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教育改革は待ったなし その1

2018年01月21日 | 教育改革


掲載しました画像は去年の12月5日に産経新聞に掲載された、

大学入試共通テスト試行調査の数学の問題です。

2年後の2020年に教育改革が行われます。

その一つとして、センター試験が廃止され、

大学入学共通テストというものに変わります。

 

12月4日に実施された共通テスト試行調査の内容は

センター試験とは大きく異なるものになりました。

数学や国語などは一見して、番号を選択する問題が

多いようにも思えますが、記述式の問題が入り

センターとは異なり、得点率はだいぶ下がったようです。

(高校2〜3年生ののべ17万8000人が

この試行テストに参加したそうです。)

 

国語の問題では、古典の分野の漢文や古文などは

以前からのセンター試験の問題と殆ど変わりませんが、

文章題については、大きく形式が変わりました。

出題された問題は大問が3問あり、それぞれに特徴があります。

 

ひとつは高校の生徒会の部活動規約と、それにまつわる

生徒と先生の会話文を読み、表・グラフ・資料などを読み

判断する問題。今までのセンター試験にはなかった傾向です。

解答字数も50字から120字まであって、

解答に時間がかかります。

一見して面白いことは、まさに問題の傾向が

中高一貫校の入試とよく似ていることです。

数学であっても、会話文を読みながら、

文章の意図を理解しながら、

的確な答えを導き出していかなくてはなりません。

 

 

評論問題として、路地をテーマにした文章・表・写真を

見て、答える問題。

最後に文学作品としてオスカー・ワイルドの「幸福な王子」と

光原百合他の「捨てる」という文章とを比較しながら読み解く問題。

(この問題をご覧になりたい方は、ここをクリックしてください。)

 

すべての教科において、記述力と国語力が要求される問題です。

現行のセンター試験を受ける学年は高1までです。

それより下の学年のみなさんは、国公立を目指す限り

この新しい共通テストを受験しなくてはなりません。

 

実はこのことは、小学生〜中3までのみなさんが

国語の読解力と記述力を鍛えなければ

受験において遅れを取ることになる。

そういうことが読み取れるのです。

 

たしかに今までのセンター試験の国語においても

読解力がない人が得点できない内容でした。

ただ問題に一定の傾向があり、あくまでも受験問題のための

受験問題に収まっていました。

 

しかし新しく作られた共通テストにおいては、

単なる受験テクニックでは処理できないような

質的向上が見て取れます。

 

つまり、マークシート方式の欠陥である

偶然で得点できるということを

できるだけ排除する問題に

変わってきているということです。

 

今回の共通テストはあくまでもたたき台ですから、

これからますますその傾向が先鋭化することは

まちがいないでしょう。

 

 

これから受験を考えているみなさんは、ほんとうに大変です。

ほんとうの意味での受験力(特に読解力)を

鍛えていかなくてはいけない時代に入ったのです。

 

 

私も長い間、塾生に読解力をつけるよう指導していますが、

これがもっとも時間のかかることで、

読解力を短期間でつけるというのは難しいのです。

 

受験直前に読解力対策は得策ではありません。

同じ時間を掛けるなら暗記科目に注力した方がいいのです。

また学年が上がれば上がるほど、読解力の指導は困難になります。

 

やはり、一番大切なことは、小学3,4年からじっくりと

書物に触れ、語彙を増やし、ものごとを深く考える習慣を

毎日の生活の中でできれば、理想的な読解力がついてきます。

これは、みなさんのご家庭でもできることなので、

ぜひ実行して欲しいですね。

 

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