ヤップ島回想記

太平洋戦争末期のミクロネシアでの奮闘記

第5章 パラオ島コロール街

2012-10-19 15:12:21 | 第5章 パラオ島コロール
神戸出港して20日目の夕方サイパン丸は無事パラオ諸島のマラカル泊地に入り投錨した。私達は迎えの艀に乗り込んだ、間も無くコロール桟橋に着き出迎えの南拓の社員の指示をうけ、宿舎に案内された。其の夜は船旅の疲れもあり熟睡した。
 五十嵐さんと二人だけなので翌朝コロールの街に行き南拓パラオ事業所でいろいろ説明を受ける。ヤップへは小さな船で行くので4、5日は待機することになった。私達はコロールの繁華街へ見物に出かけた。
 清清しい外気に輝く陽光、青い海と緑の島。欝蒼とした樹林と山並みに囲まれたコロールの狭い湾。物音一つせず静まり返った海。ゴーガンが描いたタヒチに似て、平和そのものの美しい光景が展開している。私は戦争を忘れ始めて見る南国の風景に素直に感動した。やがて車はコロールの繁華街に着いた。大通りの両側には商店が並び3~4階建ての百貨店まであり。椰子細工やベッコウ細工や鰐革製品などや、パパイヤ、マンゴ、椰子の実等南方の物産を売る店があり、街の横道には飲食店もたくさんあり、駐留軍人や在留邦人でにぎわっていた。、戦争は何処でおこなわれて居るのかと言う状況であった。私はバナナが刻み込まれたアイスクリームが美味しく印象的だった。パラオ神社も見にいったがどこらへんだったか記憶に無い。