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場の理論

2006-03-18 04:00:07 | 日記・エッセイ・コラム

電磁気学の入門に「直達作用論」と「場の理論」が出てくる。ある空間に2個の荷電粒子が存在する場合、双方に荷電している電気がプラスとマイナスなら2つの粒子は互いに引き合い、プラス同士またはマイナス同士ならば反発し合う。

このとき、両者の電気的エネルギーが直接相手方に作用していると考えるのが「直達作用論」。一方のエネルギーが周囲の空間を歪ませ、この空間の歪みにもう一方のエネルギーが反応すると考えるのが「場の理論」。(「低気圧が高気圧の縁に沿って移動する」などという天気予報も場の理論)

思想信条は人から人へと伝承される。親とか先生から習い、子や弟子に伝える。教えてくれた親や先生も、そのまた親や先生から学んでいる。と考えるのが直達作用論。場の理論で言えば、ある思想信条が社会環境に影響を及ぼし、同世代のすべての思想が、社会全体の総合的な「思潮の場」を形成し、この場(環境)の中で次の世代の思想信条が育つ。

洋の東西で、期せずして、類似のイデオロギーが登場する。ルターと親鸞、シェークスピアと近松、そして新神学や解放の神学なども同時多発的に生じている。個人救済から大衆救済へ、進化論から反戦および核問題、そして南北問題から環境問題を経て、生命倫理問題へと、時代の緊急課題が変遷し、人の育つ思想環境が変化しているのである。人間は社会的かつ歴史的存在なのである。

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「新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるべきである」(マルコ伝2:22)

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