整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

部品の回収方向

2018-06-08 14:01:31 | 効率アップ
新規投稿に随分と時間が空いてしまいました。
申し訳ありません。

さて、ウエステックの整列治具には、
流し方向というのが有るというのを、
前回と前々回のブログで述べました。

さて、そこから更に一歩踏み込んで、
今回は回収方向、というのを説明します。

ウエステックの整列機は、起動すると、
あらかじめプログラムされた振動条件の
通りに動き(揺動と振動を繰り返し)、
部品を並べ終わった頃合いを見て停止し、
水平に戻ります。

下の絵を見て戴ければと思います。



並べる前は、回収パレット(大側)の方に
部品を投入しておきます。

整列機を起動させると振動テーブルが
揺動を繰り返し、部品は回収パレット(大)
→整列パレット→回収パレット(小)→
整列パレット→回収パレット(大)→
・・・という感じで往復を繰り返します。

最後に、並ばなかった部品は、回収パレット
(大側)の方に集められ、文字通り"回収"
されます。

回収パレット(小側)の方は、厳密に言うと
部品を回収するわけではなく、部品の流れの
折り返し地点のような役割を果たします。

今日は、通常通り回収パレットが大側も小側も
正しくセットされ、部品が滞りなく流れる状態が
確保されているのに、何故か整列率が悪い、
という現象の説明です。

部品そのものに原因が有る場合が多いですが、
部品自身に、整列穴に入りやすい向きと、
整列穴から出やすい向きが有ると、
整列率が落ちるという現象につながります。

一番わかりやすいのが、このような形状の
部品です。



前方後円墳のような形、つまり片側の端は丸く、
反対側の端は角張っている、という部品です。

整列穴の外周には面取り加工が施されていますが、
部品の丸い部分が、整列穴の丸い部分に当たると、
せり上がって来やすいからです。



かと言って、整列穴の両端を角張らせると、
部品が前後の区別無く入ってしまいますので
NGです。

ではどうするか?

この場合、整列機の往路の振動でのみ整列させ、
復路の振動では、未整列の部品を回収する事に
集中させる、という方法を取ります。

特に難しい事ではありません。整列パレットを
整列機にセットする方向を決めるだけです。

部品を回収パレット大側から小側に流す時は、
緩い振動で、部品の向きを選別せずに、
整列穴に入れてしまいます。

そして、部品を回収パレット小側から大側に
流す時は強い振動を与え、前後逆に入ろうと
している部品を整列穴から排出し、
同時に、未整列の部品を回収します。



整列機をこの向きに傾けた時は、
正しい向きに入っている部品だけが、
整列穴の中で安定していますので、
この一連の動作を繰り返す事で、
正しい向きに入っている部品が
徐々に増えて行き、最終的には全て並ぶ、
という訳です。

ところで、うっかり整列パレットを逆向きに
セットしてしまうと、つまり丸い側が
回収パレットの大側を向くようにセットすると、
正しい向きに入った部品も、綺麗サッパリ
整列穴から出て行ってしまいます。



この、部品を流す往路と復路で、振動のパターンを
変えるという方法は、別の形状の部品でも有効です。
例えばこんな部品です。



重なった部品が、そのまま居座り続けてしまう
現象に見舞われてしまう場合、今度は
重なった部品が排出されやすい向きに、
整列パレットをセットします。



すると、重なった部品だけを綺麗に排出する
事ができます。


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