20150519
今日の空 ;前夜から雨が降り始め、昼過ぎまで雨が降ったり止んだり。夕方には晴れ間も出て夕焼けも見えるというコロコロと変化の激しい天気でした。
まだ途中ですが、今「日本の『食』は安すぎる」という本を読み始めている。講談社 著者は農産物流通コンサルタントの山本謙治氏。
消費者への販売価格について、以前は商品の流れに沿って流通の利益が乗せられ最終価格が決まってきた。しかし最近ではある商品を売る場合いくらで売ればお客さんが買ってくれるかという最終価格から価格が決まってくる。こうなるとメーカーも取り込まれて利益の奪い合いとなる。
スーパーは商品A(一般店価格180円、スーパー店頭価格150円)を特売で120円で販売する計画を立てる。仕入れ業者に通常納価130円を110円で納入するよう求める。仕入業者は赤字となるが取引を止められると売上が減ることから数量限定で赤字納価で納入する。
こういう取引が横行してきたので食品の卸業者はいろいろ考えて合理化を進める。人件費・運賃・固定費などから合理化を進めていく。しかし合理化では吸収しきれなくなると安い原料を混ぜたり、添加保存料を増やして賞味期限を延ばしたり、さらにひどくなると違法行為に手を染める事例も出てくる。
この本では消費者の行き過ぎた低価格志向が原因の一つだ原因分析しているがこのあたりは結論を急ぎすぎているようにも思える。しかしあまりかけ離れた話ではないと思われる。
食品業者が無用な添加物を入れるなどは、安心安全な食品から逆行する流れであるとも著者は危惧している。低価格志向が強すぎると別のリスクを背負い込むことになるという話だ。
もう少し読み進めたいが、面白い切り口ではあると思う。
加工品ばかりでなく、直接取引の農産物もこういった現実に晒される事もあるかも。作物は楽しく育てたいものです。
私がツイッターで時々見かける名文句のひとつ
百姓は作る時に楽しく、売る時に腹が立つ。だから売らない農業が最高だ。楽しく売るのがその次。金を稼ぐ目的でやるのが最悪。これは本来的価値は違うのに、同じカネで不等価のものが等価交換させられるからだ。