8月は例年、1年でもっとも暇な時期だ。今年は「集中して原稿を書くぞ」のはずが、エコ生活挫折により、大混乱だった。下旬から出張再開となり、岩手、北海道、島根、長野、仙台と点々。行く先々で「エアコンつきましたか?」と尋ねられ、穴があったら入りたいとはこのことか。
皆さんの予想通り、「つけてよかった」と思ったのは1週間ぐらい。その後は涼しくなり、ふと気づいた時にはもう夜にはセミが鳴かなくなっていた。
とはいえ、セミは今も日中は頑張って鳴いている。本当にご心配をおかけしました。ありがとうございました。
さて、9月11日に食品安全委員会プリオン専門調査会が開かれ、傍聴してきた。前回から約4カ月ぶりの開催。座長の吉川泰弘・東京大学大学院教授の食品安全委員会委員人事が国会で不同意となり、吉川先生は一時は、プリオン専門調査会の座長辞任を委員会に申し出ていたのだが、無事に復帰となった。
吉川先生はいつも通りのひょうひょうとした雰囲気。お元気そうで、なにより。
興味深かったのは、議事に入る前に小泉直子委員長が発言したこと。国会人事不同意の件について再度触れ、米国産牛肉に関する食品健康影響評価について、「とりまとめた責任は親委員会にあり、吉川座長にはない」と説明し、「政治の介入に強い危惧を持つ」と委員長談話よりも踏み込んだ発言をした。
食品安全委員会は今後どうなるのか? 民主党がどう出るのか? だれにも分からない状況のようだ。
そして、政治がリスク管理に携わり、マニフェスト通り、まったく意味のないBSEの全頭検査に国庫補助を復活させるとしたら、どうしたらいいのか?
民主党がジャンクサイエンスベースで動かないように、しっかりと見続けなければならないのだろう。
朝日新聞が9月12日付のオピニオン欄で吉川先生のインタビューを掲載し、「BSEの全頭検査はムダだ」と大きな見出しをつけている。やっと新聞が出してくれたか、という感じ。民主党議員も読んだだろうか。
ただし、この記事、少し引っかかる。もう一つの見出しが「BSE対策を担ってきた東京大大学院教授 吉川泰弘さん」なのだ。記事中でも、「食品安全委員会でBSE対策の最前線に立ってきた吉川泰弘さん」と紹介している。
だが、吉川先生は評価をしたのであって、対策を担ったわけではないだろう。ここで既に、管理と評価をごっちゃにしている。
さらに「取材を終えて」で、記者がこう書いている。
最新の科学のものさしをあてて、食品の安全性を中立公正に評価する、として6年前に船出した食品安全委員会。しかし、大切な議論では、政治や世論に振り回され、政府の描いた筋書きを追認するだけの印象を残した。(後略)
政府の描いた筋書きを追認するだけの印象ってどういう意味だ? そう解釈して世論を誘導したのは、新聞などメディアではないの? 解釈は勝手にしてよいことなのだけれど、自分たちがやったことを顧みる気はさらさらないという姿勢を露呈しているような気がして、気になった。
皆さんの予想通り、「つけてよかった」と思ったのは1週間ぐらい。その後は涼しくなり、ふと気づいた時にはもう夜にはセミが鳴かなくなっていた。
とはいえ、セミは今も日中は頑張って鳴いている。本当にご心配をおかけしました。ありがとうございました。
さて、9月11日に食品安全委員会プリオン専門調査会が開かれ、傍聴してきた。前回から約4カ月ぶりの開催。座長の吉川泰弘・東京大学大学院教授の食品安全委員会委員人事が国会で不同意となり、吉川先生は一時は、プリオン専門調査会の座長辞任を委員会に申し出ていたのだが、無事に復帰となった。
吉川先生はいつも通りのひょうひょうとした雰囲気。お元気そうで、なにより。
興味深かったのは、議事に入る前に小泉直子委員長が発言したこと。国会人事不同意の件について再度触れ、米国産牛肉に関する食品健康影響評価について、「とりまとめた責任は親委員会にあり、吉川座長にはない」と説明し、「政治の介入に強い危惧を持つ」と委員長談話よりも踏み込んだ発言をした。
食品安全委員会は今後どうなるのか? 民主党がどう出るのか? だれにも分からない状況のようだ。
そして、政治がリスク管理に携わり、マニフェスト通り、まったく意味のないBSEの全頭検査に国庫補助を復活させるとしたら、どうしたらいいのか?
民主党がジャンクサイエンスベースで動かないように、しっかりと見続けなければならないのだろう。
朝日新聞が9月12日付のオピニオン欄で吉川先生のインタビューを掲載し、「BSEの全頭検査はムダだ」と大きな見出しをつけている。やっと新聞が出してくれたか、という感じ。民主党議員も読んだだろうか。
ただし、この記事、少し引っかかる。もう一つの見出しが「BSE対策を担ってきた東京大大学院教授 吉川泰弘さん」なのだ。記事中でも、「食品安全委員会でBSE対策の最前線に立ってきた吉川泰弘さん」と紹介している。
だが、吉川先生は評価をしたのであって、対策を担ったわけではないだろう。ここで既に、管理と評価をごっちゃにしている。
さらに「取材を終えて」で、記者がこう書いている。
最新の科学のものさしをあてて、食品の安全性を中立公正に評価する、として6年前に船出した食品安全委員会。しかし、大切な議論では、政治や世論に振り回され、政府の描いた筋書きを追認するだけの印象を残した。(後略)
政府の描いた筋書きを追認するだけの印象ってどういう意味だ? そう解釈して世論を誘導したのは、新聞などメディアではないの? 解釈は勝手にしてよいことなのだけれど、自分たちがやったことを顧みる気はさらさらないという姿勢を露呈しているような気がして、気になった。
ちょっと仲間内で紹介させてもらいます。
この人の元に今後北海道からいろいろメールが行くようになるかもw
もし機会がありましたら遺伝子組換え作物をどう考えているかを質問してみて下さい。よろしくお願いします。
寺田議員を擁護する義理は全くないのですが、「生物学的に意味がない」ということを知っていただけで、よく勉強してるなあと思ってしまいました。
本来であれば、国会議員はこの辺の事情を知った上で政策立案するべきなのでしょうが、ほとんど知られていないのではないかと推測しています。(根拠はありません。実際どうなのでしょう?)
食品安全担当の大臣が社民党の方になってしまいそうなので、「科学的に正しい」ことが政策にますます反映されなくなりそうで、危惧はしています。
その議員の名前を是非とも教えて下さい。
ただその人の論理には全く賛成できませんね。
選挙期間中、民主党候補者(その後当選しました)の演説会でBSEの全頭検査について質問してみました。
議員さん曰く、「全頭検査が生物学的に意味のないことは承知している。全頭検査のための予算は国民の皆さんの安心のための費用だ」という旨の回答をされました。
民主党全体についてはともかく、少なくともその議員が意味がないと言うことを知っていたこと、「安全」と「安心」の区別が出来ていたことについて、私は評価します。
ただ、政権与党になるのだったら、国民に対して聞こえのいい政策ばかりいうのではなく、反発が出そうなことでも科学的事実をきちんと説明することが必要だと思いますし、その議員にもそのことは伝えました。
ご指摘の通り、ちょっと気になる部分はあるものの、インタビュー本文は極めて公平なものであり、このタイミングで吉川さんを取り上げるとは、さすが朝日という印象でした。
しかしこの結びのコメントは…。
ちょっと酷いなぁと感じました。