金持ち日記

金持ちなるまで続く男の日記

不良と日本社会Ⅱ

2008年05月25日 12時54分53秒 | Weblog
 「なぜ頭の悪い不良が社会で活躍できるのか?」こんな質問をすると「不良は根性があるから」とかすぐに精神論になってしまう。では、いったいその精神力はどのように鍛えられたのだろうか。不良を一括りにはできないだろうが、私の地元不良の歩む中学生活を振り返って、その問いを明らかにしたい。

①就職試験
 先輩から不良候補に選ばれた不良エリート予備軍は、小6の冬に勧誘を受ける。不良の本当の怖さが分からないバカな不良エリート予備軍は喜んで不良になると誓う。不良は女の子にモテるという事実だけは知っているからだ。これは、一流企業はチヤホヤされると考えて就職する大学生となんら変わらない。

②年功序列
 4月、不良予備軍にも春が訪れる。「最初が肝心」と気合を入れて入学式へ!!!先輩からの温かな祝福を期待して行くも、連れて行かれた場所はなぜか山奥。理由なき暴行がエンドレスに続く。不安と希望を抱いて登校するも、下校時には中学生活に不安と不安を抱くことになる。一見意味のない暴行のようだが、これは年功序列という制度を身にしみて感じることができるイベントとなる。

③終身雇用
 1年生の頃は不良のルールを徹底的に覚えさせられる。挨拶の仕方、未成年にタバコを売ってくれる店、違反制服の販売店などなど。挨拶に関しては特に厳しかった。少しでも手を抜いたヤツはボコボコになる運命であったから、皆必死で先輩には挨拶をした。どんなに挨拶が下手なヤツでも、どんなにルールを破るやつでも決して不良からはずされることはなかった。一度不良になった仲間は、最後まで仲間であるとの決意は固かった。これは日本企業に見られる終身雇用制度と似ている。

④ノルマ
 不良になると中2までは日々のカツアゲに苦しめられる。2時間目の休み時間に3年生の先輩が来て「放課後までに3千円な」との命令が出る。もちろん中学生に3千円が毎日作れるわけがない。そこで金持ちの友人を必死で口説くのである。集まらなければ、死ぬかもしれないという恐怖感からか、彼等の営業力はすごかった。決まり文句は決まっている。「お願い、お金かして。俺が3年生になったら絶対返すから」。この発言は、年功序列(3年生になったらお金が取れるようになる)と終身雇用(3年生になっても不良でいられる)という不良文化を象徴している言葉である。

⑤退職金制度
 苦しい2年間を耐え抜いたら、晴れて3年生。後輩からは好きなだけお金を取れる。挨拶のできない後輩は、死ぬ一歩手前まで殴る蹴る。好きなだけ自由にできるのである。これは、若い間に必死に苦労して働いた結果、年取って大して働きもしないのに高い給料をもらい、高い退職金をもらっていく日本企業の姿とダブる。

<結論>
 「なぜ頭の悪い不良が社会で活躍できるのか?」それは不良という組織で、先輩への礼儀、営業力、強靭な忍耐力、暴力に耐え得る体、空気の読み方・・・・・あらゆるものが吸収できるからである。

 今こうして振り返ってみると、不良とは日本の縮図であるような気がしてならない。