地球規模で起こる世紀末金融危機 Goo

日本と世界の 「政治・経済」 「国際情勢」 「金融危機」 御意見番

読者の皆様へ

2010年12月23日 20時38分17秒 | 日記

いつもブログを読んでいただき、有難うございます。
勝手ながら、年始1月3日までお休みさせていただきます。
来年も頑張りますので、引き続き宜しくお願いいたします。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


米銀破綻 2010年は157行に! プライムローンの返済が悪化

2010年12月20日 21時35分49秒 | 金融危機


米連邦預金保険公社は17日、米銀6行の閉鎖を発表した。
今年の銀行破たん数は計157行。 09年の破綻数は140行。
すでに11月時点で去年の破綻数を上回っている。

中小金融機関は住宅金利の上昇や差し押さえなどが増え、さらに
消費の低迷や高失業率の影響を受け続けている。
来年2011年も今年以上の破綻数に達するのは確実だろう。

米国ではこれまで多くの地方銀行が潰れたが、それでもまだ国内
に5千もの中小金融機関がある。
バランスシートに問題がある銀行は860行に上っており、しかも
四半期ごとの発表で増加し続けているのだ。
だから銀行の破綻は今後も減少することはない。

すでに今年7月時点でFRBのバーナンキ議長は、
“ 米国経済の見通しは非常に不確実な状況になっている ”
と、珍しく認めている。
やはり台所事情は火の車なのだ。
以前のブログでも掲載したが、いま米国経済を何とか支えている
のはFRBなのである。

金融危機前までは、米国債をはじめとして莫大な資金が世界中か
ら流れ込み、サブプライムやクレジットカードローンなどに使われ
ていた。
しかし今では借金といったツケが回って、身動きが完全に取れな
い状態だ。
とくにクレジットカードは返済が滞ると、カード会社自身の決定で
使用停止できる。
だから預貯金が全く無い人は即、生活が成り立たなくなるのだ。

米国経済が生き残る術として、輸出の拡大が叫ばれてた。
個人消費がダメなら、製造業と輸出で儲けようというものだ。
方針としては決して間違っていない。
だが米国の製造業の半分は死んでいるか、競争力を失いつつある。
米国GDPの製造業に占める割合は10%程度なのだ。
日本やドイツのように、高付加価値産業を築くことが先決である。

企業買収(M&A)においても、今のドル安ではなかなか難しい。
日本は円高によって企業の買収や合併が進んでいる。
輸出企業の海外進出も拡大していることもあり、円高への対抗は
十分できているのだ。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


スペイン ユーロ最悪の失業率で補助金の打ち切りへ PIIGS危機

2010年12月19日 22時56分18秒 | 金融危機


スペインのサパテロ政権は12月3日、追加景気対策を閣議で緊急
承認し、同日実施した。
中小企業への減税拡大、会社設立の簡素化、たばこの増税、長期
失業者への補助金打ち切りを決めた模様だ。
戦後最悪の失業率(20.7%)に見舞われているスペインにとって、
失業者への補助金打ち切りは厳しい。
同国の失業者が、本気になって職探しをしているのかどうかは定か
ではないが、かなりの国民が街を彷徨うことになるだろう。

米国の2倍、英国の1.5倍もの規模で不動産バブルが進んだ同国
は、依然として不動産価格が下落し続けている。
リゾート地では2軒の別荘を定価で買うと、もう1軒が無料で付いて
くるといった政策を今でも続けている。
最大の都市マドリードでもバブル崩壊の影響は激しい。

問題はスペイン一国だけで解決できない点も大きいのだ。
主な懸案事項は現時点で少なくとも2つあるだろう。
1つ目は、ユーロ圏という組織に入っているだけに、PIIGSといった
周辺国の事情で揺さぶられてしまうからだ。
今年5月中旬に7500億ユーロの欧州金融安定化を創設した後、
ギリシャに対し5月と9月に計290億ユーロが提供された。
そして11月末にはアイルランドに850億ユーロを提供した。
ECBもギリシャ国債を600億ユーロ、アイルランド国債に対しても
120億ユーロを仕方なく購入している。

国債の外国人保有率も徐々に上がってきている。
ギリシャ国債の外国人保有率は9割超。
金融危機直後の8割程度からどんどん悪化している。
アイルランドやポルトガルも5~6割に達した。
イタリアも半年前までは4割だったのが、今では5割をあっさり超え
てしまっている。
スペインは3割程度だ。
他国同様、今後も海外依存度が上昇していくだろう。

2つ目のポイントは欧州最大の経済大国ドイツの姿勢である。
ドイツ政府はギリシャに対する2兆円以上もの支援に、国民の反発
を買ってしまった。
先日はユーロ安定基金の更なる増額に対しも、即座に “ノー” を突
き付けた。
このようなEU諸国内におけるドイツのある意味での孤立は、第2次
大戦以来、初めての事態だといっていいだろう。

そして今、ユーロ共通国債の発行がEUの話題となっている。
ユーロ圏16カ国が一致団結して、ユーロ建ての債券を発行するこ
とで、危機国が高金利を回避できるようにしたいらしい。
これに対してもメルケル首相は即、首を横に振った。
このような消極的態度から、ルクセンブルク出身のユーロ財務相担
当であるユンケル氏は、
“ドイツ人はヨーロッパ人ではない!” と、わざわざドイツ週刊誌の
インタビューで語ったという。
お笑いのように思えるが、当人は本音で言ったのだろう。

とにかく来年は、米国や英国が本格的な危機に陥る。
英国の借金返済については、来年は今年の倍に達するのだ。
米国も金融機関の業績悪化によって、住宅ローンなどの金利上昇
が本格化する。
さらにPIIGS危機によって、財務体質の悪化以外に、信用問題も
急激に低下(噴出)していくだろう。
つまり今まで隠してきた隠ぺい工作が暴露されていくことになる。
すでに一部は報じられている。 先日のブログでも書いたとおりだ。
第2のストレステストも、多少の正直さが出るだろうが、それは悪材
料が増えることを意味するから、解決策にはならない。
1回目(過去)に行ったテスト結果の馬鹿さ加減を増幅させるだけだ。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


米GM 工場労働者2000名を削減 上場しても経営改善ならず

2010年12月17日 21時44分34秒 | 経済


米自動車大手ゼネラル・モータース(GM)は、早期退職支援制度に
よるリストラを実施することが明らかになった。

対象となるのは米国内14工場にて勤務する従業員。
希望退職者には特別支援金として1人当たり約500万円を支給する
方針で、削減人員は2000名以上になる見通しだという。
再上場の条件や、自動車販売の回復が遅れていることもあり、生産
に従事する余剰人員の削減がどうしても不可欠と判断したようだ。
この大規模リストラは、経営破綻以降の大規模削減。
去年の破産申請により、ダウ工業株30種から除外されている。

しかしGMの米国内の販売は今年に入って堅調である。
しかしその理由は、ひとえにトヨタバッシングを起こしたのが要因。
トヨタの米国内での販売台数は、今年3月にはGMとほぼ同数であっ
たが、その後はやや停滞気味で、7月にはフォードに抜かれている。
ホンダはかろうじて横ばいを維持。
一方で日産がここにきて販売台数を伸ばしている。
先月11月には再びクライスラーを追い越した。

ビッグ3の一角であるフォードも苦しい経営を強いられている。
先日同社が日本のマツダ株を一定売却した。
それまで11%の筆頭株主だったが、日本の大手銀行や商社に売却
した。
かつては持ち株比率を33%まで引き上げていたが、金融危機後は
フォード自身の経営基盤を確保するため、今回の売却に至った。

マツダは09年、環境技術を駆使した 「アイストップ」 を発表。
走行中の燃費自体は優れたものではないが、こういった新型アイド
リングストップ機構の開発で、消費電力を大幅に抑えることができた。
最近のマツダ株は堅調だ。
今年の5月頃から弱含んでいたが、今年9月頃から上昇している。
このタイミングで今回の売却に走ったのだろう。

私は個人的な意見として、マツダはフォードに対し逆買収をしかけて
も良いと思っている。
米国市場に参入する良いチャンスだと思うからだ。
マツダの生産台数はまだまだ世界15位。
全世界の販売台数も98万台程度だ。
世界シェアもわずか2%である。
しかし欧州では、随分前から最もよく売れている外国車のひとつで
あるし、意外にもイスラエルでの新車販売台数は14年連続の首位
を誇っている。

何度も言うが、今後見通しの明るい自動車メーカーは日本車だけだ。
ハイブリッド技術(PHV)にしても、電気自動車(EV)にしても、
世界の特許の7割を日本メーカーが握っている。
すでに国連が認めるグローバル・スタンダード(世界標準)において
も、日本のトヨタとホンダが選ばれている。
エコカーとして最も相応しいからだ。
そして車が近ついてきた時に聞こえる疑似音についても、日本車が
世界標準に選ばれている。
米国車のシェアは今後どんどん下落していくことだろう。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


米国債 10月保有残高 オランダ、豪州、ルクセンブルクが売却

2010年12月16日 21時14分29秒 | 政治

米財務省が発表した10月末の世界各国による米国債保有残高に
よると、中国が9068億ドルとなり、前月に比べて2.6%増、
日本は前月比1.5%増の8774億ドルで2位を維持していた。

当月も大幅に増加させた国は、カナダとシンガポール。
両国とも前月に比べ、8~9%程度買い増しした。

その反面で大幅に売却した国は、オランダ、豪州、ルクセンブルク。
とくに豪州とルクセンブルクは10%以上も売却した。
オランダも8%程度減らしている。

米国債の保有額は長期国債だけでなく、短期国債も含まれる。
保有額首位の中国は、最近でこそ保有を増加させているが、これは
1年間で償還する短期国債が増えているものと思われる。

日本も鳩山民主党政権が誕生した翌月には、5千億円ほど売却し
たが、その後は一転して米国債を買い続けている。
円売り介入をした9月には、実際に米国債の保有が2.5兆円ほど
増加しているのだ。
ドルを購入して、それを米国債に充てている。
愚かなことだ。 政治的な意図以外に何があるのだろうか?

戦後、日本が米国に貸し付けてきた700兆円という巨額マネーは、
まだ一度たりとも返済されていない。
金融危機後、デフォルト寸前の国にまで延々と貸しつける日本。
この点は自民党政権から全く変わっていない。
だから早く小沢政権になってもらわないとダメなのだ。
将来ドルが上昇するという予想で貸しつけるなら、まだ理解できる。
しかし今後は大幅なドルの上昇なんてあり得ない。
1ドル100円なんて戻るわけないのだ。
90円の可能性も殆どないだろう。

ドルの下落によって、長期国債を大量に保有している日本は、損失
を拡大し続けている。
しかし思い切って米国債の売却には打って出れない。
日本のような莫大な米国債を半分でも、いや3分の1でも売却すれ
ば、バタバタと世界中が保有する米国債の下落を引き起こす。
3分の1でも売却し、すぐさま短期国債に変えていけば良さそうな
ものだが、それすらやろうとしない。

今の民主党政権には財源不足として、米国債を一部売却して資金
を捻出しようとする発想が全くない。
政治家もバカではないから、実際はそういった考えを誰しも持ってい
るのだろうが、おそらくかん口令が引かれているのだろう。
もしかしたらインタビューなどで語っているのかもしれないが、
日本のTVや新聞各社が、敢えて報道しないようにしているのかも
しれない。
この2つのパターンが、両方、片方のどちらかが存在していること
は間違いないといえる。

自分たちにとって都合の悪いことは報道規制するといった姿勢。
日本のマスコミだけは、中国の報道姿勢とそれほど変わらないの
かもしれない。 これが 「マスゴミ」 といわれる所以だ。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


VIX 恐怖指数が再上昇! 米財政懸念が再燃 日本は円も株も上昇

2010年12月14日 22時11分49秒 | 金融危機


14日の欧州市場で、投資家心理を示す数値として利用されている
恐怖指数が再び上昇した。

米国の会計年度末である9月以来の高い伸びで、17ポイントまで
上がっている。
12月は米国にとって四半期決算期である。
まさに同国の財政懸念が、PIIGS諸国の財政危機と重なっている
こともあり、再び信用不安が広がってきているのだ。
先日のブログでも記載したが、注目は今週である。

今日の為替相場も円高に進んだ。しかし株価は堅調に推移した。
世界の投資家が、安全資産として通貨円とともに幅広く買いが入っ
たからだ。
確かに国内中小の輸出企業にとっては円高は痛い。
しかし大企業は円高対策がほぼ完成されており、今では輸出代金
の4割以上が円建てで取引されている。
だから80年代のように、円高で輸出が大幅に減るといったことは
ない。

今回の四半期決算で、ゴールドマン・サックスと並び称される金融
機関、「JPモルガン・チェース」 の損失が拡大しそうだ。
なにせヘッジファンド部門は米国最大で、3兆円もある。
08年5月に破綻してしまった<ベア・スターンズ>を買収したことは
ご存じの通り。
こういった米国内の基準で運営されているヘッジファンドが、いつ
償還不能になるかが注目の的になっている。

11月9日に破産した <アムバック> の次の金融機関として、実際
NYの大手銀行数行が候補に上がっているのだ。
JPモルガンはダウ30銘柄に属している。
MLBでは、アリゾナ・ダイヤモンドバックスのスポンサーであり、
ホーム球場も 「チェイス・フィールド」 という命名権を持っている。
さらにサッカーMLSの公式スポンサーでもある。
またGE(ゼネラル・エレクトリック)や、GM(ゼネラル・モーターズ)も
JPモルガン系列の企業らしい。

破綻し、買収された<ベア・スターンズ>は、リーマンやメリルリンチ
とともに、最もサブプライム証券に投資してきた企業であった。
バンカメ同様、こういった当時の投資銀行を買収した銀行が、つい
に大爆発を起こしそうなのである。
JPモルガンの不良債権は天文学的数字まで膨れ上がっている。
金融危機前まで積極的に行ってきた博打が、来年にかけて裏目に
出てきそうだ。
破綻こそしないだろう(政府がさせないだろう)が、巨額な損失を被
ることは確実だ。

こういった大手銀行の破綻や巨額損失で、資金流出が再び拡大し、
世界は2番底に陥ることになる。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


米国(アメリカ)銀行 バンカメとシティが2011年破綻の危機に

2010年12月13日 21時16分43秒 | 金融危機


米国経済を更に悪化させる疑惑が、来年には浮上しそうだ。
米銀最大手のバンク・オブ・アメリカ(通称バンカメ:BOA)が、先週
NY連銀や、資産や債権運用会社PIMCOなどから、モーゲージ
債券の買い戻しを請求されているという報道が、オンラインニュース
で駆け巡った。

その額なんとまぁ470億ドル相当ともされ、他を合わせると総額で、
3750億ドルに及ぶ巨額なものだというのだ。
住宅ローン債権担保証券(MBS)を売り付けただけで、4兆円もの
損失金が明るみになってしまった。

そしてバンカメは、内部告発サイト 「ウィキリークス」 から、当行
の内部情報が年明けにも晒されるとの情報も追い討ちを受けた。
欧米の当局は設立者が逮捕されても、世界中に何人かの従業員
が存在しているわけだから、必ず暴かれることになる。
いくら規制を差し掛けても、複数のURLやミラーサイトを作っていく
だろうから、取り締まりの効果は無いといえる。
とにかくもし公開されれば、米銀行界を巻き込んでの混乱に陥り、
米経済の悪化が長期化するのは必至。
もちろん日本経済も一定の指標悪化に嵌まるだろう。

今、このバンカメとシティグループの不良債権が話題になってきて
いる。
先月FRBが量的緩和を再び発動し、6千億ドルのマネーを市場に
バラマイタが、このうち半分がこの2社と住宅公社の2社に送った
といわれている。
将来の紙屑マネーをどぶに捨てたような行為そのものだ。

シティは09年1月に株価が1ドルを割った。
そして3月に政府が株式を37%保有することになり、実質的に
国有化となった。
最近の株価は4ドル台まで回復したというが、金融危機前までの
水準である50ドル台と比べれば相当墜ちたといっていい。
シティグループは、今ではダウの30種に入っていない
取り除かれてしまったのだ。

バンカメはシティほどではないにしろ、リーマンショック後に巨額
な不良債権を抱えている当時のメリルリンチを吸収してしまった。
同じく09年1月には株価が2.5ドルまで落ち、今ではナントか
12ドル台まで上昇している。
まだダウ30種に入っているとはいえ、内部事情を暴露されては
堪ったものではない。
噂はすぐに他銀行に波及するだろう。
メリルリンチは金融危機前に、リーマンに次いで2番目に莫大な
サブプライム証券などを保有していた。
今から考えると、吸収合併したこと自体間違っていたといえる。

こういったゴマカシを繰り返してきた銀行とともに、2大住宅公社
もいよいよ危なくなってきた。
フレディマックとファニーメイである。
今年夏には株価が1ドルを割り、その後も回復しないことから、
ついに上場廃止となった。
いまFRBはECB同様、ボロクズ債権を買いまくっている。
ECBのほうは、ギリシャといったPIIGSの国債であるのに対し、
FRBは、ABSやMBSといった住宅ローン担保債権である。
ここまでやらないと、大銀行や5千以上もある中小銀行が救えな
いからだ。
まさに “大きすぎて潰せない” という現実に向かい合っている。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


中国 貿易黒字が過去最高を記録 中身は典型的な発展途上国型黒字

2010年12月12日 23時32分36秒 | 経済


中国当局が発表した今年11月の同国貿易統計によると、貿易黒字
額は228億9000万ドルと、前年同月比で19.9%増加したという。

中国は世界的金融危機後、不動産バブルも手伝って、国内景気の
回復に伴って輸入が急拡大した。
しかし今年3月は6年ぶりの貿易赤字を記録した。
しかしその後は景気回復から輸出も回復。
慢性的な黒字が定着していることから、巨額の対中貿易赤字を計上
する欧米諸国などは、人民元相場を不当に安く抑え、輸出を梃子入
れしているとの不満を強めている。

中国の対欧輸出は対米輸出より多く、輸出全体の2割を占めている。
伸び率も大きく、欧州への輸出は前年同期比で5割も増えているの
だから、確かに勢いはあるといえる。
しかし中国の貿易収支の中身をみてみると、日本の貿易黒字と比べ
てまるっきり違うことがわかる。
安価な日常生活品が多く、大量の製品を欧米や日本へ輸出している。
たとえ高価な完成品であっても、外資系企業の製品がほとんどで、
自国のブランドなんてほとんどない。

家電の「ハイアール」や、太陽光発電パネルの「サンテック」といった
企業の海外進出は増えているが、こういった製品の大部分は日本や
欧米諸国の技術によって支えられている。
事実後者の太陽光発電に使うパネルは、日本企業が世界関連特許
の68%を持っている

残りの3割についても、欧州や米国の企業で、中国の特許はわずか
2%にも満たないのだ。

先進国と発展途上国がお互いに貿易すると、先進国が良い製品を作
り、発展途上国は安くて品質の悪い製品を作るから、一般的に先進
国が黒字になって、後進国が赤字になると決めつけてしまいがちだ
が、これは誤りである。
上記のような発想は単純すぎるものだ。
これまで振り返ってみると、大抵先進国が貿易赤字になり、後進国
が貿易黒字になっている。

中国や中南米、アフリカといった発展途上国は、王侯貴族やほんの
一部の金持ちが存在するが、貧困層が9割以上と圧倒的に多いから、
内需がなかなか拡大しない。
しかももっと都合が悪いことに、こういったほんの一握りの金持ちに限
って、先進国の製品を好む。
だから今日や明日の生活がままならない庶民は、外需に依存しなけ
ればならない。 よって貿易収支は黒字になるわけだ。
先進国は消費のパイ(分母)が大きいので、庶民レベルでも衣食住を
楽しみ、高価なブランド品なんかも時々購入できる。
さらに先進国は高級品なんて自国で生産できるから、一般消費者も
自国の製品を買う。

中国の貿易黒字の情報や報道をみて、中国は元気だ! 勢いがある!
などとすぐさま思う人も多いが、勘違いしてはならない。
海外からの投資が増加しているから、職に就ける人が増え、少しず
つまともに生活できている人が多くなっただけである。
新興国は人間でいうと成長段階の子供だから、元気に決まっている
のだ。
しかし一本立ちはできないから、先進国のスネをかじらないと生きて
いけないだけである。

最近では中国企業によるラオックスや、レナウンの買収報道がされ
たことは記憶に新しい。
しかし前者の場合は秋葉原を拠点としており、中国人観光客向けの
免税店として成り立っているから、売上など一部は日本国内の儲け
にも繋がる。
後者についても完全買収ではなく、中国企業が株価の41%を持つ
筆頭株主になったということだ。
だから資本提携であって、51%以上の買収ではないのである。

いずれにせよ日本などは中国の実態を全て報道しないので、現在の
情報は詳細にはわからない。
日中記者協定といった政治的な拘束があるから、全て真実を報道で
きないからだ。
しかし十分予想できることは、今後も為替市場でユーロ安が進行し、
土地や人件費の高騰が続くから、海外からの投資は減るだろう。
衣服のユニクロや家具のニトリといった企業は、今以上中国に進出
できないと表明しているし、契約書や知的財産権を守れず、ストラ
イキが頻発し、暴動の確立が高い中国なんてマッピラと思っている
企業が増えていくのは間違いない。
レアアース問題は、中国の不信感を頂点に引き上げたといえる。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


米銀の破綻 今年ついに151行目 プライムローンの焦げ付きで

2010年12月11日 23時47分36秒 | 金融危機


米連邦預金保険公社は10日、ミシガン州のパラマウント・バンク、
ペンシルベニア州のアーススター・バンクの2行が経営破綻したと
発表した。今年の米銀破綻はこれで151件。
主に中間層向けのオルトAや、富裕層向けのプライムローンの焦げ
付きが増加しているとみられる。

しかし12月の破綻数はまだこれから増加するだろう。
最大のヤマ場は来週といえる。
過去12月を振り返っても、2008年はわずか3行の破綻だったが、
2009年は16行も潰れている。
それも第3週金曜日に集中しているのだ。
反対にクリスマスの週は閉鎖されていない。

現在米国は四半期決算の真っ最中。
最も注目される時期は会計年度末の9月、その次は3月。
そして12月、6月と続く。
過去の金融機関破綻をみても、08年9月にはリーマンブラザーズ
の破綻、その前年の9月はサブプライム危機が発覚している。
3月は08年にベアスターンズが破綻、09年はシティグループが
危機に瀕し、政府が37%の株を保有した。
為替相場については、毎年1月にドルが大きく下落している。

いよいよ来年秋から冬にかけて、住宅ローンの金利が跳ね上がる。
住宅保有者にとっては最大の試練がやってくるのだ。
今でも金利負担だけでアップアップな状態が、この時期が近くなる
と、現在の2倍~3倍に増加するのだ。

失業問題も緊急の課題であるが、もはや救いようがない状態だ。
先日11月の失業率が9.8%と発表されたが、金融危機前に年収
数千万円を稼いでいた人が、コンビニやファーストフードの店員に
移っても、失業率にカウントされない。
実際にこういった人が米国で急増しているという。
また大黒柱が職を失っても、もう一方の配偶者がパートを始めれば、
単純計算で失業率は悪化しない。

NYの株式市場では、株価が回復しているというが、ダウ工業株に
ついては、たった30社だけなのである。
またこのダウ工業株30社は、時代に合わせて入れ替えが行われ
ていることをご存じだっただろうか

第2次大戦以来、現在までこの30社に継続して残っている会社は、
ゼネラル・エレクトリック(GE)社だけだ。
悪い業績の会社は、都合良く撤退させられている。
中央銀行(FRB)から資金援助されるのは、大手金融機関と大企
業だけ。 現在のまやかしの景気回復は長く続くことはない。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


イタリア、ギリシャ、オーストリアの失業率が悪化 エストニアは改善

2010年12月09日 21時21分59秒 | 金融危機


ロイターが伝えたところによれば、ギリシャの9月の失業率は12.6%
に上昇し、月次の失業率統計の発表を開始した04年以来の最高水準
となったと報道した。
ギリシャは今年3月には11.1%の失業率が、翌4月には12.2%に
急上昇している。

さらにイタリアも9月は8.3%の失業率だったが、翌10月には一気に
8.6%と悪化した。
さらに今回の欧州危機は中立国家であるオーストリアにも波及した。
9月の失業率は4.5%だったが、翌10月には4.8%に上昇した。
オーストリアはスイスや北欧諸国同様、周辺国に巨額な融資を行って
きたが、今回この焦げ付きがジワジワと襲ってきている証拠だ。

対照的に失業率が低下している国もある。
来年1月1日に、晴れてユーロ加盟を果たすエストニアだ。
2008年前半までは、同国の失業率はたったの4%台だった国が、
今年の5月には最悪の18.5%まで悪化した。
今回の世界的金融危機は想像を絶する事態だったに違いない。
ところが10月の最新失業率は14.1%に急回復している。
この指標については、実体経済が改善したのか、それとも職に就くこ
とを諦めた人が増えたのかどうかは明らかではない。

それにしてもイタリアの失業率は、夏には一旦改善していたことを考
えれば、今回のユーロ危機の深刻さを浮き彫りにしているといえる。
スペインも最悪の失業率が続いていおり、20.7%だ。
これは1994年に記録した19%を上回っている。
アイルランドも14.1%と高い水準が続いている。
こちらは1986年に17%台の失業率を記録したが、今回の危機は
それに次ぐものになりそうだ。

現在ユーロ加盟16ヶ国で、失業率の改善が顕著になっているのは、
ドイツだけ。
去年11月には7.5%だったのが、今では6.7%まで低下。
ユーロ安も手伝って、世界屈指の輸出国が存在感を再び伸ばしている。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


クレディ・スイスとゴールドマン・サックス 生命保険を証券化に

2010年12月08日 21時26分10秒 | 金融危機


米ゴールドマン・サックスが、先日香港で開催した投資家向け説明
会で、11月中旬の中国株急落の原因になったという批判を受け、
中国メディアの批判に晒されていたという。
上海株式市場では同月12日に、上海総合指数が5%超下落。
この原因を巡って外資の陰謀説や、株式売買に伴う印紙税や金利
の引き上げなどが飛び交ったという。

ゴールドマンの錬金術は、まさに倫理の欠如といっていい。
今年の2月には、2000年と2001年に将来の空港税や宝くじ収入
を担保に、ゴールドマン・サックスがギリシャ政府に数十億ドルもの
資金を提供したという情報が発覚。
ユーロ加盟の条件である、GDP比3%以内の財政赤字達成が困難
であったギリシャは、ゴールドマンからの資金提供でユーロの仲間
入りを果たせたといわれているです。
もちろん無条件ではなく、担保として空港税や宝くじ収入に目をつけ
たというわけです。
当然のこと、これだけではゴールマンに何も入ってこないわけだか
ら、手数料として数百億円を手に入れたこともわかった。

米国政府と経済は、ゴールドマンと一蓮托生のようだ。
米国の不動産バブル崩壊は凄まじい。
今後も富裕層住宅や商業用不動産価格は下がり続ける。
今年の4月には、ゴールドマンの国際不動産投資ファンドは、米国
やドイツ、日本への投資に失敗して資産のほぼすべてを失った。
そしてモルガン・スタンレーも、88億ドル規模の不動産ファンドが
全資産の3分の2近くを失う可能性も出てきたと報じている。

さらにここにきてゴールドマンとシティグループは、8億7600万ドル
相当の商業用不動産担保証券(CMBS)の販売活動を行っている
というものだ。
不動産価格が今後も下がり続けることが明白なのに、インチキ商品
を売り続けるという姿勢は、背に腹はかえられない気持ちでは済ま
されない。 モラルを完全に失っている。

さらにゴールドマンとクレディ・スイスの2社は、生命保険に目をつ
けて、金儲けを狙った商品を生んだ。
早く死にそうな契約者のところへ行って、その保険を解約料よりは
高い価格で買う。
保険料は満期まで上記2社が払う。
つまり出来るだけ早く死んでくれればくれるほど、彼らは保険金の
支払いを少なくすることができ、より儲かるといったものだ。
こうした生命保険を束にして、証券化商品として売り出したのだ。

人間の世界では、保険金殺人は犯罪である。
保険金は払われないし、仮に払われた後で犯罪であるとわかれば、
受取人に対し、法的問題が生じる。
しかし欧米の金融機関では、いまだ完全にそういったルールになっ
ていない。
「人が早く死んだら儲かる」 という金融商品をどう思うだろうか?
日本ならば、金融庁が認めるだろうか?

忘れてはいけない。
米国の投資銀行はここ20年間、消滅の歴史を繰り返してきた。
最近破綻した、リーマン・ブラザーズやベア・スターンズ、それから
2009年3月にはシティ・グループも、株式の4割近くが政府保有
となった。
バンカメに吸収されたメリルリンチ、債権王と呼ばれたソロモン・
ブラザーズも潰れた。
英国でも投資銀行として名高かったベアリングス銀行が、95年に
破綻した。
この銀行はシンガポールでの投機が失敗したことが理由だ。
ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)や、ロイズといった世界
的な銀行もリストラが激しい。
前者の銀行は株価が98%も下落した。

とにかく米ゴールドマンの運命は案外短いかもしれない。
ギリシャだけでなく、スペイン、イタリア、そして英国に対しても、
300倍から400倍のレバレッジをかけてきたのだ。
英国だけでも数十兆円規模に上っている。
昨今PIIGSをはじめとしたユーロ危機がこれから本格化すれば、
この数百倍のレバレッジがいっぺんに負債に替わるのである
救済しようにも救済不可能な数字だ。
AIGやリーマンの比ではないのである。

このことから全ての件で一致していることは、
投機に失敗したら遅かれ早かれ潰れる ということである。
今ナントか最後の砦として君臨しているゴールドマン・サックスは、
来年正念場を迎えるだろう。
不動産価格の下落要因だけでなく、投資をした国から裁判沙汰に
なる可能性が強い。 市場で曝け出されてしまうだろう。
これで信用が失墜し、めでたく破綻という運命になる。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


スペイン イタリアのCDSスプレッドが再拡大 ユーロ危機本格化

2010年12月06日 21時36分41秒 | 金融危機


週明けの欧州CDS市場で、スペインとイタリア国債のスプレッド
が拡大している。
スペイン10年物国債のドイツ連邦債利回りに対するスプレッドが
拡大し235bp。イタリア国債の同スプレッドも168bp。
周辺国のスプレッドも同様、少しずつ拡大してきているようだ。

2011年には欧州危機が本格化しそうである。
ユーロとは中央銀行がたった一つ。つまりECBしかない。
しかし財務省はといえば各国バラバラに存在している。
それでいて金利政策は圏内一緒なのである。
それでもナントかカントか均衡を保ってきた背景には、各国財政
赤字をGDP3%以内に収めるという約束事を掲げているからだ。

ところがよく指摘されていることだが、この3%ルールをきちんと
守っているのは、オランダ、スウェーデン、ルクセンブルクだけで
ある

PIIGS諸国などは約束を果たしてこなかった。
こういった国が今、窮地に陥っているのである。

本来ならこういった国々に対して、“退場” を突き付けるのが筋だ
ろう。これまでドイツなどが指摘してきた。
しかしフランスなどが、“団結” を維持していくために、このよう
な国でも救済をしていくべきだ. . と訴え、救済を促してきたので
ある。
ユーロは良くも悪くも、一蓮托生という運命なのだ。

通貨問題も例外ではない。
ギリシャが危機に陥ったまともな理由のひとつとして、通貨が同じ
であるため、コレといった輸出産業が無いにも関わらず、為替の切
り下げができず、輸出が停滞し、輸入が増えていったからである。
逆にドイツといった世界的競争力のある国は、ますます輸出を拡大
でき、潤っていったことは言うまでもない。

ドイツのGDPにおける輸出の割合は45%を超えている。
これはアジアでいえば、中国や韓国の割合をも超えているのだ。
まるで発展途上国並みである。
経済大国がこれほどの輸出割合が高いとは驚く。
ドイツの国内市場は思うほど大きくないのだろうか?
しかしこれはひとえに、ユーロ圏ができたおかげともいえるだろう。
ドイツの輸出依存度は10年前はせいぜい20%程度だった。
しかし1999年にユーロ経済圏が発足し、域内の関税が無税に
なったことが最大の理由である。
(ちなみにEU圏内同士も関税はゼロである)

ユーロという通貨が安くなるから、その分経済が活性化するだろう
と、簡単に思ってはいけない。
ユーロ圏の輸出先は、大部分が同じユーロ圏内で取引されている。
だから通貨がいくら安くなっても、同じ通貨で決済されるわけだか
ら全く同じ。 そんなにウマミは無いのである。
また最大の市場を持つ米国も、通貨ドルを安くしていく政策を続け
ていく限りは、こういった市場への輸出促進は難しい。
もともとユーロとドルは反対の相場で動く運命にある。
目指すは日本や新興国市場しかないだろう。

こうしてユーロ圏諸国は輸出強者と弱者がハッキリ分かれ、双方
はますます政治的に乖離していくことになる。
ギリシャだろうが、ドイツだろうが、一般庶民はたまったものでは
ない。
そして今後もゼネストが各地で頻発していくだろう。
先日スペインで突然起きた空港管制官のストライキは、予告してい
なかったこともあり、世界中の観光客をパニックに陥れた。
サパテロ首相は非常事態宣言を発令したほどだ。
こういったことも政治の混乱を引き起こす。

今後のユーロの行方は、米国同様、先行き不透明感が強過ぎる。
弱小国が追い出されるか、または強国が弱小国の支援に嫌気を
指すか・・・どちらかということだろう。
ユーロ通貨が無くなることはないだろうが、一時的には大きく下落
していくことは避けられない。
ユーロが再浮上していくきっかけとして考えられるのは、米国経済
が破綻し、その結果ドルが紙屑となり、代わりにユーロの存在感が
上がっていくというのが妥当だろう。

2011年1月1日に、バルト三国一角のエストニアがユーロ加盟を
果たす。
財政赤字は少なく、「欧州の優等生」 とまで評価されている。
これを良い機会に、ギリシャとメンバー交代すればよいのではない
かと思うのは私だけだろうか?


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


欧州(ユーロ)経済危機 PIIGS財政破綻でIMFの資金も限界

2010年12月05日 23時08分01秒 | 金融危機


11月下旬にEU本部のブリュッセルで決定された、850億ユーロの
アイルランド救済は、いわゆる財政赤字ではなく、銀行の救済だ。
過剰な借り入れや脱税、あるいは虚偽の国家統計が日常的に横行
していたギリシャとは違う。
アイルランド自身を窮地に陥れたのは銀行なのである。
銀行が同国国家を沈没させたといっても過言ではない。

こういった非常事態にみまわれた欧州経済から不信を感じる点とし
て、7月23日に一斉に実施されたストレステストが思い浮かぶ。
この結果、当初の不合格銀行はスペインの貯蓄銀行5行、ギリシャ
の農業銀行1行、ドイツの法人向け不動産会社ヒポ・リアルエステ
ートの計7行だった。

しかし今回破綻同然のアイルランドの2行については、追加資本の
必要がないとして合格している。
バック・オブ・アイルランドと、アライド・アイリッシュ・バンクだ。
いかにストレステストの査定基準が甘いかがわかるだろう。
同国のアングロ・アイリッシュ・バンクなどは、ストレステストの対象
行すら入っていなかった。

しかし過去のブログでも記載したが、09年5月初旬に実施された
米国のストレステストもいい加減なものであったことを忘れてはいけ
ない。
マスコミでは報道されなかったが、テストの実施時、第3社機関を
全く介入させずに独自の判断で実施してきたからだ。
つまり臭いものには蓋をしたということだ。
すでに実施から1年半が過ぎたが、これまで米国政府の公的資本
注入で、何とか数字を誤魔化し、生き延びているに過ぎない。

さて5月に設立された欧州安定基金の他に、資金的な問題が浮か
び上がるのが米国のIMFだ。
現在IMFの資金量は7500億ドル。
最大の拠出国が米国で、2位に日本、ドイツが続く。
ギリシャやポルトガル、アイルランド程度ならまだいい。
米国は欧州ではないので、まだこの程度ならIMFの資金は枯渇し
ない。

しかしこれがスペインとなると話は違ってくる。
ギリシャが今後3年間で1400億ドルが必要となってくるというが、
スペインとなるとその5倍は必要になる
これでIMFは、もうカネがない. . . ということになる。
米国は天文学的な財政赤字で、これ以上の拠出は無理だろう。
日本も麻生政権時にIMFに対して1000億ドルの拠出をした。
この時、G20の新興国から感謝の意を受け、閉幕時には、
【 史上最大の貢献 】 という称号をもらったことは記憶に新しい。
しかしその日本もこれほどの余裕なんてもう出来ない。

イタリアも危ない。そのうちスペンに続く国になるだろう。
しかしイタリアは、アイルランドやスペインのように不動産バブルは
起こらなかった。
イタリアは1兆3000億ユーロという欧州最大の債務残高を抱え
るため、ユーロが暴落すれば瞬く間に公的債務が膨張する。
また国債についても、ギリシャやドイツほどではないが、同国債の
引き受け手の4割以上が海外の投資家なのだ。
これが実にヤバいのである。
来年の後半にはイタリア危機がやって来ると思われる。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


米国(アメリカ)の失業率が悪化 デトロイトは人口急減 死体都市に

2010年12月04日 22時13分43秒 | 金融危機


やはり米国経済の回復はおとぎ話に過ぎなかった。
11月の失業率は4月以来の高水準を付け、9.8%まで拡大した。
これは求職者のうち1500万人以上が職に就いていない状況で、
いわゆる 「完全失業率」 としてカウントされる。

さらに6カ月以上の長期失業者が占める割合は41.9%。
その数は630万人に達しているという。
また仕事探しを諦めた人や、週1日とか週1時間といった超短期労
働を余儀なくされている人を含めば、さらに指標は悪くなる。
ユーロ圏の失業率も先日の発表で0.1ポイント悪化したことから、
来年はいよいよ景気の2番底が避けられない状況だ。

とくに最も失業率が高いミシガン州のデトロイト市は、まさに “死”
という表現に近い。
完全失業率は30%まで達しており、GMやクライスラーの破綻で、
組み立て工場だけでなく、多くの下請け会社までも潰れていった。
同州の自動車工員の55%が解雇となったのである。
いわゆるこういった自動車工場で従業員1人が解雇されれば、下請
けや部品輸送、他関連会社で10人位の解雇者が出るというのだ。

またデトロイト市は、人口そのものも減ってきている。
かつて200万人いたのが、今では80万人まで減少しているのだ。
またミシガン州自体の失業率も23%である。
だが実際のところは、この倍はあるだろうといわれている。

悪化しているのは失業率だけではない。
治安や市民の心までも悪化しているという。
殺人以外の事件が起きても、翌日にならなければ警察は駆けつけ
ないというのだ。
デトロイト市中心部から、車で約5分位進んだところにある住宅地も、
なぜか火事で焼けたままの家が目立つという。
こんな情勢だから、自宅には火災保険なんて掛けられない。
それも3軒に2軒は空き家だというから、衰退は凄まじい。
金融危機前は一軒1億円という住宅価格も、今では3千万円で売り
出している。

またフードスタンプ利用も急増しているが、直接食料品の購入では
なく、現金に換金し、その金でコカインに手を出している人が増えて
いるという。 もはや救いようがない状況だ。
ナント今では少しずつ、コカイン産業が同州や同市の成長産業にな
りつつあるという

果たしてこれが景気の良い話と考えていいのだろうか?
燃費の悪い自動車を作り出す都市ということで、環境破壊に突っ走
っていたのが、今では社会環境の破壊へと進んでいるということだ。

今回の失業率悪化の発表で、米経済諮問委員会の委員長は、
「容認できないほど高い」 という認識を示したというが、これは正に
米国が自ら招いた自業自得といったものである。
いよいよ来年は財政の一段の悪化と、欧州のソブリンリスクが増し
てくることから、米国の完全失業率は10%後半まで跳ね上がると
予想される。
つまりこのことは、ドル安政策を続けていくという意味でもある。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者


内部告発サイト 「ウィキリークス」 の創設者に、逮捕状が出た理由

2010年12月02日 20時58分17秒 | 国際情勢


匿名を使い、政府や企業、そして宗教まで関わる機密情報を公開する
ウェブサイト 「ウィキリークス」。
投稿者の匿名性を重視し、機密情報から投稿者が特定されないように
する努力がなされているのが特徴だ。

創設者は豪州出身のジュリアン・アサンジ氏 39歳。
そして設立日は2006年12月。
設立からわずか1年以内に120万件もの機密文書をデータベースに
収集したというのだ。
今のところ公表されたのはごく一部のようだが、驚いたことに、在日米
大使館から流出した資料が3番目に多いという。

このウィキリークスを世界に轟かせたきっかけが、今年4月に公開さ
れた映像で、バグダッドで07年7月に録画された米軍アパッチヘリに
よる銃照準器のビデオだった。
この惨劇は、ジャーナリストのカメラマンを含む10数人が米軍ヘリの
攻撃により殺害された。
米兵らの会話も録音されていて、世界中の視聴者に衝撃を与えた。
この映像を提供した軍人は、翌月逮捕されている。

その後もアフガニスタンでの戦争に関する米軍機密文書を公開。
10月にもイラク戦争の米機密文書、約40万点が公開。
その後も政府関係者による細かい発言も明らかになった。
中国外務次官による、日本の常任理事国反対発言。
同じく同国高官の、朝鮮半島は韓国がコントロールすべきだ。。。
さらに韓国当局者による、金総書記の死後は2~3年で崩壊. . .など、
枚挙にいとまがない。
こういった情報流出を恐れたことから、中国やタイなどがアクセス規制
を行っている。

さらに今週に入って、ある米大手銀行に関する秘密文書を来年の早い
時期に公開する用意のあることを、創設者アサンジ氏のインタビュー
で分かったという。
このインタビューは11月初旬に語っていたが、このなかで同氏は、
大手銀行の数万件の情報を公開する用意があると言い、その結果で、
1行か2行は潰れるかもしれないと語ったというのだ。

今回、ICPO(国際刑事警察機構:インターポール)が同氏の逮捕状
を思い切って請求した理由がコレだ。
米国と欧州の両政府および公的機関が、逮捕するよう圧力をかけたに
違いない。
上記のようにウィキリークスのサイト、及び機密情報の漏えい問題は、
すでに4月にはハッキリわかっていたのである。
その後アフガニスタン問題の機密文書公開も報道されたが、創設者の
逮捕問題にまで発展しなかった。
また同氏の婦女暴行問題についても、すでに今年の8月には容疑が
かけられていたのだが、なぜ今頃になって逮捕状の請求なのか・・・と、
普通ならおかしいと感じるのは私だけではないだろう。

米国の大手銀行の暴露をされては、銀行の信用問題を超え、業績面
から考えても大問題になることは間違いない。
まさに国家的大惨事にまで発展することだろう。
私が以前に記載した200兆ドルの負債は、あくまでマクロ的な意味で
書いたのだが、個別の銀行単位で暴露されると、それは米国だけでな
く、欧州諸国全体の信用問題に発展するからだ。
インターバンクや債権市場を調べれば、すぐに判明する。
創設者は大手米銀の1行か2行は潰れるかもしれないと言い放つが、
そんな程度では済まなくなるのは確実だ。

しかも疑惑が最も高いといわれる 「ゴールドマンサックス」 の情報を
漏らすというのだから堪ったものではない。
実際、当銀行にどのくらいの負債があるのかどうかまでは知らない。
しかしサブプライム問題で揺れ、08年3月に破綻したベアスターンズ
を吸収したJPモルガンチェースは、当時80兆ドルもの負債を抱えて
いるという噂が流れた。
もしこれが本当なら、このたった1社だけで米国GDPの6~7倍もの
不良債権を抱えていることになるのだ。

リーマンブラザーズの破綻も、裁判所の提出書類から、64兆円以上
の負債があったというのだが、実際はもっと多かったに違いない。
本当の情報は絶対に一般国民に知らせることはない。
シティバンクについても、帳簿外が7つも8つもあるといわれている
事実は絶対に明らかにしないのが欧米の金融機関である。
もし創設者の逮捕が現実に起こっても、他の従業員は世界中に存在
しているのだから、逮捕後も機密情報が公開されないとは限らない。
米国政府が最も恐れているのは、外交上の情報ではなく、軍の機密
情報でもなく、金融機関の隠ぺい工作を暴露されることなのだ。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者