白い彗星の艦長室のひとり言

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機動戦士ガンダム00 ♯24 終わりなき詩 その1

2008-03-23 17:29:20 | 機動戦士ガンダムOO
第1部の終了まで残すところ後2話。
ファーストガンダムで言えば、まだ黒い三連星と戦っている辺りなので、人によって意見は異なるでしょうが、ガンダム00の密度の濃さを感じます。

また、今までのガンダム若しくはロボット物と言われるアニメの中では、最終回の一つ前というのが個人的に好きだったりします。
内容的には多くの命が失われるエピソードが多いのですが、中にはそれが故に強烈な印象を残してくれるキャラクターもいます。

最近(か?)ではナタル、イザーク、ムゥ等が魅力的だったガンダムSEED(無印)が強烈に印象に残っています。


さて、OPアバンでは2年前に遡り、4人のガンダムマイスターの出会いが描かれます。
回想シーンとはいえ、使いまわしのフィルムではなくロックオンが登場するのはなんだか嬉しいです。

格納庫?にそびえ立つ4機のガンダムの前で、スメラギさんが連れてきたのはまだあどけなさの残る一人の少年でした。

刹那・F・セイエイと名付けられた少年を見た3人のマイスターの反応は様々で、アレルヤは見た目の幼さに目が行くとても普通の反応、ティエリアはヴェーダが選んだという事実も受け入れられない程の拒否感(これはその後かなり続く)、そしてロックオンだけは、見た目に左右されず目的と気持ちが同じ方向を向いていればその本質を受け入れるというこの頃からかなり達観した印象です。

「コードネームはロックオン・ストラトス。成層圏の向こう側まで狙い撃つ男だ」
聞き慣れないキメセリフだなと思いましたが、成層圏(the stratosphere)をlock onするというのがコードネームの由来ですかね?!
各メンバーのコードネームはヴェーダが決定したと何かに書いてあった気がしますが、なかなか気が利いています。

マイスターが選出されたのも一番最後、そして後ろに立つエクシアはブルーのカラーリングがなされる前のロールアウトカラー仕様で(DSの特典)、GN-001のコードを持つわりには一番完成の遅れた機体なのかも知れませんね。


そして前回の刹那の慟哭シーンへ。デュナメスの照準機が置かれているのはエクシアの掌の上ですかね。


「お嬢様、プトレマイオスから特別暗号通信が届きました」
「内容は?」

冷たく現状の把握だけを促す王留美は、国連軍とソレスタルビーイング、そのどちらの力にせよ世界が変わりさえすればいいという、ある意味アレハンドロより非情な雰囲気がします。
そして彼女等がいる場所は、どこぞの宇宙ステーション(恐らく人革連)のようなので、ネーナを保護したのかどうかは分かりませんね。
万一そうであったとしても、それは善意からでないのは明らかです。

王留美を見ていて、唯一引っ掛かるのは、世界はそれ程までに憂うべき状況だったのかという事です。
太陽光発電紛争も終結し、3つの大国が太陽光発電を有した事によりエネルギー問題は解決し、その恩恵を受けられなかった国を始めとして紛争規模の争いはなくなってはいませんが、マクロな目線で見れば比較的安定した世界に見えます。

そこにソレスタルビーイングが掲げた“全ての戦争行為の根絶”というテーマは、それ自体が紛争を引き起こす引き鉄にもなってきました。
甚大な痛みを伴う改革、世界の人は今ソレスタルビーイングをどのように見ているのでしょう。

そして、イオリア・シュヘンベルグがヴェーダに託した計画とは、これまで劇中で語られた統一世界、人類の宇宙への進出という言葉と雑誌のインタビュー記事を合わせ読むと、もっともっと長いスパンでのヒトという種の保存という事になるのでしょうか。

それは、自分の感じる周りが世界の全てである人々にとっては、あまり実感しがたい事であり、私利私欲がなく全てに平等で、寿命もないヴェーダという存在を“神”に見立てて、人類存続の計画を進めるのが一番の策だったのかも知れませんね。

王留美が憂いているのは本当に世界の状況なのか、自らの境遇なのかはまだ判断が付きません。


プトレマイオスでは、案の定ティエリアが、刹那が地球へ向かった事による戦力の分断こそがロックオンの死の原因だと責め立ててますが、以前と同じという事ではなく、彼自身の至らなさによる苛立ちをどう処理したらいいのか分からないというように感じます。


30機(内1機はフラッグへの換装中)あったGN-Xは幾度かの戦闘で残数は11機。スローネも帰還しなかったという事でロスト扱いになっているようです。
セルゲイはマネキンに撤退を進言し、マネキンもまた同意見のようですが国連からは増援を待っての戦闘続行を命じられているようです。
この会話から、二人は同等の立場のようです。

「すいません、大佐~やられちゃいました」
「心配させよって…馬鹿者が」
そこへロスト扱いになっていたパトリック機が生還。これでGN-Xは12機に。

損傷を受けていた各機体の修復もできているようで、予め豊富な予備パーツも共に支給されたのか、提示されたデータによって国連軍が用意していたのかは分かりませんが、GNドライブ以外は材質共々既存の技術で賄えそうなのでさほど疑問には思いません。
予備パーツもない状況で、全機実戦投入する方が不自然ですよね。


パイロット控え室にいる各国先鋭のエリートたち。ソーマの行動基準は任務の遂行だけなので、考えるのはその目的の障害になる被研体E-57ことアレルヤ(ハレルヤ)の事だけ。
「私は完全体の超兵、できそこないの被研体E-57に負けるわけにはいかない」
これこそがソーマのプライド。


プトレマイオスでは、気休めと分かっていながらGN粒子を仕込んだ岩石を飛ばして陽動。これは予想通りセルゲイ等に簡単に看破されてしまいます。
そしてガンダムの状況は、キュリオスは飛行ユニットを外した状況(変形は不可)、ヴァーチェも損傷の激しかった外装を取り外してナドレでの出撃と、エクシア以外は満身創痍の状況のようです。

ナドレに用意された専用の武器は、サーベルとしても使用可能な銃剣タイプのライフルとプルトーネ譲りのシールドといったオーソドックスな物。(HGキットに付属)
この後のアレルヤとティエリアの会話からも、トライアルシステムが使用できない上に、粒子貯蔵量も少ないナドレにはメリットと呼べるものはヴァーチェと比較しての機動性だけで、これがあくまで緊急的な措置であると伺えます。

正規のGNドライブは、機体の非稼動時にもその動きを止める事無くGN粒子を生産し続けるので、それを溜めておくコンデンサーが機体各部にあり、それがヴァーチェの場合は装甲部分にも貯蔵ができるという事でしょうね。

機体に貯蔵する以外にも、プトレマイオスにも貯蔵できるでしょうし、初登場時のGNアームズを見ても各整備施設にもそういった設備はあるのでしょう。
また、単独行動中のコンテナにもそれらの設備はあるようで、グレートメカニクスという雑誌によると、デュナメスが超長距離射撃を行った際に、ライフルに接続していた丸い装置も大型のコンデンサーだという事です。

色々と謎が多かったヴァーチェとナドレですが、トライアルシステムと緊急脱出用の装甲のパージ以外はこれといった秘密はなさそうです。
まだ外伝『ガンダム00F』で二人のマイスターの命を奪い、シャルの心と顔に傷を付けた事故の原因が明らかでないので(これを書いている時点では未読)一概には言い切れませんが…

「現戦力で期待できるのは強襲用コンテナとエクシア、GNアームズ…頼みの綱のトランザムも制限時間がある…」
あくまで、整備が完了してない今時点での分析かも知れませんが、スメラギさんの言葉にもキュリオスとナドレが頭数に入っていません。

そこにティエリアからの艦内通信。

「スメラギ・李・ノリエガ、次の作戦プランを提示して下さい」
「まさか、戦おうと言うの?」
「勿論です。敵のGNドライブ搭載型を殲滅させれば、世界に対して我々の力を誇示する事ができ、計画を継続できる」
「リスクが大き過ぎるわ…敵の援軍が来る可能性も…」
「分かっています。ですが、これは私だけの気持ちではありません。マイスターの総意です」
「アレルヤと刹那も……?!」
「…頼みます」

「生き残る覚悟……」

スメラギさんは、いくつかの予想の中で戦いになった時を考えて準備を進めてはいますが、積極的に打って出る気持ちはなく、できれば体制を整えてと考えていたのでしょう。
事実、援軍と共に戦闘続行との命令が来る前のセルゲイとマネキンは撤退を考えていたので、悪い方の予想が当たってしまったという事になります。

そしてマイスターの総意は、GN-Xを殲滅しての計画の続行。これは、イオリア・シュヘンベルグにマイスターが託された遺志でもあります。
ティエリアのハッタリとは思いませんが、ここは3人で話してその意志を確認しているシーンを見たかったですね。


刹那は、ハロ残されたデータから、ロックオンの最後の相手がアリーであると知ります。結果として自分が地球で討ち漏らした機体がロックオンの命を奪った事になります。

「命を掛けて仇を討ったのか…ロックオン?」

過去の刹那であれば、ロックオンは家族の命を奪ったアリーを討つ事で本懐を果たしたと受け取ったかも知れませんが、ロックオンは既に家族の仇討ちだけで戦っていたのではなく、そういう事が起こらない世界を目指して戦っていた訳で、刹那もまた、幼き日の仲間が言った「死を恐れるのは神を冒涜する行為」だという言葉の先には神はいないと感じ、ラッセの語った「ソレスタルビーイングは存在する事に意義がある」という言葉から、亡くなった者たちの遺志を背負って自らの意思で世界と向き合う決意をします。

このシーンが後にくるので、ティエリアの言うマイスターの総意というのがウソっぽく聞こえるのかな…


刹那たちが戦う意志を固めた事を知り、ブリッジクルーたちにも相応の覚悟が求められる事になります。
フェルトが両親に当てた手紙をきっかけにして、今までは組織の中での守秘気味があったが故にお互いの事を知ろうともしなかったメンバー同士に立場を超えた絆と生き残るという意志が生まれつつあるようです。

「みんな色々あるんだ…」
「色々あるから、みんなソレスタルビーイングに参加したんすよ」
「そういや、こんな風にお互いの事話したの、初めてだな」

これが後の……


ハロを届けに来た刹那と、ロックオンへのお手紙を届けに来たフェルトが、半壊したデュナメスのコックピットの前で対面。この二人が話しているところは初めて見た気がします。
フェルトのお手紙は可愛い字で“ロックオンへ”と書かれていますが、日本語かよ!とつっ込んだ人は大勢いたでしょう(笑)

後の状況から考えて、ここは強襲用コンテナの中なのでしょうか。
この状態でも、デュナメスの太陽炉は活動を止めずに、トレミーへの量子供給を続けているのでしょうね。

ロックオンが淋しいだろうと、ハロをデュナメスの中に残していく2人ですが、これは何かの伏線なのかな。
そこへ敵襲を知らせるクリスの声。

ブリッジに駆けつけたフェルトの前には、モニターに映し出された異形のモビルアーマーの姿が。

「これ戦闘艦ですか?!」
「違うわ…あれは、擬似太陽炉を搭載したモビルアーマー」
スメラギさんの言葉通りに、後部に7発の擬似太陽炉を搭載しているのが伺えます。違うといえば、発生する粒子の光が赤ではなくて金色な事と、その大きさ自体も随分違うように見えます。
全身金ピカのボディとそのフォルムは、超有名なオーパーツ、黄金ジェットを連想します。

コックピットに座っているのはアレハンドロ。
彼が何故のこのこと前線に出てきたのかは後のセリフで多少伺えますが、監視者を気取って世界を裏から動かしていた男も、こうなるとやや滑稽に見えます。
彼のパイロットスーツは他にはない独自のデザインですが、肩から伸びる紫色の物体は何でしょうか。

「粒子ビームが来ます!!」
「あの距離から?!」

機首の顔のような部分が展開し、巨大なビーム口から放たれたビームは、これまでのどのビーム光とも異なるオレンジ色?の光を放っています。これは、高出力が故の変化でしょうか。

リヒティの懸命の操舵で何とか直撃を避けるトレミーですが、左の粒子出力部を持っていかれます。

切って落とされた最後の戦いの火蓋は、彼らの得意だった攻める戦いではなく、生き残るための戦いになりました。


番組後半Bパートは、その2をご覧下さい。


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