●一昨日の「電気屋のはなし」で、これまた、思い出してしまったんですが.....。
都内某所に住んでいた時、近所にあった『ひらまつ電気』(仮名です。)という電気店。ここのおやじさんには、さんざんお世話になりました。
おしゃべり好きで、うんちくを垂れるのが好きで、口癖は、『言っちゃなんだが....』。
配線工事や、修理には、いささかの自信あり....の、いかにも職人堅気のおやじさんでした。
●テレビ、エアコン、冷蔵庫、etc. 結構買わせて頂きました。
●おやじさんは、時々、ふいとやって来ては、自分が納めた家電品を点検して行くんです。
テレビなんか、ちょっと写りが悪いと、「これじゃあダメだ」って、勝手に修理しちゃうんです。
私が、「別に気になりませんけど。」と言っても、「....私が気になるんです。』(笑)
エアコンだって、ひとこと、「冷えない」などと口走ろうものなら、翌日にはガスのボンベを抱えてやって来る。.....むろん、ちゃんとお金は取るんですよ。
何ごともなければ、私がいれたお茶を飲んで、ひとしきり油を売って帰る。
あの時分、コンセントに差し込んで使うものは、一切合切、“ひらまつ電気”にお任せ...でしたね。
●ひらまつ電気さんには、二度の引っ越しに付き合ってもらいました。一度目は、車で15分の移動距離でしたが、2度目は、東京→千葉県柏市と、まあまあの距離を移動します。
エアコンの取り外しだけお願いしようと思ったら、「一緒に行きます。」と言って、お店の軽トラに、自分で売った家電品を積み込んで、4トン車の後を連いてきてくれました。
引っ越し荷物の散乱する中、頼みもしない諸々の配線工事その他をやり終えて、「電話もらえれば、いつでも来ます。」と言って帰って行きましたっけ。
●おかしくなるくらい真面目で、一生懸命で.....。 うん、町の電気屋さんの鏡みたいな人でしたねえ。
10所帯ほどの賃貸マンションに住んでいた時、エアコンのドレン管(排水用のパイプ)をきっちり1階まで下ろして、土の中に先端を埋め込んでいたのは、うちだけでしたね。
ハイ...な! ひらまつ電気の仕事です。
最近の大型量販家電店ではなんでも修理に出すときは書類だし、「直すより買った方が・・・」だよ!
最近の家電はなぜかこわれやすいし・・・
本当に電気屋さんの鏡です
電気大好き!なんですね。
まだ、現役で町中を“ちょこまか”と動きまわっているかもしれません。付き合い方ひとつですよね。あのバカッ丁寧で、融通のきかない職人根性がイヤだという人もいるかもしれませんが、頼めば、ちょっとした大工仕事までやってしまう、便利屋さんみたいな人でした。
ひらまつ電気さんに修理頼むときなんて、ただ電話を一本かけるだけ...。第一、書類なんて、ないと思います。
もっとも、頼みもしないのに、修理されちゃうこともあるからなあ....。(笑)
人情派の電気屋さんですナ
そういう面倒見のいいおじさん、
いまや絶滅危惧のお仲間ですナ
大事にしましょう!!!
はい、トキやパンダなみに、国家をあげて保護して行かないと、こんな人種はどんどん数が減ってしまって、ただの思い出話の中の人になってしまいます。(笑)
さすがに、あまりにも遠くなり過ぎて、それっきりになってしまったんですが、忘れられない人のひとりです。