エジプトにおいて、
2011年のムバラク政権打倒に際して決め手となったのは、
内戦を静観していた軍部が反体制側についたことだった。
また、同じくエジプトの2013年の反政府運動の帰趨を決めたのも、軍部が政権側を見限ったからだ。
こうして、
エジプトでは、軍部が政権の制御下から微妙に外れており、
政権へのお目付け役として強大な存在となっている。
軍部が強大なのはエジプトだけではない、
内戦で混沌と . . . 本文を読む
アルジェリアはアフリカ大陸最北に位置し、
国土の8割以上がサハラ砂漠となっている。
このサハラ砂漠部分から原油や天然ガスが採掘されるアフリカ屈指のエネルギー大国だ。
アルジェリアが、
宗主国であるフランスから独立を勝ち取ったのは1960年代半ばであり、
アフリカ大陸の中においても遅いほうだ。
その訳は、
アルジェリアの原油利権に、
フランスが最後まで未練をもっていたからだろう。
そして、
遅す . . . 本文を読む
ドイツは第二次世界大戦後も徴兵制を継続していた。
「2012年」に徴兵制が停止となったが、
その背景には一体何があったのだろうか?
■緩い徴兵制
徴兵制とはいっても、
辞退することが比較的容易な徴兵制度であった。
具体的には、
「信仰している宗教が、教義によって集団的自衛権の行使をタブーとしている。
そのため、断腸の思いながら徴兵には応じることが出来ない。無念である。」
などと虚偽のレポー . . . 本文を読む
ドナウ川運送会社とは、
第一次世界大戦後にドイツ国内で隆盛を極めた運送会社である。
表向きは、
ドナウ川を利用して多くの人々と大量の物資を運輸して利益を得ている「民間企業」だ。
このドナウ川運送会社には、「天下り」にまつわる面白いエピソードがある。
今日はそれを書き綴ってみたい。
■鉄道がないドナウ
当時、ドイツには政党が6つあったが、
その内の5/6にあたる「5つの政党の政治家」が「ドナウ川 . . . 本文を読む
1865年にベルギー王に即位したレオパルド二世は、
言語問題で揺れる議会と一線を画し悠々自適な日々を送っていた。
好奇心旺盛な王であり、
アフリカ大陸に探索隊を派遣するなどして余暇を持て余していた。
そんなレオパルド二世が1870年代に入ると、
何の前触れも前振りも前置きもなく、
「コンゴ領有」を公言したのだった。
これには、
まず国内のベルギー議会が騒然となった。
議会の承認を経ることなく . . . 本文を読む
1815年、
ナポレオン戦争後の国際秩序を定めるウィーン会議によって、
ベルギー地方はオランダに編入される運びとなった。
だが、転機はさほどの間をおかずにやってきた。
1830年、フランス七月革命の余波を受けてベルギー地方で独立の機運が激しくなったのだ。
1831年にはオランダから独立の承認を得るに至った。
ここまではとんとん拍子に進んだのだが、
ここで問題が発生した。
当時の欧州は「共和制 . . . 本文を読む
■導入
ドイツは、
第一次世界大戦に敗れ、
ヴェルサイユ条約により法外ともいえる賠償金を課せられた上に、
掌中の珠である「ルール工業地帯」までフランス・ベルギーに軍事占領されてしまった。
そこから10年、塗炭の苦しみを味わいながらもようやく経済再建に目星がついた矢先、
世界大恐慌が発生し元の木阿弥、阿鼻叫喚の大失業者時代が到来した。
■ナチスの経済再建
そのドイツ経済立て直しに一役買ったのが「 . . . 本文を読む
ここ数年来、
嫌韓ブームが到来し、
朝鮮に対する自由で至極全うな言論が市民権を得た感がある。
従前においては、
北朝鮮や韓国に対して、
なんとも奥歯にものの挟まったというか腫れ物に触るというか、
とにかく腰が引けた報道が日本ではなされていた。
■朝鮮民主主義人民共和国の謎
20年前まで、
NHKや朝日放送を始めとする大手メディアは、
「朝鮮民主主義人民共和国」
とご丁寧に一字一句漏らさず伝えて . . . 本文を読む
したたかでならす中国共産党だが、
一連のウクライナ問題には、
いささか当惑しているというのが、本音ではないだろうか。
確かに、
「天然ガス」の新たな販路を求めているロシアが、
中国にすり寄って新たな長期契約を締結したというのは、
エネルギー安保面からみて中国にとって僥倖だったろう。
しかし、
ウクライナ問題にからんで、
中国にとって大きな懸念が膨らんでいる。
それは、チベットやウィグルとい . . . 本文を読む
中世といえば「封建制度」。
そういったイメージを抱いている人も多いのではないだろうか?
だが、
歴史を紐解けば、
中世に封建体制を採っていた国家は案外少ない。
世界広しといえど、
確実に封建体制によって統治がなされていたのは、
中世における「日本」と「西欧」だけだ。
封建体制を手短に説明するなら、
「親分が部下に土地を与えて統治を任せる、その対価として部下は親分に忠誠を誓う」
という少し牧歌 . . . 本文を読む