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イメージと感情によって人は冷静な判断力を失う『ルース・エドガー』

2020年06月08日 23時29分18秒 | 映画


【基本情報】
⠀ 原題:Luce
製作年:2019年
製作国:アメリカ
⠀ 配給:キノフィルムズ、東京テアトル

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:40/62
⠀ 疑念🤔:★★★★☆
スリル😱:★★★☆☆
⠀ 恐怖😵:★★★☆☆

【ストーリー】
文武両道な優等生の黒人青年ルース・エドガー(ケルヴィン・ハリソン・Jr)は、
幼い頃に戦地だった母国から、
白人夫婦のピーター(ティム・ロス)とエイミー(ナオミ・ワッツ)に引き取られ、
愛情たっぷりに育てられてきた。

ある日、高校の課題で彼のレポートを見たウィルソン先生(オクタヴィア・スペンサー)は、
その内容から彼の思想が危ないんじゃないかと感じ、
疑惑の目を向けることで2人の関係が悪化していき、
まわりの人間も巻き込んで大きな事件に発展していく。。。

【感想】
「人間が持つイメージの怖さ」が前面に出ている内容で、
“社会ミステリー”と呼ぶべき映画だと思った。

メインはルースとウィルソンの対立になるんだけど、
2人の言っていることは並行線だから、
観ているこっちも2人に疑惑しか湧かない。

ルースは優等生で、“学校の誇り”、“成功の象徴”という状態だけど、
レポートの件は事実だし、実は優等生というのはまわりから押し付けられた虚像で、
彼には裏の顔があるんじゃないか?って。

ウィルソンも学校の誇りであるルースを陥れようとするのは、
何か裏があるからなんじゃないか?って。

もうね、お互い一度疑惑を持ってしまうと拭えないよね。
何かあるたびに、「こいつがやったに違いない!」って。
物的証拠もないのに、感情論だけで決めつけてしまう。

いや、僕自身も経験はあるのですごくよくわかるし、
みんなも少なからずあるだろう。
結局、ルースの両親でさえ、息子に疑いの目を向けるし、
それがきっかけで夫婦間の関係もギクシャクしてくる。

それがこの映画の怖いところ。
イメージと感情によって、冷静な判断ができなくなる。

さらに、この映画で印象的なのは、いくつか事件がある中で、
ルースが関与しているのは間違いないはずなんだけど、
まったくもって決定的な証拠がないところなんだよね。
しかも、ミステリー映画でよくあるような
怪しいと思わせたい人物にフォーカスしたカメラワークもなく、
最後に誰かが全部説明してくれるってのもない。

結局すべては闇の中。
だから、モヤモヤしたままなんだよ(笑)
でも、映画としてはイメージだけで決めつけてしまう怖さ
とかを伝えたかったと思うから、
誰が犯人かってのはあまり問題なかったのかも?

また、出ているキャスト全員、
演技がうまいのがこの映画のよさでもある。
中でもウィルソンの妹役を演じた
マーシャ・ステファニー・ブレイクの狂気全開のシーンは圧巻。
モザイクなしの体当たり演技。
『ミッドサマー』の例の儀式に勝るとも劣らない異常性
(もともと病気持ちという設定ではあるけど)。

あのアジア人の女の子も怖かったな。。。
黒目全開で。。。
なんか、ところどころホラー感出してくるのが、
ホラー嫌いとしてはダメージダメージ(笑)

あんまり大衆娯楽向きの映画ではないから好みは分かれると思うけど、
後半から一気に面白くなってくるので、よかったら観てみて。

映画『ルース・エドガー』公式サイト

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