問題だ
赤いろうそくが問題だ。
赤いろうそくと言えば、新見南吉の「赤い蝋燭」だし、小川未明の「赤いろうそくと人魚」も有名だ。
基本 新見南吉の回りくどいストーリー展開が大好きで愛読する作品も多いが、「赤いろうそく」とくると 小川未明の「赤いろうそくと人魚」に軍配があがる。
更に、赤いろうそくと言えば 寺的に報恩講さんや永代経で使う朱蝋燭がマストアイテム。
そして 里の報恩講さんが近づいてきた。
里の人たちの大半が出て 報恩講さんを作り上げる。
総代さんのリードのもとに、年にょさん、老人会、仏教婦人会などなどが報恩講さんの用意をする。
お供物の餅に使うもち米を収穫し、精米し、蒸かし、餅つき、型どり。
厳密に言えば半年ががりの段取りと用意となる。
報恩講さんは宗祖さんや阿弥陀さんへのご恩報謝。だから、報恩講さん。
その感謝が、設え、飾り付け、菓子盛り、華立てなどの働きの根本にある。
上記の用意や設えは そのほとんどを里の人たちが行う。飾り付けや荘厳の確認は拙僧が行う。
しかし今回、荘厳の重要なファクター、赤いろうそく 朱蝋燭に問題が出た。
実際は昨年度の報恩講さんでも問題であったが、なんとかやりくりして報恩講さんを乗り切った。
だが、今回は問題だ。
赤いろうそくに問題だ。
で、蝋燭の問題ってなんだ?
実は 寺の赤い蝋燭は普通の朱蝋燭ではなく、赤いろうそくの形をしたステンレス製の燭なのだ。蝋燭に非ず赤いステンレス燭である。
多分30年ぐらい前に 寺業界の革命的発明として 内陣内荘厳を席巻したに違いない。
蝋燭は灯心を蝋で固め成形したものだが、ステンレス蝋燭は燭内が空洞で 中を灯油で満たし、内部から立ち上がる布紐芯が 燃えることによって限りなく 本物の朱蝋燭に見紛う蝋燭となる。
そのハイブリッドで繰り返し使えるステンレス蝋燭に問題が発生。中の布紐芯が焼き尽くされたのだ。
代替芯を近くの仏具屋やら、問屋やらを探しまくったが 無い。
インターネットでもヒットしない。
何処に聞いても、布紐芯は無く、繰り返し使えるステンレス蝋燭自体も無くなっていた。
こんなエコなサステナブルな蝋燭が 無い!なんでや?
結論。
蝋燭業界からの突き上げ、クレームで 本山や御用達仏具屋からステンレス蝋燭は 姿を消したのだ。
だって蝋燭買わなくなるもん。ステンレス蝋燭は繰り返し使えるもん。
いきなりだが、TPPだって、アメリカ産業界の突き上げでオバマはんがイキッテルよなもんだもん。
でもって ピンチ。
でも、諦めずに京都に向かう。頼みの店が一軒。
あかんかったら、アウトドアショップでランタン用の灯心で代用するしかないなー
商売って 難しいねんね
売れたら困るもんは 売れたら 抹殺されるねんで。コワ~い
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