きのつらゆき(Kino_Tea)

紀貫之のごとく、気の向くままに、つらつらと、(書いて)ゆきましょう。
ブログというより備忘録。スケート関連多い。

エカテリーナ・グバノワと姉のアナスタシア・グバノワ

2018-09-13 | Skating

ツェスカ(CSKA)には2人のグバノワがいる。

姉のアナスタシア・グバノワ (2002年12月2日生、愛称ナースチャ)と、妹のエカテリーナ・グバノワ (2010年11月1日生、愛称カチューシャ)だ。姉はブイヤノワ・ヘッドコーチに習い、妹は別なコーチのダビドフの指導を受けている。

ジュニア3年目で岐路に立つ姉ナースチャを横目に見ながらすくすくと育っている妹カチューシャの演技をさっそく見てみることにしよう。

エカテリーナ・グバノワの2018年3月の大会での演技(0:30~)

「そこの君、しっかり見なさいよ!」と言っているかは定かではないが、7歳にしてこの演技だ。すでに小粋な滑りと2回転ジャンプ(2F)をマスターしている。スパイラルも揺れ動くことなく綺麗で、頭の大きさに比べて大きめの団子髪がとてもキュートだ。姉のナースチャの演技動画は9歳(2012年4月)のものが最も古いものらしく7歳での比較はできないが、もしかしたら姉が「銀の斧」で、妹が「金の斧」かもしれない。

カチューシャのプロフィールを確認してみよう。


エカテリーナ・グバノワのプロフィール

生年月日:2010年11月1日(2030年五輪に出場可能)
所属:CSKAモスクワ
コーチ:セルゲイ・ダビドフ
住居:モスクワ (姉と共に2018年5月頃にサンクトペテルブルクから転居した)
家族:母オリガ、姉アナスタシアと暮らす(パパは単身赴任?)
愛称:カチューシャ、カーチャ
出典:SportvokrugプロフィールAsk.fm姉ナースチャの回答



5月のCSKAダビドフチームの集合写真に、モスクビッチから移籍してきたビクトリア・ワシリエワの他にカチューシャも一緒に写っている。(アンナ・タルシナの手前)

 
 
 
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Victoria Vasilevaさん(@vasileva.vika)がシェアした投稿 -2018年 5月月13日午前7時22分PDT


今年4月下旬に作られた母オリガさんのインスタグラムをはじめて見た時、ナースチャの幼少期の写真ではないかと思ったくらい、姉にそっくりな顔をしている。


姉ナースチャのインスタグラムに2017年11月1日に投稿された写真で、カチューシャという名前の妹がいて誕生日であることが分かった。(SNSで某ファンが指摘)


2017年6月、リンクにて、お姉さん選手たちと一緒にカチューシャもいる。


2016年5月、サンクトペテルブルクの海岸で
「ヘイ!ユー!イカしたメガネ・シスターズよ!」と言っているのかも。


姉ナースチャのインスタグラムを注意深く見ると、妹カチューシャはすでに2014年5月に登場していた。


約8歳の年齢差なので、姉妹喧嘩はあまり起きないのかもしれない。姉ナースチャは温和な性格で妹の面倒をよくみているようだ。
姉妹のダンス

妹カチューシャの成長を期待するとともに、険しい山の8合目に差し掛かり、選手としての正念場を迎えている姉ナースチャの健闘を祈りたい。

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JGPリトアニア、やはりトゥルソワ先輩は面白かった

2018-09-09 | Skating

五輪シーズンが終わって一段落したからか、今シーズンはジュニアGPへの関心はそれほど高くはなかったが、やはりトゥルソワ先輩は面白かった。
シェル子やナーヤ様も、見ていて腰を抜かすほど凄い選手だが、正統派で優等生の美少女よりも、クレイジーな異端児を見るほうがワクワクするのかもしれない。

Sasha Trusova
(Gettyimages.co.jp Sorry for not embedding the image.)
左からキム・イエリム、トゥルソワ、シニツィナ

大会結果抜粋
results JGP LTU

大会結果サイト



ショートの衣装は黄色と黒のパンツスタイル。衣装にこだわりはないので、この衣装はセンスが良いのか悪いのかはわからないが、これまで通りエテリ組の御用達のオリガ・リャベンコさんの製作だ。
Sasha Trusova
(Gettyimages.co.jp Sorry for not embedding the image.)

こんなカマキリみたいな表情でも可愛く見えるのはなんでだろう。


SP キルビルと布袋寅泰の曲のミックス

2A 3F(r) CCoSp4 / 3Lz(r)+3Lo FCSp4 StSq3 LSp4

コストルナヤの2Aほどの「高さ、幅、滑りに溶け込むような流れ」があるわけではないものの、トゥルソワ先輩の2Aもよい。ジャッジはオール4をつけている。しかしトゥルソワ先輩はアクセルは得意ではないので、3Aは16年11月のデモで披露(転倒)したが、試合では挑戦しないだろう。

続く3Fも繋ぎ大盛りで高いジャンプ、しかも両手上げ。
ロッカー→カウンター→スリー→3F(r)→スリー

3Lz+3Loは14歳の時のザギトワよりも軸が細く高速回転しているように見える。こちらの方が見ていて安心。ジャンプを音に合わせて跳んでいるのか!?

今回はクリムキンイーグルをジャンプではなくスピンの入りに使ってきた。もはや昌磨を超えている。
クリムキンイーグル→ランジ→ウィンドミル→LSp

最後は、ジャッジ席に振り向き、鋭い視線を向けてフィニッシュ。振付師グレイヘンガウスは、目つきの悪い不良少女の特徴をよく理解している!
Sasha Trusova

ジャンプのトゥルソワであるが、実はスピンも1年前のJGP豪州大会と比べると質が向上していて、動画で違いが分かるくらいだ。(あまり)レベル4を取りこぼすことなく加点がだんだん増えている。しかしまだまだナーヤ様のほうが綺麗なスピンだ。

ステップは今回はレベル3ではあるが、某氏が言うように「エッジが浮くことなく上体をよくコントロールして」いる。昨季はナーヤ様よりレベル4を多く取っていた(はず)。


ジュニアのSPはルールにより3Aも4回転も跳んではいけないので、他の選手たちとほぼ同じジャンプ構成になるが、トゥルソワ先輩は高難度ジャンプの基礎点に頼らなくても演技の完成度が高く(=出来映え点を10点以上獲得し、PCSも7点台後半が多く)、自らが昨年のJGPファイナルで打ち立てた73.25点を更新、ジュニア世界最高点74.74点を獲得した。
(このレベルで競い合うことができる選手はエテリ組のシェル子、ナーヤ様、来年ジュニアデビューのカミラ・ワリエワちゃんだけなのだろうか?)

results of JGP LTU
ジャッジの評価は4と5が多いが、私の通知表のほうが良かったかな(本当なのか!?)


「ジャンプ後半ボーナス点」のルールは残してほしかった。やはり体力勝負の後半にジャンプをバンバン跳ぶ、手に汗握るプログラムこそが面白く、私にとっては「ウェルバランス」だと感じるプログラムだからだ。皆が同じ構成、順序なのはつまらない!次シーズンにこのルールを復活させてほしい!


フリーの衣装は、映画フィフス・エレメントの赤毛の主人公や青いコーラスお姉さんをイメージした衣装のようだ。こちらもオリガ・リャベンコさんの製作。
Sasha Trusova

FS フィフス・エレメントと布袋寅泰の曲のミックス

4LzUR 4Tfall 4T+3T 2A FCCoSp4 / 3Lz(r)+3Lo 3Lz(r)+1Eu+3S CCoSp4 3F(r) FCSp4 StSq3

冒頭のマイムは映画フィフス・エレメントのワンシーンを演じている。赤毛の異星人女性がパンチでガラスを突き破るシーンだ。ジャッジの目の前でこんなことをできるのは(目つきの悪い)トゥルソワ先輩くらいだ。シェル子やナーヤ様のようなエレガントな選手には似合わない。


今季はフリーで4Lz(UR)、4T(fall)、4T+3Tの3クワドに挑戦した。異端児はこれだから面白い。常人には考えの及ばないことを平気で実行に移す。
エレメンツを書きながら演技を見ていたが、クワドのすぐ後でバレエジャンプか何かと見間違えた2Aは、後から遡って書き足した。2Aは、+1〜+5と評価が分かれている!

クワドで転倒もあり、体力を消耗しているはずの後半に、3Lz+3Loをしっかり跳び、触手をイメージした指先の動きのクリムキンイーグルから3Lz+1Eu+3Sを跳び、最後にステップを踏むイカれたプログラム。

こういうプログラムこそ「面白い」のだ!


昨シーズンは世界ジュニア選手権でクワド2本のプログラムを完成させたように、今シーズンも世界ジュニア選手権でクワド3本のプログラムを完成させてほしい。ケガには十分に気をつけて!


ジャンプの神様ドュダコフコーチが愛するのはジャンプの申し子トゥルソワだ。演技終了後に長い抱擁を交わしていた。ドュダコフが選手を抱きしめるのは非常に珍しい。
Sasha Trusova

(昨季エテリが自分の膝に乗せて座らせたのはナーヤ様、足をケガしたシェル子を自宅に見舞ったのはグレイヘンガウス。ジャンプの子、滑りの子、踊りの子、コーチそれぞれが愛している選手たち。)


クセニア・シニツィナ(ロシア)

今季3人目のスノーレパード所属の選手の出場。(他は第2戦のアリョーナ・カニシェワとアンナ・クジメンコ)
SPでは3Lz+3Loを成功させた。FSでは3Lz+3Loをミスしたが3Lz+3T+2Tを跳んだ。曲調の変化に合わせた滑りや、キャメルスピン、ステップが素晴らしい。



JGP LTU
JGP LTU


エカテリーナ・リャボワ(アゼルバイジャン)
ロシアから移籍した選手だが、練習拠点はモスクワのプルシェンコ・アカデミー。2014年ロシアノービス選手権(ノービスB)優勝。
引率はアレクサンドル・ボルコフコーチ。



アリーナ・スピヤン(イスラエル)
ロシアから移籍した選手だが、練習拠点はサンクトペテルブルクのFSCモスクビナだ。引率はベロニカ・ダイネココーチ。

JGP LTUsupian


アナスタシア・アルヒポワ(ウクライナ)
JGP LTU
綺麗なスピナーであるが昨季に3-3ジャンプをマスターし、ウクライナのチャンピオン(シニア、ジュニアとも)だ。180点越えと表彰台を目指していたが、少し悔しい結果に終わった。


最後に再び元気なトゥルソワ先輩の写真を見る。
Sasha TrusovaSasha TrusovaSasha TrusovaSasha Trusova

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アリョーナ・カニシェワのデビュー、JGPオーストリア大会

2018-09-02 | Skating

JGPオーストリア大会は、モーツァルトの交響曲36番でおなじみのリンツで開催された。

Alena Kanysheva
(Thank you! Mihail Sharov!)
ロシアのアリョーナ・カニシェワ (2位、191.84点)

今シーズンの出場選手で一番気になっていたのは、エテリ組の有名選手たちではなく、今回ロシアから出場したもう一人のアリョーナである、アリョーナ・カニシェワ(13歳2か月)だ。JGPデビュー戦はどうなるだろう?

JGPに出場できるほど実力のある選手だとは思っていなかったが、ロシアスケ連がJGP2戦目の出場を決定した選手。新採点方式でどのような評価を受けるのか?

アリョーナ・カニシェワSP(The Show Must Go On + ベートーベン月光

2A(r) FCSp3 3F(r) / 3Lz+3T LSp4 StSq3 CCoSp4

コストルナヤと同様に最初のエレメンツは2Aジャンプ。しかもエテリ組は誰もやらない両手上げジャンプを跳び、静かに闘争心を表したようだ。スパイラル→ブラケット→ブラケットの入りか。

キャメルスピンはやや勢いのない感じだったが、フリップもルッツもエッジエラーなく跳び、3Lz+3Tは全選手中でGOE最高点を獲得するジャンプだった。コストルナヤの3F+3T(r)のように見ごたえのあるジャンプというわけではないが、どんな軸からでも絶対に着氷してみせるという意志を感じた。ジャンプは着氷の安定を流れやスピードより優先しているのだろう。

ステップは機械人形のように抑揚のないイメージがあったが、筋力がついたのか足も上半身もそれぞれよく動いていた。姿勢が良い。レイバックスピンはしなやかで連続スピンもサイドウエイズは見ごたえがあった。全体を通して完成度の高い内容だった。(解説のテッド・バートンも言っていたと思う。)

アリョンカはかなり緊張したのか、キスアンドクライで手を握り締めていた。


アリョーナ・カニシェワFS(チャイコフスキー・交響曲第1番「冬の日の幻想」)

2A(r) 3Lz+3T FCCoSp4 LSp4 2A(r) 3Lo / 3Lz+1Eu+3S 3F+2T StSq2 3F CCoSp4

髪を編み込み、さらに髪飾りをつけたカニシェワ。綺麗な衣装とあわせて妖精、お姫様と言われているようだが、カニシェワの「勝負師の顔」を見たような気がする。フリーは持ち越しではなく新プログラム。後半まで体力が持たない選手を何名か見た後だったが、カニシェワは最後まで果敢に挑戦する演技だった。

(セカンドジャンプの動作に息つく暇もない)3Lz+3Loを至高のジャンプと考える者からすると、元々シーケンス扱いの「3-1-3」ジャンプを跳ぶのは気に入らないが、カニシェワだからしょうがない。得点源でもあるようだ。

ジャンプの着氷時の安定性を重視するのがスノーレパードのパノワコーチの指導なのか、着氷後に流れがなくなってしまい、GOEの得点が+4以上がほとんど無いかわりに、全てのジャンプを転倒、回転不足、エッジエラーもなくクリーンに跳んだ、ただ一人の選手になった。

フリーのステップは後半で疲れたからか、ショートほどには体が動いていないように見えた。

蓋を開けてみれば2位191.84点と、ジュニア1年目のデビュー戦としては良い結果だった。ザギトワ(ジュニア2年目)コストルナヤ、トゥルソワもJGPデビュー戦は190点台だった。

パノワコーチはマリア・ソツコワをJGPF優勝に導いたコーチでもあり、カニシェワもJGPF出場を目指して頑張ってほしい。


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