「コペルニクス的転回」というのはよく使われる表現だが、「コペルニクス的馬鹿者」という言葉は初めて聞いた。
横浜市の中田宏市長が2月2日に記者会見でヒューザーの小嶋社長を評した言葉。横浜市は小嶋社長に「損害賠償」38億円を請求されている。<「盗っ人たけだけしい。コペルニクス的ばか者だ」と発言した。>(朝日新聞)。
普通人名に「的」を付ければ、その人のようなという意味になる。「コペルニクス的馬鹿者」というのはコペルニクスのように愚かだということになって、あの偉大な天文学者に対してあまりにも不似合いだ。コペルニクス先生も突如こんな問題で自分の名前が引き合いに出されて、草葉の陰でひっくり返っているだろう。
そもそも「コペルニクス的転回」という言葉を広めたのは哲学者のカント(1724- 1804)だ。主著『純粋理性批判』の中で自分の認識論の斬新性をアピールするために、まさしく天文学でコペルニクスが行ったのと同じことをやっているのだという意味で「コペルニクス的転回」Kopernikanische Wendeという言葉を用いたのが始めとされている。物の見方を180度転換するという意味だ。
だからあえて中田市長の言葉を忖度すると、「本来は自分が加害者で謝るべきなのに、被害者面をして自治体を訴えるなど180度倒錯している。そういう愚かなことをする馬鹿者」と言うべきところをかなり”省略”して表現したのだろう。
確かにコペルニクス的というのを「180度」という意味で使うなら、小嶋社長というのはまさしくコペルニクス的人物だ。最初の参考人招致では「ふざけたことを言うな!」と国会の場で大声を上げていたのに、証人喚問の時は「コペルニクス的転回」をして、聞き取れない蚊の鳴くようなか細い声で「答え」ていた。「どうぞ証人に呼んでいただきたい。困るのは国交省のお役人」という強気の態度が、喚問の場では「コペルニクス的転回」して、「お答えは拒否させていただきたく思います」と逃げに終始。マンション住民への説明も何度も「コペルニクス的転回」して不信感を煽って、破産宣告を申し立てられた。
ただ、今回の事件の本質の一つが、いわゆる検査体制にあることは間違いない。これまでの「官」の検査から「民」の参加も認めるという「コペルニクス的転回」によって検査が杜撰になった。と言うより、「民」に天下った「官」が建築会社とグルになって検査をフリーパスにしたという側面がある。
現在も自治体の検査体制がいい加減であることは、再検査しても姉歯偽造を見抜けなかった自治体が頻出したことからも明らかだ。「官」は完全に無罪というのはそれこそコペルニクス的な間違いだ。自治体や国交省も「姉歯、小嶋、内河はコペルニクス的馬鹿者だ」と全責任を転嫁して、満足そうに深々と椅子に腰掛けられていてもユーザー(ヒューザーじゃないよ)としては困ってしまう。
まもなくカントの命日(2月12日)がやってくる。この大哲学者の臨終の言葉は「すべてこれでよし" Es ist gut"」だったという。しかし日本の「官」のエライさんが" Es ist gut"とご満悦では困るのだ。中田市長の言葉が自分たちの責任逃れでなければ幸いであるが。
横浜市の中田宏市長が2月2日に記者会見でヒューザーの小嶋社長を評した言葉。横浜市は小嶋社長に「損害賠償」38億円を請求されている。<「盗っ人たけだけしい。コペルニクス的ばか者だ」と発言した。>(朝日新聞)。
普通人名に「的」を付ければ、その人のようなという意味になる。「コペルニクス的馬鹿者」というのはコペルニクスのように愚かだということになって、あの偉大な天文学者に対してあまりにも不似合いだ。コペルニクス先生も突如こんな問題で自分の名前が引き合いに出されて、草葉の陰でひっくり返っているだろう。
そもそも「コペルニクス的転回」という言葉を広めたのは哲学者のカント(1724- 1804)だ。主著『純粋理性批判』の中で自分の認識論の斬新性をアピールするために、まさしく天文学でコペルニクスが行ったのと同じことをやっているのだという意味で「コペルニクス的転回」Kopernikanische Wendeという言葉を用いたのが始めとされている。物の見方を180度転換するという意味だ。
だからあえて中田市長の言葉を忖度すると、「本来は自分が加害者で謝るべきなのに、被害者面をして自治体を訴えるなど180度倒錯している。そういう愚かなことをする馬鹿者」と言うべきところをかなり”省略”して表現したのだろう。
確かにコペルニクス的というのを「180度」という意味で使うなら、小嶋社長というのはまさしくコペルニクス的人物だ。最初の参考人招致では「ふざけたことを言うな!」と国会の場で大声を上げていたのに、証人喚問の時は「コペルニクス的転回」をして、聞き取れない蚊の鳴くようなか細い声で「答え」ていた。「どうぞ証人に呼んでいただきたい。困るのは国交省のお役人」という強気の態度が、喚問の場では「コペルニクス的転回」して、「お答えは拒否させていただきたく思います」と逃げに終始。マンション住民への説明も何度も「コペルニクス的転回」して不信感を煽って、破産宣告を申し立てられた。
ただ、今回の事件の本質の一つが、いわゆる検査体制にあることは間違いない。これまでの「官」の検査から「民」の参加も認めるという「コペルニクス的転回」によって検査が杜撰になった。と言うより、「民」に天下った「官」が建築会社とグルになって検査をフリーパスにしたという側面がある。
現在も自治体の検査体制がいい加減であることは、再検査しても姉歯偽造を見抜けなかった自治体が頻出したことからも明らかだ。「官」は完全に無罪というのはそれこそコペルニクス的な間違いだ。自治体や国交省も「姉歯、小嶋、内河はコペルニクス的馬鹿者だ」と全責任を転嫁して、満足そうに深々と椅子に腰掛けられていてもユーザー(ヒューザーじゃないよ)としては困ってしまう。
まもなくカントの命日(2月12日)がやってくる。この大哲学者の臨終の言葉は「すべてこれでよし" Es ist gut"」だったという。しかし日本の「官」のエライさんが" Es ist gut"とご満悦では困るのだ。中田市長の言葉が自分たちの責任逃れでなければ幸いであるが。
それでも、ちょっと気になりますかね?
一応、自分のブログには、
この場合、まさか横浜市長が、コペルニクスを馬鹿の代表と
考えているとは思えないので、
ここでは、「 コペルニクス的 」 が、馬鹿者を修飾しているのではなく、
もっと単純に、
「 コペルニクス的転換 」 を馬鹿の実践で成し遂げた、
画期的な馬鹿!
・・・ と言いたかったのでしょうね。(=^・^=)
って、書いたのですが。
小嶋社長の場合、天動説でも地動説でもなく自分中心に回ってますから…ww
裁判のほうは・・まともに進むのでしょうか?疑問です。
私も中田市長の言いたい事は解りましたが、この表現は不適切だと思っています。政治家には「誤解の生じにくい」言動が求められるのは当然の事で、細心の注意を払うべきと考えています。
私自身、中田市長をTVで拝見するに、スタンドプレイの目立つ方だな、というネガティブなイメージを持ってますので、あまり良い印象には取れなかったです。
「天と地が180度ひっくり返るような話し」なのでそう言ったとか。「コペルニクスには申し訳ない」と釈明。
まあそんなことだと思いましたが、ウケを狙ったというよりも興奮して喋ってしまったようです。