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河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

畑192 / はーやくこい

2025年03月05日 | 菜園日誌

昼過ぎに歩数計を見ると58歩。
昨日に続いて、今日も朝から雨。
赤い鼻緒のじょじょ履いて、おんも(=表)に出たいのだが、ままならない。

3時ころから、ようやく雨があがり、水筒に熱いコーヒー入れて畑へ。
殊更にするべきことはないから、ビニールハウスの中で、とりあえずのコーヒーをすする。
そして、おもむろにハウスの中の小さな畑の様子を確認する。
ナス・トマト・キャベツ・ブロツコリー。
まだまだ双葉だが、本葉が見えてくれば春になる。

春を迎える畑には、楽しみがたくさんある。
こないだまで、たよりげなかったレンゲの葉が、いつのまにやら青々としてきた。
こいつが、あの赤い花をさかせるのか。
露地だと気づかないが、ハウスの中だと、植物の成長の仕方がよく解る。

ほっほぉう……! キャベツはこんなふうにして玉をつくっていくのか。
花芽を包み込むように結球している。
外葉の白い葉脈は、人間の血管なんだ。

ダイコンは、なぜもこんなに根を太くするのだろう?
しかし、太腿を露わにして、なんとも色っぽい。

なーるほど……。
春になると、キャベツの玉はパカッと割れて葉を広げ、花を咲かせる。
ダイコンは、外葉が垂れて、中心部の葉が広がり、根の養分を使って花を咲かせる。
レンゲは、冬の間に、こっそりと葉を広げて大きくなって、花を咲かせるのだ。
歩きはじめた みいちゃんのように、みんな春を待っているのだ!

※清原ひとし 著『童謡画集 : やさしいおうた』,ゆりかご社,昭和27. 国立国会図書館デジタルコレクション 

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畑191 / くじけないで

2025年02月26日 | 菜園日誌

今日からしばらくは暖かいというので、気温が上がった9時頃に畑へ。
気温は8度だが風が強いので寒い。
どうしよう? 明日にしようか?
今年の農作業の開始に、ジャガイモを植えるつもりで来たのだが、気持ちがくじける。
すでに25℃になっているビニールトンネルの中で、しばらく考える。
「くじける」という漢字は、どない書いたかなあ?
漢字が出てこない。
くじけている場合ではないのだ!
畝だけでもたてるとすそるか。

      ☆

まずは、管理耕運機を出して耕す。
カラスが一羽、後ろからついてくる。
去年にさんざん苦しめられた憎きカラスだ。
思わず「コラ!」と怒鳴る。
カラスは驚いてバタバタと飛び立つ。
耕運機に鋤(すき)を付けて畝をたてる。
たて終えて、畝の出来栄えを眺める。
さっきのカラスが、また、やって来て、なにやらほじくっている。
思わず「コラ!」と怒鳴る。
だが、カラスは慣れてしまったのか、飛び立つ様子がない。
こりない奴だ!
まあいい、さて、どうしよう? 続きは明日にするか?
ハウスの中から椅子を出して、悠然とほじくっているカラスを見ながらしばらく考える。
「こりない」という漢字は、どない書いたかなあ?
またもや、漢字が出てこない。
こっちが、こりている場合ではないのだ!
どうせ、ワープロで打てば、漢字は出てくる。

結局、挫けることなく、懲りることもなく、3キロのジャガイモを植えた。
今年の農作業の始まり!
今年もくじけずにやるとするか。

 ねえ 不幸だなんて 溜息をつかないで
 陽射しやそよ風は えこひいきしない
 夢は 平等に見られるのよ
 私 辛いことが あったけれど
 生きていてよかった あなたもくじけずに
     (柴田トヨ『くじけないで』)

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畑190 / 春遠からじ

2025年02月11日 | 菜園日誌

最強寒波が緩んで、3月並みの暖かさ。
こんな日にじっとしているのはもったいない。
ジャガイモでも植えるとするか。
陽気に誘われて、ウォーキング替わりに畑へ。
12月から冬眠していたから⒉ヶ月半ぶりの農作業。
久々に管理耕運機出して畑を耕す。

冬草がびっしりと生えた畑は硬い。
管理機で三往復ほど搔きまわさないと草は抜けず、柔らかくならない。
「畑の草は根っこごと抜くな」という。
雑草が根を張ることで空間をつくり、土をやわらかくしているのだという。
なるほど、そうに違いない。
しかし、これは、関東ローム層のような粒子の細かい柔らかな火山灰土壌に限ったことだ。
畝をたてずに平畝で栽培できるような、さつま芋を引っ張ったら芋づる式に収穫できる畑のことだ。
我が畑のような堆積物の多い、粘土質の畑で同じことをしたら、我が物顔に雑草が蔓延る。
            ★
書物やネット検索で野菜の栽培について調べると、同じような内容が延々と続く。
中には、したり顔に、臆面もなく、一字一句同じなどというのがある。
タキイ、サカタ、カネコなどの大手種苗会社のコピペが多い。
自然相手の野菜作りが、日本全国で同じはずがない。
地域や土地によって、栽培の時期や栽培方法は異なる。
そして、同じ地域でも、作る人間によって育てる人のスタンスは違う。
郷に入れば郷に従え。
他所の郷と同じにしていては面白くない。
我が畑が我が郷なのだ。

耕し終わって、ドカリと椅子に座って考える。
さて、畝をたててジャガイモ植えようか……?
待て待て、下手に植えて、下手に芽が出て、次の寒波で雪や霜に遭ったら元もこうも無くなる。
思えば、毎年、「ジャガイモをいつ植えようか」と同じことを考えている。
結果、毎年、同じことをする。
ジャガイモは昼夜の平均気温が10℃にならないと芽が出ない。
郷に入れば郷に従え。
大阪の平均気温が10℃になるのは3月の半ば。
陽気に誘われて勘が狂っていた。
When in Rome, do as the Romans do,
ローマへの道はまだまだ遠い。
もうしばらく、我慢して根を伸ばすとするか。
冬来りなば春遠からじ。
If winter comes, can spring be far behind.

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畑189 / 上でも下でも

2025年02月05日 | 菜園日誌

立春だというので、夕方近くに、水筒を持って畑へ。
強い風に背を押されて、すたこらすたこらの速歩き。
身体活動の強さを表す「メッツ」という単位がある。
厚生労働省のHPからの受け売りでいうと、
座って安静にしている状態が1メッツ、普通歩行は3メッツになる。
日常生活で体を動かす量の基準は、3メッツ以上の身体活動を1日1時間、1週間の合計で 23メッツ(約8時間)する必要がある。
これに加えて、少し強めの運動(例:速や歩き=約5メッツ)を一日20分以上、1週間の合計で150分以上すると寿命が伸びるのだという。
早い話、こんなの、普通に働いていれば1日で達成できる。
なのにメタボが増えるのは、デスクワーク中心、過度のカロリー摂取、高齢による活動不足、強めの運土不足ということになる。

強い風に背を押されてすたこらすたこら速歩き。
こりゃ良い運動だわい。
と思っているうちに畑に着く。
かといって、格段にすることはない。
気温は7度、慌ててビニールハウスの中に入る。
中は25度。
冷たい風に震えているビニールハウスの中で、どかりと指定席に座って、うららな春を感じる。
暦の上であろうが下であろうが、ここには春がある。
豌豆が背丈ほどに伸びて花をつけている。
水筒のお湯を紙コップに注ぐ。
少し焼酎が交じっている。
ポケットに入れて来た柿の種をつまみながら、ちびりちびり。
ずうっと前から、これがしたかった。
キャベツの葉も10枚を超えて、巻きだしている。
もう一杯注いで、ちびりちびり。

福岡の伝統野菜かつお菜(勝男菜)が、我が物顔に葉を広げている。
隣のキャベツは肩身狭そうにしている。
ハウスの中だから、まったく虫に喰われていない。
なんとも見事な葉っぱを眺めながら、最後の半分をちびりちびり。

天気予報を見ると「もうすぐ雪が降ります」。
こりゃいかんわいと、勝男菜を収穫して帰路につく。
強い風をまともに受けて、大きく黒い雪雲に向かって、のたりのたりと歩く。
これもまた、良い強めの運動になる。
家に帰ると、ちらほらと咲きだした梅に、ちらほらと雪が舞っている。
勝男菜をさっと湯がいてお浸しにして、鰹節をかけて、肴にして、ちびりちびり。
冬と春を一緒に味わう、なんとも贅沢な孤独のグルメである。

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畑188 / ちょっとだけよ

2024年12月02日 | 菜園日誌

庭のメダカ池のオモダカが色づいて枯れて、冬の到来を告げている。
去年に「茶話76/目高」で書いた時は、本数が少なくてメダカも気持ちよさそうだった。
ところが、今年は茂りすぎてメダカは窮屈そう。
完全に枯れたら掃除しなければ……と楽しみにしている。
というのは、オモダカはクワイの仲間で、地面の下にクワイのような芋ができて、食べられるのだとか。
こんなに茂っていたら、さぞかしたくさんあることだろう。
ちょっと小さいが、ちょっと楽しみ。

畑はというと、ほとんどやるべきことをやってしまって、ほとんど冬休み状態。
それでも、朝夕に畑へいかなければならない。
というのは、メダカ。
朝夕にエサをやらなければならないのだ。
娘が知人からメダカの子どもをもらってきて、おすそ分けしてくれた。
かなりレアなメダカだと言う。
死なせてなるものかと、畑のビニールハウスの中に持って来た。
ホテイアオイと一緒に、ここで冬越しさせる。
まだ赤ちゃんでちょつと小さいが、大いなる楽しみ。

今日は、朝の8時にメダカのエサやり。
昨日より少し暖かい。
それならばと、ハウスの中に野菜の苗を定植した。
小松菜・菊菜・春キャベツ、サニーレタス。
メダカのエサやりついでに、毎日、ちょっとだけ世話をする。

冬のちょっとした楽しみである。

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