(有)山内牧場

青森県八戸市で競走馬生産をしている山内牧場の生産馬、繁殖牝馬、繋用種牡馬についてのブログです。

馬紹介~⑬フルールドロカイユ~

2007-11-26 14:09:34 | Weblog
2001年、『北海道から繁殖牝馬を買って来ようと思うんだ』と社長が言った。社台グループ繁殖牝馬ウインターセールの開催に伴って、リストが送られて来た。さすが社台グループ、珠玉のような血統の牝馬の集まり。この時の上場馬にはトレジャーアイランドの仔を受胎したイブキピンクレディ(この時の仔が後の浦和記念勝ち馬・モエレトレジャー)、重賞勝ち馬カッティングエッジ、バランスオブゲームの母・ホールオブフェームなどがいる。個人的に目を付けていたのはオステアアンティカ(オスティエンセの母)、タヤスツヨシの近親・プレミアムショールなどだった。購入にあたり、ポイントは2つ、1つ目はまず受胎していること、2つ目はなるべく若い馬であることだった。そして社長が選んだ馬がエアジハードの仔を受胎したフルールドロカイユ(当時4歳)、1600万円での落札だった。

・フルールドロカイユ
父ジェイドロバリー・母ダイナソレイユ(母父ファバージ)。
個人的にはジェイドロバリーは母父として次世代の配合が難しい(当時、青森にはSS系種牡馬があまりいなかった)ことがちょっと気がかりだった。しかし、社長はジェイドロバリーが良い、お腹にエアジハードが入っているのも良いと、さらにエアグルーヴの従姉妹にあたる牝系が一番気に入ったようだ。

産駒は
・ハードアイバー   (牡2001 父エアジハード)佐賀2勝
・スカーレピーコック (牝2002 父アイシーグルーム)南関4勝
・オーメドック  (牡2003 父キャプテンスティーヴ )1勝、中央現役
・リトルユニコーン  (牡2004 父スクワートルスクワート)佐賀5勝
・ナスノシャーディー (牡2005 父シャーディー)
・フルールドロカイユの2007(牝 父イシノサンデー)
今年はウインマーベラスを受胎中。来年はカームを配合して、一発大物を狙ってみようか。

初仔のハードアイバーはすごく形の良い仔で出たが、育成中に怪我をしてしまい、佐賀で走ることになってしまった。順調なら中央でも期待できただけに残念でならない。スカーレピーコックは勝ち切れないが、南関で安定した戦績で走っている。オーメドックは未勝利戦を勝ち上がり、しばらく勝利からは遠ざかっているが馬主孝行に好走はしてくれている。リトルユニコーンも順調なら中央入厩クラスの馬だったが、旋回癖とサク癖が付いてしまい佐賀に流れた。しかし、素質は一級品で、佐賀で勝利を重ねている。ナスノシャーディーは川崎で連対をしているが、まだ未勝利。兄姉は3歳戦からが勝負なので、この馬も真価を発揮するのは3歳戦以降だと思う。
後で当歳のことを一頭ずつ紹介しようと思っているのだが、フルールドロカイユの2007はかなり良い。目立った産駒を出せていないイシノサンデーだが、『この仔はイシノサンデーの代表産駒になるかもしれない』と社長は言っている。それは後述。
ダイナカール、エアグルーヴ、アドマイヤグルーヴ、モノポライザー、オレハマッテルゼ、エガオヲミセテ…活躍馬が並ぶ名牝系、新・華麗なる一族。その末端に名前を連ねるフルールドロカイユ。血統に違わぬ活躍馬を輩出して欲しい。自身は競走戦績は中央で7戦して未勝利(腰が甘かったそうだ)も、産駒はコンスタントに走っている。ファミリーの底力を見せてくれ、ロカイユ