アセンションへの道 PartⅠ その理論と技法

2012年には銀河の中心と太陽系そして地球が整列し時代の節目を迎えます。アセンションの理論と技法について考えます。

第17章 ヨーガ・スートラ ⑭アーサナ

2012-07-20 06:24:22 | 第17章 ヨーガ・スートラ
ヨーガ・スートラにおいてアーサナ(坐法)を説明している経文は僅かに3カ所であり、その内容も到って簡潔である。先ずは、従来通り『インテグラル・ヨーガ』からの引用である。

「Ⅱ-46  アーサナ[坐法]は、快適で安定したものでなければならない。」

「アーサナとは、快適で安定感のある姿勢を言う。そうした快適さと安定感を持つものなら、どんな姿勢でも“アーサナ”である。一つの形を完全にこなすことができたらそれで十分である。と言うと簡単そうに聞こえるが、実際のところ、快適で安定した姿勢と言うのがいったいいくつあるだろう? ある一つの姿勢を取るとすぐに、ここが窮屈だとかあそこが痛いだとか行ってあちこち動かさずにはいられない。いつも足や腕や腰や背骨のことが気になって仕方がない。身体が完全に健康で、毒や緊張から自由でないと、快適な姿勢というのは容易には得られない。身体の、そして心の毒が、こわばりや緊張を生む。我々をこわばらせるものは何でも、我々を壊すことも出来る。柔軟であるときにのみ、我々は壊れない。 ・・・ 我々に必要なのは鋼鉄の強さであり、同時にまた、その柔軟さである。非常に固くて強いがもろい、粗鉄ではなく。身体は、どの方向にでも思いのまま曲げられるように、柔軟でなければならない。そういう身体は、いつも健康で緊張がない。そういう身体で瞑想すれば、坐ると同時に身体のことを忘れてしまう。そのような瞑想的な身体にするために、その予備的訓練として、我々は沢山のポーズをとるのである。そのためにハタ・ヨーガは編み出されたのだ。」

「Ⅱ-47  自然な性向である落ち着きの無さを減じ、無限なるものに瞑想することに
 よって、坐位(アーサナ)は修得される。」

「感覚がいろいろなものを味わうことを求めるために、我々は身体組織に毒をため込んでしまう。そうではなく、そういうものは抑制しなければならない。その上で我々は無限のものに瞑想して、不動性を達成するのである。偉大なもの、巨大なもの、よく安定し、十分に確立されているものなら何であっても。小さなものは常に揺れ動く。だから地球のことを想うのもよいし、大山の不動性を想うのも良い。・・・ 身体が静止していると、心を静止させるのも簡単である。 私の師の一人、ある素晴らしいタントリック・ヨギは、『祈りの文句を繰り返すことも、ジャパすることも必要ではない。喧騒の中で三時間、微動だにせず、まばたきすらせず、ただ座れ。そうすればどんなことでも容易に達成されるだろう』とよく言われた。それぐらい長く座っていると、心は自動的に我々の制御下に入る。身体を通じて心にブレーキをかけることができるわけだ。」

「Ⅱ-48  以後その者は、二元性によって乱されることがない。」

「姿勢が堅固で快適になると、あなたは二元的なものの影響をうけなくなる。あなたは、寒熱、毀誉、特質に左右されない。あなたは中立なのである。祝福されても呪詛されても、ほめられてもけなされても、百万ドルを得ても失っても、あなたは局外中立である。ただの姿勢で、それだけで、二元性を超えることが出来るのだ。それは心が制御下にあるからだ。もしそれ(心)が泣きたいと思ったら、まずあなたの許しを求めなければならない、『一寸泣きたいことがあるんですが、泣いてもいいですか?』『ああいいよ。でないと人はおまえのことを気違いと思うだろう。だから、さあ少し泣きなさい ― 』。 この世で共に生きるには、他の人々が泣いていたら我々も泣かねばならないこともある。しかしそれでも我々は制御された状態に居ることができるのだ。そして、怒りを見せねばならない事もある。しかしこれらの感情は、ただ我々が使うためにのみ、かつ我々の赦しを得て初めて、現れ出るべきである。」

アーサナに関するスートラからの引用は以上である。

ところで、筆者は本年6月末からカナダのアシュラムに10日程滞在し、ヨーガ・インストラクター向けの研修を受講してきた。このコースには世界各国(独、仏、墺、ブルガリア、エストニア、ブラジル、米、加、そして日本)から20名強が参加した。ご案内の通り、ババジのクリヤー・ヨーガにおいて、通常実施することが推奨されているアーサナは18種類だけであるが、この研修においては専らこの18種類のポーズのとり方、指導上の注意事項、ポーズに伴って行うバンダや呼吸の方法、更に解剖学などを学ぶ。正直なところ、筆者はこれまでアーサナには特に重きを置かず、これまで本ブログにおいても簡単にしか触れてこなかったし、実際本章においてもアーサナの為に特に紙幅を割くつもりは無かった。その主な理由は、市販のDVDなどを見てその通りアーサナを行えばそれで十分であり、因ってこのブログで敢えて余計な説明をする必要は無いと思っていたことに加え、アセンション(真我実現)との関連も薄いと考えていたからである。

因みに筆者が従来考えていた、アーサナを行う目的(或いはその意義)は大体次のように集約される。

1.毒素を排出して身心を浄化する。
2.身体を柔軟にして気(プラーナ)の巡りを良くする。
3.主要なチャクラを刺激し、チャクラの覚醒を促す。
4.ストレスを減じ、身心を健康にし、長寿をもたらす。
5.瞑想の姿勢を長時間維持するのに役立つ。

ところが今回研修を受講してみて、アーサナは、正しい姿勢、バンダを含む筋肉の締め付け、呼吸法、意識を置くポイントなどが全て組み合わさって上記のような成果が効果的にもたらされる、非常に奥が深く大切な技法であることが判った。又、アーサナが正しい呼吸法と共に効果的に行われた場合、上記に加えてスシュムナーを開く効果が期待できるので、クンダリニ昇華を加速させるスピリチュアルな効果も期待できそうである。

アーサナは素人でも柔軟体操のような感覚で気軽に行うことが出来るものであるが、読者諸賢が本当に悟りの境地を目指そうと思っているのであれば、たかがアーサナと侮ることなかれ、それを正しく修得した際の効果は絶大である。

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