*殻便*[カ・ラ・ダ・ヨ・リ]*2004-2005

コリアン・ディアスポラ・アーティスト Yangjah の日々の旅をおすそわけ。

夕の空

2004-11-17 | ひびのたび
自転車で心斎橋・ミナミ・新町のギャラリーをまわり、九条経由で大阪港の赤レンガ倉庫へ。

3月の制作発表の段取りにとりかかる。
自分の中に今あるアイデアを少しずつ具体化していく。
少しずつ、少しずつ。
発酵していくように。

誰もいないのをいいことに、ひさしぶりにチャング(朝鮮太鼓)の稽古。
倉庫の中で響きわたる音は、下手なはずなのに、トランス状態に近づけてくれる。

空の下、からだほぐしをし、逆さに空を見上げる。
思わず息をのんで、まっすぐに立ちつくす。

朝の水

2004-11-17 | ひびのたび
今朝は肌がきりっとひきしまる冷たい空気
それでも早朝バイトからの帰りには朝日が少しずつ空気を混ぜる
冷たさと暖かさが絶妙に交差する
小春日和のはじまりにふさわしい朝
ちょうど川に光の帯が渡っていた

アントルポッの放課後

2004-11-15 | ひびのたび
きのうは赤レンガ倉庫でクリーンアーティスツプロジェクトのミーティングの後、アントルポッの放課後の公開ミーティングに参加してきました。
テーマは「アートは良い風景をつくる、か?」
様々なアーティストや美術関係者、ミュージシャン、ダンサー、舞台関係者、一般客などが参加し、意見交換をしました。

わたしの印象は、「現代美術家の人たちってなんだかしんどそう。」
(実は最近ひっかかってたことなのでした。以前からの知り合いの経験豊かな現代美術家の方たちからはそんな印象は受けたことはなかったのですが。)

仲間のひとりは「くもり」という表現を使ってました。
彼もダンサーで映像やインスタレーションの作家でもあるのですが、
いつも澄み渡ってる印象を受けます。

公開ミーティングではミュージシャンやダンサーの方も発言されてたのですが、生きること、表現することを芯から愛してるんだなあというエネルギーを感じました。

とにかくアタマでぐちゅぐちゅよりも、やっぱりカラダで感じて動くことを大切にしたいなあとしみじみ。

今回の画像は、アントルポッのバーでブイブイいわせている若旦那です。
イベントでオープンするバーはおすすめですよ。
最近メニューが冬仕様かつ豊富になってよろこんでます。
若旦那って何者?と疑問を抱いたかたは上方の宵 若旦那のお座敷入門に遊びに行ってみてくださいね。

あつまってきたものたち V

2004-11-14 | ひびのたび
きのうは心斎橋のLADS GALLERYに’おもんちゃん’こと猿澤恵子さんの展覧会に行って来た。ちょうどパフォーマンスライブの日でビデオ撮影を頼まれていたのだ。
おもんちゃんは、わたしと妹のみっちゃんが尊敬する大好きな作家さん。

7月にSpin House PONTAさんの企画で京都のたかつかさ保育園での「人間織物」workshopで生まれた巨大な織物がギャラリーのショーウインドーを飾る。レントゲンのフィルムを切り取ってできたたくさんの人型が織物で踊っている。
その他にもガリ版印刷や干し柿のへた、たくさんのあつまってきたものたちが空間を色どる。羊の毛をつむいでつくられた人形や帽子、服なども、急に冷え込んだ季節にぴったりだ。

夕方5時半ごろから、パフォーマンスライブ開始。
今回やっと三脚を購入したが、始まる直前にどう考えてもフットワークが重くなりすぎると思い却下。

パフォーマンスは「小惑星」(印南ゆう子、ユアサケイコ、タラコ)、音楽は、「NICE FELLOW」。
小惑星の怪しい3人の生け贄に選ばれた小池さんが織物に引きずり込まれ、織物と一体化してしまう。そして、観客それぞれがハサミで織物の一部を切り取リ、その毛糸で事前に配られたレントゲン人型に巻きつけるというパフォーマンス。もうそれはカオス状態! 道行く人たちも何事かと顔はこっちのまま去っていく。

順番に巨大織物を囲みハサミを入れていく様子を、ビデオカメラを通して客観的にみていると、なんだか遺体の遺骨を拾っているような光景に通じるような気がした。
みんな楽しそうだったのに、なぜかな?
生まれて消えていく過程に、その影をかいま見たのかな?

巨大織物のパフォーマンスがひと段落すると、そのままバンド「NICE FELLOW」のライブへ。ボーカルのみっちの独特の声が魅力的。
メンバー全員がおもんちゃん作の帽子やニットを衣装に。それはそれは音楽とぴったり!

そのままの流れでパーティへ。
尼崎にあるおもんちゃんのアトリエの近所にある、中華料理やさん「王中(ワンチュウ)」さんのオードブルが目を引く。手作りの玄米おにぎりや、ムカゴごはんのおにぎり、お赤飯、巨大厚焼き卵、アメリカスーパーのこれまた巨大ピザ。
ごちそう、ごちそう!

と思いきや、乾杯の前に「小惑星」のメンバーが(プラス一名、誰?)給食おばさんの衣装に着替え、掃除をしながら(お掃除おばさんだったのか?!)またまた踊りくるう。
すごいパワーなり!

乾杯が終るとしばしの沈黙。
おいしいものの威力はすごし。

みんなのお腹が落ちついたころ、Won Jiksooさんが人形劇ライブをしてくれる。
マンドリンをNICE FELLOWのメンバーに借りて、即興で弾き語る。
全身と声と音がひとつになっている光景を目の前にして、その空気に釘付けになる。
レントゲン人型の即興芝居も、かなり皆にうけていた。

その後もマッサージをするおもんちゃん(いちばんおつかれのはずなのに)や、巨大織物の前に座り込みひたすら人型に糸を巻く人たちや、みんながそれぞれに歓談にふける。

秋祭りのような夕べ。



猿澤恵子展は
2004年11月10日(水)から19日(金)まで。16日(火)はお休みです。
12時から7時まで(最終日は5時まで)
LADS GALLERY
tel&fax 06-6281-0317
大阪市中央区南船場4-12-22 心斎橋東栄ビル1F

13日から人間織物がお客さんの手でだんだん変化しています。
あなたもその変化に参加してくださいね。

ふと思い出した詩

2004-11-13 | ひびのたび
揮発油       許英子(ホ ヨンヂャ)


揮発油のような

女でありたい


重さを感じさせない

軽やかな魂と

熱くて危険な

可燃性の胸と


滓(かす)ひとつ残さない

純然たる揮発


まこと そんな液体のような

恋人でありたい





この詩があらわすような女性になりたいと願っている
願いイコール理想と現実はかけはなれている
恋をしていない時は、
理想と現実はそんなに違わないように思えてしまう
でも恋に落ちると、
だめだ

そんな時
呪文のように
響く




この詩は原詩が美しい
いつかすっと朗読できる日がくるといい
わたしはまだまだ質量が重すぎる
もっと軽く
もっと熱く