【個人的な評価】
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆
【要素】
ミュージカル
冤罪
【元になった出来事や原作・過去作など】
なし
【あらすじ】
1960年代のアメリカ。
チェコからの移民であるセルマ(ビョーク)は、
女手ひとつで息子のジーン(ヴラディカ・コスティック)を育てながら工場で働いている。
彼女はまわりに理解と愛情を持つ人々に囲まれ、
満ち足りた生活を送っていた。
しかし、彼女は遺伝性の病気のため、
視力が失われつつあり、
やがて失明してしまう恐れがあった。
ジーンも手術を受けない限りは同じ運命をたどることに。
そのために、セルマは内職もしてジーンの手術費用を蓄えていた。
だがある日、セルマは工場を解雇された上に、
貯めていたお金まで盗まれてしまう。
犯人に心当たりのあった彼女は、
警官であるビル(デヴィッド・モース)を訪ねるのだが……。
【感想】
2000年のデンマーク映画。
僕はここでは基本的に映画館で観た映画の感想しか書かない。
そう、つまりあの名作が21年ぶりに映画館で上映されているのだ。
4Kで!
といっても、本公開は12月10日(金)から。
今日は一夜限りの先行上映日。
2022年6月に国内上映権利が終了するため、
日本での劇場公開は今回でラスト。
観たい人は12月まで待つべし!
実は初めて観るんだ、この映画。
もうね、セルマの絶望のどん底っぷりが心苦しいし、
息子を想う母親の愛情が深すぎるし、
最後の結末があまりにも悲惨すぎて、
ただただ悲しかったよ。。。
特に、ラストがとてつもなくショッキングだった。。。
これは当時大ヒットしたのもわかる。
わかるのだけど、、、
期待値が高すぎたせいか、
正直僕は思ったほどハマらず。。。(笑)
なぜ名作と言われたこの映画がハマらなかったのか、
よくよく考えてみると、
ちゃんと明確な理由が3つありました。
ひとつはミュージカルの無理矢理感。
セルマはミュージカルが大好きで、
そのことを考えているときだけは幸せを感じられる人。
だから、彼女の妄想シーンはすべてミュージカル仕様になる。
それがとても無理矢理ねじ込んでいるように見えて、
不自然さを感じてしまったんだよな。
さらに、歌のメロディーが覚えづらいのよ。。。
他のミュージカル映画で歌われる歌って、
覚えやすくて耳に残るんだけど、
これは思い返そうにも頭に浮かんでこなくて。。。
ただ、ビョークの歌唱力はさすが。
あの大きく通る歌声には圧倒されたのは事実です。
もうひとつは、ちょっと疲れるカメラワーク。
手持ち撮影が主体となっているから、
手ブレが多くて観るのに体力が持っていかれる気がして。。。
いや、この手法こそがこの映画の醍醐味なのかもしれないけど、
最初ドキュメンタリーなのかなって思って、
映画って感じがしなかった(笑)
最後に、裁判でのセルマの戦う姿勢のなさにやや違和感があったかなーって。
セルマは無実の罪で法廷に立つんだけど、
一切事実を語らない。
事実を語ることで、
息子のジーンにもストレスが溜まり、
目の病気が悪化してしまうことを危惧していたからだとは思うけど。
とはいえね、事実は話すべきなんじゃないのかなって思った。
セルマは息子に必要なのは
「母」ではなく「目」と強く主張していたけど、
そこは共感できなかったかなー。
あと、僕が個人的にびっくりしたのは、
あのクソ野郎ビルを演じたデヴィッド・モース。
この映画、日本では2000年12月23日に公開しているんだけど、
同じ2000年の3月25日には『グリーンマイル』が公開されてて(ちなみにアメリカでは1999年12月10日公開)。
彼はそこでブルータル役を演じているんだけど、
それはとてもいい看守さんだったんだよね。
あんなにいい人が、
こんなクソ警官を演じているっていうギャップに驚き。
総じて、絶賛される理由はわかるけど、
個人的にはそこまで……っていう感じかな。
とにかく悲しい映画を観たい人にはいいかもしれないけど、
けっこう好みは分かれるかも。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます