明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

読書の勧め(9)遠藤憲一「やりがい搾取 の農業論」

2022-01-18 21:33:27 | 今日の話題

実はまだ私は読んではいない。欲しいには欲しいのだが、何しろ本にお金を出すという考えを捨ててからしばらく経っていて、「あれ?、Kindle 読み放題じゃ出てないの?、困ったねぇ・・・」という反応なのだ。これでは、本という文化的創造物に対して、大いなる冒涜じゃないかと言われても仕方ないのだが、ここは現代ネット事情の歪みというか、一つの消費戦略の過渡期かなと思っていたりして、・・・まあ良いじゃないか。

この本の売りは「一本5万円のレンコンを売る」という刺激的な話である。これは日本人の「ブランド」というものに対する考え方を改めて問い直す、過激な発言といえそうだ。そもそも「ブランド」というのは、確かな技術とデザイン力で他を圧倒し、その地位を何十年も守り続けて今や「比較対照範囲の埒外に存在する」 までになってしまった、怪物商品群の総称である。いわくヴィトン、いわくベンツ、いわくコシヒカリ・・・、人々はブランドの前では思考能力を失って、吸い込まれるように買ってしまう。この「間違いない購買行動と幸せな所有欲」が、実は意外と他愛もない勘違いの上に立っているとしたら・・・というのが、この本を読みたいと思う理由である。

私は人間の持つ「判断力というもの」にとても関心がある。中でも「ブランド」というのは「世間で評判のもの」だから大丈夫だろう、という安易な価値判断の結果生まれた消費行動の「画一化」に他ならないと思っている。だから実際に使ってみれば、案外そうでもなかったりするのだ。これはある意味、物の価値を品定めする「価値判断の怠慢」でもある。実はこないだ柏のビックカメラで買った「ダイソンの掃除機」が吸い込んだ髪の毛を上手く捨てられなかったことにガッカリして、他のにすればよかったかもと後悔したことがあった。勿論、まだ使い続けているが、買うときにもっと考えれば良かったと今では思っている。これなども、ブランドにうつつを抜かして舞い上がっていた証拠だ、お恥ずかしい。

なんでもそうだがものを買う時に、一番考えなければいけないことは「何が一番良い製品か」、では無くて、自分に要求していることに「ピッタリ合っているものはどれか」という厳密な判断力・視点である。どんなに素晴らしい機能を持っていても「それが自分には必要ない」場合、自分にとって「ベストバイ」では無い。近頃特にそう思うようになった(ちょっと遅すぎるだろう!)。ちなみに柏図書館では、この本の検索結果は「ゼロ」だった。アマゾンで863円払って読むかどうか、今悩んでいる所である。

もうう少し我慢して、Kindle 読み放題に出てくるのを待つというのもアリだと思うけど・・・・どうするか。


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