またしても中也の詩をモチーフに。
今回は彼が生前
唯一出版した(しかも自費出版!)
「山羊の詩」に収録されてる「無題Ⅰ」から。
もう、どうしようもなくなる自分への悔恨と
魂の懺悔を、ここに、告白してます。
無題 Ⅰ
「こひ人よ、おまえがやさしくしてくれるのに、
私は強情だ。ゆふべもおまへと別れてのち、
酒をのみ、弱い人に毒づいた。今朝
目が覚めて、おまへのやさしさを思ひ出しながら
私は私のけがらはしさを嘆いている。そして
正体もなく、今ここに告白をする、恥もなく、
品位もなく、かといつて正直さもなく
私は私の幻想に駆られて、狂ひ廻る。
人の気持ちをみようとするやうなことはつひになく、
こひ人よ、おまへがやさしくしてくれるのに
私は頑なで、子供のやうに我儘だつた!
目が覚めて、宿酔(ふつかよい)の厭ふべき頭の中で、
戸の外の、寒い朝らしい気配を感じながら
私はおまへのやさしさを思ひ、また毒づいた人を思ひ出す。
そしてもう、私はなんのことだか分らなく悲しく、
今朝はもはや私がくだらない奴だと、自ら信ずる!」
大それたことを言ってもゆるされるなら
この、中也の気持ち、ホント、よくわかるよ。
まあ、ボクの場合は
酒飲んで、人の迷惑顧みずってな感じで
言いたい放題だっただけなんだけど。
でも、こういう気持ちはいつも感じてた。
んで、それでも相手してくれてる周りの人たちに対して
申し訳なさでいっぱいになっちゃうというか・・・。
次の日の、二日酔いの頭痛が
酔ってやらかしたことへの
自分への罰だって、ね。
んで、罰のためにまた酒をのんで・・・。
とまあ、結局、弱い自分がどうしようもなく嫌だったんだね。
今考えると、ホント、
「アル中」だったのかも・・・。
この、「無題」っていう詩は
このあと、Ⅱ,Ⅲ・・・と続いていくんだけど、
それは、また今度。