成田の出発ロビーでこのブログを書いている。ソニーのバイオパソコン(1kg)と無線LANで、電源コードも回線コードも無しだ。
1984年(昭和69年)のINSモデル実験と筑波の科学博に来日した国連通信部会(ITU)のバトラー事務総長に研究中のモバイルホン(自動車電話)を貸し出して驚かせ喜ばせたものだが、「携帯」の名がふさわしいかどうか疑わしかった。なにしろショルダーバックタイプで4kgもしたのだから。
山形の基督教独立学園で「情報革命」の講演をしたのは1968年のクリスマス、アルビントフラーの「第三の波」出版の翌年であった。あれから3分の1世紀、まさに隔世の感がある。
ドッグイヤーと言う。従来の7倍の速度で技術進歩がなされている。換算すると2世紀も昔のことになる。技術の進歩は目に見えて早い。そして、永遠に不変なものは目に見えない。
「見えないものは永遠」(コリント前4:18)
(搭乗案内があったので中断)
井筒和幸監督の映画「パッチギ!」を観た。横浜キネマ倶楽部の上映会が神奈川公会堂で催され、夜の部の上映に先立って井筒監督自身の講演があった。
映画のテンポが良く、特に主題歌「イムジン河」が感動的であったが、暴力シーンが多すぎて辟易した。前評判が高く、直前の監督の講演が面白かっただけにやや残念であった。
夜のテレビで井筒監督のキネマ旬報賞受賞(優勝)のニュースが報道され、あまりのタイミングの一致に驚いた。続いて教育テレビETV特集で「わが父・溥傑ラスト・エンペラーの弟・波乱の生涯」を見た。
暴力的な過去の歴史を否定することはできない。平和愛好を口実に、暴力的事実を無視してはならない。平和は何もしないところから自然に生まれ育つものではない。平和は作り出すものである。
「平和を作り出す者は幸いである」(マタイ5:9)
国際技術士(APECエンジニア)の登録制度が始まって満5年。今月末の第10回登録で我が国のAPECエンジニアの総数が2,500人を超える予想とのこと。(約8割がCivilエンジニア、約2割がStructuralエンジニア、その他、Mechanical, Chemical, および Electrical 3分野各十数名すつ計五十数名(2%強))
外交音痴とか語学ハンディキャップ(障害者)と批判されながらも、兎も角国際認証を受けた専門家の増加は「国家的慶事」である。
「登録して幾ら儲かるの?」と聞かれることが多いのに閉口する。経済価値のみで物事の軽重を計ろうとすること自体、いかにもエコノミックアニマル的で、まさに非国際的感覚である。
アネハ事件で顕著になった様に、エンジニアリングの立場は目先の利益に反することが多い。「損して得取れ」という。「知恵」に従い、目先の利害に捉(とら)われない、客観的でグローバルな視野を養わねばならない。
「知恵を得るは銀を得るにまさり、その利は精金よりも善い」(ソロモンの箴言3章14節)
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.来週カンボジアで講義する「情報応用」の教材整理に一日を費やした。半年かけて準備した教材であるが、まだまだ要訂正箇所がある。
途上国で講義する際に肝心なことのひとつは、著作権・産業財産権の強調である。海賊版が横行している。かく言う自分の教材も「書き下ろし」でなく既存の教材や白書の孫引きがほとんどで問題なしとしない。
文章は英訳したものを、さらにクメール語に訳すのでほとんど原型を留めない。問題は図表である。イラストは(特技のある連れ合いが)書き直す。写真は類似のものを過去のアルバムからさがしだす。
途中パソコンの調子がおかしくなり、息子のパソコンを借りて、使用中のソフトを移そうとすると、これがまた違反である。なかなか此の世は住みにくい。今話題のなんとかインの社長ではないが、「制限速度遵守」は骨が折れる。
「正しい者はいない、一人もいない」(ローマの信徒への手紙3章10節)