託申立書(2) を提出した。
  証すべき事実は,本件事故に係る実況見分調書(甲7)の作成経緯で,調査嘱
  託先は玖珠警察署長,調査嘱託事項は,同調書に添付されている写真(甲8の⑦)
  の熊本方面への車線にある「徐行」の道路標示について,「(1) 同標示は事故当日
  存在したか。(標示の設置期間),(2) 同標示の設置者」である。
第4 その他の書証
   証拠説明書(10)に記載のとおり,原告本人の陳述書(甲第74号証)を含む書証
  を提出する。
                                    以上

附属書類
 1 準備書面(7)               ・・ 副本     1通
 2 証拠説明書(10)  (甲69~74号証) 正本・副本    各1通
                 3/3

15:被告準備書面

2009-05-01 11:06:01 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
平成20年(ワ)第3371号 国家賠償請求事件
原 告 出 羽 やるか
被 告 大  分  県
           準  備  書  面
                        平成21年3月7日
横浜地方裁判所第9民事部い係 御中
              被告訴訟代理人弁護士  富 川 盛 郎
1 原告主張の要旨
  原告は国家賠償法1条1項の責任を求めるにつき,被告の違法行為として
 訴状では,
 (1) 玖珠署は,本件事故の発生日の平成11年10月7日実況見分を行った
  が,平成13年9月27日まで実況見分調書(甲7)の作成を放置した。
 (2) 実況見分調書(甲7)の記載内容に真実でない部分がある。
 (3) 玖珠署が,実況見分時撮影したとする実況見分調書添付の写真(甲8)
  のほとんどは事故当日写された写真ではない。
 (4) 玖珠署は,人身事故の加害者である小野寺を業務上過失傷害の被疑者と
  して送致しなかった。
 と主張し,第2準備書面の第1,原告の主張では,
 (1) 実況見分調書(甲7)中,「1,実況見分の日時,平成11年10月7
  日午後0時34分から午後1時20分まで」との記載は不実である。
 (2) 堀部警部補は,本件実況見分をしていない。
 (3) 早水巡査長は,平成11年10月7日午前11時50分から実況見分を
  行い,交通切符様式の実況見分調書を作成した。
 (4) 間ノ瀬巡査部長は,平成11年10月29日以前には本件トレーラ(炊
  事車)を見分していない。
 と述べている。
  また,上記以外に実況見分調書の不実記載及び実況見分調書添付の写真が
 事故当日されていないとして個別的に主張している。
2 実況見分調書には事故現場の状況等が正確に記載されていること及び実況
 見分調書添付の写真が事故当日撮影されている事実
                  1
 (1) 訴状(2),(3)及び原告第2準備書面の第1,原告の主張(1),(2),(4)につい
  て
  ア 平成11年10月7日午後0時34分から午後1時20分までの間,
   小野寺立ち会いのもと,間ノ瀬巡査部長を見分官とし,堀部警部補,早
   水巡査長を補助者として実況見分を行ったことは明らかであり,原告の
   主張は認められない。上記事実を裏付ける証拠は以下のとおりである。
   a 玖珠警察の堀部警部補は,平成11年10月7日午後0時34分か
    ら午後1時20分までの間,見分官を本件事故当時の間ノ瀬巡査部長
    とし,補助者を同警部補及び本件事故当時の早水巡査長,立会人を自
    衛隊車を運転していた小野寺として,本件事故現場の実況見分を実施
    した。(甲55のカ 16頁)
   b 実況見分は,玖珠警察署の堀部警部補や間ノ瀬巡査部長らによって
    小野寺を立会人として事故当日に行われたものと認めることができる
    (甲55の17頁 下から1行目乃至18頁の上から2行目迄)
   c 平成11年10月7日午後0時34分から午後1時20分までの間
    玖珠警察署の間ノ瀬久太巡査部長を見分官とし,堀部金丸警部補及び
    早水満堯司法巡査を補助者(なお,見分官と補助者いづれも所属,階
    級は本件事故当時のものである。),小野寺を立会人とした本件事故
    の実況見分が行われた。(甲58の16頁 (2)のア)
   d 前記1(2)で認定したとおり,本件事故に対する玖珠警察署員によ
    る実況見分は,本件事故当日に行われたこと,別件訴訟の裁判所に提
    出された本件実況見分調書は,作成日付こそ本件事故から約2年後で
    はあるが,内容としては,本件事故当日に実施された実況見分に基づ
    く調書であることが明らかである。そして,警察が本件事故直後に,
    本件実況見分調書とは別個の新たな実況見分調書を作成したと認める
    に足りる証拠もない。(甲58の19頁 2の(1) )
 (2) かように間ノ瀬巡査部長は見分官として実況見分に臨んでいるから当然
  本件トレーラを見分している。
 (3) また,実況見分調書添付の写真は,「実況見分調書添付の写真は,同一
  機会に撮影された一連のものと認められ,その撮影内容に照らしても,本
  件事故直後の状況を撮影したものと理解するのが自然なものである。また,
  本件トレーラの擦過痕,本件道路のタイヤ痕・擦過痕を後日ねつ造したよ
  うな状況はうかがうことはできない。(甲35の17頁 下から6行目以
  下)」から明らかなとおり,本件事故当日に撮影されたものである。
3 訴状での原告の主張(1)について
                  2
  平成11年10月7日に実況見分をしたにも拘わらず,平成13年9月2
 7日に実況見分調書を作成したのは,被告の平成20年11月12日付準備
 書面11頁の(7)以下乃至13頁のオに記載したとおりである。
  上記準備書面の11頁乃至12頁の(7)のとおり本件交通事故に関する処理
 を一時保留にしたことは,合理的な理由が存し,平成13年9月27日に作
 成した実況見分調書作成の経緯は上記準備書面12頁乃至13頁のア乃至オ
 で述べたとおりである。かように実況見分調書作成を一時保留したことに合
 理的理由があり,前述の2の(1)に明らかなように実況見分調書には事故当日
 の現場の状況等が正確に記載されていること及び実況見分調書添付の写真が
 事故当日撮影されていることから,平成11年10月7日の実況見分時から
 かなり遅れて平成13年9月27日に実況見分調書が作成されたとしても違
 法性はない。
4 訴状での原告の主張(4)について
  小野寺には,本件事故につき過失が存じない。(甲49,50,55の
 19頁乃至20頁の2の(1) 甲56の15頁乃至16頁の2の(1))
  かえって原告に過失が認められる。(甲50の9頁)
  なお,被告の平成21年1月9日付準備書面での甲55,56の判決が原
 告の過失を認定したとの主張は撤回する。
  従って小野寺に過失がないから被疑者として送致することはありえない。
5 原告第2準備書面の(3)の主張について
  早水巡査長が交通切符様式の実況見分調書を作成したと主張しているが,
 被告の平成20年11月12日付準備書面の8頁の(4)及び18頁の2の(2)主
 張のとおり平成11年10月8日に間ノ瀬巡査部長が作成したものである。
 原告主張を裏付ける証拠は存しない。
6 その他原告の主張について
 (1) 実況見分調書添付の写真(甲8)①②③④には,原告車の荷台に固縛さ
  れた荷物,「徐行」の道路標示(写真⑥,⑦),里程標(写真⑪)が撮影
  されているにも拘わらず,荷物については,実況見分時には存しなかった
  し,「徐行」「里程標」の写真が事故当日のものではないと主張する。
   しかし,前記2の(3)で述べたように「実況見分調書添付の写真は,同一
  機会に撮影された一連のものと認められ,その撮影内容に照らしても,本
  件事故直後の状況を撮影したものと理解するのが自然なものである。また,
  本件トレーラの擦過痕,本件道路のタイヤ痕・擦過痕を後日ねつ造したよ
  うな状況はうかがうことはできない。(甲55の17頁 下から6行目以
  下)」であるから原告車の荷物,「徐行」の道路標示,里程標は実況見分
                  3
  存在したものと考えられる。
   また,原告が撮影した写真(甲31)に徐行の道路標示が存せず,里程
  標の位置が異なったとしても実況見分調書添付の写真の信用性及び事故当
  日に実況見分が行われたことを疑わせるものではない。
   更に甲19の小野寺の証言(19頁)で,小野寺は里程標を見て110
  番通報をしていることをみると,写真⑪の里程標が存在したことは明らか
  である。
 (2) KP34.9の警戒標識の記載が実況見分調書(甲7)に記載されてい
  ないことについて
   実況見分調書添付の甲8の写真⑪に警戒標識が写っていないことから甲
  8の⑪の写真は事故当日撮影していないと主張する。
   しかしながら事故当日撮影した甲8の⑪を拡大した写真である甲29に
  は警戒標識が写っているのであるから,警戒標識は事故当日に既に存在し,
  甲8の⑪の写真は事故当日撮影したということとなる。
 (3) 原告は甲8の写真のように自衛隊車が草地の上に移動された事実はない
  と主張し実況見分調書の内容が虚偽である,あるいは事故当日撮影された
  写真ではないと主張するのであろう。
   しかし,原告の主張は成立しない。その理由として甲50の6頁乃至7
  頁の(1)のイを援用すると,「本件事故現場の道路は,九州横断道路の一部
  にあり草原や森林を鑑賞できる「やまなみハイウエー」と称される観光道
  路で,対向1車線の勾配のあるヘヤピンカーブ部分であり,丈の高い草が
  生えた部分もあって走行方向の見通しも良くないこと,本件事故は午前1
  0時55分頃に発生したことが認められ,この事実からすると,本件事故
  現場の道路の日中の交通量は観光目的等の通行車両が少なくなく,本件事
  故後,炊事車を牽引していた大型トラックである加害車両(自衛隊車両)
  を,道路上に止めたままにしておくと,自動車通行上支障を生ずる虞があ
  るから,特段の必要性のない限り,道路際の空間の草地などの移動可能な
  安全な場所があるのであれば,一時的に当該場所に移動することもあり得
  るし,本件事故に関する証拠を保全確保するため,実況見分を実施する場
  合には,事故状況を再現したり,車両や道路等の正確な位置や距離を確認
  ないし計測するため,加害車両(自衛隊車両)等を再度道路上に戻すこと
  もあり得る。これらの措置を執ったからといって,実況見分や検証の結果
  を不合理ないし不当ならしめるものとはいえない。」本件事故直後,加害
  車両(自衛隊車両)は,一旦,本件事故地点付近の道路外の草地に移動され,
  警察官の到着後に開始された実況見分に際して,道路上に移動されて止め
                4
  られ,実況見分終了後に,本件事故現場から移動されたものと考えられ,
  実況見分調書は事故当日の実況見分の内容を記載したものであり,実況見
  分調書添付の写真も当日に道路外に移動された車輌を撮影したものであ
  る。
 (4) 実況見分調書の現場見取図には擦過痕・タイヤ痕が記載されているにも
  拘わらず,甲8の⑫乃至⑯につきタイヤ痕と擦過痕を示す矢印を示してい
  るが,タイヤ痕と擦過痕が写っていないうえに,写真では測定基準が写さ
  れてていないので,その位置が特定できないとし,実況見分調書の擦過痕・
  タイヤ痕の記載が偽造であると主張しているのであろう。
   しかしながら,前記2の(1),(3)で述べたように,平成11年10月7日
  午後0時34分から午後1時20分までの間,小野寺立ち会いのもと,間
  ノ瀬巡査部長を見分官とし,堀部警部補,早水巡査長を補助者として実況
  見分を行ったことは明らかであり,実況見分調書添付の写真は,同一機会
  に撮影された一連のものと認められ,その撮影内容に照らしても,本件事
  故直後の状況を撮影したものと理解するのが自然なものである。また,本
  件トレーラの擦過痕,本件道路のタイヤ痕・擦過痕を後日ねつ造したよう
  な状況はうかがうことはできない。
   甲8の⑬,⑭,⑮にはタイヤ痕が印象されており,実況見分調書の現場
  見取図3は実況見分の結果を正確に記載したものである。
 (5) 自動二輪車のスポークについて
   原告は,甲8の⑩に写っている自動二輪車は,原告車両ではないと主張
  するが,甲8の⑩に写っている自動二輪車はナンバー「1横浜あ6876」
  の本件事故で原告が乗車していたバイクである。甲8の①乃至④の写真か
  ら原告車は明らかにワイヤースポークのホイールである。実況見分調書添
  付の写真は事故当日に撮影された一連のものであり,甲8の⑩の写真もそ
  のうちの1枚であることから写真に写った原告車は当然にしてワイヤース
  ポークである。
                5










14:原告準備書面(6)

2009-05-01 10:47:37 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
平成20年(ワ)第3371号 国家賠償請求事件
原 告 出 羽 やるか
被 告 大  分  県
            準 備 書 面 (6)
                          平成21年1月21日
横浜地方裁判所第9民事部い係 御中
                         原 告 出 羽 やるか
 原告は,下記のとおり弁論を準備する。
 なお,略称等は本準備書面で新たに用いるものの他は従前の例による。
 1 原告は,被告の平成21年1月9日付け準備書面を,平成21年1月15日,
  第3回口頭弁論期日に法廷で受取った。
 2 被告の主張
  (1) 本件事故の発生につき,別件訴訟判決(甲49,甲50)並びに別件行政訴訟
   判決(甲55,甲56)が,自衛隊車の運転者である訴外小野寺に過失はないと
   認定し,原告の主張を排斥し,原告に過失があると認定していることは正当な
   認定である。
  (2) 本件における原告の主張は,要するに本件事故解明のための重要な証拠であ
   る実況見分調書及び同調書添付の写真の信憑性を覆すために原告の主張を蒸し
   返したに過ぎず,上記甲49,50,55,56の判決で既にその主張は排斥
   されている。よって,本件原告の主張は認められない。
 3 原告の主張
   確定判決は,主文に包含するものに限り,既判力を有するのであるから,被告
   の主張が失当であることは明らかである。
       

13:第3回口頭弁論調書

2009-05-01 07:24:17 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
                               裁判官認印
-------------------------------------------------------------    
         第 3 回 口 頭 弁 論 調 書
-------------------------------------------------------------
事 件 の 表 示 | 平成20年(ワ)第3371号
-------------------------------------------------------------
期      日  | 平成21年1月15日 午前10時00分
----------------------------------------------------------
場所及び公開の有無| 横浜地方裁判所第9民事部法廷で公開
-------------------------------------------------------------
裁  判  官  | 江口とし子
裁判所書記官 | 本田裕紀
------------ -------------------------------------------------
出頭した当事者等 | 原告  出羽やるか
         |被告代理人 富川盛郎
--------------------------------------------------------------
指 定 期 日 | 平成21年3月12日 午前10時00分
-------------------------------------------------------------
            弁論の要領等
-------------------------------------------------------------
被 告
    平成20年9月30日付け準備書面陳述
原 告
    平成21年1月7日付け準備書面(5)陳述
被 告
    平成21年1月9日付け準備書面陳述
当事者双方
    次回期日までにすべての書証及び証拠申出書を提出する。
証拠関係別紙のとおり
                 裁判所書記官  本田裕紀 印
----------------------------------------------------------

12:被告準備書面

2009-05-01 07:05:05 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
平成20年(ワ)第3371号 国家賠償請求事件
原 告 出 羽 やるか
被 告 大  分  県
           準  備  書  面
                        平成21年1月9日
横浜地方裁判所第9民事部い係 御中
              被告訴訟代理人弁護士  富 川 盛 郎
1 原告による国に対する損害賠償請求訴訟の提起、その結果及び認定の
 内容
(1)ア 原告は、横浜地方裁判所に対し、自衛隊車の運行供用者である国
    を相手方(被告)として損害賠償請求訴訟(以下「別件訴訟」という。)
    を提起した(同庁平成13年(ワ)第2714号)、同裁判所は平成
    14年8月30目に原告の請求を棄却する判決(甲49)を言い渡し
    た。
   イ 原告は、上記判決に対し東京高等裁判所に控訴した(同庁平成1
    4年(ネ)第5154号)が、同裁判所は、平成15年2月4目に控
    訴を棄却する判決(甲50)を言い渡した。
   ウ 原告は、上記判決に対し最高裁判所に上告(同庁平成15年(オ)
    第979号)をするとともに、上告受理の申立て(東京高等裁判所平
    成15年(ネ)第112号)をした。東京高裁は平成15年4月11
    則こ上告受理申立てを却下する決定をしたので(甲51)、原告が抗
    告許可の申立て(同庁平成15年(ラ許)第1 2 8号)をしたが、東
    京高裁は平成15年5月6田こ不許可の決定をした。(甲52)そこ
    で、原告は、この不許可の決定に対し特別抗告の申立てをした(最高
    裁判所平成15年(ク)第568号)。
     最高裁判所は、平成15年9月12目に、上記の上告及び特別抗告
    に対し、上告を棄却する決定(甲54)及び抗告を棄却する決定(甲
    53)をした。
(2) 上記(1)のア,イのいずれの判決によっても、本件衝突事故の発生の
   原因につき、自衛隊車を運転していた訴外小野寺には何らの過失がな
                1
   かった事実が認定され、イの判決では本件衝突事故の発生は、原告の
   過失に基づく結果であると認められている。
    またイの判決では当審で付加した控訴人(本件原告)であるア実況
   見分調書についての(ア)・(イ)、イ平成11年10月7日撮影と主張
   される事故現場写真についての(ア)、(イ)、(ウ)のそれぞれの主張
   (甲50の2頁ないし4頁の当審で付加した当事者の主張(1)控訴人の
   主張)に対し、実況見分調書の内容に不自然、不合理なところはなく、
   実況見分調書は本件事故発生日に警察官により実施された実況見分の
   内容を記載したものと認められると認定し、さらに事故現場写真につ
   いても平成11年10月7日撮影であると認定している(甲50の6
   頁ないし9頁の当審で付加した当事者の主張に対する判断)。
2 原告による神奈川県公安委員会に対する交通違反点数課点処分取消等請求
 訴訟の提起、その結果及び認定の内容
 (1) ア 原告は、横浜地方裁判所に対し、神奈川県公安委員会を相手方(被
    告)として交通違反点数課点処分取消請求訴訟を提起した(同庁平成
    16年(行ウ)第37号)、同裁判所は平成17年4月20口に原告の
    請求を棄却する判決(甲55)を言い渡した。
   イ 原告は、上記判決に対し東京高等裁判所に控訴した(同庁平成17
    年(行コ)第1 4 4号)が、同裁判所は、平成17年11月16口に
    控訴を棄却する判決(甲56)を言い渡した。
   ウ 原告は、上記判決に対し最高裁判所に上告(同庁平成18年(行ツ)
    第38号)をしたが、最高裁判所は平成19年7月5口に棄却の決定
    (甲57)をした。
(2) 甲55、甲56の判決は、道路交通法70条(安全運転義務)に違反
   する行為をしたか否かの判断の前提として、本件事故につき審理してい
   る。             
    そして甲55は、本件事故は、原告運転の原告車が自衛隊車に接近し
   た際にコントロールを失って対向車線(自衛隊車進行車線)に入り込み、
   小野寺運転の自衛隊車のうち牽引されていた本件トレーラに衝突して発
   生したものと認めることができる。そうすると、原告は、山間部を走る
   曲がりくねった片側1車線の本件道路を湯布院町方面から小国町方面に
   向けて進行中、最高速度時速4 0km、追い越しのための右側部分はみ出
   し通行禁止との規制がされ、下り坂の左カーブで、雑草等があって見通
   しの良くない本件事故現場において、原告車のハンドル・ブレーキの操
   作を誤り、バランスを崩して中央線を越え対向車線に進出させたため、
                 2
   折から対向車線を進行してきた自衛隊車のうちの本件トレーラの右側タ
   イヤ及びタイヤ枠付近に原告車の前部を衝突させ本件トレーラに軽微な
   擦過痕の損傷を与えたものと認めるのが相当であるとしている(甲55
   の19頁ないし20頁の本件違反行為の有無(1)控訴人の主張)。甲56
   の判決も甲55と同様の認定をしている。
    甲55昨公判寸の原告の主張は、甲55の10頁ないし14頁の(2)
   原告の主張として記載されたとおりであり、それに対する裁判所の判断
   は甲55の17頁ないし19頁の(2)上記(1)の事実認定に関する補足説
   明に記載されたとおりで、いずれも原告の主張は認められていない。
3 上記甲49、50、55、56の判断について
  本件事故の発生につき、上記甲乙19、50め判決は自衛隊車の運転者であ
 る訴外小野寺に過失はないど認定し、さらに甲50、55、56の判決は上
 記1の(2)、2の(2)で述べた原告の主張を排斥し、原告に過失があると認定
 していることは正当な認定である。
4 被告の主張
  本件における原告の主張は、要するに本件事故解明のための重要な証拠で
 ある実況見分調書及び同調書添付の写真の信憑性を覆すために上記1の(2)、
 2の(2)の主張を蒸し返したに過ぎず、上記甲49、50、55、56の判
 決で既にその主張は排斥されている。
  よって、本件原告の主張は認められない。
                3
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11:原告準備書面(5)

2009-04-27 12:20:44 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
平成20年(ワ)第3371号 国家賠償請求事件
原 告 出 羽 やるか
被 告 大  分  県
              準 備 書 面 (5)
                           平成21年1月7日
横浜地方裁判所第9民事部い係 御中
                        原 告 出 羽 やるか
 原告は,被告の平成20年11月12日付け準備書面(以下「被告の準備書面」
という。)をうけて下記のとおり認否及び原告の主張を確認,整理補充する。
 なお,略称等は本準備書面で新たに用いるものの他は従前の例による。
第1 本件交通事故の事実経過(争う)
   原告の主張は,訴状,平成20年10月27日付け準備書面(2),平成20
  年10月27日付け準備書面(3)及び平成20年9月29日付け証拠説明書
  (3)の「甲20の立証趣旨」に記載のとおりである。
   上記準備書面(3)4頁第5の6,原告車の損傷状況写真(甲8④)で堀部
  警部補は下部の傷は「擦過及び黒色模様の色付着」と説明しているが,地上高
  62センチメートルの上部の傷(甲33⑩)を看過している,との記載中「地
  上高62センチメートルの上部の傷」は「地上高58センチメートルの上部の
  傷」が正しい。
 1 本件交通事故の受理(被告の準備書面1頁)(ア,イ,ウ,エ)
  (1) 堀部警部補が間ノ瀬巡査部長とともに,「玖珠61」という交通事故処理車
   で現場に向かった事実はない。(イ・エ)
(2) 事故当日,本件自衛隊車は道路外(草地の上)に移動されていない。(エ)
 2 実況見分の実施(被告の準備書面2頁)(ア,イ,ウ,エ,オ)
  (1) 早水巡査長は平成11年10月7日午前11時50分から実況見分を行い,
   交通切符様式の実況見分調書を作成した。
                1/8
  (2) 堀部警部補及び間ノ瀬巡査部長は事故当日実況見分をしていない。(イ・エ)
  (3) 「実況見分の結果」については争う。(ウ)
 3 本件交通事故の事実認定(被告の準備書面7頁)
  (1) 堀部警部補及び間ノ瀬巡査部長は事故当日実況見分をしていない。
  (2) 玖珠署は「原告に道交法第70条の安全運転義務違反があると認め,道交
   法第125条第2項第3号の規定に基づき,本件違反行為を交通切符(赤切
   符)により送致することを視野に入れて捜査を進めることとした。」という。
    赤切符は正式には「道路交通違反事件迅速処理のための共用方式」という
   もので、交通反則通告制度が適用されない交通事件のうち、略式手続き(罰
   金)で処理される事件に使用される。人身事故を伴うもの,否認事件、その
   他交通切符を適用することが相当でないと認められる別に定める事件には使
   用されない。
  (3) 玖珠署は捜査を行うに当たつては,先入観にとらわれず,根拠に基づかな
   い推測を排除し,被疑者その他の関係者の供述を過信することなく,基礎的
   捜査を徹底し,物的証拠を始めとするあらゆる証拠の発見収集に努めるとと
   もに,鑑識施設及び資料を十分に活用して,捜査を合理的に進めるようにし
   なければならない。
  (4) 玖珠署は「バイクと大型車による接触事故,バイクの転倒により男性1名
   が負傷した(甲21)」との届出を受けた時点で加害者を刑法211条の規定
   により送致することを視野に入れて捜査を進めなければならない。
 4 小野寺に対する事情聴取(被告の準備書面8頁)
  (1) 被告は,「平成11年10月8日,間ノ瀬巡査部長は交通切符様式の実況見
   分調書を作成するとともに,小野寺に電話連絡をして10月12日に玖珠警
   察署に出頭するよう要請した。平成11年10月12日,間ノ瀬巡査部長は,
   玖珠警察署において任意出頭した小野寺の事情聴取に当たった。・・・。小野
   寺の供述を交通切符用の供述調書に録取し,小野寺に対して読み聞かせたと
                 2/8
   ころ,誤りのないことを申立て,調書末尾に署名押印した。」と主張している。
  (2) 原告は,平成11年10月7日,早水巡査長が実況見分を行い,同日小野寺
   の供述調書を録取したと主張している。
  (3) 実況見分調書(甲7)作成の基となった資料等
    調査嘱託に対する玖珠署長の回答(甲10,甲11)は,「当該実況見分調
   書(甲7)の作成日時が異なった理由は,本件を一旦保留処分としていたと
   ころ,出羽から民事提訴がなされ,送致する必要性を生じたため,検事の指
   揮を受けた上で,事故当日の現場メモを基に実況見分調書を作成した経緯に
   よる。」,「実況見分調書に添付されている写真は,堀部警部補が平成11年1
   0月7日事故現場で撮影した。写真のネガは現存している。堀部警部補が作
   成したとされる現場メモは現存していない。写真の他に,同調書作成の基と
   なった資料等は存在しない。」である。
  (4) 早水巡査長が作成した実況見分調書もしくは平成11年10月8日付け間
   ノ瀬巡査部長が作成したという実況見分調書が,平成13年9月27日付け
   堀部警部補の実況見分調書(甲7)作成の基となる資料となる。    
 5 原告の玖珠警察署への来署(被告の準備書面8頁)(ア,イ)
   ア:「事前連絡なく若い女性を伴って」は「事前に連絡して原告の娘に付き添
   われ」が正しい。イ:被告は「神奈川県に帰る前に,実況見分及び調書の作
   成をしたいので,また来署してほしい旨を伝え,原告もその旨を了承した。」
   と主張するが,間ノ瀬巡査部長は「・・・ここに一日一晩滞在するくらいの
   気持ちで,時間,日にちをかえておいてください」と云い,原告は「明日は
   もう横浜に,」と答え,同部長は「だから横浜に帰られるであれば来月日を決
   めてですね,又こっちに下りてきていただく,その時は私も丸一日かかりき
   りになる,」と了承している。(甲3・14頁)録音内容反訳書(1)
 6 原告への再度の呼び出し(被告の準備書面10頁)(ア,イ,ウ,エ)
   ア:不知。イ:認める。ただし,「原告が何の連絡もなく,実況見分や供述調
                3/8
  書の作成を行う約束を反古にして帰った」は「原告はそれでは(横浜)に帰っ
  て家族と相談して,と答え,間ノ瀬巡査部長は「その方がいいでしょうね,1
  週間後の11月5日,これをどういう風に処理していいか電話だけください」
  と了承した,が正しい(甲3・32頁)。ウ・エ:認める。
 7 本件事故の一時保留(被告の準備書面11頁)
   間ノ瀬巡査部長は,事故の保留は規則上県内居住者しか適用がないと話して
  いた。 「・・・県内のものしか適用がないんですよ,規則上,県内居住者で
  すね,保留というのはね,・・・(甲3・28頁)」。
   間ノ瀬巡査部長によれば,保留とは,「処分をしないで,綴りこみ,警察だけ
  で終わっちゃいましょうやということ」である(甲3・27頁)。
 8 本件交通事故の送致(被告の準備書面12頁)(ア,イ,ウ,エ,オ,カ,キ,
  ク,ケ,コ)
   ウ,キ,クは認め,ケは争う。その余は不知。
第2 原告の主張に対しての反論(被告の準備書面18頁)
 1 被告が反論した原告の主張
  (1) 実況見分調書(甲7)中,「実況見分の日時,平成11年10月7日午後0時
   34分から午後1時20分まで」との記載は不実である。
    堀部警部補は本件実況見分をしていない。
  (2) 早水巡査長は,平成11年10月7日午前11時50分から実況見分を行
   い,交通切符様式の実況見分調書を作成した。
  (3) 間ノ瀬巡査部長は,平成11年10月29日以前には,本件トレーラー(炊
   事車)を見分していない。
  (4) 原告の実況見分調書添付の写真が,本件交通事故当日に撮影されていない。
   「原告の実況見分調書添付の写真が,」は「堀部警部補が作成した実況見分調
   書添付の写真(甲8)が,」が正しい。
 2 被告の反論
                4/8
   原告は証拠を提出しているが,被告の反論に証拠はない。
第3 本件事故の実況見分の結果及び事実認定(被告の主張)(争う)
 1 実況見分の実施 ウ:実況見分の結果(被告の準備書面2頁)
  (1) 現場道路の車道幅員(イ)は約9.1メートルで,両側に白色ペイントで
   外側線が引かれている。
  (2) 原告車の損傷状況(オ)は,ハンドル右先端破損,右レバー先端擦過,ス
   テップ右側後方に凹損,マフラー擦過,右前輪ホーク擦過,前照灯枠破損等
   で小破であった。
    被けん引車のフルトレーラの損傷状況(カ,b)は右側タイヤ枠擦過,右
   側タイヤ枠擦過であり軽微であった。
  (3) 事故発生の模様(キ)現場の痕跡等(a)(甲7参照)
    現場路面を見分するに自衛隊車両の進路上中央線付近に新しいタイヤ痕1
   条~a,同タイヤ痕の反対側車線上つまり原告車両の進路上に新しい擦過痕2
   条~b,cが印象されていた。
  (4) 事故発生の模様(キ)立会人小野寺の指示説明(b)(甲7参照)
    立会人は,「私が最初に相手を認めた地点は㋐,その時の相手は①。危険を
   感じブレーキをかけた地点は㋑,その時の相手は②。衝突した地点はⓧ,そ
   の時の私は㋒,相手はⓧが右前部。私が停止した地点は㋓,相手が転倒した
   地点は③。相手のバイクが転倒した地点は④」と各地点を指示説明した。
  (5) 事故発生の模様(キ)衝突地点の認定(c)
    以上を総合してⓧ地点を衝突地点と認定した上,各地点の位置を確定し,
   かつ,相互間の距離を測定した。
 2 本件交通事故の事実認定(被告の準備書面7頁)
   本件交通事故の見分官間ノ瀬巡査部長及び補助者の堀部警部補は,本件交通事
   故の当事者からの事情聴取を終えていなかったものの,実況見分の結果,
  (1) 原告車両の右前ブレーキレバー曲り,炊事車の右タイヤフェンダーには,
               5/8
   ブレーキレバーと同じくらいの高さの部分に接触痕が認められること
  (2) 自衛隊車両の進路上中央線から約43センチメートル入った所に約35セ
   ンチメートルの真新しいタイヤ痕が印象されていること
  (3) 同地点から原告車両の進路上に向けて擦過痕が印象されていること
  (4) 自衛隊車両の進路上には,上記のタイヤ痕以外には痕跡がないこと
  等の事実が判明したことから,本件交通事故は,原告が湯布院方面から小国町
  面に向けて進行中,見通しの悪い下り坂の左カーブを進行するに当たり,ハン
  ドル,ブレーキ等の的確な操作を誤って対向車線にバイクを進出させたことに
  よって発生したものと判断した。
   そして,本件交通事故は,被害車両に乗車していた小野寺ら自衛官には怪我
  がなかったものの,加害者である原告には,「ハンドル,ブレーキ等の的確な操
  作を誤って対向車線にバイクを進出させ,他人に危害を及ぼしたという道交法
  第70条の安全運転義務違反があると認め,道交法第125条第2項第3号の
  規定に基づき,本件違反行為を交通切符(赤切符)により送致することを視野
  に入れて捜査を進めることとした。
  (「被害車両に乗車していた小野寺ら自衛官」は「加害車両に乗車していた小野
  寺ら自衛官」,「加害者である原告」」は「被害者である原告」が正しい。)
第4 本件道路の車道幅員
 1 原告は,本件道路の車道幅員は5.5メートルであると主張する。
 2 被告は,本件道路の車道幅員は約9.1メートルで,両側に白色ペイントで
  外側線が引かれているという。
   この道路の車道幅員は,実況見分調書添付の現場見取図第3図(乙第1号証)
  によれば,別府方面に向かって上り車線(以下「自衛隊車線」という。)3.7
  メートル,下り車線(以下「原告車線」という。)3.9メートルの合計7.6
  メートルの車道幅員に,路肩幅員0.5メートル及び側溝幅1.0メートルを
  加えたもの(9.1メートル)であることが認められる。
                 6/8
 3 道路交通法第2条3号は,車道とは,「車両の通行の用に供するため縁石線若
  しくはさくその他これに類する工作物又は道路標示によって区画された道路の
  部分をいう」と定義する。又同3の4号では,路側帯とは,「歩行者の通行の用
  に供し,又は車道の効用を保つため,歩道の設けられていない道路又は道路の
  歩道の設けられていない側の路側帯よりの道路の部分で,道路標示によって区
  画されたものをいう」と定義する。道路標識,区画線及び道路標示に関する命
  令(昭和35年12月17日総理府・建設省令第3号)第7条は,「車道の外側
  線」を表示する区画線は,道路交通法の規定の適用については,「路側帯」を表
  示する道路標示とみなす,と規定する。道路交通法第17条は,「車両は,歩道
  又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路
  においては,車道を通行しなければならない。」と規定する。
 4 本件道路は,大分県道路課の道路図面(甲第61号証)によると,車道幅員
  は5.5メートルであり,路肩幅員は熊本方面に向って右0.5,左2.5メ
  ートルで路面全幅員は舗装幅員と等しく8.5メートルである。
   現状は,舗装幅員の限度いっぱいに外側線が引かれていて,路肩が消滅し,
  その効用が失われている(甲第67号証)。
 5 本件道路は道路構造令(昭和45年10月29日号外政令320号)の区分
  では第3種第4級の道路である。
   車線幅員は2.75,路肩は左0.75,やむをえない場合は0.5,右0.
  5,設計速度は50,40又は30,やむをえない場合は20。曲線半径は設
  計速度40のとき曲線半径60,やむを得ないとき50,設計速度30のとき
  曲線半径は30,設計速度20のとき曲線半径15である。(単位メートル,
  速度はキロメートル毎時)。曲線部の車線の拡幅は設計車両及び曲線半径に応じ
  適切に拡幅することになっている。
   本件道路は,昭和39年に完成しているので,道路構造令の基準を満たさな
  い場合がある。
                  7/8
第5 実況見分調書添付の写真(甲8)
   原告は,平成20年10月27付け準備書面(3)で,実況見分調書(甲7)
  添付の写真(甲8)16葉はすべて,平成11年10月7日午後0時34分か
  ら午後1時20分までの間には撮影されていないと主張している。
 第1点 原告車の荷台に固縛された荷物(甲8①,②,③,④)
    実況見分時には,原告車の荷台に固縛された荷物はない。
 第2点 自動二輪車のスポーク(甲8⑩,甲25,甲26,甲27)
    写真(甲8⑩)に写っている自動二輪車(バイク)は,原告車ではない。
 第3点 間ノ瀬巡査部長に同行している自衛官(甲8①,⑦,⑩,⑪,⑫)
    自衛隊が本件事故処理に関与している。
 第4点 「徐行」の道路標示(甲8⑦,甲28)
    この「徐行」の道路標示は事故当日には存在しない。
 第5点 炊事車の衝突痕(甲8④,⑨,甲33⑩,⑪)
    原告車の前輪右側ホークと炊事車の右輪のホイールナットが接触した。
 第6点 草地の上の自衛隊車(甲8⑤,⑥,⑦,⑧,⑨)
    事故当日,本件自衛隊車が道路外に移動された事実はない。
 第7点 KP34.9の里程標(甲8⑪,甲29)
    この里程標は事故当日には存在しない。
 第8点 KP34.9の警戒標識(甲8⑪,甲29・甲8⑩,甲27)」
    この標識は北行きの車から真正面に見え,南行きの車からは見えない。
 第9点 原告車のタイヤ痕及び擦過痕(甲8⑫,⑬,⑭,⑮,⑯)
    道路面だけが写され,タイヤ痕,擦過痕及び測定基準が写っていない。
 第10点 路面にかかれた「バイク」の文字及び記号(甲8⑮,⑯)
    堀部警部補はこれらのマークについて言及していない。
第6 その他,被告の準備書面,書証の提出を待って,必要に応じ主張立証を行う。
                                   以上

9:第2回口頭弁論調書

2009-04-25 14:52:10 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
                               裁判官認印
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         第 2 回 口 頭 弁 論 調 書
-------------------------------------------------------------
事 件 の 表 示 | 平成20年(ワ)第3371号
-------------------------------------------------------------
期      日  | 平成20年11月13日 午前10時00分
----------------------------------------------------------
場所及び公開の有無| 横浜地方裁判所 第9民事部法廷で公開
-------------------------------------------------------------
裁  判  官  | 江口とし子
裁判所書記官 | 本田裕紀
------------ -------------------------------------------------
出頭した当事者等 | 原告  出羽やるか
         |被告代理人 富川盛郎
--------------------------------------------------------------
指 定 期 日 | 平成21年1月15日 午前10時00分
-------------------------------------------------------------
            弁論の要領等
-------------------------------------------------------------
原 告
1   平成20年10月1日付け準備書面(1)陳述
2   平成20年10月27日付け準備書面(2)陳述
3   平成20年10月27日付け準備書面(3)陳述
4   平成20年11月10日付け準備書面(4)陳述
被 告
    平成20年11月10日付け準備書面陳述
原 告
    次回期日までに書証(過去の判決正本)を提出する。
被 告
    次回期日までに書証(間ノ瀬及び堀部の各陳述書)を提出する。
証拠関係別紙のとおり
                 裁判所書記官  本田裕紀 印
----------------------------------------------------------

8-2:被告準備書面(2)

2009-04-25 04:10:39 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
(8)本件交通事故の送致
  ア 玖珠警察署では、本件交通事故を保留扱いとしていたが、平
  成13年8月中旬頃、堀部警部補のもとに熊本にある自衛隊の
  警務隊から「出羽さんから交通事故の件で、国家賠償請求事件
   が提訴されました。」との電話連絡があった。
  イ 堀部警部補は、上記電話連絡によって、本件交通事故の当事
   者間において争いが生じ、民事裁判になったことを知った。堀
   部警部補は、その旨を上司である交通課長に報告するとともに、
   交通課長の指示により本件交通事故を基本書式で検察官に送
   致することとした。
  ウ そこで、堀部警部補は、原告の出頭を促すために、日時不明
   なるも平成13年8月下旬頃、原告宅に架電し、出頭を要請し
   たところ、原告は、
   「高齢であり、お金もないので玖珠警察署まで出頭できない。」
   と申し述べ、出頭する意思がないことを、再度明らかにした。
  エ 平成13年9月中旬頃、堀部警部補は交通課長とともに日田
   区検察庁の担当副検事のもとを訪ね、原告立会いの実況見分が
   実施できていないこと、原告の供述調書が作成できていないこ
   とを説明し、処理方法について相談を行ったところ、担当副検
   事は、「出羽さん立ち会いの実況見分が実施できていなくても
   構わないが、出羽さんの供述調書は作成して送致してほしい。」
   という旨の回答を得た。
               12
  オ 本来であれば、実況見分調書の作成は、見分官である間ノ瀬
   巡査部長が行うべきところ、間ノ瀬巡査部長は、平成13年5
   月1日付けで九州管区警察局高速道路福岡管理室に異動とな
   っていたことから、当該実況見分に補助者として立ち会った堀
   部警部補が、基本書式で実況見分調書を作成することとし、間
   ノ瀬巡査部長が平成11年10月8日に作成していた交通切符様
   式の実況見分調書及び堀部警部補自身が作成していた現場メ
   モ(図面)並びに事故当日に撮影した車両の損傷状況・道路状
   況の写真に基づき、平成13年9月27日付けの基本書式の実況
   見分調書を作成した。
  カ 平成13年10月23日、堀部警部補は、自衛隊車両の運転者
   であった小野寺と助手席に同乗していた片岡高房(以下「片岡」
   という。)両名に玖珠警察署までの任意出頭を求め、堀部警部
   補が小野寺の事情聴取を、同署交通謀の松原隆治巡査(以下「松
   原巡査」という。)が片岡の事情聴取に当たった。
   小野寺の供述は、概略以下のとおりであった。(甲第7号証
   参照)
    ・私が、炊事車をけん引した大型貨物自動車を運転し、助手
    席に同係の片岡高房さんが乗って、日出生台演習場に演習に
    行くため、県道別府一の宮線を小国方面から湯布院町方面に
    向けて時速約40キロメートルで進行していた。
    ・私は、事故現場の進路を今まで50回ぐらい通っており、
    道路状況は十分に分かっているので中央線を越えるような
    運転はしていない。
    ・カーブを進行していたときの㋐地点のとき対向から相手の
                 13
    バイクが中央線より①地点を進行してきているのが見えた。
    そのとき、相手のバイクの速度は、私の車の速度より速く感
    じたので、相手のバイクの速度は‥時速50ノキロメートルと
    思った。
    ・私が、相手のバイクを認めて直ぐくらいの㋑地点に来たと
    き、相手のバイクは中央線寄りの②地点に来ており、相手の
    バイクのハンドルかぶれる感じに見え、私は、相手のバイク
    が中央線を越えてぶつかると感じ、相手のバイクを注視する
    とともにブレーキを掛けた。
    ・相手のバイクは、私の運転席を通り過ぎて行ったと思った
    ら、相手のバイクが中央線を越えて来てガチャンと音がして、
    ⓧ地点で炊事車の右タイヤ付近に相手のバイクの右前がぶ
    つかった。
    ・相手のバイクは、④地点の左側を下に倒れており、バイク
    の前は小国方面に向いていた。
    ・相手の人は、バイクのほぼ一緒付近の③地点に足がバイク
    にかかって倒れていた。
    片岡の供述は、概略以下のとおりであった。
    ・私が助手席に乗車し、小野寺さんが運転して、時速40キ
    ロメートルぐらいでカーブに入ったと思う。
    ・相手のオートバイの速度は、私達の車よりも速く時速約
    60キロ前後に見えた。
    ・私が、オートバイを見ていると中央線寄りを走ってきてい
    たオートバイが、カーブに入った瞬間に「ふらついた」のが
    見えた。なぜ、ふらついたのか分からないが、私は「危ない。
                14
    ぶつかるんじやないか。」と思い、そのオートバイを目で追
    った。
    ・助手席に乗っていた私の視界からオートバイが消えた次の
    瞬間、右後方から「ドン」という衝撃音が聞こえた。
    ・小野寺さんが、「現場の右カーブ中央線をはみ出していな
    い」ということについては、間違いないと思う。
    ・自衛隊の車両の左前すなわち助手席側には3個のミラーが
    付いており、車両と道路の左側との間隔を見ることができる
    が、私が対向のオートバイを見る前にこのミラーを見たとこ
    ろ、かなり左に寄っており、外側線沿いで外側線を踏むか踏
    まないかといったくらい、距離にして約10センチあるかな
    いかのところを走っていた。
    以上のような小野寺及び片岡の供述を基本書式の供述調書
   に録取し、両名に対して読み聞かせたところ、誤りのないこと
   を申し立て、調書末尾に署名押印した。
  キ 堀部警部補は、原告の事情聴取を実施するため、平成13年
   10月上旬、原告に電話連絡をとった。堀部警部補は、原告が
   玖珠警察署に出頭することができないのであれば、自身が横浜
   に出向くことを伝え、原告が都合の良い日、出頭できる場所を
   尋ねたところ、原告は平成13年10月25日に神奈川県保土ケ
   谷警察署に出頭することを承諾した。
  ク 平成13年10月25日、堀部警部補と松原巡査は、保土ケ谷警
   察署に赴き、原告の事情聴取に当たった。
   はじめに、松原巡査が身上関係の供述調書を作成したが、原
   告は素直に同書面に署名押印をした。
                15
    次に、堀部警部補が、原告に対して自身が作成した平成13
   年9月27日付の実況見分調書を基に本件交通事故の発生状況
   を説明し、供述拒否権を告げて事情聴取を開始した。
    原告の供述は、概略以下のとおりであった。
    ・私は、事故の状況については、重傷を負ったため覚えてい
    ない。
    ・私が、覚えているのは、事故現場の手前に展望台があり、
    そこで後ろから来た車を先にやり過ごし、その場所で景色を
    眺めて休憩したのと、そこでバイクに乗って小国町方面に向
    けて出発したところまでは覚えている。
    ・自衛隊員の人がいたということと救急車に乗ったところを
    断片的に覚えているだけで、小国の病院に行ったことや熊本
    市の日赤病院に行ったことも覚えていない。
    ・私が、自衛隊の車両とぶつかった位置については、私が中
    央線を越えてないと思っているので、相手の大型トラックが
    中央線を越えて来てバイクと接触し転倒して、私が大きな怪
    我をした事故と思っている。
   以上のような原告の供述を基本書式の供述調書に録取し、原
   告に対して読み聞かせたところ、誤りのないことを申し立て、
   調書末尾に署名押印した。
   堀部警部補は、事情聴取の際、原告に対して実況見分調書に
   添付の写真を見せ、「これは事故の通報を受け、私と間ノ瀬巡査
   部長が現場に直行し、その当日に撮影したものです。」と話し、
   事故発生の原因について説明したが、原告からは何の反論もな
   く納得した様子であった。
               16
  ケ 本件交通事故の実況見分結果から、
    ・原告車両の右側ブレーキレバーが曲がり、炊事車の右タイ
    ヤフェンダーには、ブレーキレバーと同じくらいの高さの部
    分に接触痕が認められたこと
    ・自衛隊車両の進路上中央線から約43センチメートル入った
    所に約35センチメートルの真新しいタイヤ痕が印象されて
    いたこと
    ・同地点から原告車両の進路上に向けて擦過痕が印象されて
    いたこと
    ・自衛隊車両の進路上には、上記のタイヤ痕以外には痕跡が
    なかったこと
   の事実が判明していたが、小野寺及び片岡の供述は、上記実況
   見分の結果と符合し、何の矛盾点もなかった。
    一方、原告の供述は、事故発生時の状況については、何の記
   憶もないというものであり、原告の「自衛隊車両が中央線を越
   えて来て、バイクと接触し転倒したと思う。」との供述には何の
   根拠も裏付けもないものであった。
    堀部警部補は、以上の捜査資料を基に本件交通事故の発生原
   因について検討した結果、本件交通事故は、原告が、湯布院町
   方面から小国町方面に向けて進行中、見通しの悪い下り坂のカ
   -ブを進行するに当たり、自車のハンドル、ブレーキの的確な
   操作を誤り、対向車線に進出させたため、対向から進行してき
   た小野寺運転の大型貨物自動車にけん引されたフルトレーラー
   の右側タイヤ及びタイヤ枠付近に自車前部を接触させたことに
   よって発生したものと認定した。
               17
  コ 玖珠警察署は、上記認定に基づき、平成13年11月16日、大
   分県警察本部長(交通部運転免許課経由)に対して、「自動車等
   運転者行政処分(交通違反等)報告書」により、原告の違反行
   為(道交法第70条、同法第119条第1項第9号)を報告した。
    また、玖珠警察署長は、平成13年11月20日に原告を道交法
   第70条、同法第119条第1項第9号違反として、関係書類を日
   田区検察庁に送致した。
2 原告の主張に対しての反論
 (1)  実況見分調書(甲7)中、「実況見分の日時、平成11年10
   月7日午後0時34分から午後1時20分まで」との記載は不実
   である、及び堀部警部補は本件実況見分をしていない。との主
   張について
    前述の1の(2)のイ(2頁)のとおり、平成11年10月7日午
   後0時34分から、間ノ瀬巡査部長が見分官、堀部警部補が補助
   者として実況見分を行い、1の(2)のエ(6頁)に述べたとおり、
   実況見分は同日午後1時20分に終了した。
 (2)  早水巡査長は、平成11年10月7日午前11時50分から実況
   見分を行い、交通切符様式の実況見分調書を作成した。との主
   張について
    前述の1の(4)(8頁)で述べたとおり、間ノ瀬巡査部長は
   平成11年10月8日、交通切符様式の実況見分調書を作成した
   ものである。
 (3)  間ノ瀬巡査部長は、平成11年10月29日以前には、本件トレ
   ーラー(炊事車)を見分していない。 との主張について
    前述の1の(2)のウの(カ)(4頁ないし5頁)で述べたとおり、
                  18
   本件トレーラー(炊事車)を見分している。
 (4)  原告の実況見分調書添付の写真が、本件交通事故当日に撮影
   されてないとの主張について
    前述の1の(2)のイ(2頁)に述べたとおり、実況見分の補助
   者である玖珠警察署堀部警部補が、事故当日の実況見分時に撮
   影し、実況見分調書に添付したものである。
                  19

8-1:被告準備書面(2)

2009-04-25 04:07:10 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
平成20年(ワ)第3371号 国家賠償請求事件
原  告  出 羽 や る か
被  告  大   分   県
          準  備  書  面
                    平成20年11月12日
横浜地方裁判所第9民事部い係 御中                    
         被告訴訟代理人弁護士  富  川  盛  郎
1 本件交通事故の事実経過
  原告が惹起した本件交通事故の事実経過を明らかにする。
(1)本件交通事故の受理
 ア 本件交通事故は、110番通報で熊本県警察本部に入ったもので
  あるが、事故の発生場所が大分県警察本部管内であったことから、
  熊本県警察本部から大分県竹田警察署に110番通報が転送され
  た。
   さらに、本件交通事故が、「大分県玖珠郡九重町大字田野県道別
  府一の宮線水分起点34.9km先路上での自衛隊車両とバイクとの交
  通事故」と判明し、平成11年10月7日午前11時25分頃、竹田警
  察署から玖珠警察署に電話連絡された。
 イ 本件電話連絡を受けた玖珠警察署交通課の堀部金丸警部補(以下
  「堀部警部補」という。)は、本件交通事故が、玖珠警察署長者原
  駐在所の管内で発生したものであったことから、同駐在所勤務の早
                1
  水満堯巡査長(以下「早水巡査長」という。)に対し、事故現場に
  急行して事実調査と現場保存を行うよう指示するとともに、同署交
  通課の間ノ瀬久太巡査部長(以下「間ノ瀬巡査部長」という。)と
  ともに、「玖珠61」という交通事故処理車で現場に向かった。
 ウ 同日午前11時50分頃、早水巡査長は、駐在所配備の警ら用自動
  車(いわゆる「ミニパト」)で本件交通事故現場に到着したが、原
  告は、早水巡査長が現場に到着すると直ぐに救急車で病院に向け搬
  送された。
 エ 同日午後0時25分頃、堀部警部補らは、本件交通事故現場に到
  着したが、事故現場には本件交通事故の関係者と思われる自衛官数 
  名がおり、自衛隊車両(本件交通事故車両及びジープ車)及び原告
  の自動二輪車は、危険防止のために既に道路外(原告車両進行方向
  左側の雑草地)に移動されていた。
(2)実況見分の実施
 ア 本件交通事故の発生場所は、大分県玖珠郡九重町大字田野県道別
  府一の官線水分起点34.9km先路上であり、事故の形態は、原告運
  転の普通自動二輪車と自衛官小野寺秀和(以下「小野寺」という。)
  運転の大型貨物自動車にけん引されたフルトレーラーとの接触事
  故であった。
 イ 実況見分は、平成11年10月7日午後0時34分から小野寺立ち
  会いのもとに、間ノ瀬巡査部長が見分官となり、堀部警部補が補
  助者となって、両名共同して小野寺の指示説明及び現場の道路上
  の痕跡等から各地点を特定し、堀部警部補が現場メモに記載する
  とともに、車両の損傷状況及び道路状況の写真撮影を行った。
 ウ 実況見分の結果は、概略以下のとおりであった。
                2
 (ア)現場の道路状況
   現場道路は、山間部を南北に走る曲がりくねった県道で、原告
   の道路は湯布院方面から小国方面に向け約100分の5の下り坂
   で半径約25メートルの左カーブになっている。
    道路の東側は、草地を隔てて杉林になっており、西側は土手及
   要壁となっている。
 (ィ)現場道路の幅員及び路面状況
   現場道路は、アスファルト舗装の平坦な道路で歩車道の区別は
   なく、黄色ペイントの実線で中央線が引かれている。
    同道路の車道幅員は約9.1メートルで、両側に白色ペイントで
   外側線が引かれている。
    同道路路面は、乾燥しており、凹凸はなく障害物もなかった。
 (ウ)現場道路の見通し状況
   本件現場道路は、半径約25メートルの左カーブで雑草等があり、
   双方から見通しは不良である。
 (エ)現場道路の交通規制の状況
   本件現場道路の交通規制は、大分県公安委員会から
     最高速度40キロメートル毎時(常時)
     追い越しのための右側部分はみ出し通行禁止(常時)
   とされている。
 (オ)原告車両の状況
  a 車両
     原告車両は、
      車  種 普通自動二輪車
      車  名 スズキホルディ
                   3
      登録番号 1横浜あ6876号
      排 気 量 2 5 0cc
      乗車定員 2名
     で、同バイクの長さ等を巻き尺で測定すると
      車  長 2.1メートル
      車  幅 0.7メートル
      車  高 0.95メートル
     であった。
  b 損傷状況
     損傷状況を見分するに
      ハンドル右先端破損
      右レバー先端擦過
      ステップ右側後方に凹損
      マフラー擦過
      右前輪ホーク擦過及び同部分に黒色付着
      前照灯枠破損
    等で小破であった。
(カ)自衛隊車両の状況
 a 車両
     けん引車両は、大型貨物自動車で自動車検査証により
      車  種 大型貨物自動車
      車  名 いすゞ
      自動車番号 33-1451号
      排 気 量 2300cc
      乗車定員 2(24)名 
                 4
      最大積載量 6000キログラム
      車  長 7.23メートル
      車  幅 2.485メートル
      車  高 3.080メートル
     であった。
      なお、同車両の積戴物等について立会人は、「訓練に使用す
     る道具約1,000キログラムと隊員5名が乗っていた。」と申し
     立てた。
      けん引車両は、フルトレーラー(野外炊具1号)で通称炊事
     車であり、自動車検査証により
      車  種 フルトレーラー
      車  名 日鈴
      最大積載量 350キログラム
      車  長 4.195メートル
      車  幅 2.090メートル
      車  高 1.840メートル
     であった。
  b 損傷状況
    けん引車両の大型貨物自動車には、損傷は認められなかった。
    被けん引車両のフルトレーラーには、
     右側タイヤ枠擦過
     右側タイヤ擦過
   であり軽微であった。
 c 実験結果
    ハンドル、ブレーキの機能点検を実験したところ異常は認め
                  5
   られなかった。
(キ)事故発生の模様 
  a 現場の痕跡等(甲第7号証参照)
    現場路面を見分するに自衛隊車両の進路上中火線付近に
     新しいタイヤ痕1条~a
    同タイヤ痕の反対側車線上つまり原告車両の進路上に
     新しい擦過痕2条~b、c
    が印象されていた。
  b 立会人小野寺の指示説明(甲第7号証参照)
    立会人は、
     私が最初に相手を認めた地点は㋐、その時の相手は①
     危険を感じブレーキをかけた地点は㋑、その時の相手は②
     衝突した地点はⓧ、その時の私は㋒、相手はⓧが右前部
     私が停止した地点は㋓、相手が転倒した地点は③
     相手のバイクが転倒した地点は④
    と各地点を指示説明した。
  c 以上を総合してⓧ地点を衝突地点と認定した上、各地点の位

   置を確定し、かつ、相互間の距離を測定した。
 エ 各地点の測定、写真撮影等の一連の見分終了後、堀部警部補ら
  は、小野寺に対して、原告所有の自動二輪車及び荷物の保管を依
  頼し、実況見分は同日午後1時20分に終了した。
   堀部警部補らは、原告が救急隊によって小国町方面にある病院
  に搬送されたと聞いていたので、実況見分終了後に原告が搬送さ
  れた病院に立ち寄ることとしていたが、玖珠警察署に確認をとる
  と、原告は熊本市内の病院に搬送されたとの連絡があった。熊本
              6
  市は、現場から遠隔地にあることから、堀部警部補らは、病院に
  立ち寄ることを取り止め玖珠警察署に戻ることとした。
 オ 間ノ瀬巡査部長は、玖珠警察署に到着後、熊本赤十字病院に電
  話をして原告の負傷程度と原告が同病院に入院したことを確認
  した。
 (3)  本件交通事故の事実認定
   本件交通事故の見分官間ノ瀬巡査部長及び補助者堀部警部補は、
  本件交通事故の当事者からの事情聴取を終えていなかったものの、
  実況見分の結果、
  ・原告車両の右前ブレーキレバーが曲がり、炊事車の右タイヤフェン
   ダーには、ブレーキレバーと同じくらいの高さの部分に接触痕が認
   められること
  ・ 自衛隊車両の進路上中央線から約43センチメートル入った所に約
   35センチメートルの真新しいタイヤ痕が印象されていること
  ・ 同地点から原告車両の進路上に向けて擦過痕が印象されているこ
   と
  ・ 自衛隊車両の進路上には、上記のタイヤ痕以外には痕跡がないこ
   と
  等の事実が判明したことから、本件交通事故は、原告が湯布院方面か
  ら小国町方面に向けて進行中、見通しの悪い下り坂の左カーブを進行
  するに当たり、ハンドル、ブレーキ等の的確な操作を誤って対向車線
  にバイクを進出させたことによって発生したものと判断した。
   そして、本件交通事故は、被害車両に乗車していた小野寺ら自衛官
  には怪我がなかったものの、加害者である原告には、「ハンドル、ブ
  レーキ等の的確な操作を誤って対向車線にバイクを進出させ、他人に
                 7
  危害を及ぼした」という道交法第70条の安全運転義務違反があると
  認め、道文法第125条第2項第3号の規定に基づき、本件違反行為を
  交通切符(赤切符)により送致することを視野に入れて捜査を進める
  こととした。
(4) 小野寺に対する事情聴取
   平成11年10月8日、間ノ瀬巡査部長は、交通切符様式の実況見分
  調書を作成するとともに、小野寺に電話連絡をして10月12日に玖珠
  警察署に出頭するよう要請した。
   平成11年10月12日、間ノ瀬巡査部長は、玖珠警察署において任
  意出頭した小野寺の事情聴取に当たった。
   小野寺の供述は、
 ・道路状況等は、十分に知っているので中央線を越えるような運転は
  していない。
 ・現場は、上り坂で時速40 km位で進入したが、対向から相手のバイ
  クが中央線寄りに進入して来るのを認めた。
 ・相手のバイクは、ハンドルかぶれる感じで、中央線を越えてぶつか
  って来た。
 ・相手のバイクが私の運転席横を通り過ぎたと恩ったら、中央線を越
  えて炊事車の右タイヤ付近にぶつかった。
 というものであった。間ノ瀬巡査部長は、小野寺の供述を交通切符用
 の供述調書に録取し、小野寺に対して読み聞かせたところ、誤りのな
 いことを申し立て、調書末尾に署名押印した。
(5)原告の玖珠警察署への来署
  ア 平成11年10月29日、原告は、事前連絡なく若い女性を伴って
   間ノ瀬巡査部長のもとを訪れ、平成11年10月14日付けの熊本赤
               8
   十字病院医師平山征吾作成の診断書を提出するとともに、本件交
   通事故の発生状況等の説明を求めてきた。
  イ そこで、間ノ瀬巡査部長は、原告に対して平成 11年 10月8日
   に作成した交通切符様式の実況見分調書等に基づいて本件交通事
   故の発生状況を説明するとともに、その発生原因は、原告が中央
   線を越えたことによって発生したと認められると説明した。する
   と原告は驚いた様子で、
  「相手がセンターラインを越えて来たと聞いていたので、今の説
明には納得がいかない。」
と、自身が本件交通事故の被害者である旨を申し立てた。
   間ノ瀬巡査部長は、原告に対して
    「急な来署であるので、今日は事故現場に行って説明はできな
   いが、現場には事故の痕跡が残っているはずなので、熊本へ戻る
   際に確認してほしい。」
    「間もなく神奈川県に戻って、治療を受けるとのことだが、事
   故の説明に納得がいかないのであれば、基本書式として現場の実
   況見分調書と供述調書を作成しなければならないので、神奈川県
   に帰る前に、実況見分及び調書の作成をしたいので、また来署し
   てほしい。」
   旨を伝え、原告もその旨を了承した。
    なお、原告が来署した 10月 29日に原告立ち会いによる実況見
   分や原告の供述調書を作成しなかった理由は、原告の来署が突然
   のことであり、間ノ瀬巡査部長は他に処理をしなければならない 
   業務があり、堀部警部補も他の業務で外出中であったことから対
   応することができなかったからである。
                 9
 (6) 原告への再度の呼び出し
  ア 間ノ瀬巡査部長は、来署から数週間が過ぎても原告から何の
   連絡もなかったことから、原告の病状を確認すべく、日時不明
   なるも熊本赤十字病院に架電した。すると原告は、10月30日に
   既に退院していて神奈川県に帰っていることが判明した。
  イ 平成11年11月11日、間ノ瀬巡査部長は、原告が何の連絡も
   なく、実況見分や供述調書の作成を行う約束を反古にして神奈
   川県に帰ったことや玖珠警察署への再出頭を求めるため、原告
   宅に何度も電話した。そして、同日午後7時30分頃になって漸
   く電話が繋がり、原告本人と話すことができた。
    原告は、間ノ瀬巡査部長の出頭要請に対して、
     「玖珠警察署に行くお金がない。事故の説明には納得がいか
   ないが、これ以上話すつもりはない。」
   と申し立てた。そこで、間ノ瀬巡査部長は、原告に対して
     「納得がいかなければ、尚更のこと、現場見分をして供述調
   書を作成しなければならないではないか。」
   と説得するも、原告は、
     「未だ治療中でお金もない。行かない。」
   と繰り返すのみであった。
    間ノ瀬巡査部長は、出頭日時を平成11年11月28日午前10
   時と決め、さらなる出頭要請を行ったが、原告は、
    「元神奈川県警の人に相談したら、行かなくても良いと言わ
   れた。」
   と申し立てるので、間ノ瀬巡査部長は、その相談相手の氏名を
   間くも、原告は、
               10
    「言う必要はない。」
   と答え、一方的に電話を切った。
  ウ 間ノ瀬巡査部長は、原告に対して任意出頭の申し入れを行っ
   たことを明らかにするために、電話を終えた直後の午後7時50
   分頃に、出頭日時・場所を平成11年11月28日午前10時・玖
   珠警察署とする「呼び出しの葉書」を作成し、原告に対して郵
   送した。
  エ 平成11年11月15日午後2時25分頃、原告から間ノ瀬巡査
   部長に電話があり、
    「本日、葉書を受け取ったが、お金はないし、リハビリ中な
   ので行くことはできない。」
   と申し立てるので、間ノ瀬巡査部長は、原告に対して
    「出頭してくれないのであれば、(強制捜査を含めた)然るべ
   き措置を検討せざるを得ない。」
   と告げると、原告は、
    「先日、電話で話をしたとおりです。然るべき措置を採って
   ください。」
   と申し立てた。
 (7)  本件交通事故の一時保留
    堀部警部補は、本件交通事故の捜査が、原告の協力を得られない
   ことで未処理となっていた為、本件交通事故の処理方針について、
   上司である交通課長と検討した結果、
   ・自衛隊車両の被害は物損のみで軽微であること
   ・怪我を負った側の原告が、任意出頭に応じないこと
   ・一方の当事者である自衛隊は、原告の処罰を特に望んでいないこ
                11
   と
   等の状況にあったことから、平成12年2月10日に玖珠警察署長ま
   で報告の上、本件交通事故の処理を一時保留扱いとした。
 

7:原告準備書面(4)

2009-04-23 11:07:42 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
平成20年(ワ)第3371号 国家賠償請求事件
原 告 出羽やるか
被 告 大分県
           準 備 書 面 (4)
                          平成20年11月10日
横浜地方裁判所第9民事部い係 御中
                        原 告 出羽やるか
 原告は,次のとおり弁論を準備する。
 略称等は,本準備書面で新たに用いるもののほかは,従前の例による。
第1 原告に生じた損害は次のとおりである。
  1 本件事故により原告に生じた損害金2557万8457円を,別件訴訟敗訴
  による損害とする。
   損害の算定は,平成10年11月版交通事故損害賠償必携・資料編(新日本
  法規)及び赤い本1999(東京三弁護士会)を基準とした。
  (1) 治療関係費 合計85万1440円
    ・・・中略・・・   
  (2) 休業損害  合計791万5578円 
    ・・・中略・・・・
  (3) 後遺障害による逸失利益 合計903万3693円
    ・・・中略・・・・
  (4) 傷害慰謝料 231万0000円 入院期間57日,通院期間509日
    後遺障害慰謝料 510万0000円 後遺障害 第10級
  (6) 警察への出頭旅費 合計2万2360円
    ・・・中略・・・・
  (7) 物損等  合計32万3126円
    ・・・中略・・・・
  以上,本件事故により原告に生じた損害の合計は,金2557万8457円である。
                  5/6
 2 玖珠署の不法行為に基づく慰謝料等 金442万1543円
   別件訴訟で原告が敗訴するに至った原因の一つは,裁判所が玖珠署の違法行
  為を見逃し,玖珠署の実況見分調書を真実と誤信したためでもあるが,いずれ
  にせよ,玖珠署の違法行為が原因の一つであることは明らかであり,玖珠署の
  違法行為により,加害運転者の刑事責任を問えなくなったのは勿論,原告は特
  別刑法の被疑者として取調べを受け,送致された。このことにより,原告が蒙
  った精神的苦痛は多大であり,この冤罪を晴らすために原告が提起した別件行
  政訴訟及び別件国賠訴訟の遂行などにより生じた財産的損害などを加えれば,
  その慰謝料は,金442万1543円を下回ることはない。

証拠方法
 証拠説明書に記載のとおり。
 その他,口頭弁論において必要に応じ提出する。

附属書類
 1 証拠説明書(7)平成20年11月10日 (甲第35~48号証) 1通
                 6/6

                                   以上

6:原告準備書面(3)

2009-01-11 09:38:04 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
平成20年(ワ)第3371号 国家賠償請求事件
原 告 出 羽 やるか
被 告 大  分  県
準 備 書 面 (3)
                        平成20年10月27日
横浜地方裁判所第9民事部い係 御中
                        原 告 出 羽 やるか
 原告は,本準備書面において,訴状中,請求の原因第3玖珠署の違法行為,2実況
見分調書の不実記載及び3実況見分調書(甲7)添付の写真(甲8)について,下記
のとおり主張を補充及び整理する。
 玖珠署は実況見分調書添付の写真(甲8)は,事故当日の平成11年10月7日午
後0時34分から午後1時20分の間に行われた間ノ瀬巡査部長の実況見分時に堀部
警部補が撮影したとしている。
 原告は,平成20年10月27日付け準備書面(2)の第1原告の主張で「1実況見
分調書(甲7)中『1,実況見分の日時,平成11年10月7日午後0時34分から
午後1時20分まで』との記載は不実である,2堀部警部補は本件実況見分をしてい
ない,3早水巡査長は平成11年10月7日午前11時50分から実況見分を行い,
交通切符様式の実況見分調書を作成した,4間ノ瀬巡査部長は平成11年10月29
日以前には本件トレーラ(炊事車)を見分していない」と主張している。
 原告は本書面で,玖珠署が実況見分時撮影したとする実況見分調書添付の写真(甲
8)16葉は,すべて事故当日の上記時間帯には撮影されていないと主張する。
 1 写真(甲8①,②,③,④):原告車の荷台に固縛された荷物
 2 写真(甲8⑩):自動二輪車のスポーク
 3 写真(甲8①,⑦,⑩,⑪,⑫):間ノ瀬巡査部長に同行している自衛官
 4 写真(甲8⑦):「徐行」の道路標示
 5 写真(甲8⑧,⑨):本件トレーラ(炊事車)のホイールの損傷
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 6 写真(甲8⑤,⑥,⑦,⑧,⑨):草地の上の自衛隊車
 7 写真(甲8⑪:KP34.9の里程標
 8 写真(甲8⑪:KP34.9の警戒標識
 9 写真(甲8⑫,⑬,⑭,⑮,⑯):原告車のタイヤ痕及び擦過痕
 10 写真(甲8⑮,⑯):路面にかかれた「バイク」の文字及び記号
第1 原告車の荷台に固縛された荷物:写真(甲8①,
 1 間ノ瀬巡査部長の実況見分時には,原告車の荷台に固縛された荷物はない。
   原告は,転倒直後意識がなかったので,荷台の荷物は危険物の有無,身元確認
  のために内容を確認する必要があり,友田浩二陸曹長が写真撮影(甲15)した
  後荷台から降ろされた。
 2 小野寺は,「司令部付隊の隊員が交通統制,現場保存をし,警察の到着を待ちま
  した。この時,バイクに積載してあった荷物を道路の脇に移動させようと持って
  みると約20㎏ほどありました(甲16・2頁)」と陳述している。
   自衛隊員が交通統制,現場保存を開始したのは,午前10時55分,警察が到
  着したのは午前11時35分である。(時系列表・準備書面2第2)
第2 自動二輪車のスポーク:写真(甲8⑩,甲25,甲26,甲27)
 1 写真(甲8⑩)に写っている自動二輪車(バイク)は,原告車両ではない。
   写真⑩のバイクのホイールはディスクタイプのスポーク(甲26,甲27)で
  あるが,原告車のホイールはワイヤースポークである(甲8①,②,④)。
   スポークは、車輪を構成する部品の一つ。外周部分を支えている金属部品(リ
  ム)と軸受(ハブ)をつないでいる部品。軸受から放射状に伸びている。
 2 別件行政訴訟で,神奈川県公安委員会は平成16年11月1日,堀部警部補が
  平成11年10月7日の作成した写真を乙1-1号として提出した(甲24)。立
  証趣旨は,「本件交通事故発生日当日(平成11年10月7日)に,実況見分調書
  (甲7)添付の写真が撮影されている事実」とある。
   同人が同日作成した写真を同時に乙1-2号証として提出した(甲25)。立証
                  2/7
  趣旨は,「乙1-1のネガフィルム16コマ目は,実況見分調書(甲7)添付の写
  真⑩であるところ,同写真に原告車両が写っている事実。」とある。
第3 間ノ瀬巡査部長に同行している自衛官:写真(甲8①,,⑩,⑪,⑫)
 1 写真甲8⑦(甲28)で,間ノ瀬巡査部長の実況見分に同行している自衛官2
  名が,同巡査部長と3人で炊事車の右車輪付近を見入っている。
 2 間ノ瀬巡査部長は,平成11年10月29日以前には本件トレーラ(炊事車)
  を見分していないから,写真甲8⑦は事故当日には撮影されていない。
 3 堀部警部補作成の実況見分調書(甲7)では,実況見分の立会人は小野寺とし
  ているが,同人の映像はなく,2名の幹部自衛官が見分に立会っている。
第4 「徐行」の道路標示:写真甲8⑦(甲28)
 1 上記写真(甲8⑦・甲28)の熊本方面への車線に「徐行」の道路標示が写っ
  ている。この「徐行」の道路標示は事故当日には存在しない。
   もし存在しておればこの車線を通行した原告に徐行義務が発生するが,警察及
  び自衛隊からの原告の徐行義務違反の主張はない。
 2 原告が平成11年10月29日に事故現場写真(甲第31号証)を撮影した時
  には「徐行」の道路標示・道路標識はなかった。
 3 この「徐行」の道路標示について釈明を求める。
第5 炊事車の衝突痕:甲8⑨,原告車の損傷状況(甲第33号証)
 1 原告車のホークには上部(甲33⑩)と下部(甲33⑪)にゴージ(丸のみ
  で削ったような傷)がある(甲8④・甲15⑩)。
 2 小野寺は別件訴訟で,原告車の上記の傷について見分した警官は「この傷は,
  トレーラ(炊事車)のホイールナットがありますけれども,そのホイールナット
  のところと接触したときの傷だと」と言ったと証言している(甲19の26頁)。
 3 写真(甲8⑨・甲15⑬)の炊事車のタイヤホイール及びホイールボルトナッ
  トには傷一つなく,塗装もはげていない。
 4 警察は,写真(甲8⑨)でタイヤの側面に擦過痕があるとしている。自衛隊は,
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  写真(甲15⑫,⑬,⑭)の説明では炊事車の衝突痕(赤で囲った部分)として
  タイヤの側面に赤でしるしがつけられている。
 5 タイヤは天然・合成ゴムで作られているから原告車に上記の傷はつかない。
 6 原告車の損傷状況写真(甲8④)で,堀部警部補は下部の傷は「擦過及び黒色
  模様の色付着」と説明しているが,地上高約62センチメートルの上部の傷(甲
  33⑩)を看過している。
 7 原告車のホークの「黒色模様の色」は,炊事車の写真(甲8⑨)でタイヤの部
  分に「擦過痕」と説明をつけていることから,黒色のタイヤの色が付着したと説
  明したと思われるが,実際はホーク下部の傷(ゴージ)から流れ出たホークオイ
  ルが時間の経過により黒色に変色付着したものであることは,上記ホークの傷を
  実際に目で見,指で触ればバイクのホークから油が流出していることが容易に感
  知できる。
 8 実況見分とは,捜査機関が五官の作用により,物,場所又は人の身体について,
  その存在及び状態を感知する捜査方法である。
 9 堀部警部補が,本件事故当日に実況見分を行ったとは到底考えられない。
第6 草地の上の自衛隊車:写真(甲8⑤,⑥,⑦,⑧,⑨)
 1 事故当日,本件自衛隊車が道路外に移動された事実はない。
 2 小野寺によれば,「自衛隊車は,検証が終わるまでは別府よりの道路上にとめて
  いた。バイクさえ移動すれば,自衛隊車がいても片側通行が確保される。ちゃん
  と誘導員をつけていた。検証が終わってから演習場に持っていってもらった」の
  である(甲19・25~26頁)。
 3 事故発生日平成11年10月7日は木曜日であり観光シーズンでもなかったの
  で交通量は多くなかった。検証前に本件自衛隊車を草地に移動する特段の理由は
  なかった。
 4 事故直後の停車位置から炊事車を牽引した大型トラックを草地の位置に移動す
  るには,一旦後退しなければならず簡単ではない。
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 5 小野寺と片岡の陳述書(甲16・甲17)によると,「事故の約10分後24普
  通科連隊の車両が通過した」のである。その以前に後続の9号車および10号車
  が通過している。
 6 本件自衛隊車が事故直後の停止位置にあっても,現場付近の交通に渋滞となる
  ような障害はなかったのである。
第7 KP34.9の里程標:写真(甲8⑪・甲第29号証)
 1 写真(甲29・甲8⑪)に写っているKP34.9の里程標は,事故当日,事
  故現場見取図(甲13)のKP34.9の位置に存在しない。
 2 原告が平成11年11月29日に撮影した本件交通事故道路KP34.9付近
  の事故現場写真(第31号証⑤,⑥)に里程標は存在しない。
 3 写真(甲31)は原告が玖珠警署からの帰途,道路の南側の草地の東端に駐車
  し,その位置から西へ歩き,カーブの頂点付近で引き返し,本件事故現場を撮影
  した,同一の機会に撮影した一連の写真である。
 4 写真(甲8⑪)の拡大写真(甲32①,②)に写っている里程標と,原告が平
  成13年10月30日に撮影した本件道路の写真(甲第32号証③,④)に写っ
  ている里程標とは,地上高及び設置されている位置が異なる。
 5 事故当時,本件道路の里程標は,キロメートル標(ポスト)と100メートル
  標では形状寸法が異なっていた。
 6 KP34.9の里程標は100メートル標で,事故現場見取図(甲13)のK
  P34.9の位置の地点より45メートル前後別府よりにあった。
 7 本件道路は,日本道路公団の「別府阿蘇道路」として,昭和39年10月,水
  分峠~一の宮間の有料道路として完成した。平成6年6月に大分・熊本県道別府
  一の宮線となり無料化された。その名残として里程標が設置されている。
 8 大分県「道の相談室」によると,里程標の立替えが平成12年6月頃から平成
  13年度に行なわれた(甲第34号証)。立替えられた後の里程標の形状・寸法は
  甲34に記載の図面及び写真のとおりである。地上高は1500mm程度で,標
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  示板の寸法は,縦140mm,横350mmである。
 9 写真(甲8⑪)の里程標の標示板は自衛官の臀部の手前に写っている。
 10 路側用ガードレールの高さは800mm前後であるから,ガードレールと比較
  しても,実況見分調書に添付された写真⑪(甲8⑪)の里程標の地上高は,15
  00mmより明らかに低い。
第8 KP34.9の警戒標識:(甲8⑪・甲29)
 1 写真(甲29),間ノ瀬巡査部長の後方の外側路肩に,黄色地に黒でカーブの
  方向を示す<のマークが記された標識,曲線部誘導標(以下「KP34.9の警
  戒標識」という)がある。
 2 このKP34.9の警戒標識は,自衛隊の事故現場見取図(甲13)に「安全
  標識」としてその位置が記入されているが,警察の実況見分調書(甲7)添付の
  交通事故現場見取図(第3図)には記載がない。
 3 写真(甲8⑩),右手の擁壁上に,南行きの車ために設置された2個の警戒標
  識があり,3個目のKP34.9の警戒標識に続く。
 4 写真(甲8⑩,甲25,甲26,甲27)に,KP34.9の警戒標識の支柱
  は写っているが,標識板は写っていない。南行きの車からは見えない。
 5 写真(甲8⑪,甲29)では,北行きの車から真正面に見える。
 6 北行きの車からは,写真(甲32③,④)のように見えなければならない。
 7 実況見分調書添付の写真(甲8⑪)は,事故当日には撮影されていない。
第9 写真(甲8⑫,⑬,⑭,⑮,⑯):原告車のタイヤ痕及び擦過痕
 1 実況見分調書(甲7)別紙,6(1)現場の痕跡等に,「自衛隊車の進路上中央線
  付近に,新しいタイヤ痕1条a,原告車の進路上に新しい擦過痕2条c・dが印
  象されていたとの記載がある。(交通事故現場見取図・甲7・23頁)
 2 写真(甲8⑫~⑯)に,本件事故現場路面に印象されていたとして,タイヤ痕
  と擦過痕を示す矢印を記入しているが,タイヤ痕と擦過痕は写っていない。
 3 写真には,測定基準が写されていないので位置が特定できず,道路面だけしか
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  写されていないか,路側が黒く塗られ,付近の草木の状況もわからず撮影の時期
  も推定できない。
第10 写真(甲8⑮,⑯):路面にかかれた「バイク」の文字及び記号
 1 写真⑯の右下方の路面に,「バイク」の文字や,丸で囲まれた「ウ」「エ」の文
  字その他チョークでかかれている。
 2 堀部警部補はこれらのマークについて言及していない。
 3 場所的に原告車の最終転倒位置であり,事故直後保安警務隊がマークし,自衛
  隊が撮影した写真である可能性が高い。
 4 別件訴訟では,国は擦過痕の存在については主張していない。
第11 おわりに
   その他,被告の準備書面の提出を待って,必要に応じ主張立証を行う。
                                    以上
証拠方法
 証拠説明書   甲1~11  平成20年8月20日付け 提出済み
 証拠説明書(2) 甲12~19 平成20年9月3日付け  提出済み
 証拠説明書(3) 甲20~22 平成20年9月29日付け 提出済み
 証拠説明書(4) 甲23    平成20年10月1日付け 提出済み
 証拠説明書(5) 甲24~29 平成20年10月7日付け 提出済み
 証拠説明書(6) 甲30~34 平成20年10月27日付け 提出

5:原告準備書面(2)

2009-01-10 14:57:14 | 第4訴訟 第1審 被告大分県
平成20年(ワ)第3371号
原 告 出 羽 やるか 
被 告 大  分  県
準 備 書 面 (2)
                          平成20年10月27日
横浜地方裁判所第9民事部い係 御中
                            原告 出羽やるか
 原告は,本準備書面において,訴状中,請求の原因第3玖珠署の違法行為,2実
況見分調書(甲7)の不実記載について主張を補充及び整理する。
第1 原告の主張
 1 実況見分調書(甲7)中,「1,実況見分の日時,平成11年10月7日午後
  0時34分から午後1時20分まで」との記載は不実である。
 2 堀部警部補は本件実況見分をしていない。
 3 早水巡査長は,平成11年10月7日午前11時50分から実況見分を行い,
  交通切符様式の実況見分調書を作成した。
 4 間ノ瀬巡査部長は,平成11年10月29日以前には本件トレーラ(炊事車)
  を見分していない。
第2 時系列表 事故当日の関係者の動静
   玖珠署の主張では,早水巡査長が小国署員からの引継ぎ見分を終えた時刻の
  5分後に間ノ瀬巡査部長らが本件事故現場に到着したことになる。
   (「X」は原告,「Y」は被告,「K」は玖珠警察署,「自」は陸上自衛隊,「消」
  は消防長,「小」は小野寺を表す)
   注:ゴシック部分(11~13)は争いのある事実である。
   平成11年10月7日午前
 1 10.55 本件事故発生(甲1)
      小:後方を前進していた師団司令部付隊のトラックが事故現場到着,
                 1/6                
       同隊員が交通統制及び現場保存を開始(甲16)
 2 11.05 消:119番通報受信(甲21)
      K:110番通報は熊本県警本部に入った(甲20)
 3 11.05 小:(事故の約10分後)24普通科連隊の車両が通過,
       乗車していた衛生隊員がXの救護にあたった(甲16)
 4 11.25 K:玖珠警察署本件事故の届出を受ける(甲20・甲10)
 5 11.33 消:救急車事故現場に到着(甲21)
 6 11.35 小:(事故の約40分後)小国警察署員2名現場に到着(甲16)
 7 11.38 小:救急車は現場に5分いた(甲22)としての同車現場出発時刻
 8 11.50 K:早水巡査長事故現場に到着(甲20)
        平成11年10月7日午後
 9 0.05 消:救急車小国公立病院に到着(甲21)
 10 0.20 X:(引継ぎ時間を30分として)小国署員から早水巡査長への引継ぎ
        実況見分の終了時,事故現場写真(甲15①)事故当時の道路状況
        (熊本方面から別府方面)が友田陸曹長によって撮影された時刻。 
         写真の左手,トラマークの警戒標識の前方の人物は,左側から,
        (1)第8師団司令部付隊長(松岡3佐):自衛隊の作業帽,作業服を
        着用,右腕に腕章を着けている。(2)小国署員2名:活動帽,活動服
        空色のシャツ及び朱色の反射ベストを着けている。(3)早水巡査長:
        夏制服(白シャツ),制帽(白色カバー無)を着用,反射ベストは着
        けていない。(4)複数の自衛官:鉄帽,作業服を着用である。
         小国署員が早水巡査長に,書類のようなものを手渡している。
 11 0.25 K:堀部警部補及び間ノ瀬巡査部長本件事故現場に到着(甲20)
 12 0.34 K:小野寺立会いの下,実況見分を実施(甲20・甲7)
 13 1.20 K:上記実況見分終了(甲20・甲7)

 14 2.25 消:救急車がXを小国公立病院から熊本赤十字病院に向け搬送開始
                 2/6
 15 3.31 消:救急車熊本赤十字病院に到着(甲21)
第3 間ノ瀬巡査部長の説明(甲3)及び原告の主張
 1 「・・相手の車が自衛隊車両の後ろのセミトレーラというのを,確かあれね,
  給油タンクというんですか,水を運ぶようなやつを運んでいた,セミトレーラ
  になっていて,・・・,両方にあるそれのタイヤの泥よけのところに(衝突した)
  (甲3・4頁)。」
 2 「相手の車種と型式は?」「難しいことを聞きますね,あ,かいとる,かいと
  る,・・・,たぶんね,にすずというんですよ,日にちの日に鈴と書くんですよ,
  書いとって下さい,これはもうお見せしますんで,日鈴NLGフルトレーラと
  いうのが名称で,これがじゃ,これはね,たぶん名称だと思うんですよ,炊事
  車と書いてあるからね,これをひっぱっていたまえの車は,これはもう,自衛
  隊に尋ねてください,必要であれば,これはまったく関係ないと言っては別で
  すけど,私の方の事故証明にはこれはでてきません,なぜかというと引っ張ら
  れた,こっちの車にぶっつかっているんで(甲3・25頁)」
 3 本件トレーラは,フル・トレーラ(炊事車・野外炊具1号)で,水を運ぶよ
  うなやつ(給油タンク)とは明らかに外見が違う。

 4 間ノ瀬巡査部長は,平成11年10月29日(原告が説明を受けた日)以前
  には本件トレーラを視認していない(見分していない)。

 5 えー,現場にですね,まず駐在所が到着して,それから私なんかが着くよう
  になりますので,一応見分時間は11時50分になっていますね。11時50
  分から開始と駐在所の方が書いていますね(甲3・5頁)。」
 6 駐在所の方は早水巡査長である。早水巡査長は事故当日11時50分から実
  況見分を行い,交通切符様式の実況見分調書を作成した。

 7 「見分と調書は取りました。ただ,争うということであれば,小野寺さんに
  はもう一度来ていただいて基本で捜査します。通常はえーあのこういう場合は,
  切符で処理するんですよ,だから簡単な書類で処理している(甲3・9頁)」
                  3/6
 8 早水巡査長が本件事故を切符で処理した。
 9 「現場での写真も撮っていますので,早急に写真を,多分あの中のどれかに
  入っているんで,まだフィルムは現像していないので,それを含めてうちの方
  は処分するよう・・・。(甲3・9頁)」
 10 実況見分時撮影した写真のフィルムの現像をしないで実況見分調書が作成
  されることはない。

 11 間ノ瀬巡査部長は,平成11年10月29日以前には,実況見分調書は作成
  していない。

第4 玖珠署の説明(甲20)に対する原告の主張
 1 堀部警部補と間ノ瀬巡査部長が「玖珠61」という交通事故処理車で現場に
  向かい当日午後0時25分到着実況見分を行った(甲20・11,12頁)という事
  実はない。

 2 小野寺は,玖珠署署員2名は普通のパトカーで到着したと証言している。
   速記録(甲19・20頁)
 3 事故処理車で出動したという間ノ瀬巡査部長が活動服でなく夏制服を着用し,
  道路上での実況見分時反射ベストさえも着用していない(甲8)。
 4 本件自衛隊車が道路外に移動された(甲20・12頁)事実はない。
   小野寺は,バイクさえ移動すれば,自衛隊車両がいても片側は通行が確保さ
  れるわけだから,別府寄りのところの道路上に,ちゃんと誘導員を付けて止め
  ていたと証言している(甲19・26頁)
 5 堀部警部補らは,事故当日午後1時20分実況見分終了後原告が搬送された
  小国町方面の病院に立ち寄ることとしていたが,玖珠署に確認をとると,原告
  は遠隔地の熊本市内の病院に搬送されたとの連絡があったので,立ち寄ること
  を取り止め,玖珠警察署に戻ることとした(甲20・16頁)という。
 6 事故当日午後1時20分には,原告は小国町の病院にいた。
 7 消防長の回答(甲21)によると,小国公立病院から熊本赤十字病院に向け
                 4/6
  原告の搬送開始時刻は午後2時25分である。
 8 小野寺は,現場検証後に吉山1尉(松岡3佐に訂正)に同行してもらい,小
  型ジープで小国公立病院へ向かいましたと陳述している(甲16・甲19)
 9 玖珠署は小国署の本件事故処理への関与を無視している。
  (1) 事故約40分後に熊本県警小国署員2名が事故現場に到着した事実がある
   (甲16・2頁)(甲19・20頁)。
  (2) 写真(甲15-①)の白色の夏制服を着用した早水巡査長と話している空色
   の活動服活動帽と朱色の反射ベストを着用した2名の警官が小国署員である。
  (3) 小国署は事故現場から玖珠署への国道経由の順路の途中にある(甲22)。
  (4) 間ノ瀬巡査部長らが小国署に挨拶もしないで署に戻ることはあり得ない。
  (5) なお,小国署と小国公立病院は徒歩数分の距離に位置する(甲22)。
10 玖珠署は自衛隊の本件事故処理への関与を無視している。
  (1) 本件事故直後第8師団司令部付隊の隊長(松岡3佐)及び隊員が事故現場
   に後続の車両で到着し交通整理と事故現場保存の目印をして警察の到着を待
   った事実がある(甲16・甲17)。
  (2) 実況見分調書に添付された写真(甲8‐①⑦⑩⑪⑫)には,間ノ瀬巡査部
   長と同行している2名の自衛官が写されている。
  (3) 写真(甲15-①),小国署員から早水巡査長への引継ぎの場面に松岡3佐
   のほか複数の自衛官が写されている。
  (4) 事故当日小野寺は,車両数10両中の8号車を運転し,戦闘団及び偵察隊
   訓練検閲に参加するため北熊本駐屯地から大分県の日出生台演習場向け師団
   規模で移動中であり(甲12・3頁),原告は大分県湯布院町から熊本市に向
   けて一人でツーリング中であった。
  (5) 本件道路は付近に人家のない山中の県道で,本件事故の目撃者となる者は,
   本件大型トラックの助手席の岡松と後部荷台に乗車していた5名の自衛隊員
   及び本件自衛隊車の30メートル後方を走行していた9号車の運転席の自衛
                  5/6
   隊員である(甲19・14頁)。
第5 事故当日の玖珠署員の動静
 1 平成11年10月7日午前11時25分,玖珠署が本件事故の届出を受けた
  時点での事故の態様についての情報は「バイクと大型車による接触事故,バイ
  クの転倒により男性1名が負傷したもの」である(甲21)。
 2 玖珠署は,大分自動車道の玖珠ICの近く,国道210号線沿いに位置する
  (甲第30号証)。事故現場は,玖珠署から33.7㎞,長者原駐在所から10.
  2㎞の地点である。(甲22)。
 3 本件電話連絡を受けた堀部警部補は,本件事故が玖珠署長者原駐在所管内で
  発生したものであったことから,同駐在所勤務の早水巡査長に対し,事故現場
  に急行して事実調査と現場保存を行うよう指示した(甲20・11,12頁)。
 4 早水巡査長は同日午前11時50分現場に到着し,調査(実況見分)を行い,
  その結果を堀部警部補に報告した。
   堀部警部補は,本件事故処理に小国署と自衛隊が関与したことを知り,間ノ
  瀬巡査部長に小国署に急行して調査と打合せをするよう指示した。

 5 玖珠署と小国署間の距離は26.2㎞である(甲22)。間ノ瀬巡査部長が玖
  珠署を午後0時30分に出発すれば,小国町に午後1時20分に着く。事故現
  場と小国署間の距離は19.2㎞である(甲22)。早水巡査長が実況見分を終
  え,午後0時40分に事故現場を出発すれば,小国町に午後1時20分に着く。
 6 早水巡査長の実況見分終了後,現場に臨場した小国署員,第8師団司令部付
  隊長(松岡3佐),早水巡査長及び間ノ瀬巡査部長が小国署で会同した。
   事故当日小国署で,小野寺の供述調書が録取された。
 7 玖珠署は本件事故を交通切符様式の実況見分調書で処理した。
 8 間ノ瀬巡査部長の見分に早水巡査長の他に補助者が必要な場合,玖珠署の巡
  査で十分で,係長で他に重要な業務のある堀部警部補である必然性はない。

                                  以上
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