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この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

1day奥穂~西穂パトロール

2008年07月23日 | 山行記録

P1130337 白出沢渡渉点の雪

本日、夏山山岳パトロールを行った。行き先は今までパトロールをしたことのない、奥穂高~西穂高間である。このルートは日本の一般縦走路で最も困難で、危険なルートである。しかも日帰りで行うなんて誰も思いもつかないだろう。同じ救助隊員のK村さんと二人で挑戦してきた。

P1130341 白出沢上部は雪がベッタリ

朝4時10分、まだ辺りは暗くヘッドライトを点けて暗闇を歩き出した。今日の行程は長丁場が予想されるので早めの出発であった。白出沢はまだ雪が多く、上部の約400mは急斜面に残雪がたっぷりで硬くカチカチであるため、アイゼン、ピッケル又はストックが必須である。僕達はちゃんと持って行ってたため難なく通過することができた。7月中は必要だろう。約3時間半で穂高岳山荘に到着だ。

P1130353

ガスの中トラバース

山荘では仲間の常駐隊員が迎えてくれ、山荘の方が暖かい飲み物を出してくれた。感謝である。休憩もほどほどにして、奥穂高山頂を目指し歩き始め30分で着いた。しかしガスで何も見えない。残念だ。さあ、いよいよ、ここからが今日の本番である、最難関ルートの始まりである。二人で気合を入れなおし8時45分出発した。初っ端から高度感たっぷりのやせた尾根ウマノセの通過である。まだ高度感に慣れていないので思わず腰が引ける。

P1130361

なんともヒドイところです。

ジャンダルムを巻き、着実に足を進めていく。一瞬の気の緩みが命取りになる。本格的な岩場が初めてなK村さんもスイスイ足を進める。さすが僕が見込んだだけのことがある男だ。オコジョや雷鳥に挨拶を交わしながら、とにかくこの長くて険しい岩稜をこなしていく。

途中4組5名の登山者とすれ違う。このガスの中皆物好きであるが、このルートはたくさんの登山者の憧れでもある。

まだ書きたいですが、眠くなってきたのでこの辺で寝ます。ごめんなさい。おやすみ。とにかく無事に帰ってこれました。

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