20160915
畑を無農薬・無化学肥料でやっていると云うと「肥料は何故入れないのか」という質問をされることがある。一般農家も含めて消費者は自分や家族の口に入れるものなので安全で安心して食べられるものを使いたいという。このニーズはとても納得できるというか多くの消費者の声だろうと思います。私もそうだった。しかし肥料を使わない農法というか、野菜の育て方があるのだという。最初は自然農のグループの人たちに教えてもらった。でもその仲間たちは化学肥料は使わないのですが、ボカシなどを畑に入れているのです。窒素分など、米ぬか等を主原料にしたボカシの形で入れる。自然農とは化学肥料の替わりに、有機物を畑に入れることなのか。窒素分を入れることは同じだけど工業的な化学肥料と有機物との違いなのか。自然農・有機農業とはそういったものか。
そこが炭素循環と違うところなのですね。
知人でサプリの好きな人が体重が減ってきたので気になって医者にかかったという。痩せる原因はガンかも知れないと相談したらしい。医者の見立てはサプリの種類が増え、消化器系が本来の働きをしなくなり、栄養分が偏ってためだという事らしい。自然の形で様々な食物から栄養をいろいろな酵素や腸にいる微生物等の助けを借りて吸収してきたのと違い、サプリを飲んで栄養を取り込んでいると、消化器は本来の働きをしなくなる。より安易なサプリ等からの栄養補給でよしとするようになる。つまり食物を分解して栄養分を得ようとしなくなる。消化能力が低くなるので不足する養分もでてきて痩せてしまうという事らしい。同様の事は私達の周囲でたくさんあるのではないでしょうか。
慣行農業はもちろん、有機農業・自然農も本来の形で自分の力で必要なものを取り込もうとするのではなく、化学か有機かは別にしてサプリを取り込んでいるようなものなのではないか。特に化学肥料を使う場合は、消化器を使わない形で栄養分を取り入れる点滴のようなものだ。農業研修では「化学肥料(点滴)は有機肥料(サプリ)に比べ、効くのが早く、即効性が特徴」と何度も聞いた話だ。
消化器もそうだが野菜の養分確保も、本来備わった自分の力(自然のしくみ)で行うのが自然だし、本来の姿なのではなかろうか。消化器系器官にいる微生物が元気で活性化していることが様々な食物から必要な栄養分を取り込む必要条件であると云えるのではないでしょうか。野菜の場合は微生物といえば土の中の数えきれない微生物だ。彼らが活性化していることが作物が必要な養分を自分の力で取り込む前提なのです。
風邪だと思うが熱と頭痛があるので何とかしてほしい。最近の人は忙しいので(熱と頭痛の原因は?)(原因は患者の云うように本当に風邪なのか)(他に原因はないのか)というように話を進めない。解熱剤と頭痛薬を処方してもらい、喜んで帰る。お医者さんも忙しいらしく症状を改善することで診察を終わろうとする。結果だけ何とか繕ったらよしとする。結果重視だ。
野菜も、いつもの大きさや重さで形の揃った野菜がいい野菜だと判断する。これも結果重視。
学生も何をどんなふうに、どんな仲間と学んだかではなく、どこの学校を卒業したかの結果重視。
一方でたんじゅんの作物、炭素循環の作物は?
炭素資材を入れる。何のためか。土の中の微生物を活性化させるためです。
たんじゅんさんの本業は、野菜栽培ではなく、農業土木と微生物飼育係と云われるほどです。
野菜を育てよう育てようとすると虫や病気が出てきます。実は微生物の世話をしていると、野菜ができちゃうのです。微生物の世話などしていられるかと思いがちです。私もそう思ったことがありました。でもできちゃうんです。できちゃった人が周りにいるんです。これを「急がば回れ」というそうです。