この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

立山スギ

2017年09月29日 | 日記・エッセイ・コラム

杉が杉を背負っているみたい。

富山県東部、立山周辺には立山スギが自生している。その姿はとても大きく二本が合体したような木や真ん中が割れて人が入れるような木で迫力満点である。

先日の早月尾根にもいたるところに点在していて辛い登山でも目を楽しませてくれる。

とてつもなく降る雪がこのような姿をつくるのだろう。

アルペンルートの美女平には沢山の立山スギを見ながら廻れる遊歩道もあるらしい。

人智の及ばぬ神々しささえ感じられる木である。


チングルマ

2017年09月24日 | 日記

毛が伸びたチングルマ

高山植物を代表する花でチングルマがある。この花夏には梅の花に似た5弁花の可愛い花が咲く。

しかし秋になると花は無くなり毛のある種が実り写真のような姿に変わる不思議な花だ。

花といっても葉は赤く紅葉してやがて落葉するので木の仲間らしい。

初夏から晩秋まで色々楽しませてくれる植物である。





早月尾根

2017年09月21日 | 山行記録

以前から行こうと思っていた剣岳へ早月尾根からKOUさんと日帰りで登って来た。

ようやく早月小屋

前日に馬場島でテント泊。翌日3時発とした。

天気予報は雨マークが付いていたが出発時には星が見えていた。暗闇の中二人で出発。いきなりの急登だが心拍数を上げないようにゆっくり登る。先は長い。

途中富山市の夜景がきれい。途中、居るはずもない人の鈴の音や4つのヘッドランプの灯りが見えた。馬場島で寝ている時も同じ鈴の音が違う時間に2回聞こえた。

景色も無くとにかく黙々と登る。

4時間ほどで早月小屋に到着。ガスの無く景色は好かった。陽射しも出てきて天気もよく気合が入る。

本峰が迫る。

KOUさんも僕も体調は良くペースも上がってきた。早月小屋に泊まった登山者もドンドン抜き去る。

6時間丁度で剣岳山頂に着いた。別山尾根から登って来た登山者でいっぱいだった。

雲行きも怪しくなって風も強いので写真を撮って早々に下山開始。

これだけ見えれば充分

とにかく長く急な道をひたずら降りた。

途中、またもや不思議なことが。樹林帯に入って登山道から今から下って行く道を見下ろすと木々の隙間から雲のようなガスのようなモヤモヤしたものに覆われているところがあった。二人ともガスったのかなと思ってそこまで降りると何も無くガスや雲があった気配もない。確かに真っ白で雲みたいなモノがあったのにあれは何だったのだろう。こんな体験は初めてで黄泉への入り口だったかもしれないと二人で話した。

足が痛くなるころ5時間掛けて下山した。

以前に甲斐駒ケ岳の黒戸尾根にもKOUさんと日帰りで登ったことがある。よくどちらがキツイかと比較されるがどちらも充分な体力と戦略的な登りかたをしないと失敗するかもしれない。大事なのはペース配分でトレランや若い人ならガンガン登れるかもしれないが僕のようなおじさんはそうはいかないのである。

とにかくどちらの楽しく素晴らしい登山道であった。