平成17年(ワ)第3710号 国家賠償請求事件
原告 出羽やるか
被告 国
準 備 書 面 (7)
平成18年8月9日
横浜地方裁判所第9民事部合議係 御中
原告 出羽やるか
原告は,平成18年9月1日付け被告の準備書面(5)に対し,次のとおり弁
論を準備する。
略称等は,本準備書面で新たに用いるもののほかは,従前の例による。
第1 被告の準備書面(5)での主張
原告に生じた損害については,答弁書第2の4(3ページ)で「訴状第4原
告の損害」については否認ないし争う,準備書面(1)第2の2(6ページ)で「訴
状第4原告の損害総合計3000万円」については不知,準備書面(2)第1(2
ページ)で「原告の準備書面(1)」については原告に生じた損害については既に
答弁書第2の4で述べたとおりであり,本件事故によって原告に生じた損害額
は不知であるが,浅香らの行為により同損害額が生じたという主張であれば,
否認ないし争う,と述べたとおりである。
そもそも,被告が,証拠資料を隠蔽提出しなかった,自衛隊の行なった本件
事故の実況見分を隠蔽した,証拠資料をねつ造,改ざんしたという原告の主張
は,これまで,被告において繰り返し主張してきたとおり,原告の根拠のない
推測に基づくものであり,失当である。
したがって,原告の主張する被告の行為は存在しないから,これにより原告
に損害が生じることもない。
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第2 浅香らの違法行為
1 原告が主張する請求原因事実は下記の通りである。
第1点 証拠資料を隠蔽破棄し,提出しない違法(訴状6頁)
1 警務隊の調査資料について
2 玖珠警察署の実況見分調書について
3 車両使用請求書・車両運行指令書について
4 当事者照会について
5 運行記録計について
第2点 自衛隊の行なった実況見分の隠蔽(訴状14頁)
第3点 証拠資料のねつ造・改ざん(KP34.9の里程標)(訴状18頁)
準備書面(6)1頁第2,KP34.9の里程標のとおり具体的に主張する。
第4点 証拠資料のねつ造・改ざん(KP34.9付近の警戒標識)(訴状19頁)
第5点 その他(訴状21頁)下記のとおり具体的に主張する。
1 準備書面(6)4頁第3,本件事故の態様(初認位置)
2 準備書面(6)6頁第4,本件事故による道路の痕跡(タイヤ痕と擦過痕)
3 準備書面(6)10頁第5,本件事故による自衛隊車の制動痕
2 刑罰法規は処罰の対象となる行為を法定したものであるから,それに反する
行為は不法行為上も強い違法性を帯び,刑罰法規違反により他人に損害を与え
れば,侵害された被害の種類や程度を問わず違法となる。浅香らには,虚偽公
文書作成罪(刑法156条)に触れる行為がある。
3 浅香らは,別件訴訟において,原告の権利を害する意図のもとに,虚偽の文
書・図画を作り,虚偽の事実を主張して裁判所を欺罔する等の不正な行為を行
い,その結果,本来ありうべからざる内容の判決が確定し原告に損害を与えた
のである。
第3 本件口頭弁論の経過
第1回 口頭弁論期日 平成17年12月9日
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原告・訴状(平成17年10月18日付け)陳述
被告・答弁書(平成17年12月9日付け)陳述
第2回 口頭弁論期日 平成18年2月10日
原告・準備書面(1)(平成18年2月10日付け)陳述
被告・準備書面(1)(平成18年2月10日付け)陳述
第3回 口頭弁論期日 平成18年3月24日
原告・1 準備書面(2)(平成18年2月17日付け)陳述
2 準備書面(3)(平成18年3月24日付け)陳述
被告・1 準備書面(2)(平成18年3月24日付け)陳述
2 準備書面(3)(平成18年3月24日付け)陳述
第4回 口頭弁論期日 平成18年5月19日
原告・1 準備書面(4)(平成18年4月10日付け)陳述
2 準備書面(5)(平成18年5月19日付け)陳述
3 訴状18ページ第3点1及び21ページ第5点での引用を
改め,具体的に準備書面をもって主張する。
4 訴状21ページ第4の2の「慰謝料等」の「等」の内容を
具体的に主張する。
被告・準備書面(4)(平成18年5月19日付け)陳述
第5回 口頭弁論期日 平成18年6月30日
原告・準備書面(6)(平成18年5月31日付け)陳述
被告・上記準備書面に対する反論は予定していない。
早期終結を希望する。
第4 原告の主張に対する被告の態度
1 原告は上記のとおり,請求原因事実を具体的に陳述したが,被告は単純否認
を繰り返すのみである。原告が請求原因事実を具体的に陳述した場合は,被告
の陳述も反対事実の陳述によって具体的になされるべきである。これを怠ると
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きは,原告の事実主張を自白したものと見なされるべきである。
2 原告は,平成18年5月19日第4回口頭弁論期日に,準備書面(5)を陳述し
たが,原告の主張事実に対して,被告はなんら陳述(反論)しない。
口頭弁論で相手方の主張する事実を明らかに争わないときは,これを争う意
思のないものとみてよいから,法は自白したものとみなし,その事実の証明を
不要とする。(擬制自白)
3 原告は,平成18年6月30日第5回口頭弁論期日に,準備書面(6)を陳述し
た。被告は,「上記準備書面に対する反論は予定していない。早期終結を希望す
る。」と陳述した。
この被告の陳述は,原告の主張する被告に不利益な事実を争わない旨の意思
を表明する,弁論としての陳述であるから,裁判上の自白が成立する。
4 浅香らが別件訴訟で乙第1号証として提出した事故現場写真(甲24・67)
の事故当時の道路状況(熊本方面から別府方面)の写真及び原告自動二輪車転
倒位置(白い部分)の写真には,事故現場見取図(甲23)のKP34.9の
位置にKP34.9の里程標が写っている。
5 原告は,準備書面(6)1頁第2「KP34.9の里程標」1原告の主張(1)で,
「事故当日,事故現場見取図(甲23)のKP34.9の位置に里程標は存在
しない。」と証拠を示し具体的に主張した。
この事実は,被告の違法(虚偽公文書作成)を基礎づける具体的な事実で,
本件裁判上重要な事実である。自白が成立すれば証明する必要もなくなり,浅
香らの違法が認定される。
第5 終わりに
被告が別件訴訟の判決の基礎資料を不当作出したことは極めて明白であり,
原告の請求は理由がある。本件事故は平成11年10月7日に発生した。事故
の真実発見のため提起した訴訟の負担は原告には重い。正義の実現のためにも,
速やかに,本請求は認容されるべきである。 以上。
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