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任天堂宮本茂氏講演会のご案内

2007年10月31日 | Weblog
 金沢美術工芸大学の平野拓夫前学長は、現在の工業デザインの世界において、金沢美大の卒業生たちは大変大きな仕事をいくつもしているとおっしゃったことがある。

 確かに、独立してデザイナーとして活躍されておられる方だけでなく、ほとんど名前が出ることはないが、著名な会社のデザイン部門等々で活躍する金沢美大卒業生は決して少なくはないという。

 そして、その代表的な方が、任天堂の代表取締役専務兼情報開発本部長であり、同社のソフト開発の中心的存在でもある宮本茂氏であることは言を待たない。

 宮本氏に関しては、私の拙い紹介よりも、ネットで氏の名前で検索していただければ、膨大な情報が出てくるであろうのでここでは簡単に触れるにとどめておく。

 宮本氏は金沢美大卒業後、任天堂に入社し、『スーパーマリオブラザーズ』、『ドンキーコング』、『ゼルダの伝説』、『ピクミン』、『nintendogs』などの作品を制作。あの『Wii』、『ニンテンドーDS』の開発責任者でもある。「超天才スーパースター」なのである。

 私は、宮本氏に限らず、金沢美大のその財産(金沢市の財産という言葉を使っても言い過ぎではあるまい)をもっと、金沢市民に知らしめる取り組みを、大学設置者である金沢市が、積極的にすべきであると、これまでも再三に渡って提言してきた。実際、私でさえ、宮本氏のことを知ったのは、ここ数年であり、他の実績を残されているとされる卒業生の方々のことは、ほとんど全く知らない。

 今回、宮本氏は金沢美大において創設された栄誉賞を受賞されることになったのも、金沢市がようやくその重い腰をあげることにしたというその一環であろう。

 もちろん伏線はあった。2006年に、フランス政府・文化通信省 レジオン・ドヌール勲章(芸術文芸勲章)「シュバリエ章」受賞。2006年11月「TIME」紙アジア版にて、黒澤明、宮崎駿、小澤征爾、盛田昭夫、井深大 、安藤百福、森英恵、三宅一生、 川久保玲、王貞治と共に「60年以内のアジアの英雄」に選ばれる。極めつけは、今年2007年5月、米「TIME」誌において、「世界で最も影響力のある100人」の第9位に選ばれたということであろう。ちなみに、この100人の中で他に選ばれた日本人は、第66位のトヨタ自動車の渡辺捷昭社長だけである。まさに、「世界の宮本茂」なのである。

 さて、この度、金沢美大においてその栄誉賞贈呈式並びに記念講演会が行われる。私は、初めて知ったのだが、任天堂という会社は、基本的に社員が社外に出ての講演は認めていないという。理由は知らない。ということもあり、世界的なクリエイターである宮本氏の講演を聴ける機会はそうはない。ぜひ、ご都合をつけてお出かけいただきたい。

 余談。現在、金沢美大は、独立行政法人化について様々な議論がなされているという。正直、市民にとってはピンとこないテーマである。まずは、こうやって、金沢美大に関係する人たちのことを知ってもらって、市民に「わが町の学校」という意識を持ってもらうような努力が必要である。独立行政法人化なんて、はるかその先の議論である。

●トークセッション
平成19年11月3日(土) 16:30~18:00
金沢21世紀美術館 レクチャーホール
聞き手 秋元雄史 金沢21世紀美術館 館長
入場無料(当日15:30から会場で整理券を配布)

●金沢美術工芸大学栄誉賞贈呈式と記念講演
平成19年11月4日(日) 14:00~15:30
金沢美術工芸大学 美大ホール
入場無料(先着順)
(注)駐車場はありません

 詳細はこちらからどうぞ。金沢美大のHPです。 

 ついでに私のメルマガ「金沢美大と米百俵」もご覧ください。