平成14年の春頃から、金沢市の合併問題に、これまでの野々市町との合併の議論に加えて、鶴来町と白山麓五村との合併の話が澎湃として湧き上がってきた。
これまで、金沢市の合併問題において、精力的な活動を繰り返してきた、私も所属する金沢青年会議所(JC)メンバーや関係者の何十人かに、私は、以下のようなメールを急遽送った。
私がこのテーマについて取り組んできた流れや、JCがこの合併問題において、果たしてきた役割の一端が垣間見えるものでもある。ご高覧いただければ、幸いである。
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市長は今議会の提案理由説明の中で、従来の野々市町との合併を目指すことに加えて、鶴来町と白山5村との合併も視野に入れることを述べられた。
98年に金沢青年会議所で「リージョン2020」という金沢、松任、野々市、鶴来、内灘、津幡の2市4町による広域的なまちづくり案を提言した。これは、当時、私が副委員長を務めていた委員会内で、次のような議論を経た上でのものだ。
金沢でのまちづくりを考えた場合、自動車の台数が交通インフラ整備の進捗状況以上に急激に増加してくることによって、交通渋滞のみならず、都心部の衰退化などの様々な社会問題を生み出してきた。
一足先に同じような問題に直面した欧米の都市では、それまで別個に対応してきた交通システムと土地利用とをリンクしたまちづくりを推進するという考え方、いわゆるTOD(トランジット・オリエンテッド・ディベロップメント)政策に変化することによってこの問題に対応してきた。
もちろん、それは地域内交通だけではなく、地域外との連続性のある交通システムを考慮し、交通政策を単独の問題としてとらえるのではなく、まちづくりの一環として取り組んでいこうという考え方だ。
その先進地として、アメリカのポートランド市を当時の委員会で視察に行き、その他様々な調査を踏まえた上で、つくられたものが「リージョン2020」といえる。
その提言が基になり、2市4町の行政の中に、金沢都市圏関係都市会議なるものが作られ、さらには、この2市4町と石川県、国土交通省とで、「金沢都市圏交通円滑化総合計画」が策定されたことは記憶に新しいところだ。
JCとしては、「リージョン2020」を受け、昨年の、「羽ばたけ!かなざわ生活圏―政令指定都市構想に向けて―」さらには、10月のフォーラムへと繋がってきたものといえる。
多くの関係者も認めるように、その10月のフォーラム以降は、県内においてもそれまでの合併論議から明らかに大いに脱皮し、そのベクトルが明確になってきた。また、結果としてポイントがずれた議論は、明白にポイントがずれているものとして整理され、現在に至っている。
覚えておいて欲しいことは、ポイントがずれたものはともかくとして、昨秋以降の金沢市の合併にまつわる議論は全て、県議会や市議会での議論を含めて、本当に全て、「羽ばたけ!かなざわ生活圏」とそのフォーラムの枠内での議論であるということだ。
メルマガにおける、対新潟市との比較、環日本海側の拠点都市としての性格付け、道州制、そして政令指定都市・・・。さらにはフォーラムにおける、交付税の段階補正の見直し、小規模自治体の権限の縮小、地方制度調査会の議論等々・・・。ここ数ヶ月の議論は、実は全て、完璧に全て、「枠内」での議論に尽きる。
私や岡田直樹氏が本会議や委員会において何度も声を大にして述べてきたことが浸透してきたこともあるのか、多くの議員も「枠内」での議論にのってきてくれた。
特に、目の前の税金や水道料が500円高いとか安いとかの議論ではなく、私たちの子供や孫たちにとって、このまちはどうなっていくのかという観点での議論を、という主張は少なくとも金沢市議会ではようやく市民権を得てきているようだ。私以外の議員も議会や委員会で発言してくれるようになってきた。
さて、本論に戻る。
ここにきて、急に「枠内」からはみ出す議論が出てきた。いうまでもなく、白山5村の扱いだ。
私は合併を議論するにおいては、あくまでも、生活圏と行政圏との一致が錦の御旗であるべきだ思っている。そういう観点から2市4町が出てきたのであり、「金沢都市圏交通円滑化総合計画」がまとめられたのであったはずだ。もっとも、白山5村も鶴来生活圏であって、広義での鶴来町であるという解釈も成り立つという考えも理解できないものでもない。
実は、この問題は、何人かの政治関係者から、強く声があがったということもかなり影響している。そして、もう一つ大きいことは、公にはされていないが、1町5村のうちいくつかの首長さんが、金沢市に対して、合併の声をあげて欲しいという申し入れがあったという事実も大きな推進力になったことは否めない。
間違いのなく言えることは、極めて政治的なテーマとして、1町5村との合併論議が澎湃として出てきたということである。
実は、市執行部とも相当話をしたが、この部分に関して議会で質問されても、市長としてはなかなか本当のところを答えにくい。あまりにも政治的にデリケートな部分だからだ。しかし、部課長にはもっと答えることはできない。やはり、市長が説明しなければいけない。
特にこれまで真正面から議論を積み重ねてきた私が詰問することに関して、市執行部だけでなく私自身も少々、気にはしたところではあるが、逆に私だからこそストレートで取り上げることができるともいえる。
私は、決して1町5村との合併論議を否定するものではない。しかしながら、生活圏として内灘町や津幡町との議論、5村の取り扱い等々、「リージョン」や「羽ばたけ!」の「枠内」にこだわるわけではないとしながらも、やはり議論を整理するためにも、今議会で私は取り上げなければいけないと思っている。
これまで、金沢市の合併問題において、精力的な活動を繰り返してきた、私も所属する金沢青年会議所(JC)メンバーや関係者の何十人かに、私は、以下のようなメールを急遽送った。
私がこのテーマについて取り組んできた流れや、JCがこの合併問題において、果たしてきた役割の一端が垣間見えるものでもある。ご高覧いただければ、幸いである。
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市長は今議会の提案理由説明の中で、従来の野々市町との合併を目指すことに加えて、鶴来町と白山5村との合併も視野に入れることを述べられた。
98年に金沢青年会議所で「リージョン2020」という金沢、松任、野々市、鶴来、内灘、津幡の2市4町による広域的なまちづくり案を提言した。これは、当時、私が副委員長を務めていた委員会内で、次のような議論を経た上でのものだ。
金沢でのまちづくりを考えた場合、自動車の台数が交通インフラ整備の進捗状況以上に急激に増加してくることによって、交通渋滞のみならず、都心部の衰退化などの様々な社会問題を生み出してきた。
一足先に同じような問題に直面した欧米の都市では、それまで別個に対応してきた交通システムと土地利用とをリンクしたまちづくりを推進するという考え方、いわゆるTOD(トランジット・オリエンテッド・ディベロップメント)政策に変化することによってこの問題に対応してきた。
もちろん、それは地域内交通だけではなく、地域外との連続性のある交通システムを考慮し、交通政策を単独の問題としてとらえるのではなく、まちづくりの一環として取り組んでいこうという考え方だ。
その先進地として、アメリカのポートランド市を当時の委員会で視察に行き、その他様々な調査を踏まえた上で、つくられたものが「リージョン2020」といえる。
その提言が基になり、2市4町の行政の中に、金沢都市圏関係都市会議なるものが作られ、さらには、この2市4町と石川県、国土交通省とで、「金沢都市圏交通円滑化総合計画」が策定されたことは記憶に新しいところだ。
JCとしては、「リージョン2020」を受け、昨年の、「羽ばたけ!かなざわ生活圏―政令指定都市構想に向けて―」さらには、10月のフォーラムへと繋がってきたものといえる。
多くの関係者も認めるように、その10月のフォーラム以降は、県内においてもそれまでの合併論議から明らかに大いに脱皮し、そのベクトルが明確になってきた。また、結果としてポイントがずれた議論は、明白にポイントがずれているものとして整理され、現在に至っている。
覚えておいて欲しいことは、ポイントがずれたものはともかくとして、昨秋以降の金沢市の合併にまつわる議論は全て、県議会や市議会での議論を含めて、本当に全て、「羽ばたけ!かなざわ生活圏」とそのフォーラムの枠内での議論であるということだ。
メルマガにおける、対新潟市との比較、環日本海側の拠点都市としての性格付け、道州制、そして政令指定都市・・・。さらにはフォーラムにおける、交付税の段階補正の見直し、小規模自治体の権限の縮小、地方制度調査会の議論等々・・・。ここ数ヶ月の議論は、実は全て、完璧に全て、「枠内」での議論に尽きる。
私や岡田直樹氏が本会議や委員会において何度も声を大にして述べてきたことが浸透してきたこともあるのか、多くの議員も「枠内」での議論にのってきてくれた。
特に、目の前の税金や水道料が500円高いとか安いとかの議論ではなく、私たちの子供や孫たちにとって、このまちはどうなっていくのかという観点での議論を、という主張は少なくとも金沢市議会ではようやく市民権を得てきているようだ。私以外の議員も議会や委員会で発言してくれるようになってきた。
さて、本論に戻る。
ここにきて、急に「枠内」からはみ出す議論が出てきた。いうまでもなく、白山5村の扱いだ。
私は合併を議論するにおいては、あくまでも、生活圏と行政圏との一致が錦の御旗であるべきだ思っている。そういう観点から2市4町が出てきたのであり、「金沢都市圏交通円滑化総合計画」がまとめられたのであったはずだ。もっとも、白山5村も鶴来生活圏であって、広義での鶴来町であるという解釈も成り立つという考えも理解できないものでもない。
実は、この問題は、何人かの政治関係者から、強く声があがったということもかなり影響している。そして、もう一つ大きいことは、公にはされていないが、1町5村のうちいくつかの首長さんが、金沢市に対して、合併の声をあげて欲しいという申し入れがあったという事実も大きな推進力になったことは否めない。
間違いのなく言えることは、極めて政治的なテーマとして、1町5村との合併論議が澎湃として出てきたということである。
実は、市執行部とも相当話をしたが、この部分に関して議会で質問されても、市長としてはなかなか本当のところを答えにくい。あまりにも政治的にデリケートな部分だからだ。しかし、部課長にはもっと答えることはできない。やはり、市長が説明しなければいけない。
特にこれまで真正面から議論を積み重ねてきた私が詰問することに関して、市執行部だけでなく私自身も少々、気にはしたところではあるが、逆に私だからこそストレートで取り上げることができるともいえる。
私は、決して1町5村との合併論議を否定するものではない。しかしながら、生活圏として内灘町や津幡町との議論、5村の取り扱い等々、「リージョン」や「羽ばたけ!」の「枠内」にこだわるわけではないとしながらも、やはり議論を整理するためにも、今議会で私は取り上げなければいけないと思っている。