花を求めて（完）

　　　９月２６日

 

　目覚めると雨は上がっていた。

 

 

　湯煙に誘われて

 

　朝湯

 

　戻ると朝ごはん　　完食。

 

　支度をして

　硫黄の香りをまとい　宿を後にする。

 

　しっとりとした登山道。

　静かな山道を降り

 

　小さな沢を

 

　何本か渡り

 

　登り返したところには

 

 

　そしてまた急登を登る。

 

　遠くに谷川岳、苗場山、妙高山が見える。　　歩いて来た道が　池が見える。

　稜線の奥深くにある昨夜の宿に思いをはせる。

　

　昨日はあんなに賑やかだったのに　今日は誰もいない。

　　

　聞こえるのは地球の息吹だけ。

 

　下山道へ進むと　昨日歩いた稜線が見え

　二日間の山旅を振り返り　しばし離れることができなかった。

 

　　　たった二日なのに長く長く山と共にいた気がする。

 

　　　　　　　　　心に深く残る旅となった。

 

　　

　　４月から花を求めて歩いてきた。

　　すでに花の季節は終わり山は少しずつ色を変え始めた。

　　そして艶やかに燃え尽き白い冬を迎える。

　　

　　　　紅葉を求めて　雪を求めて　山行はつづく。

 

　　　　　　八ヶ岳が呼んでいる。

　　　　　　アルプスが待っている。。

 

　　　　　　　　　　花を求めて　　完

 

　　　　　　　　　　　　　　なでしこ