人生は出会いで決まる。.良き出会いは「恩恵」である。
森鴎外は短編「妄想」の中で、「多くの師に出会ったが、一人の主には出会わなかった」と書いている。この一人の主との出会いこそ「恩寵」であり、内村鑑三と森鴎外の差は、この「主との出会い」の有無にある。
(昔警視総監を勤めたH氏が、川端康成の葬儀で、この森鴎外の言を引いて、「川端先生こそ一人の主」という弔辞を述べたことがある。不見識の至りである)
ことに青年期の出会いが大切である。学生たちの決定的出会いが、入学式直後の各種サークルによる「新勧」(新入生勧誘)に左右されているのを見て、寒心に耐えない思いがする。
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