はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

ボーベリア・バッシアーナ(Beauveria bassiana)

2020年09月30日 | キノコ・菌類のお話

 山の中で、真っ白になった虫の死体を見かけませんか?

 この菌は虫に寄生する菌で、「ボーベリア菌」といいます。

 正式には、Beauveria bassiana(ボーベリア・バッシアーナ)といい、「白きょう病菌」や「黄きょう病菌」とも言います。

 昆虫に感染するボーベリア菌は、生物農薬としても研究されています。

 森林・林業分野で言うと、マツ枯れを引き起こす「マツノマダラカミキリ」に対する研究の1つとして進められ、生物農薬として登録されています。

 ボーベリア菌は、カミキリムシだけでなく、セミ、カマキリ、バッタなどにも感染します。

 

 この時期は、キノコ観察やキノコ狩りもいいけど、菌に寄生された昆虫観察も楽しいです。

 ちょっと、悪趣味なのかな(^_^;)。

※2016年9月の記事を改編

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エントモファガ・グリリ

2020年09月29日 | キノコ・菌類のお話

 森の中で、こんなバッタの変死体を見たことありませんか?

 草の先端や木の枝にしがみついたまま息絶えたバッタ・・・

 

 これは、「エントモファガ・グリリ」(糸状菌の一種)という菌に侵されたバッタです。

 寄生されたバッタは、体を操られ、草の先端や枝の先など高い場所にしがみつき、そのまま息絶えます。

 そして、バッタの死体から菌の胞子が放たれ、再び、別のバッタに寄生します。

 わざわざ草の先端や枝の先など高い場所にバッタを移動させるのは、「胞子をより遠くへ飛ばせるようにする」菌の戦略のようです。

 

 寄生されたバッタは、

 菌:「高いところへ登れ!」

 バッタ:「はい!了解しました。」

 菌:「よし!ここで待機。」

 バッタ:「はい!了解しました。」

 菌:「胞子の散布が完了するまで、何があっても動くな!」

 バッタ:「はい!了解しました。」 

 と、こんな感じに、忠実に従っていると思います。きっと。

 人間に置き換えて考えると、おっかないですね・・・・。

 

 ちなみに寄生され、まだ生きているバッタ達。

 触っても、あまり逃げません。

 たま~に逃げるバッタもいますが、再び登り始めるので、ホント、忠実です。

 

 穂先にしがみついたままのバッタ達が、ずら~っと並んでる現場を発見すると、「おぉ~」って、テンション上がる(^_^)v。

※2016年9月の記事を改編

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カマキリ

2020年09月26日 | 昆虫類+αのお話

 夏が終わり、秋を迎えると、カマキリ採集が熱くなる! 

 カマキリと言っても、種類は色々ですが、見分け方は、結構簡単です。

 

 まず、鎌のある前脚の基部(人間でいう胸の部分)が、薄い黄色だと「オオカマキリ」。

 同じ部分で橙色だと「チョウセンカマキリ」。

※あと、オオカマキリの後翅は全体に色や模様があり、チョウセンカマキリの後翅は一部分に色や模様があり、後翅で見分ける方法の方が確実です。 

 

 次に、前脚の基節(人間でいう二の腕)に黄白色っぽい”いぼ状”のものがあると「ハラビロカマキリ」。

 同じ部分に帯状の黒~青黒色の模様があると「コカマキリ」。

 

 ちなみに、同じ部分がリング状の模様だと「ウスバカマキリ」。

 

 体長が20mmにも満たない小さなカマキリ、「ヒナカマキリ」。

 草原よりも森林の中に生息するカマキリなので、ちょっとしたレアなカマキリかも。

 その上、小さな個体なので、気づきにくいカマキリだと思います・・・。

 

 最後におすすめのカマキリ図鑑を紹介します♪

 「昆虫ハンター カマキリのすべて」著者:岡田正哉 出版社:トンボ出版

※2014年11月の記事を加筆

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カワセミ

2020年09月20日 | 動物・野鳥のお話

 翡翠の様な美しい色の体をもつ野鳥「カワセミ」。

 その美しさゆえ「飛ぶ宝石」とも呼ばれています。

 カワセミは、全長約17cmある小型の野鳥です。

 

 体の大きさに対して、嘴が非常に長く、魚捕りが非常に得意な野鳥です。

 日本全国に分布し、土崖に横穴を掘って巣をつくります。

 一般的には、池や川などの淡水域で魚を捕る姿をよく見かけますが、離島のような環境では、海岸で魚を探すこともあるそうです。。

 森の中を流れる渓流、都市近郊地の池や沼などで、木の枝に静かに止まって、見下ろす姿をよく見かけます。

 

 カワセミを見つけると、やっぱりテンションが上がりますね。

 木の枝に静かに止まっているなーと思って観察していると、突然、水中に飛び込んで魚を捕獲したり、水面をかすめるように一直線で飛んだりする姿を見せてくれると、さらにテンション、上がりますね!

 

 以前、カワセミは、失われていく自然の象徴みたいな感じに扱われていました。

 人の生活が流す汚水によって、川が汚され、カワセミが住める川がなくなったからです。

 

 それが、今では、都市近郊の池や沼、川でもカワセミが住み着き、昔のようなイメージが薄れています。

 実は、都市近郊の池や沼、川が、カワセミが定住できるくらいの美しさに戻ったわけではありません

 

 キレイな川に生息するメダカやオイカワなどが、川が汚れるとともに減少し、カワセミも減少しました。

 そして、今の汚れた川でも生息できるフナなどが増え、再び、カワセミが戻ってきました。

 カワセミは、川の魚を捕獲するので、川に魚が増えれば、定住することができます。

 川の環境が美しくなったから、カワセミが戻ったわけではなく、現状の川の環境で生息・対応できる生き物たちの存在が、カワセミを呼び戻しただけです。

 いずれにしろ、この美しい体は、美しい川が似合っています。

 ぶっちゃけ、濁った川に飛び込むカワセミなんて、嫌だ!

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ニホンヒキガエル

2020年09月14日 | 爬虫類・両生類のお話

 ゴトヒキ、ガマガエルなどの別名をもち、自来也(児雷也)が操る妖術としても有名なカエル「ヒキガエル」。

 体長は約8cm~17cmで、日本在来種のカエルの中では最大級です。

 何より、カエルとは思えない「のそのそした動き」が特徴的です。



 見た目がイボイボしていて、カエルの中でも特にヒキガエルはダメ!苦手!って方も、多いんじゃないでしょうか?

 デカイ図体にイボイボの体は、外国でもNGらしいです。

 英語で、アマガエルなど可愛らしいカエルをfrog(フロッグ)と呼ぶのに対し、ヒキガエルをtoad(トード)と、使い分けられています。

 さて、ヒキガエルには毒があります。
 鼓膜の後ろにある突起部を刺激すると・・・・

 白い毒液が飛び出ます。

 この毒は、結構強力で、あのヘビもヒキガエルの捕食を避けるくらいです。

 

 そんな中、ヤマカガシはヒキガエルが大好物!

 ちなみに、ヤマカガシは、ヒキガエルを食べて、ヒキガエルの毒を取り込んでいます。

 

 ヒキガエルの毒は、勢いよく飛び出します。

 下刈り作業中に、刈払機の刃がヒキガエルの突起部にあたり、毒液が目に入ったという被害事例もあります。

 ヒキガエルの毒が目に入ると、「結膜炎」や「虹彩炎」を引き起こします。

 また、ヒキガエルの毒が口に入ると、粘膜に刺激を与え、飲み込むと嘔吐します。

 「犬がヒキガエルをくわえて、死んでしまう。」という事故事例もあるくらい、ヒキガエルの毒は強力です。

 

 もし、ヒキガエルを触りたい衝動を抑えられず、触った場合は、毒が飛び出す突起部には触れないように

 触った後は、必ず手を洗いましょう。
 もし、毒液が目に入ったら、こすらず、真水で洗ってください。
 それでも痛むようなら、必ず眼科医へ。
 もし、毒液が口に入ったら、真水でうがいをしてください。
 絶対に飲み込まないでください。
 もし、飲み込んでしまい、吐き気がある、嘔吐したという場合は、病院(内科?)へ行ってください。

 ということを念頭に、ヒキガエルと正しく接してください。



 最後に、ヒキガエルの毒液が飛び出す動画です。
 ホント、勢いよく飛び出すので、気をつけて下さい。

 なお、動画の様な行動は、皆さんは、絶対にマネしないで下さいね(^_^;)

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フォレストリーダー

2020年09月12日 | 樹木医・森林インストなどの活動のお話

 林業という仕事は、自然と付き合う仕事というイメージがあるんじゃないかなーと思います。

 中には、「人間関係が苦手」だから、林業を選択する方もいらっしゃいます。

 だけど、実は、林業って、「人とのコミュニケーション」が重要なお仕事です。

 

 林業は自然を相手にする職業です。

 なので、職人的な要素もあり、現場経験や場数がモノをいうこともあります。

 そのため、技術を継承するためには、技術と経験を言葉にして、後継者に伝えていかないといけません。

 そして、危険な作業も多く、労働災害の発生率も他の産業よりも圧倒的に高いです。

 一緒に働く仲間の命を危険にさらさないため、自分の命を危険にさらさないため、仲間を救うまたは自分を救ってもらうためにも、信頼関係は欠かせません。

 3~5人という少ない人数で構成された「班」毎に仕事をすることが多いため、普段からのコミュニケーションがとても重要になります。

 前置きが長くなりましたが、実は、コーチングスキルを林業に取り入れて、コミュニケーションの促進を図りたいという想いがありました。

 そして、非常にありがたいことに、奈良県森林組合連合会様からご依頼いただき、フォレストリーダーの研修会に登壇し、コーチングスキルを取り入れたコミュニケーションの講義をさせていただきました。

 まずは、「林業で働く人たちの不満」について。

 どんな不満があるのか、その不満に共感できるのか、その上で、普段のコミュニケーションを考えてもらいました。

 「見て覚えろ」、「ちゃんとしろ」、「はじめのうちは、失敗したらいい」など、曖昧なコミュニケーションに潜む危険性などもお伝えさせていただきました。

 

 次に、自分や相手を許せなくなる「マイルール」。

 怒りをコントロールするスキル「アンガーマネジメント」。

 そして、人の違いを理解し、コミュニケーション能力を高めるため、3種類のタイプ分け。

 人が満たしたい6つの感情をベースとしたDCスタイル。

 組織における適切なポジションを知るスケールサーフィン。

 優先知覚を知るVAK

 

 最後に、陥りがちな情報の伝え方をしてしまう「メタモデル」。

 行動を起こしたくなるモチベーションのスイッチ「レバレッジ」。

 人を育てていくための効果的なフィードバックスキル。


 林業関係者の方を対象とした、コーチングスキルの本格的な講義は、今回が初めてです。

 上手く伝えられなかった部分があり、今回の受講生には申し訳なかったですが、林業関係者への伝え方を学ぶ機会となりました。

 少しずつ林業にコーチングスキルを取り入れ、上手く使いこなすことが出来る様になれば、コミュニケーションは楽しくなると思います。

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サミットHR工法

2020年09月07日 | 資源利用(木材・特用林産物)のお話

 木造とは思えない広い空間が確保できる「サミットHR工法」  

 HRとは、ドイツ語のホルツ・ラーメンの頭文字をとったもので、木質二方向ラーメン構造とも言われています。

 

  こんな感じで柱と梁を接合し、さらにエポキシ樹脂を注入します。

 接合金物は外部に出てこないため、組み木のような感じがいいですね。

 あと、塩害対策にもなるので、潮風があたる海岸付近の建物にもってこいの工法です。

 ちなみに、和歌山県串本町にある和歌山県水産試験場の建物は、この工法が採用されています。

 

 写真は、サミットHR工法で建築中の建物。

 10年くらい前なんですが、建築中の埼玉大学です。 

 工事用の足場が組まれているので、サミットHR工法が可能にする広い空間というのが、ピンッと来ないかもしれませんね・・・(^_^;)。

 

 と言うわけで、この工法で建てられた奈良県農業試験場をご覧いただきましょう(^o^)。

 こんな感じで、広い空間の確保が可能となります。

 接合部が見えないから、木造建築物感が出て、オシャレですよね。

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合板

2020年09月03日 | 資源利用(木材・特用林産物)のお話

 前回のLVLに続き、今回は合板について。

 ずーっと以前に、東京の新木場にある合板博物館に行ったときに撮影したパネルを参考にお話ししたいと思います(^_^;)。

 

 合板とはどんな木材か、そして、どんな特徴があるのか!

 それは、このパネルを見てください(^_^)v。

 丸太をかつらむきの要領で単板を製造し、単板の繊維方向を交互に重ねたものが合板です。

 単板の繊維方向を平行に重ねたものが、前回のLVLです。

 

 合板博物館には、合板を重ねる1枚の板「単板」を作る機械があります。

 実際の合板工場では、もっと大型の機械ですが、こちらは博物館なので、特注の小型機械です。

 でも、合板の製造方法がよ~く分かります。

 

 丸太をクルクルと回転させ、大根のかつらむき如く、丸太をスライス!

 

 合板用の単板(ミニチュアver)、完成!

 

 単板の厚さは設定によって変更可能で、この写真の単板は厚さ1ミリ。

 

 機械の構造については、パネルをご覧ください(^o^)。

 なるほど!(^_^;)

 

 実際の機械は、もっと大型な機械ですが、こうして出来上がった合板は、ホームセンター等で売られて、皆さんのお手元へ届くというわけですね。

 

 ちなみに、ベニヤ板と呼ばれる南洋材を材料にした合板工場って、こんな感じです。

 取り扱う南洋材の大きさが、とんでもなくデカい!!

 こんなデカい丸太が、海を渡って、日本に来ている・・・・。

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