自衛隊がアメリカのトマホーク巡航ミサイルを購入する予定なのだそうだ。予算倍増で嬉しくなっているのだろうか。本来は、共食い整備をやらないでいい程度の予備部品とか予備機とか人員とか保管場所を含めたロジとか増やしたり整備する必要があるものは山ほどあると思うのだが。まあ、自国産の戦車買うよりもジャベリン買った方が安上がりじゃないかという財務省を説得できるとも思えない。
それはさておき、巡航ミサイルは名前のとおり、たかだかマッハ0.8程度で飛んでいくので、比較的迎撃されやすいミサイルだ。飛行高度が低いのでレーダーには映りづらいが、その分目視されやすい(とはいえ、それほど大きなものでもないので、そのつもりで監視していないと見つからないと思うが)。
つまり、待ち構えている相手にはさほど有効な打撃力にならなそうな気がするわけだ。例えば、北朝鮮のミサイル基地を狙うとしたら、公海上の艦艇から発射して2時間程度の飛行時間を経て着弾すると思うのだが、レーダーサイトに引っかからずに、目視もされずに到達できると思えない。一定数は撃墜されることを前提に飽和攻撃に近い形で運用するのだろうか。
抑止力を保持するには、一定の打撃力を必要とする。しかし、有効な打撃力でないと意味が無い。はたして、トマホーク巡航ミサイルの導入は、日本の打撃力をトータルとして向上させるのだろうか。
湾岸戦争時のイメージでトマホーク巡航ミサイルの有効性を議論されても困るのだが。