「あ、の」
裏路地の一角。
そこでクロチェは、水色の男と対峙していた。
緊張で喉が乾く。
「……トパーズさん」
マーレカテーナの首領。
「何でしょう」
幸い今は仕事中でないらしいが、クロチェの属するアルジェントアラとは敵対する立場にある。
「仕事じゃないんです、オレ、……聞きたい事があって」
「どうぞ」
答えてくれるかどうかはわからないが、聞かずにはいられなかった。
「幽霊が見えるって聞きました……本当、ですか?」
「そうだとしたら?」
「――っ」
そうだと、したら。
聞こうとしていた事がぐるぐると頭の中を回る。
オレの後ろに、今までオレが救えなかった人達はいますか。
その人達はオレを恨んでいますか。
――父さんと母さんは、いますか。
幽霊が見えると聞いて、会わずにはいられなかった。
いてもたってもいられなくて後先考えず走って来た。
けれど、聞いてどうする?
どんな答えを望んでいる?
そして、望まない答えが返ってきたならどうするのか。
「……オレの、後ろ……に」
途切れ途切れの声は震えを帯びている。
その後に言葉は続かず、息だけが吐き出された。
「……っ、ごめんなさい」
消え入るように謝って踵を返す。
走って逃げて行く背を、トパーズは静かに見つめていた。
まさかのトパーズさんに突撃←
トリルの過去話書いてたら何故か浮かんできたので……。
トパーズさんお借りしました。
言い逃げすみません;
最近企画の方の文をちょこちょこ書きながら、自宅の子達とその世界観なんかも練ってます。
まとまってきたら上げたいな。
SSに反応ありがとうございます!
すごく励みになってます^^
裏路地の一角。
そこでクロチェは、水色の男と対峙していた。
緊張で喉が乾く。
「……トパーズさん」
マーレカテーナの首領。
「何でしょう」
幸い今は仕事中でないらしいが、クロチェの属するアルジェントアラとは敵対する立場にある。
「仕事じゃないんです、オレ、……聞きたい事があって」
「どうぞ」
答えてくれるかどうかはわからないが、聞かずにはいられなかった。
「幽霊が見えるって聞きました……本当、ですか?」
「そうだとしたら?」
「――っ」
そうだと、したら。
聞こうとしていた事がぐるぐると頭の中を回る。
オレの後ろに、今までオレが救えなかった人達はいますか。
その人達はオレを恨んでいますか。
――父さんと母さんは、いますか。
幽霊が見えると聞いて、会わずにはいられなかった。
いてもたってもいられなくて後先考えず走って来た。
けれど、聞いてどうする?
どんな答えを望んでいる?
そして、望まない答えが返ってきたならどうするのか。
「……オレの、後ろ……に」
途切れ途切れの声は震えを帯びている。
その後に言葉は続かず、息だけが吐き出された。
「……っ、ごめんなさい」
消え入るように謝って踵を返す。
走って逃げて行く背を、トパーズは静かに見つめていた。
まさかのトパーズさんに突撃←
トリルの過去話書いてたら何故か浮かんできたので……。
トパーズさんお借りしました。
言い逃げすみません;
最近企画の方の文をちょこちょこ書きながら、自宅の子達とその世界観なんかも練ってます。
まとまってきたら上げたいな。
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