馬上少年過 馬上(ばじょう)少年過(しょうねんすぐ)
世平白髪多 世、平らか(たいらか)にして白髪多し
残躯天所赦 残躯(ざんく)天の赦す(ゆるす)所(ところ)
不楽是如何 楽しまずんば是(これ)如何(いかん)
(父を討ち、弟を討ち、母を遠ざけ)馬に乗って戦に明け暮れた
少年時代は去った。
(秀吉、家康、家光の時代になり)世の中は平和になり、
(気が付けば)自分も白髪が多くなった。
残った体(残躯)は天のゆるすところであり、
(人生を)楽しまない方があろうか。
宮沢賢治が亡くなったのと同じ30代半ばで、
伊達政宗が晩年に詠んだこの句に接した。
功なり名を成さずとも年齢だけは達している。
正月用の笹かまぼこの包装紙に添えられた句、
改めて残躯天のゆるすところの意味をかみしめる。
(投稿:ワイルド三太)