仕事以外でも山を登ったり、森の中を歩いたりするんですが、ついつい、色々なことを気になってしまいます。
職業病ですね(T_T)。
山を登るとき、森の中を歩くとき、人が歩ける歩道を利用すると思います。
元々、歩道だった道もあれば、多くの人が山の中に入ることで、自ずと歩道になったような道もあります。
山や森の中で、踏み固められた地面は、人にとって、登りやすい・歩きやすい道の1つですよね。
その一方で、雨が降ったとき、踏み固められた地面は、水が流れてしまう水道にもなってしまいます。
人が歩いていない地面と人が歩いた地面を比較した場合、前者よりも後者の方が、土壌構造がカチカチに硬く、降り注いだ雨水が土の中に吸収されず、その表面を流れてしまいます。
その結果、土が流され、根っこが剥き出しの状態になってしまうこともあります。
場合によっては、空中浮遊した根っこなんかも・・・
元々、空中浮遊した根ではなく、最初は、地面の中にあった根っこです。
それが、雨水が降って、土が流されて、根っこが剥き出しになった・・・と言うわけです。
根は樹木にとって、とても大切な器官です。
土の中にあるはずの根が、剥き出しの状態で地上に現れることは、樹木の健康にとって、良くありません。
そして、剥き出しになった根の上が歩きやすいと言って、そこを歩いてしまうと、踏まれたことで根が傷付き、少しずつ、根の皮が剥がれ、根の中が剥き出しになり、そこから腐朽菌が侵入してしまう・・・なんてことにも繋がっていきます。
また、写真のような場所で、その周辺の木が伐採され、地面の下まで太陽の光が届くようになったとします。
すると、太陽の光があたるようになった地面では、地温が上昇し、地上から剥き出た根が乾燥しやすくなり、樹木の樹勢が弱まり、最悪、枯れてしまいます。
樹勢が弱くなった樹木や枯れた樹木の根は、地面の土や岩を掴む力が弱くなってしまうので、森林が備える機能の1つである表土流亡を防ぐという機能が低下してしまいます。
森林が備える機能を維持するためには、もちろん、森林整備は大切です。
一方で、山歩きを楽しむ中で、表土流亡に繋がる一面もあるということです。
そんな視点で、山や森を見ながら歩いてみて下さい。
そんなことを考えてしまうと、山歩きを楽しめなくなってしまうかもしれませんが、自分の目で見て、歩いて、確かめることはとても大切です。
そして、歩くコースを少しずらす、根の上は絶対に歩かないなど、自分自身の中で、樹木や森への負担がないような歩き方を工夫するという楽しみを見つけて下さい。
人が歩くことによって起こる山や森の変化に気づくことで、山や森の中を歩くレベルが上がった気がするので、逆に楽しくなるんじゃないのかな~