(有)山内牧場

青森県八戸市で競走馬生産をしている山内牧場の生産馬、繁殖牝馬、繋用種牡馬についてのブログです。

馬紹介~⑨コアレスフォリイ~

2007-11-21 14:06:19 | Weblog
今日の牝馬はコアレスフォリイ。
ダイタクグレースと一緒に北海道から10月になってウチの牧場にやって来た。父ワカオライデン・母フオーチューンズフオリイ(母父Graustark)。

今、ウチにいる繁殖牝馬では唯一の栗毛の馬なので、放牧地では結構目立つ。競走馬としては地方でデビューし、3戦して良いところ無く未勝利、1回掲示板に乗った程度。ただ、血統的には見所がある部分はある。母フオーチューンズフオリイの半姉にSuavite(母父Alleged)、その仔に凱旋門賞(GⅠ)、仏ダービー(GⅠ)、愛チャンピオンS(GⅠ)などを勝ち、カルティエ賞最優秀3歳牡馬に選ばれたSuave Dancerがいる。Suave Dancerは落雷によって志半ばで絶命したため(日本に輸入が決まっていた)、産駒の数はそんなに残せていないが、その中からCompton Admiral(エクリプスS)、Volvoreta(ヴェルメイユ賞)、Execute(ガネー賞)などを出した種牡馬だ。簡単に言えば、コアレスフォリイはスワーヴダンサーの従姉妹にあたる。グロースタークの血が近いのは良いかも。ちょっとワカオライデンの血との掛け合わせは少しイメージが湧きづらいものの…。

個人的にはそんなに思い入れのある牝馬とは言えないが、社長は『ロイヤルスキーが入っているから良いだろう』と言う。確かに父父はロイヤルスキー。ウチの牧場の生産馬で、牝馬ながらに南関のクラシックを勝った女傑・カシワズプリンセスという馬が昔いたが、その馬の父はロイヤルスキー。それもあるせいか、ロイヤルスキーの血には社長は思い入れがあるようだ。

産駒は
・コアレスアトム  (牡2003 父パラダイスクリーク) 地方3勝
・コアレスシスター (牝2004 父ソウルオブザマター)
そして現在お腹には父ダイタクリーヴァの仔を受胎している。

来年はエスプリシーズを付ける予定。本当は資金に余裕があれば、デビッドジュニアあたりを付けたいんだけどなぁ…。ワカオライデンは笠松での名種牡馬、エスプリシーズは南関の名馬ということで、ダートで強い馬を出して欲しい。
スワーヴダンサーみたいな馬を出してくれたらなぁ…。ワカオライデンも鬼籍に入り、死んだ馬の仔は走る、という格言もある。仔ではなく、孫世代になるがワカオライデンのためにも良い仔を出してくれ、コアレスフォリイ

馬紹介~⑧キタノヤマンバ~

2007-11-20 13:20:15 | Weblog
繁殖牝馬4頭目はキタノヤマンバ。
父ピルサドスキー・母ミスグローリー(母父サクラユタカオー)。

2005年のJRAブリーズアップセールで取引された時は、半姉タムロチェリー(阪神JFGⅠ勝ち、小倉2歳SGⅢ勝ち)よりも評価が高かった。しかし、父ピルサドスキーの良くない部分が出て仕上がらず、540kgを超える大きな馬体も災いしてか、不出走のまま繁殖入りした。

以前、吉田照哉さん(社台の社長)と会合でちょっとお話した時に『ピルサド?競馬では強かったけどウチでは付けないよ、仕上がらないから。』とおっしゃっていたのを思い出しDBで調べたら社台では2頭しか付けてなかった。
個人的にもピルサドスキーは種牡馬としては不安があった。馬産の基本は父系のスピードを母系のスタミナが補いつつ、距離適性を伸ばして発展していくと思っている。ピルサドの祖父Danzigはスプリンター~マイラー、父Polish Precedentはマイル~中距離、ピルサドは中距離~クラシックディスタンス。ここから距離体系上、3000mクラスになるわけにはいかないから、ピルサドは苦戦すると思っていた。個人的には同じ印象の種牡馬としてラムタラ、テンビー、フレンチグローリー、ジェネラス、カーネギーなどがいる。こういう種牡馬は種牡馬として結果を出すことが(日本では)難しいと思っている。しかし、母父としては期待できる。父系のスピードを生かす、底力の意味でのスタミナの裏付けを与えてくれるからだ。
翻ってキタノヤマンバ。自身は不出走も、姉タムロチェリーがGⅠ勝ちという血統、馬自体のバランスはかなり良い。しかも曾祖母は愛1000ギニー勝ち馬、愛オークス2着のGaily。この牝馬の子孫からはピルサドスキー、ファインモーション、ロックドゥカンブなどが出ている。つまりキタノヤマンバは『Gailyの4×3』という名牝のクロスを固定して持つ、繁殖向きの牝馬だと言えそうだ。
2006年シーズンから繁殖入りし、初年度はカームを配合。しかし、ホルモンの分泌が止まらない体質で、途中で流産。ファインモーションも受胎しづらい体質らしく、このファミリーはそういう体質があるのかもしれない。母ミスグローリーは牝馬しか産まないし。
2007年もカームが配合され、今年は無事に受胎しているようだ。来年はシルヴァーチャームが付けられる予定。
馬格もあるし、血統的にも期待できるし、何より若い馬である。
競走生活で活躍できなかったぶん、母親として頑張れヤマンバ!

馬紹介~⑦バブルルーセント~

2007-11-19 13:46:31 | Weblog
今日の繁殖牝馬は、この馬も今年からウチにやって来た、バブルルーセント。父バブルガムフェロー・母ラブルーセント(母父トニービン)。

リストをもらった時に、この馬の血統を見てずっと気になっていた。祖母はスイートラブ(7勝、セントウルS3着)で、ダイタクヘリオスの半姉にあたる。つまりダイタクヘリオスの母・ネヴァーイチバンの牝系の馬なのだ。本馬の半兄のダイタクソニックも5勝を挙げ活躍を期待されたが、競走生活の途中で予後不良に。OPまで行ける可能性もあった馬だったのに…そのすぐ下の兄・ダイタクボーイングも地方で8勝。この馬自身ももしデビューできてれば期待できたと思う。
本馬が到着したと聞いて牧場に観に行った時、正直一目惚れだった。青鹿毛の綺麗な馬体。馬格もあるし、品格もうかがえるたたずまいだった。まだ5歳と若いのもいい。不出走だったが、不出走や未勝利の母だと消耗していないので、良い産駒が出るということもある。バブルガムフェローというより、SSらしい牝馬だというのが第一印象だった。この写真だと上手く写ってないので、もう一度撮り直して来ようっと。

産駒はまだデビュー前だが、
バブルルーセントの2007(牝 2007 父イーグルカフェ)

そして今年はお腹にエアエミネムの仔を受胎している。エアエミネム自体GⅠを勝てなかったが、能力は間違いなくGⅠ級だったと思うだけに期待は高い。
重ねられた血が、ネヴァービート、テスコボーイ、トニービン、バブルガムフェロー…主流血脈が重ねられているので、次世代の配合は難しいが質の悪い血は入っていない。来春は同じ牝系のダイタクヘリオスを付けて、ヘリオスにもう一花咲かせたい。ネヴァーイチバンの2×4。ミス難波一番の血を持って、もう一度ヘリオスやカブラヤオーの狂気の血を強調してみたいのと、母父ダイタクヘリオスの稼ぎ頭は南関で活躍中のダンツフェロー。父はバブルガムフェローである。
重い馬場向きのバブルガムフェロー、スピード型のダイタクヘリオス。バブルガムフェローは母系に入ったほうが良いところが出そうだと思う。
母父と父が逆転した方が相性が良さそうだとも思うので、決して牝系のクロスだけで配合を決めたわけじゃない。
若い母、これからまだまだ優秀な産駒を出してくれ、バブルルーセント

馬紹介~⑥ダイタクグレース~

2007-11-18 17:48:22 | Weblog
繁殖牝馬2頭目はダイタクグレース。
父ベリファ・母ダイタクブレインズ(母父テスコボーイ)。
黒っぽい鹿毛で、四肢に白の入ったホワイトソックス馬。
父ベリファらしくズングリムックリした馬で、ガサ(体高)は無いが、骨太な感じのする馬体。繁殖牝馬らしい繁殖牝馬と言えそう。
競走馬時代はJRAでデビューし、新馬戦を9番人気ながら完勝。
続く2戦目で5着だったものの、そのまま引退となった。

この馬に関しては牝系も素晴らしいと思う。
何といっても半弟がスプリンターズS(GⅠ)を勝ったダイタクヤマト。
さらに産駒成績が

・ダイタクケリー   (牝1996 父ダイタクヘリオス )
・ダイタクライフ   (セ1997 父クリミナルタイプ ) 地方15勝
・ダイタククルー   (牡1998 父ザグレブ ) 地方5勝
・ダイタクデヘラー  (牡2000 父ザグレブ ) 中央2勝
・シャイニールック  (牡2003 父ダイタクサージャン ) 地方9勝
・ブライティアナイル (牝2004 父アドマイヤベガ )
・ダイタクグレースの2006 (牡 父ダイタクリーヴァ )

産駒が地方で堅実に勝ち鞍を挙げているのは立派。さらに南関で去年クラシックを賑わしたシャイニールックを出したのがすごい。今年からウチの牧場にやって来たが、現在お腹にいるのは父ダイタクサージャンの仔、つまりシャイニールックの全弟妹を受胎しているのだ。この仔は『コアレス』か『シャイニー』か『ブライティア』の冠名で走ることになるだろう。

社長は最後まで来春、この馬かラーセニーか、どちらにシルヴァーチャームを付けるか迷っていた。最終的にはケイアイヴェニスになったわけだが…。
来年は種牡馬引退の可能性もあるダイタクヘリオスに最後の花を咲かせるために、ヘリオスを付けるか(ダイタクヤマトと相当血統構成が近くなる)、もしくはSS系でダイタクサージャンと似た雰囲気の(OP勝ち、障害入り)ウインマーベラスを付けるか…。すごく迷っている。最近の活躍馬・アグネスアークもSS系×ベリファだけに…。

どちらにせよ、16歳と産駒をまだ十分産める年齢だけにシャイニールック以上の大物を望みたい。よろしく、ダイタクグレース

今日の生産馬出走情報

2007-11-18 17:32:56 | Weblog
11月18日(日)

福島12R 遠野特別
オーメドック5番人気9着
内で消極的な競馬をして沈んでしまいました。

佐賀9R 九州大賞典(重賞)

ワンパクメロ 2番人気1着
ベルチャイム 6番人気9着

九州ダービー栄冠賞2着のワンパクメロが8連勝で重賞初制覇!
来年2月の佐賀記念の優先出走権が与えられるらしく、中央馬との戦いも楽しみです

馬紹介~⑤アトムピット~

2007-11-17 12:04:30 | Weblog
今日から繁殖牝馬に移り、最初の馬はアトムピット。
繁殖牝馬ではウチの中で一番有名な馬かもしれない。
父ノーザンディクテイター・母アトムプリンセス(母父ダイアトム)。
戦績は中央で通算19戦2勝。
しかし、その2勝のうちの1勝が泥々の不良馬場を先行して押し切って勝ったGⅢ・函館3歳S(2着はサンエイサンキュー)。
他には東京TV杯牝馬3歳S(GⅢ)のニシノフラワーの3着がある。
早熟で、それ以後は振るわなかったとはいえ、中央の重賞ウイナー。

これまでの産駒は
・ブラウンフェザー (牡1996 父アレミロード)
・ケイアイタンゴ  (牡1997 父アフリート)  中央2勝
・スイートレディ  (牝1998 父アフリート)  中央1勝
・ケイアイアバント (牡2000 父ジェイドロバリー)中央1勝
・ケイアイピット  (牝2001 父キンググローリアス)中央入着
・ケイアイミシック (牝2002 父アフリート)   南関2勝
・ケイアイハリウッド(牝2003 父タバスコキャット)地方1勝
・ケイアイハイタイド (牡2004 父アグネスタキオン)中央1勝、現役
・アトムピットの2005 (牡2005 父コロナドズクエスト)
・アトムピットの2006 (牝2006 父マーベラスサンデー)
となっている。
堅実に勝ち鞍は挙げるが大物と言える産駒は出ていない。
個人的にはミスタープロスペクター系は合ってないと思うので、SS系が母系の軽さを補う感じで合っていそうな印象を受ける。

2007年はカームを受胎中。

アトムピットの2005は『フィールド』の地田氏が購入したらしい。
2006からがウチの生産になるのだが、10月の乳離れの時点で北海道に元の所有者(亀田氏)が持って行き、早ければ来年の夏には『ケイアイ』の冠名でデビューするのではないかと思う。大きくはないけど、まとまった形の良い牝馬だったという印象がある。
まずは現役の父アグネスタキオンのケイアイハイタイドが、ケイアイの出世頭になってくれたら…と思いながら期待しつつ、ミスプロ系は合わないと思いつつもコロナドズクエストの仔のデビューも待っている。
カーム×アトムピット…来年の春にどんな産駒が産まれるかも楽しみだ。
重賞ウイナーの底力を見せてくれ、アトムピット

縁は異なもの、味なもの。

2007-11-16 15:49:32 | Weblog
今日は妙に縁と言うものを感じる日だった。
ウチの生産馬のキタノジャジャウマ(父キンググローリアス)が来春から繁殖入りするということで、馬主さん(Oさん)と、来年どの種牡馬を付けるかという相談をしていた。
そしてその話が終わったところで、インターネットで今日の競馬の情報を確認していたところ、ウチの生産馬でケイアイヴェニスという馬のことが妙に気になった。ケイアイヴェニスは父ジョリーズヘイロー・母ウイル(母父ミルジョージ)。
川崎競馬でデビューし、川崎で2勝、しかもJRA選定Rを勝ち上がった馬だ。その後中央入りして、3歳で1勝、4歳になって新潟で2連勝するなど、素質は十分に見せた馬だと思う。その後、中央抹消され、川崎を経て船橋競馬に移籍した。
血統的にも半兄にキングオブダイヤ(中山記念)、半姉にケイアイメロディー(デイリー杯3歳S2着、阪神3歳牝馬S3着)がいる血統。
とりあえずJBBA東北支部の参事に電話して、『シルヴァーチャームを付ける馬が決まりました。』という話のついでにケイアイヴェニスを繁殖に持って来れないかどうか関係者に聞いてくれないかという話をした。しかし、あまりお付き合いが無い厩舎だということでどうしようか悩んだ。そしてふと思い出したのが、一昨年のセリの時のこと。ヴェニスの厩舎の調教師さん(Sさん)はキタノジャジャウマがいたこともあり、一昨年のセリではOさんと一緒にいたのを思い出した。また、その時一緒にセリに来ていたのが、個人的に親しくさせていただいている、ウチの社長の同級生で船橋の調教師(Hさん)だった。その方に電話したら、「S?あぁ、俺の相方で親しくさせてもらってるよ。使い終わったらどうするか聞いてあげようか?」とつながりができた。『是非お願いします!』ということになり、数分後、いきなり電話が鳴った。
『船橋のSですけど…ヴェニスですが、競馬は諦めて明日乗馬に出すところだったんですよ。繁殖にしたいというならこちらとしても願ってもない話です。』と、話を掻い摘むと、乗馬が決まっているので、その相場分だけの代金で繁殖として持って来れるということだった。乗馬というのは…競馬ではほとんどの場合が死を意味する…。居ても立ってもいられず、会議中の社長に電話、即決でOKをもらった。
すごく絶妙なタイミングだった。Hさんにお礼の電話をしたら『Sに聞いたら明日乗馬に出すということで、急いで電話してもらったんだよ。』

縁は異なもの、味なもの。

私が今日、Oさんと打ち合わせをしなかったら…
参事に相談して、船橋の調教師さん(Hさん)に電話しなかったら…
Sさんから電話がかかって来なかったら…
ヴェニスはこの世にいなかったかもしれないのだ。

競走能力も血統も、ケイアイヴェニスは評価できる存在だと思う。

調教師Sさんも『競走馬としては終わっているけど、繁殖としては十分面白いんじゃないかな。馬も大きいし、それだけの成績もあった馬だしね。』とおっしゃってくれた。
調教師Hさんは『乗馬と繁殖じゃ全然違うじゃない、なぜかというと担当厩務員も女の子だから乗馬だったら泣くだろうから。泣かないで済むしね。ヴェニスも生まれ故郷に帰れるわけだし、幸せだな。』といつもどおりトボけた感じで話してくれた。

参事は『今日電話しなかったらヴェニスはこの世にいなかったんだ、運のある馬だね、きっと恩返しをしてくれるよ。』と言ってくれた。

私の今日のこの縁や重なった偶然が、将来実を結べばいいなと思う。これで活躍馬が出たら本当にドラマみたいだなぁ。
と、その電話の直後に書いている日記なので、興奮して文章が変だったらすみません。
というわけで、山内牧場に新しく仲間が増えます。
期待してるぜ、ケイアイヴェニス

馬紹介~④エスプリシーズ~

2007-11-16 12:38:04 | Weblog
馬紹介シリーズ種牡馬編のラストは、エスプリシーズ。
父カコイーシーズ・母スマコバレディ(母父スマコバクリーク)。
血統表にアアセイコー(サラブレッドだよ!)がいるというのは面白いけど、マーケット的にはマイナスかもなぁ…。
540kgを超える雄大だが、バランスの良い馬体。
その大きな身体もあってか、脚部不安を原因に引退し、2005年シーズンからウチの牧場にやって来た。

青森県・大橋牧場産で、南関東で走り通算23戦10勝。
主な勝ち鞍は川崎記念(GⅠ)、報知オールスターCなど。
スターキングマン、リージェントブラフ、カネツフルーヴらを相手に0秒8チギって、レコード勝ちをした川崎記念の勝ち方は関係者の間では評価が高い。

青森県軽種馬生産共同組合の青年部の飲み会の時に、生産牧場の大橋さんとお話した時、あの馬はどうですか、今年産まれたあの馬の仔は?と話をしていたら、『本当のオープン馬ってのは産まれた時から違う、走る馬は解る。エスプリシーズは産まれた時から違っていた。』と話していた。

純粋に地方競馬だけで走って成功した種牡馬は少ない。
アブクマポーロ、コンサートボーイ、アマゾンオペラ、トウケイニセイ…
フェブラリーSを勝ったメイセイオペラはジョイーレを出したが、今では韓国に。
エスプリシーズはGⅠ勝ち馬だが、やはり『ダート種牡馬』の烙印はなかなか軽いものではない。

初年度産駒の血統登録は7頭。
北海道からわざわざ種付けに来たポップスギャルの2006、プリオールの2006は武井厩舎に入厩が決まっているらしい。
ウチの生産ではスピリッツクラウンの2006は怪我のせいで競走馬にはなれなかったが、ケイワンアメリカの2006が九州・柏木氏のもとへ行き、中央か荒尾でデビューすることになりそう。
アインステップの2006は、船橋の調教師さんが観て『お姉さん(ヘリオスジョー・南関1勝)より欠点が無くて良い!』と言ってくれたので、たぶん南関デビューになると思う。
この初年度産駒の活躍次第で、エスプリシーズの評価も決まって来るので、何とかこの中から南関でも重賞戦線に乗るような馬が出て来て欲しい。
青森県産のGⅠ馬は青森県産のGⅠ種牡馬から!
頑張れ、エスプリシーズ!

成宮明光元調教師死去

2007-11-15 14:48:23 | Weblog
今朝、こたつの上に一枚のFAX用紙が置いてあった。
『成宮明光元調教師、現・明成牧場取締役が死去なされました。ジェイエスの繁殖セールに参加している途中に具合が悪くなり、そのまま入院をして病状回復せず、亡くなられたということです。葬儀は身内のみで自宅のある千葉県・市川市ですでに済ませたとのことです。』
という感じの内容だった。

故・成宮明光師はウチにいるダイタクヘリオスの父・ビゼンニシキを管理し、またオークス馬カネヒムロも管理し、調教師引退後は青森・明成牧場の取締役として馬産に携わっていた。
オークス馬・カネヒムロは、山内牧場の先代の社長が青森牧場で場長をしていた頃の生産馬で、成宮師とはずっとお付き合いがあった。
来月頭に山内牧場の長女の結婚式が東京で行なわれるが、そこにも成宮師には出席していただく予定だった。
私個人は以前電話で、『明成の成宮だが~北海道のセリに馬を持っていくので、お宅の馬運車を貸してくれないか?』という件で少しお話をしたことがある。

神奈川県出身ではあるけれど、偉大なる青森のホースマン。
その死を悼み、心からご冥福をお祈り申し上げます。

馬紹介~③ウインマーベラス~

2007-11-15 14:25:26 | Weblog
3番目に紹介するのはウインマーベラス。
ウチの牧場ではダイタクヘリオスに次ぐ有名馬かも。
実はこの馬の導入に関しては、私が初めて社長から検討するよう任された馬と言えるかもしれない。
昨年の冬のある日、社長は『何かサンデーの仔で、ウチで供用してみないかとの打診があった。お前がJBBAの参事と連絡を取って検討してみろ』と言った。
最初は『サンデーの仔?ウチにはカームもいるしなぁ…SS系2頭も要らないんじゃないかな?とりあえずどの馬か聞いてみてからだね。』と考えていた。

しかし、血統等のファイルが送られて来て、その考えは変わった。
『ウインマーベラス』
父サンデーサイレンス・母ミヤビサクラコ(母父ノーザンテースト)
中央戦績45戦11勝(うち障害6勝)、地方3戦1勝。
私は『これは導入する価値があるかもしれない』と考えを翻した。
それまで打診があった馬はトニージェント、サンエムエックス…
それらの馬とは一線を画すようなクラスの馬。
『あのウインマーベラスか!』

全兄弟にキングオブサンデー・ロイヤルキャンサー・ウインデュエル・ジョウノオーロラ・ジョウノビクトリア…半兄にフリーウエイハート。
母ミヤビサクラコは産駒のJRA勝利数が45に上る希代の名繁殖牝馬だ。
ウインマーベラス自身も重賞では障害しか勝ち鞍が無いとはいえ、平地でもOP勝ちがあり、ダービーGPも4着。芝・ダートを問わないオールラウンダーという印象。
それにこの牝系の良さは魅力だと思った。
ダイワメジャー(現役)やデュランダル、アドマイヤマックスなどSS×ノーザンテーストという種牡馬は北海道に増え始めている。しかし、青森にはいない。
SSの血も、NTの血も北海道ほど溢れていない青森ではそれは武器になると思った。
しかも、北海道のセールでは高いとは言えないかもしれないが、
ちゃんと値がついて産駒が取引されている。
私は社長に進言した、『これは導入しましょう。』

そして2006年12月、ウインマーベラスはウチにやって来た。
冬毛のせいかもっさりとして見えたが、名ジャンパーらしくガッチリした後肢(トモ)。
堅実に走りそうな産駒を出しそうだとの直観があった。

産駒は今年の2歳が初年度産駒で、中央で2頭が登録、地方では3頭がデビューを果たしている。
その中で10月6日、中央登録馬ディアディアーが中央2歳未勝利戦を勝ち上がり、中央地方通じての産駒の初勝利を飾った。
ディアディアーは母が平安S2着のシアトルブリッジということもあり、ダートで今後更なる活躍が期待される。もう一頭のウインオンリーもゲート試験に合格。脚元がパンとすればデビューも見えて来た。
意外と青森の他の牧場の生産者にもウケが良く、大橋牧場さんはかなり頭数を付けたようだ。
ウチの牝馬では、アインステップとフルールドロカイユが2頭受胎している。どちらも私が配合計画を立てたので来春が楽しみ。
障害に限らず、重賞や地方の交流重賞勝ち馬を出して欲しい。
期待してるぞ、ウインマーベラス!