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内部告発サイト 「ウィキリークス」 の創設者に、逮捕状が出た理由

2010年12月02日 20時58分17秒 | 国際情勢


匿名を使い、政府や企業、そして宗教まで関わる機密情報を公開する
ウェブサイト 「ウィキリークス」。
投稿者の匿名性を重視し、機密情報から投稿者が特定されないように
する努力がなされているのが特徴だ。

創設者は豪州出身のジュリアン・アサンジ氏 39歳。
そして設立日は2006年12月。
設立からわずか1年以内に120万件もの機密文書をデータベースに
収集したというのだ。
今のところ公表されたのはごく一部のようだが、驚いたことに、在日米
大使館から流出した資料が3番目に多いという。

このウィキリークスを世界に轟かせたきっかけが、今年4月に公開さ
れた映像で、バグダッドで07年7月に録画された米軍アパッチヘリに
よる銃照準器のビデオだった。
この惨劇は、ジャーナリストのカメラマンを含む10数人が米軍ヘリの
攻撃により殺害された。
米兵らの会話も録音されていて、世界中の視聴者に衝撃を与えた。
この映像を提供した軍人は、翌月逮捕されている。

その後もアフガニスタンでの戦争に関する米軍機密文書を公開。
10月にもイラク戦争の米機密文書、約40万点が公開。
その後も政府関係者による細かい発言も明らかになった。
中国外務次官による、日本の常任理事国反対発言。
同じく同国高官の、朝鮮半島は韓国がコントロールすべきだ。。。
さらに韓国当局者による、金総書記の死後は2~3年で崩壊. . .など、
枚挙にいとまがない。
こういった情報流出を恐れたことから、中国やタイなどがアクセス規制
を行っている。

さらに今週に入って、ある米大手銀行に関する秘密文書を来年の早い
時期に公開する用意のあることを、創設者アサンジ氏のインタビュー
で分かったという。
このインタビューは11月初旬に語っていたが、このなかで同氏は、
大手銀行の数万件の情報を公開する用意があると言い、その結果で、
1行か2行は潰れるかもしれないと語ったというのだ。

今回、ICPO(国際刑事警察機構:インターポール)が同氏の逮捕状
を思い切って請求した理由がコレだ。
米国と欧州の両政府および公的機関が、逮捕するよう圧力をかけたに
違いない。
上記のようにウィキリークスのサイト、及び機密情報の漏えい問題は、
すでに4月にはハッキリわかっていたのである。
その後アフガニスタン問題の機密文書公開も報道されたが、創設者の
逮捕問題にまで発展しなかった。
また同氏の婦女暴行問題についても、すでに今年の8月には容疑が
かけられていたのだが、なぜ今頃になって逮捕状の請求なのか・・・と、
普通ならおかしいと感じるのは私だけではないだろう。

米国の大手銀行の暴露をされては、銀行の信用問題を超え、業績面
から考えても大問題になることは間違いない。
まさに国家的大惨事にまで発展することだろう。
私が以前に記載した200兆ドルの負債は、あくまでマクロ的な意味で
書いたのだが、個別の銀行単位で暴露されると、それは米国だけでな
く、欧州諸国全体の信用問題に発展するからだ。
インターバンクや債権市場を調べれば、すぐに判明する。
創設者は大手米銀の1行か2行は潰れるかもしれないと言い放つが、
そんな程度では済まなくなるのは確実だ。

しかも疑惑が最も高いといわれる 「ゴールドマンサックス」 の情報を
漏らすというのだから堪ったものではない。
実際、当銀行にどのくらいの負債があるのかどうかまでは知らない。
しかしサブプライム問題で揺れ、08年3月に破綻したベアスターンズ
を吸収したJPモルガンチェースは、当時80兆ドルもの負債を抱えて
いるという噂が流れた。
もしこれが本当なら、このたった1社だけで米国GDPの6~7倍もの
不良債権を抱えていることになるのだ。

リーマンブラザーズの破綻も、裁判所の提出書類から、64兆円以上
の負債があったというのだが、実際はもっと多かったに違いない。
本当の情報は絶対に一般国民に知らせることはない。
シティバンクについても、帳簿外が7つも8つもあるといわれている
事実は絶対に明らかにしないのが欧米の金融機関である。
もし創設者の逮捕が現実に起こっても、他の従業員は世界中に存在
しているのだから、逮捕後も機密情報が公開されないとは限らない。
米国政府が最も恐れているのは、外交上の情報ではなく、軍の機密
情報でもなく、金融機関の隠ぺい工作を暴露されることなのだ。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者