(有)山内牧場

青森県八戸市で競走馬生産をしている山内牧場の生産馬、繁殖牝馬、繋用種牡馬についてのブログです。

遥か九州からの贈り物

2007-11-30 12:58:10 | Weblog
今朝、起きてみると一つの箱に入った小包が届いていた。青森から遥か遠くの九州から届いた包みだった。開けて中を見ると、先日11月18日の佐賀競馬、九州大賞典を勝ったワンパクメロ号の馬主さんからの贈り物だった。
中には一通の手紙と、DVDが2枚、そして焼酎。
手紙にはこのブログを読んで、応援してくれていることを知って、贈っていただいたと書いてあった。
DVDの1枚には九州大賞典、そしてもう1枚には『Mero’s Movie』と記されている。早速社長と二人でDVDプレイヤーで拝見させていただいた。パドック~本場場入場、トレードマークの『腕白』と書かれたメンコ。そして九州大賞典が始まる。レースに関しては、本当に強い内容だったと思う。コーナー直前から先頭に立ち、押し切る横綱相撲。
8連勝で九州最強馬へ!本当にこれからの飛躍を感じさせる勝ち方だった。

ワンパクメロ。
父ブラックタキシード・母ハイパーベル(母父ミルジョージ)。

私が青森に帰って来た時には、もうウチの牧場から旅立った後だったので、仔馬時代のことは実はあまり知らない。それでもネット競馬のDBでは逐一レースをチェックし、認定レースを人気薄で勝った時、そして九州ダービー栄冠賞で2着に突っ込んだ時などは嬉しくて社長に報告していた。また昨夏の中央遠征で、川田師と川田Jの親子鷹でレースに臨み、好勝負を演じた時は興奮したものだ。社長はレースを観て、『仔馬の頃も良い馬だとは思っていたけど、こんなに強くなるなんてなぁ』と話していた。
英彦山特別で1馬身1/4退けた(8着と9着だけど)トーセンシャナオーが秋のセントライト記念を勝っているので、ワンパクメロが中央所属馬と差の無い勝負をする、と言い切っても荒唐無稽な話だとは思わない。むしろ、今のワンパクメロなら昇り馬は天まで昇る、と信じたくなる。

このブログを開設して本当に良かったと今朝実感した。遥か遠く九州のワンパクメロ、僚馬のリトルユニコーン(父スクワートルスクワート・母フルールドロカイユ)のことが、青森にいて関係者の方と喜びを分かち合えたことが嬉しい。それと同時に、こんなに想ってもらえる関係者の方に囲まれたワンパクメロ、リトルユニコーン両馬は幸せ者だな、と思った。

(夢想)…ワンパクメロが種牡馬入りするくらいの更なる活躍を見せて、ベルチャイム(佐賀で活躍する牝馬で、ウチの生産)と配合なんてことになったら…その仔は絶対応援したくなるなぁ…(夢想終了)

馬は人の気持ちに応えて走る、と思う。これからもワンパクメロ、リトルユニコーンは成長するはず、そして今以上の活躍を見せてくれることを心から期待したい。
大事にしてくれる馬主さん、そして川田師のもとで、これからも頑張ってくれワンパクメロ!リトルユニコーン!

馬紹介~⑯フルールドロカイユの2007~

2007-11-29 11:57:33 | Weblog
今日は当歳の紹介。この当歳世代からは私が配合を考えて、実行されただけに思い入れは非常に深い。
今年の当歳の1番馬は何と言ってもフルールドロカイユの2007!
誰が観に来ても、この馬が一番良いと言う。社長も前述の通り『イシノサンデーの代表産駒になるかもしれない』と話し、また『ウチにいたシヤドウみたいな馬だ。』とも言っている。シヤドウは以前書いたが、南関の牝馬クラシックを総ナメにし、3歳牝馬で古牡馬を重賞で蹴散らした女傑だ。シヤドウもすごく気が強い馬だったらしく、それに負けないくらいフルールドロカイユの2007は人の言うことを聞かない。しかし、走る姿は天性のものを感じるし、本当にバネのありそうな馬体をしている。
この配合は私が提案させてもらって実現したと言ったが、この馬は配合的にも一番楽しみだ。考え方はまず牝系との相性。ジェイドロバリー牝馬(BMS)の稼ぎ頭トップ20頭のうち14頭がHail to Reason系で、うちSS系が11頭。数が多いと言っても相性は良さそうだ。Raise a Nativeの4×4、Ridan×Thongの4×5。
エルコンドルパサーを参考に、全兄妹クロスを狙って配合した。後付けすれば、シャダイフェザー牝系×サンデー系にオレハマッテルゼ、エガオヲミセテ姉弟、またアドマイヤグルーヴなど。さらに昨春ジェイドロバリー牝馬×サンデー系にアドマイヤキッスが出たことも後押しした。イシノサンデーで走らない馬はズブさが見える馬が多い印象なのだが、この馬は狙い通り、ジェイドロバリーらしい気性のキツさとイシノサンデーの柔らかさを持った馬に出てズブさは感じられないと思う。このまま育って競馬に行って欲しい。
イシノサンデーと言えば中央ではシルクボンバイエ、南関ではイシノファミリーが出た程度だが、その2頭を超えるような活躍を期待したい。皐月賞馬で、ダート重賞勝ちもあるという種牡馬としての要素は持っているはずなので、それを引き出せたら良い馬が出せるのではないかと思った。その鍵をRidan×Thongという名門ラフショッド系の名血クロスに求めてみたのだが…。
その答えが出るのは再来年の夏以降。それまで今のままスクスク育って、順調にデビューを迎えて欲しい。期待してるぞ!

馬紹介~⑮アインステップの2006~

2007-11-28 12:01:23 | Weblog
今日はまた1歳馬、アインステップの2006。
父エスプリシーズ・母アインステップ(母父シアトルスキー)。
半姉のヘリオスジョーは南関・船橋で走り、1勝を挙げている(現役)。
今春、ヘリオスジョーを管理する調教師さんが馬主さん二人と当歳を観にやって来た時のこと。ケイワンアメリカの2006、スピリッツクラウンの2006(怪我で競走馬になれなかったのでもういない)とアインステップの2006を入念に見てくれた。調教師さんは『この馬はいい!姉に比べて欠点が無くて、悪いところがない。これはいいよ。』と太鼓判を押してくれた。その後、ちょっと前肢の内側に傷を負ったせいでセリに間に合わなかったが、今は順調に回復し、放牧されている。順調なら来年には南関でデビューできると思う。血統的にはレイズアネイティヴ系×ボールドルーラー系と、アメリカ的なニックスで、やはりスピードが勝ったダート向き。完全な南関仕様だと思う。
母のアインステップは素直な気性だが、この馬は結構気が強い。実戦向きなタイプじゃないかと思っている。この馬も産まれた時からつぶさに見ているのだが、印象深いのは、出産直後の母仔のための放牧場があって、アインステップの2006もそこで母・アインステップに寄り添うように放牧されていた。アインステップはその放牧場で軽く走り回ることがあったのだが、いつ見に行っても、この馬はその狭い放牧地を母の内側を軽く早足で一緒に走っていたものだ。『こいつは走るのが好きなんだなぁ。』と思っていつも見ていた。
乳離れからずっとケイワンアメリカの2006とセットで放牧されていたが、相方は九州へ行ってしまった。今は一頭で放牧されているのが少し寂しそうではある。
2頭ともダート向きな母系と、父は同じエスプリシーズ。この2頭が、将来どこかの大きなダートのレースで顔を揃えてくれたらいいなと夢想してしまう。黒鹿毛の見栄えのする馬体、これからさらに鍛え研ぎ澄まして、来年以降の活躍を期待しているぞ、アインステップの2006!

馬紹介~⑭ケイワンアメリカの2006~

2007-11-27 14:51:16 | Weblog
今回からはデビュー前の生産馬に移ろうかと思います。

今日取り上げるのはケイワンアメリカの2006.
父エスプリシーズ・母ケイワンアメリカ(母父Saratoga Six)。
母の近親にダナラニ(豪GⅠ勝ち馬)やクリスタルグリッターズがいるちょっとした良血だ。
母ケイワンアメリカは今年不受胎で、高齢ということもあって払ってしまったが、血統的には良血の部類に入るし、産駒も良く出る。ゴールデンフェザントの仔を金子真人さんが買ったこともある(その頃はウチの牝馬ではなかったけど)。でも…なかなか走らない。
ケイワンアメリカの2006の配合は、社長が決めたので(『馬は良く出るけど走らないって言うから、ちょっとキツめのインブリードを試してみるか』と言っていた)配合的な意味での思い入れは強くないが、産まれた直後から観ているだけに成長する姿を見ていることになる。そうなるとやっぱり思い入れは強くなる。
配合的な解説をすると、ただでさえ、Raise a Nativeの3×3を持ち、濃い血統構成のケイワンアメリカにエスプリシーズをさらに重ねて、Alydarの3×3という強度のインブリードを増強させる配合。イチかバチかの印象がある。ただ、馬自体は本当に良い。昼夜放牧を始めたせいか付いている筋肉もしっかりしていて、管囲も20cmを超えている。セリでは売却されなかったが、多くの人に視線と声をかけられた。前脚の掻き込みは強い馬だと思う。
そんなケイワンアメリカの2006も11月12日、買い手が決まって九州へ輸送された。たぶん『カシノ○○○○』という名前で中央競馬で使われるか、ダメだったら荒尾競馬で使われるだろう。馬自体は本当に良いし、ダートなら結構やれる馬だと思うので、期待しておきたい。
無事デビューできることを、生まれ故郷で祈ってるぞ

馬紹介~⑬フルールドロカイユ~

2007-11-26 14:09:34 | Weblog
2001年、『北海道から繁殖牝馬を買って来ようと思うんだ』と社長が言った。社台グループ繁殖牝馬ウインターセールの開催に伴って、リストが送られて来た。さすが社台グループ、珠玉のような血統の牝馬の集まり。この時の上場馬にはトレジャーアイランドの仔を受胎したイブキピンクレディ(この時の仔が後の浦和記念勝ち馬・モエレトレジャー)、重賞勝ち馬カッティングエッジ、バランスオブゲームの母・ホールオブフェームなどがいる。個人的に目を付けていたのはオステアアンティカ(オスティエンセの母)、タヤスツヨシの近親・プレミアムショールなどだった。購入にあたり、ポイントは2つ、1つ目はまず受胎していること、2つ目はなるべく若い馬であることだった。そして社長が選んだ馬がエアジハードの仔を受胎したフルールドロカイユ(当時4歳)、1600万円での落札だった。

・フルールドロカイユ
父ジェイドロバリー・母ダイナソレイユ(母父ファバージ)。
個人的にはジェイドロバリーは母父として次世代の配合が難しい(当時、青森にはSS系種牡馬があまりいなかった)ことがちょっと気がかりだった。しかし、社長はジェイドロバリーが良い、お腹にエアジハードが入っているのも良いと、さらにエアグルーヴの従姉妹にあたる牝系が一番気に入ったようだ。

産駒は
・ハードアイバー   (牡2001 父エアジハード)佐賀2勝
・スカーレピーコック (牝2002 父アイシーグルーム)南関4勝
・オーメドック  (牡2003 父キャプテンスティーヴ )1勝、中央現役
・リトルユニコーン  (牡2004 父スクワートルスクワート)佐賀5勝
・ナスノシャーディー (牡2005 父シャーディー)
・フルールドロカイユの2007(牝 父イシノサンデー)
今年はウインマーベラスを受胎中。来年はカームを配合して、一発大物を狙ってみようか。

初仔のハードアイバーはすごく形の良い仔で出たが、育成中に怪我をしてしまい、佐賀で走ることになってしまった。順調なら中央でも期待できただけに残念でならない。スカーレピーコックは勝ち切れないが、南関で安定した戦績で走っている。オーメドックは未勝利戦を勝ち上がり、しばらく勝利からは遠ざかっているが馬主孝行に好走はしてくれている。リトルユニコーンも順調なら中央入厩クラスの馬だったが、旋回癖とサク癖が付いてしまい佐賀に流れた。しかし、素質は一級品で、佐賀で勝利を重ねている。ナスノシャーディーは川崎で連対をしているが、まだ未勝利。兄姉は3歳戦からが勝負なので、この馬も真価を発揮するのは3歳戦以降だと思う。
後で当歳のことを一頭ずつ紹介しようと思っているのだが、フルールドロカイユの2007はかなり良い。目立った産駒を出せていないイシノサンデーだが、『この仔はイシノサンデーの代表産駒になるかもしれない』と社長は言っている。それは後述。
ダイナカール、エアグルーヴ、アドマイヤグルーヴ、モノポライザー、オレハマッテルゼ、エガオヲミセテ…活躍馬が並ぶ名牝系、新・華麗なる一族。その末端に名前を連ねるフルールドロカイユ。血統に違わぬ活躍馬を輩出して欲しい。自身は競走戦績は中央で7戦して未勝利(腰が甘かったそうだ)も、産駒はコンスタントに走っている。ファミリーの底力を見せてくれ、ロカイユ

馬紹介~⑫アインステップ~

2007-11-25 16:41:55 | Weblog
今日の繁殖牝馬は意外性という言葉がピッタリなアインステップ。
父シアトルスキー・母スプリングインマイステツプ(母父Tower Walk)。

2001年の船橋競馬で、上がり最速の末脚で14番人気で2着に突っ込み、当時の南関史上馬単最高配当、52万1610円を演出した意外性のオンナ。当時、私は大学生で、翌日のスポーツ新聞を見ていたら南関史上最高配当の記事が載っていて、アインステップという名前を見てビックリした覚えがある。
社長の持ち馬で、南関で競馬に使っていただけあって、ナスノアケボノ同様、社長の思い入れは深いようだ。また、母のスプリングインマイステツプも社長がイギリスまで買い付けに行った牝馬。アインステップの半兄にスラッシュという馬がいて、大成はできなかったが、岩手の認定レースをすごく良い勝ち方をした馬で、素質は相当だったそうだ。
管理していた調教師さんに言わせれば『すごく素直な手のかからない馬で、スピードがあった馬』と評してくれている。父のシアトルスキーはボールドルーラー色の強い(未勝利だが)良血馬で、マイナーではあるがスピードのある産駒が多かった。母系は1970年代の欧州活躍馬が多く、近親に種牡馬Bold Ladなど。

産駒は
・ヘリオスジョー(牝2004 父ダイタクヘリオス)南関1勝
・アインステップの2006(父エスプリシーズ)
今年はウインマーベラスの仔を受胎し、来年はカームが配合される予定。SS系×ボールドルーラー系牝馬にはジェニュインなどがいて、ダートもこなすウインマーベラス産駒ならば相性は良さそう。
ヘリオスジョーも8番人気で差し切り勝ちを見せるなど母の意外性を受け継いでいる。その下のアインステップの2006は、黒鹿毛で見栄えのする馬体。調教師さんからすると、『姉(ヘリオスジョー)より欠点が無く良い馬だ!』とお誉めの言葉を頂いた。順調なら南関でデビューするだろう。マイナーな血統でも、意外性のオンナの真骨頂を見せてくれ!アインステップ!

JC・JCD~他人事の感想~

2007-11-25 16:10:45 | Weblog
昨日のジャパンカップダート、今日のジャパンカップ。
今年は特にディラントーマスが出走できなかったこともあって、例年になく寂しい外国馬のラインナップになったと思う。ジャパンカップダートのスチューデントカウンシルもちょっと微妙だったし…やはり日本のダートは少し特殊かな。
それでも毎年、ジャパンカップは観てて個人的には一番興奮するレース。
ハイレベルな争い、東京2400のクラシックディスタンス、もしここに自分の生産馬が走ってたら…もっとゾクゾクするんだろうな…。

【ジャパンカップダート】

ヴァーミリアンがレコード勝ちし、2着にフィールドルージュ。
フィールドルージュは去年のアンタレスSの次元の違う末脚に魅せられて以来、父がクロコルージュという好きなJBBA種牡馬(輸出されてしまったけど)だということもあり、好きな馬。よく考えたらエルコンドルパサー×クロコルージュというイスパーン賞馬券だったんだなぁ…。石坂師は昨年のアロンダイトに続き、エルコン産駒で2連覇…エルコン、早過ぎたな…。

【ジャパンカップ】

アドマイヤムーンがポップロックの鬼脚を凌ぎ切っての戴冠。何気にドバイDF、宝塚記念、JCと日本歴代でも評価されていいような戦歴になっている気がする。それでも母父SSで500万円の種付料は強気な設定だなぁ…。メイショウサムソンはやはり外を回った分のロス、ウオッカは3歳牝馬であれだけやれれば凄いと思う。最後は良い脚を使ってたもんなぁ…。個人的に頑張ったなと思うのが5着のデルタブルースと6着のチョウサン。特にチョウサンは前に行ってそこまで残れる地力のある馬だと思っていなかった。ドリームパスポートは14着…?さすがにここでの復帰は厳しかったか。インティライミも不発だったなぁ。

青森産馬のGⅠ馬、ここ数年ではウチにいるエスプリシーズ(川崎記念統一GⅠ)、タムロチェリー(阪神JF)といるけど、やはり東京2400mの、特に日本で最も価値の高い(と個人的には思っている)ジャパンカップに出走できるような馬を作りたい。と、決意を新たにテレビで観戦していました。
雑感及び感想。

馬紹介~⑪ナスノアケボノ~

2007-11-24 19:03:11 | Weblog
ウチの牧場では道路を分けて右と左に広い放牧場、少し離れたところにスタリオン(種牡馬の放牧場)があって、当歳の放牧場、1歳の放牧場と何箇所か分かれて放牧をしている。大きな放牧場2つに、繁殖牝馬が5頭ずつ放牧されているのだが、そこでも力関係ができて、女ボスがいたりする。今の女ボス…それがナスノアケボノである。

ナスノアケボノ。
父ヒシアケボノ・母ミスキャトル(母父セクレト)。
南関東・川崎で通算55戦7勝。地方とはいえ、レベルの比較的高い南関で7勝、B級で好走していたスピード馬である。ウッドマンらしいゴツっとした骨量だが、しなやかな筋肉の持ち主だ。しかも、気性がキツく、かなりきかない馬だと従業員は口を揃えて言う。

ヒシアケボノ、セクレトと配合の難しい馬なのになぜウチで繁殖として供用されることになったかというと、理由はこの馬の祖母のシヤドウという馬にある。シヤドウはウチの牧場の生産馬で、浦和桜花賞、関東オークス、報知オールスターCなど、現3歳牝馬の身で古牡馬を蹴散らし、南関の女傑と呼ばれた馬である。母としても牝馬ながら南関牡馬クラシックを勝ったカシワズプリンセス、新潟3歳S2着のレオサイレンスを出した。この牝系は青森ではちょっと有名で、社長は自身の生産、持ち馬だったシヤドウの牝系には思い入れが深い。『シヤドウの牝系はゼロにしたくない』といつも話している。

2006年から繁殖牝馬となり、
ナスノアケボノの2007(牡馬 父エスプリシーズ)を一頭産んだ。
現在もエスプリシーズの仔を受胎中。
来年はウインマーベラスを配合しようと思っている。
エスプリシーズも南関での活躍馬だけに、産駒も南関は合いそう。
ナスノアケボノもスピードがあった馬だけに、仔にもそれが受け継がれて欲しい。
放牧場の女ボス、競馬場でもボスになる馬を出してくれ、ナスノアケボノ!!

馬紹介~⑩ラーセニー~

2007-11-23 14:53:53 | Weblog
今年の10月末に、バブルルーセントと一緒に北海道からウチの牧場へやって来たのがラーセニー。
父Private Account・母Forseer(母父Round Table)。米国で1勝。
黒鹿毛の小柄な馬だ。年齢のせいか見栄えはしないが…
何がすごいってこの馬は血統がすごい!何と半兄は成功種牡馬・カーリアン!フサイチコンコルドやシンコウラブリイ、エルウェーウイン、ゼンノエルシド、ビワハイジなど、日本だけでもこんなに活躍馬が並ぶ。他にもヴィジョン、スキャン、グロウなど綺羅星のごとく活躍馬が近親にはズラリと並んでいる。しかも父はアメリカの名馬・パーソナルエンスンを輩出した成功種牡馬のPrivate Account。傲岸不遜かもしれないし、我田引水な評価かもしれないが、青森では一番の良血牝馬と言ってもいいのではないかと思う。

~米国での産駒~
・Mood blue(セン1994 父Conquistador Cielo)米12勝
・Bribe  (牝1996 父Bertrando)米未勝利
・Addicted (牝1998 父Broad Brush)米1勝
・Secret Agent Tom(セン2000 父Shirttail Flying)米4勝
~日本での産駒~
・ダイタクドクター (牝2001 父Saint Ballado) 1勝
・ダイタクヴォーグ (牝2002 父パントレセレブル)
・コアレスバロン  (牡2004 父ジャングルポケット)
・ラーセニーの2006 (牝 父シルヴァーチャーム)
・ラーセニーの2007(牝 父スペシャルウィーク)
今年は空胎。

大物が出ていないが、日本での初仔・ダイタクドクターも3戦目で勝ち上がったものの、競走中の鼻出血で引退。競走馬には肺機能は重要なので、素質的なものではなく故障での無念の引退となった。決して素質の無い馬ではなかったと思う。

この馬の来春の配合に関してはいろいろと悩んだ。最初はスクワートルスクワートが青森に来ればスクワートル、来なければキンググローリアスという予定だった。しかし、予定と異なって青森に来たのはシルヴァーチャーム。キンググローリアスは北海道・静内へ行ってしまった。私は『ラーセニーにシルヴァーチャームを付けよう!』と主張した。かなりのインブリードになるが、牝馬が産まれれば最高の繁殖牝馬になるからだ。しかし、同じ配合のラーセニーの2006(父シルヴァーチャーム)の評価を元の所有者に聞いてみてからでも遅くはないだろう、ということになり、聞いたら『形はまとまっているが小さい』とのことだった。社長はその『小さい』が気に入らなかったらしく、ダイタクグレースに付けると言い出した。そこで2週間ほど論議したのだが…ケイアイヴェニスが来て、そこへ落ち着いてしまった。小さい馬が走らないとは思わないし、むしろ小さいほうが脚元への負担が少なくて良いと思うのに…(ステイゴールド、ディープインパクト、サニングデール…)。もともとラーセニー自体が小さく、産駒も結構小柄に出ているし。個人的にはこの馬に関しては絶対に牝馬を取って、後継牝馬を残したい。

結局、来年は一発大物を狙ってカームを付けることになりそう。個人的には…シルヴァーチャーム付けたかったな…。来年、スクワートルスクワートか、キャプテンスティーヴが七戸種馬場へ来たら絶対付ける!血統に違わぬ大物を出してくれ、ラーセニー!!

今日の生産馬出走情報~11月22日~

2007-11-22 16:01:51 | Weblog
今日、昼に一度事務所に戻ると、牧場宛に冊子が届いていた。それが写真のカタログ。ダーレージャパンスタリオンの種牡馬カタログだ。

封筒の表には
・ADMIRE MOON(アドマイヤムーン)
・ALKAASED(アルカセット)
・DIKTAT(ディクタット)
・FANTASTIC LIGHT(ファンタスティックライト)
・RULE OF LAW(ルールオブロー)
・STORMING HOME(ストーミングホーム)
・XAAR(ザール)
と書いてある。う~む、確かに魅力的なスタリオンだなぁ。個人的に将来付けたいと思うのはアルカセットとファンタスティックライトかな?アドマイヤムーンの500万円は少々割高感がある…。
頑張って北海道に負けない馬を作ろう。

◎今日の生産馬出走情報&先日漏れた分の出走結果

11月22日(木)浦和12R楽天競馬杯(C2)LJS最終戦

・スカーレピーコック(父アイシーグルーム・母フルールドロカイユ)

7番人気7着。
レディースジョッキーシリーズの最終戦で鞍上は西原玲奈J。荒尾で重賞を勝っただけに小回りの浦和でも期待できるかと思ったが…。先行抜け出しがこの馬の勝ちパターンだけに後方からの競馬になると厳しい。

11月22日(木)園田6R C7二 3歳以上

・ベニノウェルダム(父ダンツシアトル・母チアームモア)

3番人気2着。
南関で昔OPを張ったマスコットアイの半弟。南関では芽が出なかったが、園田に移籍してからはかなり安定した成績…というか勝ち切れない。どんなメンバーでも好走するが、勝ちに結び付かないんだよなぁ…。

11月21日(水)名古屋1RサラC7組

・イズミノエース(父アイシーグルーム・母スピリッツクラウン)

2番人気4着。
この馬は本当に勝ち味に遅いなぁ…。母のスピリッツクラウンも3回が多くジリ脚な馬だった。良くも悪くも母親似ということで。

11月18日(日)水沢6RC2二組

・タマノジャガー(父ミシル・母オオギスミレ)

8番人気5着。
休養前は素質のある馬だったのに、1年の休養明けからはなかなか良いレースができてないと思う。年齢も年齢だしなぁ…。