ふりかけ/B定食

基本は日記。思いつくまま、気のむくまま。ふたを取るまで中身が見えないから、定食というより、“どんぶり”ですかね。

台 風。

2006-09-18 21:56:02 | ひとこま絵日記
●私は九州の生まれ。ゆえに“台風”には、慣れております。
上京して間も無い頃(つまり大昔)台風が関東に接近する度に、「なんだ、この“そよ風”は。東京人はこの程度の風で大騒ぎするのか。」と思ったものです。
....今ではその“そよ風”も、シッカリ恐い。

●子供の頃、かなり大きな台風がやって来て、人様の家に避難したことがありました。

その日、夜にかけて、ますます強くなる雨風に、危険を感じた母たちは、ひとまず隣の本家へ、そして、そこも危ないというので、また別のお宅に避難したのでした。
「3匹の子ぶた」のお話を思い出して頂ければ、よろし。(絵日記参照です)
私たちが住んでいたのが、茅葺きのちいさな古い家。もっとも、最後の家だって、実際は木造の粗末な家で、“レンガの家”ではありません。昭和30年代に、そんな家なんてありゃあしません。

●結局、4家族くらいの人間がひしめきあって夜をすごしました。
台風に慣れっこになっている人たちというのは、ある意味、台風の恐さを良く知っている人たちでもありましてね。

●夜半すぎにピークを迎えた強い風は、壁に空いたほんの小さな穴を、一瞬で20センチほどにしてしまいました。その瞬間から、男たちは、その隙間にシーツやボロ布等を詰めて..ふさいで、風がおさまるまで、一晩中でも押さえ続けなければなりません。
そうしないと、そこから入った風は、出口を求めて暴れまくり、あげく、天井を持ち上げて、飛ばしてしまうのです。

●子供でしたけど、恐かったですよ。家がミシミシと音をたてて、揺れるんですから。
それでも、そこは所詮子供。いつの間にか眠っていたらしく、目が覚めた時には台風一過でした。

家にもどると、茅葺きの屋根にはポッカリと穴が開いて、そこから真っ青な空が見えていました。
その真下に、亡くなったばかりの父の仏壇があって、ピンスポットが当たったように、明るい光りが差し込んでいましたっけ。

●タルコフスキーの映画みたいなその情景。(今となっては、私の頭の中でかなりディフォルメされているのかもしれません)一服の絵画のように、記憶の中にへばりついています。
朝のニュースを見ながら、思い出してしまいました。


【台風13号によって、被害をうけた方々には、心よりお見舞いを申し上げます。】


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2 コメント

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たしかに (mayumi)
2006-09-19 12:47:38
台風の勢力は、上陸するとどんどん弱くなるし

関東には あまり強い台風って来ないのかも知れませんね。

言われてみれば、最近なまっちょろい台風しか体験していない様な気がします。



子どもの頃、引っ越しという日に大きな台風が来て

借家の押し入れ(土壁でした)が崩れ落ちたことがあります。

幸い、布団は既に布団袋にまとめられていて

私たち家族に被害はありませんでした。



今回の台風、死傷者もでているし 竜巻も起きたり 脱線もあったり

いろいろな被害が出ましたね。

台風なんて言われると ついワクワクしちゃう私ですが

水の被害なんていうと 後始末はいかばかりかと...。

長崎は、水害の多いところですよね。そんな体験も

おありですか?

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私は、幸せものでして..。 (ふりかけ屋)
2006-09-19 21:23:32
>長崎は、水害の多いところですよね。

私は未体験です。(幸いなことに)でも、友人、クラスメートの中には、「諫早の大水害」「長崎水害」等々の実体験者が、多々いますよ。



押し入れの土壁が崩れてきたってのもスゴイですねえ。引っ越しの準備ができた後で、助かった..ってことですもんね。

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