きのつらゆき(Kino_Tea)

紀貫之のごとく、気の向くままに、つらつらと、(書いて)ゆきましょう。
ブログというより備忘録。スケート関連多い。

ロシア選手権女子SP(2017/12)

2017-12-23 | Skating

五輪(欧州)代表選考を兼ねるロシア選手権がついに始まった。「裏番組」の全日本選手権の男子SPのテレビ視聴を適当な時間で切り上げて「メイン」のロシア選手権女子SPを見る。出場選手18名中15名の演技を見たことがあり、他の2名も顔を知っている選手。知らない選手は僅かに1名。(ヤコヴレワさん、ごめんなさい。)

試合は18名の全選手が3-3ジャンプを跳び、17名が60点以上となるハイレベルな戦い。エテリ組の上位3人のザギトワ、ツルスカヤ、コストルナヤ(ジュニア)はTESが40点を超えている。

1    Alina ZAGITOVA    78.15
2    Maria SOTSKOVA   76.39
3    Polina TSURSKAYA    75.33       
4    Alena KOSTORNAIA    73.59
5    Anastasiia GUBANOVA    71.69
6    Elizaveta TUKTAMYSHEVA    71.07
7    Daria PANENKOVA    69.83
8    Serafima SAKHANOVICH    67.58
9    Sofia SAMODUROVA    67.07
10    Stanislava KONSTANTINOVA    66.51   
11    Anna TARUSINA    66.46   
12    Anastasiia GULIAKOVA    66.35
13    Elena RADIONOVA    66.16
14    Valeriia MIKHAILOVA    63.79
15    Anastasia GRACHEVA    62.17
16    Alena LEONOVA    62.15
17    Sofia ISTOMINA    62.09
18    Lidia YAKOVLEVA    52.43

大会結果

ザギトワ

FCSp StSq 3Lz+3Lo hd 3F(r) 2A LSp CCoSp

GPF前に衣裳のスカートの丈を短くしてジャンプを跳びやすくしたようだが、今回も残念ながらミスが出てしまった。昨シーズンに比べても、同門のジュニア選手のトゥルソワに比べても、体が大きくなったザッギーの3Lz+3Loは見ていてハラハラする。
前半のステップなど滑りは洗練され、音に合わせた動きも良くなっているが、PCS全て9点台は少し大盤振る舞いか。


ソツコワ

3Lz(t)+3T(t) CCoSp 3F(t) 2A(t) FCSp StSq LSp

8月のテストスケートの状況を見た時には今季はどうなることかと思ったマーシャ。気がつけばGPファイナルも表彰台に乗り、五輪代表の有力候補となった。
演技は舞踏会のお姫様みたいだ。「華がある」とはこういうことか。今回はコーチ陣も気合が入っている。8月から4か月でよくぞここまで完成度を高めた!PCSもザギトワと同様に9点台が並ぶ。


ツルスカヤ

3Lz+3T FCSp StSq 3Lo 2A CCoSp LSp

愁いを帯びたディレイド女王の復活。ディレイドジャンプを跳ぶ選手は他にもいるが、真打はこの人。久しぶりに見た気がする。ジュニア時代は他の選手を寄せ付けぬ圧倒的な女王だったが、ケガや遺伝性の病気でこれほど苦しむとは思わなかった。GPシリーズに続き復活を予感させる良い演技だった。マイムもしっかり入っているが、やはりエテリマイムはほどほどが良い。


コストルナヤ

FSSp CCoSp StSq 3F+3T(r) 3Lz ina-2A LSp

昨季のザギトワを上回るシンデレラガールが予想通り70点台の高得点で上位に食い込んだ。高難度ジャンプを跳ばずとも、全てのエレメンツ、ステップ、ターンの所作がキレイな選手。3Lzの後の3Tタケノコ、3Fも素晴らしい。ステップがほぼ毎回レベル3であることと、おそらくLzはエッジエラーのため(フリーでは)少な目なのが気になるが、トゥルソワ、タラカノワ、シェルバコワなどの同世代の中で、シニアに上がって背が伸びても、いちばん成長を続けるのはこの選手かもしれない。来年はロシア選手権でメドベ、ザギを破って優勝する?
使用曲の「Adios Nonino(さよなら父さん)」も、オランダ王妃マクシマの結婚式の涙と共に印象深い曲だ。


グバノワたん様

2A FCSp美 StSq 3F+3T 3Lz(r) CCoSp美 LSp

スケーティング技術が高く、他のジュニア選手より評価されているたん様。ジャンプが鬼門?だったが、今回はミスなくまとめた。この選手は(ノービス時代には)ザギトワと同様に3Lz+3Loを跳んでいた選手。ジャンプの入りや着氷の動作は実はあまり好きではないが、ステップは素晴らしかった。今日はキスアンドクライで笑顔のたん様、ハートマークも出た!😍トゥレンココーチもいつもよりお洒落だ。


リーザ・トゥクタミシェワ
3T+3T FSSp LSp 3Lz高 StSq 2A(t) CCoSp

ふっくらしていたリーザ、少し絞ったのか?3Lzは高くそれ以外のジャンプもすべて決まった。ステップも、肩を揺らす振付もリーザのが良い。五輪後も現役続行するとの記事も出た。ロシア選手権に10年以上連続して出場する天才は今年も健在だ。日本からプレゼントの人形を持って応援をしに行ったファンもいる。無事リーザの手元に届いたようだ。


パネンコワ

FSSp StSq 3Lz(r)+3T(r) 3Lo(r) 2A(t) LSp CCoSp

日本に「ミス・パーフェクト」がいるが、この修羅の国にも「ミス・パーフェクト」がいる。その名はダリア・パネンコワ。今回はシニア構成なのでジャンプ構成を変えてきたダーシャ。ミスの無い演技ではあるが、コストルナヤに比べると少し昭和のロボット的な動き。AIを搭載すれば、人間以上に人間みたいな所作になるかもしれない。がんばれダーシャ!


サハノヴィッチ

3F+3T CCoSp StSq 3Lz(r) 2A LSp FCSp

スケートを辞めようかと思ったシーマ。プルシェンコと出会い再び意欲を取り戻し、自己肯定ができるようになったという選手。今回は苦手な?2Aを含めジャンプが決まった。着氷はやや流れがないが、60点台後半のスコアを出した。キスクラでの表情は必見だ。本郷理華でジワリと来た人は号泣するかも。シーマのヒストリーを知っていればだが。

シーマと一緒にいた女性コーチはウクライナ出身のユリア・ラフレンチュク(Yulia Lavrenchuk)。野村監督ではないが、プルシェンコはヘッドコーチとしても優秀なのかもしれない。


サモドゥロワ

3F(t)+3T(t) FSSp StSq 3Lz(r) 2A LSp CCoSp

ヘブライ語の民謡「ハバ・ナギラ」は耳に焼き付く独特の音楽。ミーシン門下のこの選手もめったに失敗しないしぶとい選手。一時期Lzエッジエラーを矯正したが、最近はまた付くようになった。と、最近は何度も書いているなあ…少しPCSの評価が低い…


コンスタンチノワ

2A FSSp StSq 3Lz(t)+3T高 2Fso CCoSp LSp

途中までノーミスだったので「今日こそは」と思ったが、最後のジャンプが惜しかったスターシャ。やはりいつものスターシャだよ。😰 SPは2回転だと無効0点になってしまうのが悲しい。これ以外はよくまとめスピンは全てレベル4だ。スケーティング、つなぎはしっかり評価されている。アイシャドウは気合が入っている。


タルシナ

2A(t) FSSp StSq 3Lz(r) 3Lo+3T(r) LSp CCoSp

体を絞ったのかタルシナは元気いっぱい爆走娘の演技だった。16年夏のJGPフランス大会で交通事故で怪我をして以降、1年以上を経てそれ以前の演技が戻ってきた感じだ。JGPに1試合も出場していないが頑張ってほしい選手だ。
SNSに最近まで日本語で「私に従ってください」と書いていた。今回もキツネのマスコット人形の「ティモーシャ」を連れてきている。


グリャコワ

3F(r)+3T(r)高い! 3Lz(r) FCSp CCoSp StSq 2A(t) LSp

この選手もタノ族だが、コンボジャンプが高い。大柄だが体が柔らかくスピンがキレイな選手でもある。今回はキスアンドクライにはクリムキンだけでなく美女もいた。ナースチャ、そろそろ3Aやろうぜ!


ラジオノワ

3Lz+3T美 FCSp CCoSp 3Lofall 2A StSq LSp

ラジオノワがまさかこの順位と得点に甘んじるとは思っていなかった。珍しく失敗した3Loを差し引いても少し得点が低い。八重歯がかわいい頃に比べて背がかなり伸びてジャンプに苦しんでいるが、今回のコンボジャンプは着氷がキレイだった。良くまとまったが、悔しい表情再び。


ミハイロワ

3Lz+3T CCoSp FCSp StSq 2A 3Lo LSp

一番滑走だったレーラ。曲を変えたのか、ボレロのボーカル版のようだ!?
3Loなどジャンプの入りや着氷はモスクワっ子ではなく田舎娘ぽいが、1番滑走の緊張感がある中で全体的に良く滑れた。


グラチョワ

StSq 3F+3Lo 3Lz CCoSp FCSp 2A(t) LSp 

セカンドループを跳ぶ選手として知っていたグラチョワ。今回も3F+3Loを跳んだ。ロシアの選手は大舞台で大技に果敢に挑戦する姿が魅力的だ。


レオノワ

3T+3Tfall FCSp StSq 2A堪 CCoSp LSp

レオ様、コンボジャンプの最後での転倒は少しもったいなかった。競争の激しい修羅の国ロシアで長く活躍する選手。スルツカヤ世代とソトニコワ以降の世代をつなぐレジェンド選手。世界選手権銀、世界ジュニア金の選手でもある。サムネイルの写真はもう少しカッコイイ写真にしてほしい。


イストミナ

3F 3Lo+3T CCoSp StSq 2A FSSp LSp

出場選手の中で一番美人な選手。滑走順の籤引きイベント会場でのドレス姿もきれいだった。しかしまだ15歳。クリスマスイヴが誕生日。SB178.29点、モスクワCSKAでゴンチャレンコに師事する選手。今季シニア初参戦。
最初の3Fは着氷が乱れたが1.5も引かれるんだ。😭 しかしそれ以降は立て直して、タラソワ(?)の「マラジェッツ」が聞けたよ。ロシアはスピンのうまい選手が多い。


ヤコヴレワ

3Lz+3Tfall FCSp StSq 3Lo(r)so 2A LSp CCoSp

最終滑走の緊張感ある舞台に登場したヤコヴレワ。この選手も15歳、シニア1年目の選手。ロシア国内大会(ロシアカップ)に出場していた選手だがノーチェックでごめんなさい。ジャンプのミス2つが惜しいが、頑張った。


もともと筆が重い(=筆が遅い?)が、今回は頑張って早く書いてみた。少し駆け足で書いたので誤りがあるかもしれないが、気になる方は演技とジャッジスコアを見て正しい内容を確認してほしい。


ロシア選手権女子SPはハイレベルな戦いで面白かった!

コメント
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