(有)山内牧場

青森県八戸市で競走馬生産をしている山内牧場の生産馬、繁殖牝馬、繋用種牡馬についてのブログです。

馬紹介~⑩ラーセニー~

2007-11-23 14:53:53 | Weblog
今年の10月末に、バブルルーセントと一緒に北海道からウチの牧場へやって来たのがラーセニー。
父Private Account・母Forseer(母父Round Table)。米国で1勝。
黒鹿毛の小柄な馬だ。年齢のせいか見栄えはしないが…
何がすごいってこの馬は血統がすごい!何と半兄は成功種牡馬・カーリアン!フサイチコンコルドやシンコウラブリイ、エルウェーウイン、ゼンノエルシド、ビワハイジなど、日本だけでもこんなに活躍馬が並ぶ。他にもヴィジョン、スキャン、グロウなど綺羅星のごとく活躍馬が近親にはズラリと並んでいる。しかも父はアメリカの名馬・パーソナルエンスンを輩出した成功種牡馬のPrivate Account。傲岸不遜かもしれないし、我田引水な評価かもしれないが、青森では一番の良血牝馬と言ってもいいのではないかと思う。

~米国での産駒~
・Mood blue(セン1994 父Conquistador Cielo)米12勝
・Bribe  (牝1996 父Bertrando)米未勝利
・Addicted (牝1998 父Broad Brush)米1勝
・Secret Agent Tom(セン2000 父Shirttail Flying)米4勝
~日本での産駒~
・ダイタクドクター (牝2001 父Saint Ballado) 1勝
・ダイタクヴォーグ (牝2002 父パントレセレブル)
・コアレスバロン  (牡2004 父ジャングルポケット)
・ラーセニーの2006 (牝 父シルヴァーチャーム)
・ラーセニーの2007(牝 父スペシャルウィーク)
今年は空胎。

大物が出ていないが、日本での初仔・ダイタクドクターも3戦目で勝ち上がったものの、競走中の鼻出血で引退。競走馬には肺機能は重要なので、素質的なものではなく故障での無念の引退となった。決して素質の無い馬ではなかったと思う。

この馬の来春の配合に関してはいろいろと悩んだ。最初はスクワートルスクワートが青森に来ればスクワートル、来なければキンググローリアスという予定だった。しかし、予定と異なって青森に来たのはシルヴァーチャーム。キンググローリアスは北海道・静内へ行ってしまった。私は『ラーセニーにシルヴァーチャームを付けよう!』と主張した。かなりのインブリードになるが、牝馬が産まれれば最高の繁殖牝馬になるからだ。しかし、同じ配合のラーセニーの2006(父シルヴァーチャーム)の評価を元の所有者に聞いてみてからでも遅くはないだろう、ということになり、聞いたら『形はまとまっているが小さい』とのことだった。社長はその『小さい』が気に入らなかったらしく、ダイタクグレースに付けると言い出した。そこで2週間ほど論議したのだが…ケイアイヴェニスが来て、そこへ落ち着いてしまった。小さい馬が走らないとは思わないし、むしろ小さいほうが脚元への負担が少なくて良いと思うのに…(ステイゴールド、ディープインパクト、サニングデール…)。もともとラーセニー自体が小さく、産駒も結構小柄に出ているし。個人的にはこの馬に関しては絶対に牝馬を取って、後継牝馬を残したい。

結局、来年は一発大物を狙ってカームを付けることになりそう。個人的には…シルヴァーチャーム付けたかったな…。来年、スクワートルスクワートか、キャプテンスティーヴが七戸種馬場へ来たら絶対付ける!血統に違わぬ大物を出してくれ、ラーセニー!!