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明治生まれの先生方や父たちは元気が良かった。学問も仕事も「お国のため」で、「元気で真っ直ぐ」が身上(しんじょう:とりえ)であった。
「右にも左にも曲がってはならない」(ヨシュア記1:7)
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大正生まれはそうはいかない。二十歳の成人式を戦時下に迎え、終戦の虚無を味わい、「真っ直ぐ」には疑問を持つ人たちだ。ある学徒兵の歌。
「神われと共に敗れぬ 神ゆえに この虚しさに 耐えよと言うや」.
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昭和一桁はさらに悲惨。未成年で終戦(敗戦)を迎え、人生の根本を「虚無」に脅かされている。敬愛する岩波哲男さんが全力投球された労作のテーマは「ニヒリズム」(上巻2005.12.5、下巻2006.4.30、理想社刊)。「昭和二十年の敗戦体験で体験したのは、真にニヒリズムであったのか。実際は単なる頽廃の体験ではなかったのか」。
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しかし、時代は進んでゆく。事件も事故も日々に発生する。今生きる我らは、これから生きる子どもたちは、この終末的世界のただ中を「にもかかわらず」、「元気」で「真っ直ぐに」歩まねばならない。課題は「平和と安全」。個人的には「信仰」、社会的には「倫理」、究極は「愛」。
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「愛は多くの罪をおおう」(ペテロ前書4:8)
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