道を歩いていると、向こうから知人らしき人がやって来た。
「ひょっとして〇〇さんではないですか?」
「Aではないですか?」と否定形を入れた疑問文なので「否定疑問文」という。
「〇〇さんですか?」と普通の疑問文にすると、否定されたときに言い訳に苦労するが、否定疑問文だと「失礼しました」で謝りやすい。
否定疑問文は、否定と肯定の両方をを予想した全方位型疑問文だといえる。
新車を買って一週間してセールスマンが家に来た。
「お車の調子にご不満はございませんか?」とたずねる。
「~(し)ませんか」という形も否定疑問文になる。
満足している人は、「ご満足でしょう」というセールスマンの意図を推測して「はい」と答える。
満足していない人は、「ご不満があれば承ります」という意図を推測して「はい」と答える。
面と向かい合った会話なら、声の調子で「はい・いいえ」を判断できるが、アンケートなら「はい・いいえ」の返事に注意する必要がある。
アンケートが「(不満が)ある・ない」なら答えやすいのだが。
男性が女性に、
「僕と一緒に食事をしませんか」
「はい(しません・します)」
否定疑問文は、なんともあやふやな疑問文である。
今日の記事を読んでくださった皆さんに、
「このブログを読みに、また、来てくださらないですか」