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人間とは何かを考えさせられる『人数の町』

2020年09月20日 19時09分34秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
 配給:キノフィルムズ

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:91/127
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
借金取りに追われて暴行を受けていた蒼山哲也(中村倫也)は、
黄色いツナギをポールと名乗る男(山中聡)に助けられる。
蒼山のことを"デュード"と呼ぶポールは、
蒼山に「居場所を用意してやる」と言い、奇妙な「町」に連れて行く。

「町」の住人はツナギを着た"チューター"たちに管理され、
簡単な労働と引き換えに衣食住が保証され、
セックスまでもが推奨されている。
住民たちは何の疑いもなく、
何も深く考えずにそれらの労働を受け入れ、
奇妙な「町」での時間は過ぎていく。

ある日、蒼山は新しい住人の紅子(石橋静河)と出会う。
彼女は行方不明になった妹をこの町に探しに来たのだという。
思い詰めた様子の彼女を蒼山は気にかけるが、
この出会いが蒼山をある行動に駆り立てる。

【感想】
『世にも奇妙な物語』にありそうな映画だった。

この"人数の町"(作中ではそうは呼ばれず、単に"町"って言われてるけど)は不思議なところで、
簡単な作業さえしていれば衣食住に困ることはなく、プールもついてる。

各人に割り振られた部屋も、最低限と呼ぶにはやや贅沢なレベルで、
アパホテルのシングルよりは広い。
殺風景だけど家具は一通り揃っている様子。

家族というものは意味を成さないため、基本的にひとりでの生活。
セックスは精神衛生上推奨されており、
部屋の番号を書いた紙をヤリたい人に渡すだけでOK。
(もちろんそれで部屋に来てくれるかは別だけど、
 無駄なやり取りは必要ないという効率のよさw)

ただし、逃れることはできない。
逃れようとすると、この町に来たときに後頭部に埋め込まれた何かが反応して、
頭痛を引き起こす謎の音楽を流す仕組み。

さて、この環境をどう捉えるか。
簡単な作業で衣食住が保証され、セックスも推奨。
ある意味、恵まれてはいるだろう。

ここに来る連中は借金で首がまわらなくなった人や、
殺人を犯した人など、外の世界に居場所がない人たちばかり。
そんな人たちからしたら、いくら限られた空間に閉じ込められているとはいえ、
安全が保証されたこの場所はまさに自由を謳歌できる天国かもしれない。

僕からしたら、たまに行くにはいいかもしれないけど、
一生住み続けるのは無理だと思ったけどね。
できることは限られているから刺激は少ないし、
何よりも人が人でなくなる気がしてならない。
ここにいる人たちはみんな記号のように見えて、
あまり生気を感じることができなかった。
作中では描かれていないけど、
いずれ気が狂う人とが出てきそう。

そうなると、人間とは何か、自分が何に喜びを感じるかなど、
改めて考えるきっかけになりそうな話だと思った。

主演の中村倫也の演技がすごくリアルで、
初めて来たときのとまどい方から生活に慣れてきたときの表情の変化など、
実際ここに連れてこられたらこういうリアクションするんだろうなっていうのがよくわかる。

ラストは大方予想はついたけれど、一度連れて来られてしまったら、
もうそれしか選択肢がなさそうなのが辛い。
本人がそれでよいのであれば、問題ないんだけどね。

なんか、昔観たユアン・マクレガーとスカーレット・ヨハンソンの
『アイランド』って映画をちょっと思い出した。

映画『人数の町』公式サイト

この部屋に入ったらこの町のガイドであるバイブルを熟読すること―映画『人数の町』9月4日ロードショー

映画『人数の町』公式サイト

 


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