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不倫なのに純愛、不倫だからこそ純愛『マディソン郡の橋』

2021年05月16日 20時40分05秒 | 映画


【個人的な評価】
「午前十時の映画祭11」で面白かった順位:3/4
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ラブストーリー
不倫

【あらすじ】
アイオワ州マディソン郡。
母フランチェスカ(メリル・ストリープ)の葬儀に集まった
長男マイケル(ヴィクター・スレザック)と妹キャロリン(アニー・コーリー)は、
母が彼らに宛てた手紙と日記を読み始める。

1965年、秋。
夫と子供たちが子牛の品評会のため隣州に出かけ、
フランチェスカは4日間、
一人で過ごすことに。
そこにカメラマンのキンケイド(クリント・イーストウッド)が道を尋ねてきた。

珍しい屋根付きのローズマン橋の写真を撮りに来た
という彼に惹かれていくフランチェスカ。
彼女はその晩、彼を夕食に誘い、
2人の関係が徐々に近づいていくのだが……。

【感想】
「午前十時の映画祭11」にて。
1995年のアメリカ映画。

メリル・ストリープは『恋におちて』(1984)でも不倫する役だったけど、
昔の彼女ってラブストーリーの常連なんだよね。

で、この映画なんだけど、
もうね、泣いたよ。
あまりにも純愛で。

関係上は不倫になってしまうし、
その行為自体を肯定はしないよ。
でも、すぐヤッたヤらないの話になる
ハリウッドのラブストーリーにおいて、
しかも熟年のいい歳した男女が、
ここまでプラトニックさを出すとは。

それは映像描写の細かさにも表れていて。
車の中で、ダッシュボードを開けようと手を伸ばしたキンケイドの手が、
ほんの少しフランチェスカの脚に触れるのだけど、
そこでもう彼女は意識しちゃうんだよ。
まだ出会って10分も経っていないのに。

イタリアで生まれ、
アイオワ州の田舎に引っ越してきた彼女からしたら、
写真家で世界を飛びまわるキンケイドは
、さぞ魅力的に映ったんだろう。

別にフランチェスカ自身、
生活に不満はないんだよね。
愛する家族と優しいご近所さんに囲まれて、
望んだ未来(それが何かは語られないけど)とは違うものの、
幸せではあると。

でも、現状に大きな不満はなくとも、
外部からやってきた、
自分とは住む世界が違う存在は、
それだけで輝いて見えるんだろうな。
特に、他に刺激のない日々を過ごしている身からしたら。

この映画のいいところって、
4日間という限られた時間の中で、
事に及ぶまでの過程がもどかしくも清廉な部分だと思った。

向こうってすぐ口と口がくっつくじゃん。
体と体が重なるじゃん。
この映画では、お互いの息遣いが感じられる距離感になっても、
なかなか一線を越えないのよ。

フランチェスカはやはり家庭がある身だし、
小さな町の中で不倫して白い目で見られているルーシーの話もあるから、
今一歩踏み出せない。

なんだけど、心の中はもう思春期かってぐらい
浮き足立っているんだけどね(笑)
早い段階で、
鏡で自分の体を見て、
「まだいけるかしら」と確かめるし、
新しいドレスも買うし。

キンケイドに関しては、
年齢がそうさせるのか、
世界を飛びまわる性分がそうさせるのかはわからないけど、
「君を困らせる立場にはしたくない」と、
無理に事に及ぼうとはしない。
この分をわきまえた紳士から出る最上級の気遣いは、
同じ男から見てもマジでイケメンだと思った。

そんな2人が、
焦らして焦らしてようやく結ばれるのは、
今の自分よりもだいぶ年上ながらも、
とても微笑ましかったなあ。

それだけに、ラストの展開がとても悲しい。
これだけ愛し合って、
一度は2人で駆け落ちしようとするも、
フランチェスカが踏み切れなかったのがね、、、
なんとも。。。

結局、家族に対して後悔は残るし、
そうなるとこの素敵な愛自体も間違ったものだと思っちゃうから、
綺麗なままで残しておきたいと。

だから、彼女の死後、
「人生のすべてを家族に捧げたから、せめて残りの身は彼に捧げたい」と、
橋の上から遺灰を撒いて欲しいというのが、
彼女にできる唯一にして最大限の彼への償いと愛情表現だったかと思うと、
すごくロマンチック。

結婚したり、
離婚したりすると、
相手に望むものがよりクリアになるから、
不倫やら再婚やらの方が
純愛にしやすいのかなと思ったり(笑)

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

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