みんなの僧

24で僧侶になり54で住職になるまで夢や悩みを聞き続けて30年。

学名 とらつぐみ

2011-04-15 12:57:13 | 日記
いや、妖怪だっ!


不思議な夜であった。

ライトアップした夜桜を見ながら酒宴を催していたのだが、夜11時をすぎた頃、山の中から陰鬱な口笛が聞こえて来る。

何回も何回も吹いている。上忍の里では全く聞いた事の無い音だ。

「あれ何?」とYと拙僧が山のエキスパートI君に聞いた。

すかさずI君は「学名とらつぐみ、ぬえ(鵺)とも言います。鳥ですわ」

「鳥は鳥目で夜弱いやろ」
「いえ、フクロウと同じで夜行性なんです」

「鵺って平家物語では妖怪やで!」

「いえ、鳥なんです。せやけど、ヒューとかホーとか鳴いたあと、チーン♪と鳴き声だしまんねん」

「ウソーー」

「まぁ聞いてください」

ちょっとして真っ暗な森から

「チーン♪」

ギャー!

もうビックリ!

こんな変な鳴き方するのは初めて聞いた。腰を抜かした。

まさしく妖怪の鳴き声だった。平家物語でも鵺は妖怪とされた。

頭は猿、胴体は狸、尻尾は蛇、手足は虎という異形の生物とされ 宮廷では忌み嫌われた。

今春は変な事に、ウグイスが鳴かない。

代わりに夜、鵺が鳴いた時は凶事が起こると言う。
確かに大凶事が起こった。
I君が言った。

「ブログに書かれてるように、大地震の前年は異常に暑いでしたね。暑すぎて仕事を切り上げたこともありました。阪神大地震の前年も。そういや思い出しました。村のじいさん等が大地震の前年が酷暑になる事を天気地震ていうてましたわ」

なるほど。昔の人は知ってたんですね。参りました。

それにしても鵺の鳴き声は気味悪い。

そしてまた、言い伝えも事実に符合して気色悪い。
もー!ぬえめぇー!



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