樹皮が特徴的な樹木「バクチノキ」。
バクチノキは、バラ科の高木性常緑広葉樹で、樹高10~15m・直径60~70cmくらいまで育ちます。
本州は関東地方南部より以西、四国、九州、沖縄に分布し、山間の谷筋や沿海地に自生しています。
バクチノキの樹皮は特徴的で、一度、出会うと忘れないんじゃないかな~ と思います。
バクチノキは、成長(樹齢を重ねる)とともに、樹皮が部分的に剥がれ落ち、剥がれ落ちた部分から見える紅黄色の木肌が、まるで「博打に負けて身ぐるみを剥がされた様」の例えから、「バクチノキ」と名付けられたそうです。 (゚Д゚;)
樹皮が部分的に剥がれ落ちるタイプの樹木って、バクチノキ以外にもリョウブやヒメシャラがあり、別名「サルスベリ」と呼ばれていますが、バクチノキはどうなんだろう? (^_^;)
バクチノキの葉は、厚くて硬く、形は長楕円形で、葉には毛が無く、縁にはギザギザの鋸歯をもちます。
葉の生え方は互生(葉が互い違いに生えている)です。
葉の葉柄には蜜腺があり、その蜜に寄せ付けられたアリが、葉を食べる害虫からバクチノキを守ってくれます。
葉の裏は薄い緑色なので、表と裏で緑色の濃淡差も特徴的ですね。
バクチノキの花は9~10月に咲き、当年に伸びた枝葉の脇から長さ3センチほどの花序を出し、白い花を房状に咲かせます。
実は、翌年の初夏(5~6月頃)に、紫色を帯びた黒色に熟します(写真の実は熟していません (^_^;))。
バクチノキは薬木として有名な樹木で、葉が杏仁水(キョウニンスイ)の原料になるそうです。
バクチノキの葉は、新鮮な葉を揉むと青酸臭があり、この新鮮な葉を枝付きのまま水蒸気蒸留することで、杏仁水の原料とするようです。(ちょっと、いや、かなり雑な説明ですが・・・(-_-)。)
樹皮が部分的に剥がれ落ちてる常緑広葉樹と言えばバクチノキ。というくらい限定される特徴なので、非常に覚えやすい樹木ではないかなと思います (^_-)-☆ 。