2011年に日本のテレビは全面的にデジタルに移行する。つまり小泉首相があんなに大事で絶対譲れないと言った「思想信条」にかかわらず、NHKの受信料を払っていようといまいと、デジタル対応の受信機を買う金があろうがなかろうが、5年後には現行のアナログ放送は見ることを許されなくなるのである。
日本にテレビ放送が導入されて以来の最大の革命である。テレビの明治維新と言っていい。古今東西革命の時には勝ち組負け組がハッキリする。犠牲になる人もあれば便乗する人もいる。これは「デジタル維新」に便乗しようとする壮大な計画の物語である。<♪ジャジャンジャジャンジャジャ・・風の中の昴・・・>
2月1日付の毎日新聞に、「新東京タワー 600メートルの電波塔建設構想」という記事が載った。現在の東京タワーのおよそ倍の高さの新たな電波塔を建設しようという話は、以前からあった。この記事では、その建設予定地がこの三月末にも決まるのでないかと書いている。
新しいデジタル放送は、送信電波がこれまでのVHF帯からより波長の短いUHF帯に移行する。そのためビルの陰で電波が届きにくくなるのを「解消」するため、東京タワーよりもはるかに高い電波塔を作ってあげましょうというのが、表向きの建設理由だ。
しかし実はこれは純粋なセールストークで、実は高い塔があろうがなかろうがUHF電波はビルがあれば遮られる。日本の都市圏で生活している人は気づいていないが、日本の農村部はすでにVHFからUHFへ移行しており、アンテナは山の頂上に作られている。だからすでにUHF利用世帯にはこの口実は通用しないのだが、首都圏の人はまんまと騙されている。
だから建設推進派にこの点を突っ込むと、アッサリ認める。「いや、実は」と切り出されて、<実は地デジになっても、テレビ向けの電波を送るだけなら、東京タワーで事足りる。問題は「ワンセグ」。携帯電話など移動体向けに番組とデータを送る新しい放送サービスで、「この実施には、広範囲で電波が受けやすくなるよう、高いタワーが必要」と放送事業者側は言う。送信位置が高くなると、ビルなどの構造物によって電波の遮られる範囲(ビル陰)が小さくなるからだ。>(毎日)という説明を聞かされることになる。
ああ、要するにどうしても新タワーが作りたいわけですね。「それに」と推進派は付け加える。<新タワー誘致推進協議会会長代行は「千載一遇のチャンスだ」と、世界一高いタワーの観光効果に期待する。>(同上) つまり放送事業者や通信関連業者の要望だけでなく、地域振興につながると。
だから、このタワー誘致に埼玉を含む各地が名乗りを上げている。「新タワー推進プロジェクト」によると現在のところ墨田区が「第一候補」とされている(下の写真はその墨田区の「候補地」に建設した場合の想像図)。
問題は建設費だ。現在の見積もりで500億円と言われているが、上記の「プロジェクト」はNHKと在京民放5社で構成。だから当然この6社で負担するのだろうが、携帯電話会社などもこの鉄塔を使うはずだから、出資を迫られるだろう。地上400mの所に展望台を設けて入場料を得ることになるはずだが、これは維持費に消えてしまう。大手ゼネコンは嬉しいだろうが、負担は結局視聴者に回ってくる。推進主体ではコストの問題をどう議論しているのだろう。
-しょ-がないな、受信料値上げしないと。不払いのヤツには罰則設ければカネは集められるだろう。-NHKさんはいいよな。オレたち民放はCM料あげたらクライアントが逃げていくよ。-イヤイヤ君たちは他にも自由に商売のネタが選べて・・・
「フフフ・・ずいぶんつまらぬことでお悩みですな。これを”軍事問題”にすれば財源問題はたちどころに解消することにお気付きでないとは。」 ン?そう言う君たちは?「左様、天下りこそ我が命」、「国の防衛隠れ蓑」、「防衛施設庁官製談合三人衆です」。
そ、そうか!これを有事の通信施設にすれば!それに在日米軍も使えることにすれば、「思いやり予算」でいくらでも金が下りる。「左様、落札価格と業者の選定は我々にお任せください。これで当分は天下り先に事欠きません」。
し、しかしそれじゃ形式的にでも設計を変更せねばならん。構造計算からやり直しだぞ。
「おのおの方、何を慌てておられる。もう構造計算も図面も書き直したものがここにあるのですぞ。」・・そ、そう言う君は、あ、あね・・・「最後までおっしゃいますな。名前などいくらでも偽装が可能。偽装ほど虚しいものはありません。安全性も簡単に偽装できる。最後に残る確かなものは”経済性”です。皆さんはどうせ国民のカネだからとコストを無視した議論をしておられる。私のスローガンは”低減”。鉄筋を最高度に低減したこの設計をご覧なさい!」
ななんだ?姉歯君、これは白紙じゃないか。この図面は! 「マンションから鉄筋を抜き去っていったように、鉄塔から鉄柱を抜き去っていけばこうなったのです。なに、どうせ官製談合で作るのだから、お役所が何も言わなければ大丈夫。景観に配慮して透明の鉄塔にしたと説明しておけばいいのです!」
日本にテレビ放送が導入されて以来の最大の革命である。テレビの明治維新と言っていい。古今東西革命の時には勝ち組負け組がハッキリする。犠牲になる人もあれば便乗する人もいる。これは「デジタル維新」に便乗しようとする壮大な計画の物語である。<♪ジャジャンジャジャンジャジャ・・風の中の昴・・・>
2月1日付の毎日新聞に、「新東京タワー 600メートルの電波塔建設構想」という記事が載った。現在の東京タワーのおよそ倍の高さの新たな電波塔を建設しようという話は、以前からあった。この記事では、その建設予定地がこの三月末にも決まるのでないかと書いている。
新しいデジタル放送は、送信電波がこれまでのVHF帯からより波長の短いUHF帯に移行する。そのためビルの陰で電波が届きにくくなるのを「解消」するため、東京タワーよりもはるかに高い電波塔を作ってあげましょうというのが、表向きの建設理由だ。
しかし実はこれは純粋なセールストークで、実は高い塔があろうがなかろうがUHF電波はビルがあれば遮られる。日本の都市圏で生活している人は気づいていないが、日本の農村部はすでにVHFからUHFへ移行しており、アンテナは山の頂上に作られている。だからすでにUHF利用世帯にはこの口実は通用しないのだが、首都圏の人はまんまと騙されている。
だから建設推進派にこの点を突っ込むと、アッサリ認める。「いや、実は」と切り出されて、<実は地デジになっても、テレビ向けの電波を送るだけなら、東京タワーで事足りる。問題は「ワンセグ」。携帯電話など移動体向けに番組とデータを送る新しい放送サービスで、「この実施には、広範囲で電波が受けやすくなるよう、高いタワーが必要」と放送事業者側は言う。送信位置が高くなると、ビルなどの構造物によって電波の遮られる範囲(ビル陰)が小さくなるからだ。>(毎日)という説明を聞かされることになる。
ああ、要するにどうしても新タワーが作りたいわけですね。「それに」と推進派は付け加える。<新タワー誘致推進協議会会長代行は「千載一遇のチャンスだ」と、世界一高いタワーの観光効果に期待する。>(同上) つまり放送事業者や通信関連業者の要望だけでなく、地域振興につながると。
だから、このタワー誘致に埼玉を含む各地が名乗りを上げている。「新タワー推進プロジェクト」によると現在のところ墨田区が「第一候補」とされている(下の写真はその墨田区の「候補地」に建設した場合の想像図)。
問題は建設費だ。現在の見積もりで500億円と言われているが、上記の「プロジェクト」はNHKと在京民放5社で構成。だから当然この6社で負担するのだろうが、携帯電話会社などもこの鉄塔を使うはずだから、出資を迫られるだろう。地上400mの所に展望台を設けて入場料を得ることになるはずだが、これは維持費に消えてしまう。大手ゼネコンは嬉しいだろうが、負担は結局視聴者に回ってくる。推進主体ではコストの問題をどう議論しているのだろう。
-しょ-がないな、受信料値上げしないと。不払いのヤツには罰則設ければカネは集められるだろう。-NHKさんはいいよな。オレたち民放はCM料あげたらクライアントが逃げていくよ。-イヤイヤ君たちは他にも自由に商売のネタが選べて・・・
「フフフ・・ずいぶんつまらぬことでお悩みですな。これを”軍事問題”にすれば財源問題はたちどころに解消することにお気付きでないとは。」 ン?そう言う君たちは?「左様、天下りこそ我が命」、「国の防衛隠れ蓑」、「防衛施設庁官製談合三人衆です」。
そ、そうか!これを有事の通信施設にすれば!それに在日米軍も使えることにすれば、「思いやり予算」でいくらでも金が下りる。「左様、落札価格と業者の選定は我々にお任せください。これで当分は天下り先に事欠きません」。
し、しかしそれじゃ形式的にでも設計を変更せねばならん。構造計算からやり直しだぞ。
「おのおの方、何を慌てておられる。もう構造計算も図面も書き直したものがここにあるのですぞ。」・・そ、そう言う君は、あ、あね・・・「最後までおっしゃいますな。名前などいくらでも偽装が可能。偽装ほど虚しいものはありません。安全性も簡単に偽装できる。最後に残る確かなものは”経済性”です。皆さんはどうせ国民のカネだからとコストを無視した議論をしておられる。私のスローガンは”低減”。鉄筋を最高度に低減したこの設計をご覧なさい!」
ななんだ?姉歯君、これは白紙じゃないか。この図面は! 「マンションから鉄筋を抜き去っていったように、鉄塔から鉄柱を抜き去っていけばこうなったのです。なに、どうせ官製談合で作るのだから、お役所が何も言わなければ大丈夫。景観に配慮して透明の鉄塔にしたと説明しておけばいいのです!」